2008年4月 9日

2008年春の旅(とある事情編 その2)


鹿児島空港を後にした私達だった。



尚、冒頭に辺り これから述べる内容は


   この物語はフィクションです。

   実在する個人・団体・企業等とは一切、関係がございません。


と、断っておくので どうか、そのおつもりで^^;





[map:鹿児島県鹿児島市鴨池新町]

運転手は私、車掌は二代目開業医というコンビで チョロQは発車した。


晴れ上がったポカポカ陽気のドライブ日和の下 最初の目的地は鴨池港


そこから垂水に向かうフェリーに乗り まずは鹿屋へと向かう


助手席に座る二代目開業医は ずっと不機嫌なまま。


黙って窓から外を眺めながらタバコを吸っていたが、そのタバコを吸い終えると首から携帯電話を取り出し 電話をかけた。


「@@病院の二代目開業医だが、支店長いるかい?」


やはり、電話の相手は 今回の旅を仕切った某製薬会社。


すぐに支店長が 電話を代わったのであろう、それに対して


「あぁ、支店長?

 うん、そうそう 愉しい旅の途中なんだけどね…

 あまりにも愉快なイベントに遭遇してさ はらわたが煮えくり返ってるのね

 ま、そんなわけだから今後のそちらとの付き合いは大幅に縮小させてもらうんで

 そのつもりでヨロシク…」


と、言って携帯電話をプッと切ってる。^^;


横で聞いていた私は苦笑いしながらも


「オマエ そりゃ、すこし大人気無いんじゃないの?」


と言ったのだが、二代目はムッとしたまま 二本目の煙草を取り出して火をつける。


すると、二代目の電話が鳴り どうやら相手は今回の仕切りを担当した事業部の責任者らしい


「あのな、俺は…


 1台は セド○ックでも、シ○マでもなく セルシ○を用意しろ


 そして、もう1台はセド○ックでも、シ○マでも どれでも良いから 間違い無く良いナビ積んだのを用意しろ


 …って指示したよな?


 たしかに、セルシ○は用意されてたよ

 しかしな、もう1台はチョロQみたいな車なんだよ どういう事?」


相手は長々と言い訳をし 二代目はブスッとした顔で聞いている。


そんな時間が しばし過ぎたところで


「とりあえず、判ったよ

 でもな、これだけは言っておくよ


 医者が製薬会社に注文する時、受注した製薬会社が受注内容に疑問を抱いたのなら

 それは直ぐに注文した医者に確認しなきゃ駄目だろう?

 今回はお遊びの車だから笑って済ます事も出来るけど もし、薬や医療器具だったらどうする?

 患者が死ぬ…まであるんじゃないのか?

 俺は そういう危機感を持っていないとアンタ達を判断した… そういう事だから」


と、言って二代目は電話を切った。


まぁ、こじつけの様にも聞こえるが 正論だと私も思う。^^;


そんなこんなのうちに車は鴨池港に着き そのままフェリーに乗る。


2008年春の旅


  ● 「2008年春の旅(鹿児島編 その1 桜島)


まぁ、たまたまなのであろうけど 同時に、地元で暮らしている方々には迷惑な話で申し訳ないけど 観光客気分の我々には 桜島の噴火に遭遇出来たのは下手なショーを見るよりも「おぉ、鹿児島だ!」という気分を味わえたわけだが…


フェリー上で一緒にそれを眺めていた二代目に


「オマエがカッカしてっから、つられて桜島が噴火したんだな」


と、私が言ったのが 余程、彼は気に入らなかったらしい。^^;


あっと言う間にフェリーは垂水に着き 車を鹿屋に向けて走らせる中、ずっとムスッとしている二代目開業医。


順調に、ともすれば予定より早く鹿屋の海上自衛隊航空基地に着き周囲を散策したり 資料館を見学したり…


予定より早くには着いたけど、予定の時間では足りないぐらい この資料館の展示物に目を惹かれた私達。


お陰で資料館を後にして 次の目的地である知覧へと出発する頃には 二代目の機嫌はすっかり変わっており、海軍の匂いを嗅いで かつて「屯田兵の御隠居」と呼ばれた爺さんが学生だった私達相手にしてくれた四方山話を思い出すかの如く 遠くを見てる。


しかしながら、そんな横で 私は車のナビを相手に


「あれ? あれれ?」


と、悩み始める。


と言うのは 札幌で事前に検討した時、鹿屋に来る時に利用した鴨池-垂水間のフェリーとは別に 鹿屋よりも南側の港から指宿の近くに行くフェリーがあり、私は それを利用して知覧に移動するつもりだったのだが… 車のナビに そのフェリーの表示が出ないのだ。


しかも、私の記憶では確か「山川-南大隅」間のフェリーだったはずなのだが この「南大隅」という地名がナビに出ない。


まぁ、後で判った事なのだが、山川町は指宿市に、根占町は南大隅町へと数年前に市町村合併で変更となっており、「山川-南大隅」間のフェリーも平成18年11月からの就航なのに対して カーナビの地図データは2004年版なのだから表示する訳が無い。^^;


しかしながら、そんな事実は後になって判った話で「良いナビがついている」と信じていた私は、その地図データのズレは その時には夢にも思わず…


「なんで? どうして?」


と、パニクったのは言うまでも無い。


試行錯誤の結果、


「こりゃあ、レンタカー会社に電話で聞くしか無ぇべ」


って事で 二代目がレンタカー会社に電話をすると


「山川-南大隅間のフェリーって 今はもう廃止になってるんじゃ無かったかなぁ…」


と、あやふやな返事の上で


「鴨池-垂水間のフェリーで鹿児島市に戻って 知覧に向かわれた方が早いですよ」


と、言われたという。


それを聞いて色々と不愉快な思いが巡り始めたが、そこで怒っても仕方が無いと自分に言い聞かせて 私は垂水に戻るルートを車を走らせ始めたのだが… その時である。


「あれれ?」


と思う間もなく 車のフロントガラスがクリーム色に曇り始める。


そう、これが噂に聞いた桜島の降灰だ。^^;


近年、札幌でも黄砂に見舞われる機会が増えているが そんな程度では無い。


かつて、有珠山の噴火を二度遭遇した私としては その時に浴びた降灰ほど酷くは感じなかったが、それでもなかなかの量である。


ゆえに、車のウォッシャーを作動させワイパーを動かした瞬間、「キュ~~」と まるで猫や犬が首を絞められた時に発しそうな異音が生じ、やがて「グキッ」という鈍い音


私と二代目は目が点になった。


たいていの車には フロントガラスを拭く為に運転手側と助手席側として2本のワイパーが装備されている。


この時、その運転手側のワイパーがブレードとの接続部から先が折れたのか外れたのかは定かでは無いが、とにかく ワイパーの先っぽが無くなったのだ。


これ、経験すると判って貰えると思う、というか 経験の無い方に想像を求めるのは無理かもしれないと思う程 驚くよ。^^;


車を路肩に停めて 降りて確認し、仕方なく 持参したタオルで車のフロントガラスを拭き 自分を落ち着かせる為にタバコを吸う。


その日の私の服装は上下、真っ白のジャージだったのだが 作業を終えた時にはクリーム色に変わっていた。


タバコを吸い終えた時、私の堪忍袋もワイパーの様にポキリと音がした。


二代目からレンタカー会社の電話番号を聞くと 携帯電話をプッシュし、電話に出た女の子に


「とにかく、周囲を見回して 一番偉い奴に電話を替わってくれ」


と、告げる私。


で、替わって出た”偉い奴”に


「よぉ、おめぇんとこの車は ワイパーを作動させるとポッキリ折れるのが標準装備か?

 それとも何か、車によっては ワイパーが瞬間的に花に変わったり、

 鳩になっちゃうようなマジック・オプションでも積んでんのか?」


と、怒鳴り出す私。


私の横で二代目は某製薬会社に電話をかけており…


「聞こえるだろ? 俺の横でレンタカー会社に電話で怒鳴っている奴の声

 悪いけど、俺が怒っているうちは まだ良いけどよ

 隣の奴が こんなに怒っちゃったら もう、駄目だな…^^;


 あ、ちなみに この怒鳴っている奴、ウチの病院の理事の一人で

 ともすれば、院長の俺でも頭が上がらない奴だから

 俺、もう知らないから 悪く思うなよ…」


と、愉しそうに喋っていた。




                           (とある事情編 その3)に続く

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