2008年7月 7日

2008年7月夏の旅(鳩間島編 その3)


鳩間島に着いてから 我々は黙々と島中を歩き続けた。




【注意!!】

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鳩間島

上の画は 鳩間島にあった観光マップ


この島は周囲約4kmだが、北側半分は鬱蒼とした森で 「瑠璃の島」ロケ地は その殆どが南側


見るモノ全てが「瑠璃の島」で見た場所ばかりで飽きる事無く歩き回っていたわけだが...


それでも、島に上陸したのが10時少し前 けど、ほぼ3時間後の13時前には 南側の殆どの地域を歩き尽くし 撮りたい写真も撮り終えた。


気がつけば 気温は前日の石垣島よりも暑く、湿度も高い。


一服しようと いざ、散策している時に食事が出来そうだなと目星をつけていた店に行ってみると人影が無い。


ふと気づくと島中が一斉に隠れんぼを始めた様に 人影が全く無い。


仕方が無いので木陰で涼もうと思うが その木陰がなかなか見つからず、ようやく「あった」と思うと 先客がそこで昼寝をしている。


木陰探しをしているうちに いよいよ暑さはピークに至り、為す術を見失う。


気がつけば砂浜べりに腰を下ろし 靴と靴下を脱いで膝下まで海につかり涼を求めようとするが、海水まで生温い。


そんな時だった。


鳩間島


某理工学部教授がアロハシャツを脱いで上半身裸になり


「もう、こうなったら泳ぐぞ俺は!!」


と、叫ぶやいなや 白い砂浜を奇声を上げて海に向かって走り出し...


波打ち際目前で 悲鳴を上げて転んだ。


某理工学部教授は 砂浜に埋まっていた割れた貝殻を踏み、足の裏を深く切ったのだ。^^;


思った以上に血が流れ その血の量にビビる教授。


すると、二代目開業医が


「オマエ、運が良いなぁ...


 腕の良い医者と 万が一の為に


 いつも身から離さず持ち歩いている医者としての七つ道具の入った鞄が ここにある。」


そういって鞄の中を漁ると


「ほ~ら 針と糸もある


 まぁ、麻酔と消毒薬は無いけど こりゃ仕方が無いから我慢して貰うとして...」


と、教授の足の裏を縫い始める。


数分後、足の裏を5針縫われて グッタリした教授を私と二代目が引きずって 一人だけなら入れる木陰に連れて行き 教授を木に寄りかからせる。


気がつけば 各自が持っていた水の入ったペットボトルは 3人とも、殆どが空^^;


時計を見たら 2時少し前。


帰りの船が来るのは4時40分


その2時間40分が 途方もなく長く感じた。


「そう言えば 売店あったよな?

 あそこにコーラかなんか売ってんじゃねぇのか?」


鳩間島

二代目とジャンケン勝負の結果 負けた私が買いに行く羽目となる。


「オマエよぉ... 俺は心臓壊れてんだぞ?

 少しは患者に優しくしようって気は無ぇのか?」


私の負け惜しみに対して


「患者を主張するなら こんなクソ暑い所に来てんじゃ無ぇよ」


そう言い返されて言葉を失う。^^;


で、売店まで歩いて行ってみると... 売店に人影が無い。^^;


一瞬、途方に暮れかかるが 店の横に自動販売機がある事に気づきホッとする私


ポケットから百円玉を二枚取り出して投入口に入れ コーラのボタンを押すが、自動販売機は何の反応も示さない。


返却ボタンを押し、再度 投入し直しても やはり、反応が無い。


自動販売には電源がちゃんと入っており、「売り切れ」ランプもついていない。


もう一度、返却ボタンを押し、再度 投入し直しても やはり、反応が無い。


「おかしいなぁ...」


そう、思いながら確認すると 重大な事実に気がついた。


「釣り銭切れ」ランプが赤く光っている。^^;


「あ、そっか...」


そう思いながらポケットや小銭入れを確認したが 私は100円玉や50円玉はいっぱい持っているのに 肝心の10円玉を1枚も持っていない。


コーラ120円 


最低でも10円玉が2枚必要だ...


私は再び 教授と二代目が居る木陰のある場所まで歩いて戻り 子細を説明したのだが、教授も10円玉を一枚も持っておらず 二代目に至っては


「1万円札なら30枚ぐらい財布に入ってるけど 10円玉は無い」


その時、各自それぞれが そこそこの金額の札を それぞれ持っていながら、数枚の10円玉が無いばかりに 途方に暮れるオッサン3人。 orz


そう言えば...と 私は郵便局に行けば両替をして貰えるんじゃないかと思いつき 行ってみたが 郵便局も誰もいない。


完全にアウト状態で いよいよ日差しと湿度がズンと身体の芯まで蝕み始める。


そんな時である。


遠くから 雷鳴が聞こえた。


音の方向を見ると...


鳩間島

ちょうど、石垣島と鳩間島の中間辺りの海上にだけ どんよりとした雲が立ちこめ、その雲の下だけ霞んでいる。


これは北海道では見る事が出来ない 南国ならでは自然現象「スコール」だ。


「どうせなら 俺達の真上で降ればいいのに...」


誰ともなしに そう呟くアホ・オッサン3人組


時計を見ると3時少し前、帰りの船まで まだ2時間近く残っており、日差しも湿度も変わらないが 弱っていく精神で反比例的にキツく感じる。

それからまた、しばしの間を3人が途方に暮れていると...


ウェットスーツ姿の女の子が どこかから現れ、我々に


「あのぅ... 私、オジサン達とこの島に来る船で一緒だったんですけど...

 オジサン達が座っていた席のところに これ、落ちてたんですけど

 オジサン達の誰かのじゃないですか?」


と、悪趣味なポーチを差し出す。


それは 一人でジャングルに消えて 今頃は野生化して「イリオモテベンゴシ」になっているはずの男の持ち物だ。


一応、中を開けて確認すると 財布と携帯、それに何故か交通安全のお守りが入っており、小銭は一枚も無い。^^;


酷く落胆するオッサン3人だったが 私は ふと思いつき 弁護士の財布を開くと そこには何枚かのカードと共に 1万円札が10枚入っている。


私は そこから1万円札を5枚引き抜くと 届けてくれた女の子に


「少なくて悪いけど これは落とし物を届けてくれた謝礼だと思って受け取ってくれないか?

 で、大変、セコくて申し訳ないけど 10円玉を6枚、オジサン達にお釣りをくれないか?」


と言うと、二代目も教授も 私の行為を


「そりゃそうだ 御礼はちゃんとしなくちゃな」


と、「どうせ 弁護士の金だからいいや」的気持ちと 「頼むから10円玉を恵んでくれ」という切実な思いが入り混じった同意で ウンウンと頷いている。


もっとも、そんな申し出に不審がる女の子だったので


「自動販売機が釣り銭切れで 飲み物を買えずに困って居るんだ」


と、理由を話すと


「あ、じゃ ちょっと待ってて下さいね」


と、言い残し 数分後、自動販売機まで行ってコーラを3本買ってきてれた。


だから、遠慮して 最初は受け取らなかった女の子に オッサン3人は飲み物をようやく手に入れた感激も相俟って


「頼むから 気持ちよく受け取って!!」


と、5万円を握らせ 半ば強引に受け取らせたのであった。^^;


美味かった。


その時のコーラは 間違い無く我が人生でベスト3に入る程、美味いコーラだった。


女の子は 我々がグビグビと喉を鳴らせてコーラを飲む姿に何かを感じたのか また、自動販売機まで行って 今度はカルピスウォーターを3本買ってきてくれると


「じゃ、友達が民宿で待ってるんで行きますねぇ」


と、去っていくその後ろ姿は まさに我々にとって女神だった。




時計が3時半を少し過ぎた頃...


一人でジャングルに消えていたはずの「気の弱い弁護士」が何処からか


「オマエら ここにいたのか...」


と、力の無い声で現れ


「それがさぁ...

 俺、島のどこかで財布や携帯を入れたポーチを落としちゃってさぁ...

 今まで、思いつくところ全部、何度も見直してきたんだけど無くてさぁ...」


ホントにコイツは使えない。^^;


二代目が さっき女の子が届けてくれたポーチを弁護士に差し出し


「船の中に置き忘れていたのを 親切な人が届けてくれた」


と言うと


「あぁ、良かった... これでようやく飲み物が飲める」


と、嬉しそうに また何処かに消え、そして、数分後に 再び我々の所に戻ってくると


「なあ? 誰か10円玉を持ってない?

 売店には人がいないし 自動販売機は「釣り銭切れ」になってて買えないんだよぉ...(ToT)」


我々は 心の中で「ザマァミロ」と笑いつつ


「え? ほんとに?」


「あ、ごめん 俺、10円玉は持ってないや...

 100円玉や50円玉はあるけど それじゃダメか?」


等と とぼけて応え、それに対して弁護士は


「10円玉が1枚だけ足りないんだよぉ...」


と、泣きそうな表情。


二代目は


「あと1時間で帰りの船が来るから 我慢しろよ」


と、冷たく言い放ち ブツブツ言いながらも それに従う弁護士だった。^^;


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