2016年4月24日

雑感(4月24日)


数日前の事だ。





道内のとある地方にお住まいの方(仮に、その方を以降Uさんと呼ぶ。)が私が入院している病院に転院してきた。


その時、私はいつものように喫煙室で交通事故で入院しているヤクザを虐めてストレス発散した後に さらに、いつもの様にマッサージをしてもらいにリハビリ室へと行ったのだが、リハビリ室には既に何人かの患者がおり その一人がUさんだった。


私は年明けから痛んで仕方がない左肩をマッサージしてもらっていたのだが、背後で言い争う男女の声が聞こえ 振り向いてそちらを見るとUさんが奥さんとなにやら言い争っている


別に盗み聞きしようと思ったわけでは無いのだが 二人とも地声が大きく、たぶんその会話はリハビリルーム中に響いていたから 結果、暇潰しのラジオの様に二人の会話を聞いてしまったわけだ。


で、その会話だが 要約すると、Uさんが奥さんに何処かへ5万円を届けて欲しいと奥さんに頼んでいたのだが それに対して奥さんは旦那自身が入院中でなにかとお金がかかる状態なのに なんでそんな金を余所に持っていかなければならないの?という意味合いで 二人の会話は延々と平行線を辿り、ついにはUさんが殆ど怒った口調で


「つべこべ文句を言わずに持って行け ったら、持って行け!」


という一言に 奥さんが怒ったようにリハビリルームを出て行って終了した。


その後、Uさんはムスッとした表情のままインストラクターの指導に従いストレッチをしていて そのインストラクターがUさんに


「焼き鳥屋さんにお金を届けろって言ってましたけど ツケでも溜めちゃってたんですか?」


と話しかけると


「そんなんじゃないよ 支援金だよ、私が届けろって言ったのは」


不機嫌そうにUさんが応えた。


「え? 支援金ってアレですか? 熊本の地震の?」


インストラクターが重ねて聞くとUさんは


「被災者への支援じゃないよ 災害派遣に出動している自衛隊員や消防隊員の家族への支援だよ」


そういう応えを聞いて 私はつい反応してしまった。


「何それ? ちょっと詳しく聞かせてよ」


すると、Uさんが話してくれたのを要約すると...


Uさんが住んでいるところは北海道のとある地方で そこには陸上自衛隊のそこそこの規模の部隊の駐屯地があり、Uさん自身も定年退職した元自衛官で その街に退職金で家を建て住み着いたのだという


で、その街にある とある「焼き鳥屋の親父」は根っからの自衛隊支援者で その街の部隊が災害派遣で道外に長期間派遣されると その間、旦那が派遣出動中で男手の無い自衛官の家庭に「何でも屋」的ボランティアを行っているのだそうな


Uさんは現職時代からその「焼き鳥屋の親父」の活動を知っており、実際に世話になった事もあるので 退職後は活動資金の足しにしてくれといくばくかの金銭を届けたり、ボランティアを手伝ったりしているのだそうな


今回の熊本地震の災害派遣にも その街の駐屯地からも相当数の隊員が派遣されたので Uさんとしてはじっとしていられなかったんだな。


熊本地震の義援金受付と称して呼びかけておきながら 保険屋の免責事項並に小さな字で集まったお金を選挙資金にも使いますと宣う詐欺同然の政党なんかがあるこの世の中において「自衛隊は家族も同然」と公言する私には


「そんなバックアップのやり方があったのか」


と、目から鱗


ゆえに、暇そうな次女の婿を呼び出し いくばくかのお金を入れた茶封筒を預け、Uさんから聞き出した その焼き鳥屋へ匿名で届けるように指示したのは言うまでも無い。




さて、そのお使いから戻った次女の婿の話によると...


そもそもは その「焼き鳥屋の親父」が少年サッカーのチームを運営しており そのチームに所属する子供達の父兄の殆どが自衛隊関係者だった事で、ある時 その街の部隊が長期間道外に派遣された時に サッカーチムに所属する子供の父親で派遣隊員でありながら、「先年、母親が病気で他界してしまった姉弟だけを残して行かなければならない」者とか、「同居している父親(爺さん)が具合を悪くして入院してしまった」者とか、家庭に気がかりな事を抱いたまま出動しなければならない者が大勢居たので その人達が派遣中に生じる雑事を他の父兄達と手分けして手伝ったのが由来だそうな。


今ではそれが自衛官の家族だけにとどまらず、警察や消防で派遣される家族達にも支援は広がっているそうで 実際に私の次女の婿がその店に行った時も 必要とされる家庭に対する仕出しの用意や幼稚園の送迎などで大忙しだったそうだ。




さてさて...


数日前、facebookの記事の中に 災害派遣に出動中の自衛隊員達は 被災者の目に触れないところで冷えた缶飯(今はレトルトのレーションなのかもしれないが)を食べて過ごしている...何て記事が掲示され それを良い意味や良からぬ意味に解釈して論議されたようだけど、そんなのって今始まった事じゃないんだよね


遙か昔、その時の総理大臣・吉田茂から「自衛官は日陰者であれ」と防大卒業生が訓示されたせいかどうかは判らないけど 自衛官達にはそういう精神というか、一般市民に対する配慮が骨身に染みているのだ。


阪神大震災以降 いくつかの災害や震災を経て たしかに国民の自衛隊に対する見方や風潮は大きく変わったけれども 左翼思想のクソバカヤロウ共やマスコミの意識は未だに何一つ変わったとは感じられない


被災地に派遣されて行動する自衛官の多くは 心の奥底に「被災者のため、そして国民のため」という気持ちを抱きながらも「これは任務であり、使命」という思いでいるから誰かから感謝されたり褒めて貰いたくての行動なんかじゃ無いと知っている。


自衛官が出動を命じられるという事は その自衛官の家庭においては


「お父さんは こういう時にこそ身体を張る使命があるの

 だから、お父さんが気兼ねなく出かけていられるように みんなで協力しましょうね」


それが、かつての自衛隊官舎でのあたりまえの躾で たぶん、今もそれは大きく違ってはいないはず。


例えば、東日本大震災を思い起こすと 被災地を管轄する部隊の隊員は自分の家族も被災者であるにも関わらず、災害派遣に出動している


それって、言い方を変えれば 被災地の自衛官家庭では「お父さん不在」で過ごしているわけで 同じ被災者という視点で見た時、それが家庭にとってどれだけの負担か想像してみて欲しい 


父親が自衛官で官舎暮らしで育った私としては その辺を充分に見知っているからこそ そう言う状況下の自衛隊官舎に対する配慮のボランティアが存在し、それを行っている人達がいるというのは 本当に良い時代になったんだなと目頭が熱くなる。


その上で、災害派遣に従事する隊員達を賛美しろとか敬え等とは言う気は毛頭無いが、であるがゆえに、被災者のためにと自身の家庭そっちのけで骨身を削る者達の邪魔だけはして欲しく無いと切に願うわけで それらの邪魔をする事は 結果的に被災者達にとっての不幸が増す事に繋がっている事こそにも気付けと言いたいんだ。


「迷彩服で活動するな」「炊き出しの飯をスコップで掻き混ぜるな」「オスプレイなんかいらない」「自衛隊車両が長い隊列で幹線道路を走ると迷惑」「空母みたいな船が港に入ったおかげで 今日は全然、魚が釣れない」... 怒られる事を覚悟で言わせてもらうけど、そういうアホな事を言う輩こそ被災しろと思うんだ私は。

コメント(3)

ブタネコさんへ
ご無沙汰しています、久しぶりの雑感なので、早速反応します。
ここのところの災害頻発でで自衛隊は休む間もなくこき使われていますが、隊員の休息は十分図られているか心配でなりません。
今日のブログ内容にもあるように、先陣の隊員の苦労も図り知れませんが、後方支援たる家族のご苦労の並み大抵でないことを知り、頭が下がる思いです。
先日、自衛隊関連の記事で空自のOBが現場を訪ねてスクランブル要員の激務に驚いて’休みは取っているのか’と尋ねたら、その隊員は’それなりに取っていますから安心してください’と笑いながら答えたとありました。
OBはとてもじゃないけど、休んでいる暇はないとの印象を受けたと記事は結んでいました。
パイロットがそんな状態だと、それを支える整備関連の隊員も同じような激務だと想像できます。
今から7,8年前、大東亜戦争時のパイロットの数で日本はアメリカに負けていたことを知り、ブタネコさんに現在の自衛隊ではパイロット数は足りているのですかと尋ねたことがあるのですが、その時の答えは十分対応できているはずとの事でした。
ソ連に加えて中国の領空侵犯が劇的に増えていることが原因らしいのですが、これから先大丈夫ですかね?
貴重な隊員達が消耗させられるのが、腹が立つし不安です。
トルコがやったように、侵犯しない様に撃ち落とせばよいと思います、何度警告しても止めないのなら止める方法は一つです。
最近年取ったのか、言動が過激です。
先日来の護衛艦の写真、楽しませていただきました。
先日は心神も飛んだし、少しは良い話題でほっとしています。

私の両親が熊本県に住んでいて被災しました。
幸い私の実家は全壊・半壊された家に比べればまだいいほうでケガもなく無事でした。

それでもとある避難所に避難していた時に自衛隊の車列が来るのを見たときは心からホットしたと、そして周りにいた人達も歓声こそ上げなかったものの皆同じだったと言います。母親は自衛隊の隊員の姿を見かけた時「これで何とかなる」と思ったそうです。物資的な支援もそうですが被災者の心に与えた安堵感という支援は計り知れないものがあると思います。(被害の程度が最悪でなかったからかもしれませんが)
私は日帰りでお見舞いに行っただけなので直接自衛隊の方々に
感謝の気持ちを伝えることも出来ず仕舞いでしたが。

自衛隊の方々はそんな事は期待されてはいないかもしれませんがそれでも「感謝」の言葉しかありません。

もともと自衛隊に対して肯定的というか、何故自衛隊に文句を
いう人がいるのかが理解できない家族でしたが今回改めてその存在の大きさに気づかされました。それを支える自衛官の家族の方々やUさんの様な方がにも感謝の気持ちで一杯です。


★ ボース さん


返信が遅くなってごめんなさい。

自衛隊の苦労は未だに少なく無いと思いつつ、そんな中にあって私が嬉しいと感じたのは そんな自衛隊を支えようとする活動が増えた事です。

もちろんそれは「戦争をしたがっている自衛隊を応援する」と左系の連中が曲解しそうな表現ですけれども 別に武器・弾薬や兵器を支援という意味では無く 隊員達が職務に専念出来る為の後方支援という意味で それがこれまでには全く顧みられる事が無かったからです。


★ けんしろう さん


返信が遅くなってごめんなさい。

あくまでも個人的な感覚なのですが、大規模な震災に見舞われた地域の人々を 被災しなかった地域の人々が何らかのかたちで救いの手をさしのべたいと考える事は 同じ国の国民として至極当然だと思うのですが、では、何をどうすればいいのか? それを個々の国民がそれぞれ独自に考え行動するには無理や無駄が多すぎます

昨今ではボランティアと称して個人的に被災地に赴く活動をする方も増え それはそれで良い事だとは思うのですが、ボランティアが増えたぶん それらにまつわるトラブルやメディアに振り回されたり等で 被災地におけるボランティアの活動内容や人員配置に格差が生じていたりすると聞き及んでおります

ゆえに、私はあくまでも個人的にではありますが 例えば、東日本大震災 そして今回の九州の地震に際して災害派遣として出動した私の住む北海道の部隊は 私の代わりに出動してくれたのだと勝手に解釈しておりまして

であるがゆえに、近隣の隊員を派遣している駐屯地や基地に対しては「(私の代わりに行ってくれて)ありがとう」と感謝し、私で出来る範囲内ではありますが 何らかのかたちで支援なり、掩護なりに協力させて頂こうと行動する次第です。

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