2010年3月31日

ブルームーン


珍しく、今宵の夕食は病院食の私だった。



配膳しつつ担当看護師のCちゃんは いつもの様に私の病室で我が愛妻が煎れてくれたコーヒーをポットから勝手に自分のマグカップに注いで飲みながらサボっていた。


そんなCちゃんが外を眺めながら何気に言う。


「ねぇ? ブタネコさん知ってます? 今日、ブルームーンなんですよ」


私は味気の無い病院食に アジシオをふりかけながら


「だから、何だ?」


「ブルームーンを見ると幸せになれるんですって…」


「余計なお世話だ…って その月に言ってやれ」


「なんで、そんな事言うんですか? 素直に幸せになれるって信じれば良いじゃないですかぁ」


「バカモノ!! 月見たぐらいで幸せになれるんだったら 月で餅をついているウサギ達の立場が無ぇだろが」


「なんだかなぁ… もっと、ロマンを大切にしましょうよ」


「バカモノ!! 俺の世代にロマンって言ったら 4畳半くんずほぐれつ…みたいなポルノ映画だ」


「幸せになれるんですよ?」


「ロマンポルノを見て幸せな気持ちになれってか?」


「そうじゃなくて、月を見てですねぇ…」


Cちゃんと私の会話は咬み合わない。^^;


おそらく、Cちゃんは話を変えようと思ったんだろうなぁ…


「ねぇ、ブタネコさん ブルームーンって どういう意味ですか?」


「あぁ? そりゃオマエ、上原謙と高峰三枝子がCMで…って 知らないか?」


「知りません。」


「じゃぁ、女の子が大人になって月に一度ブルーになっちゃう…」


「オヤジな話はやめてください」


「基本的に、満月ってのは1ヶ月に1度なんだけど、時々 ひと月の間に2回満月のある時があるの

 例えば、今年の1月もそうだったんだけど1日と30日が満月みたいな時、その2回目

 つまり、今月なら今日(30日)の満月の事を”ブルームーン”って呼び、

 滅多にない事を見る…って意味でラッキーになれるって言われてるの」


「ちゃんと知ってるなら、最初からそれを言って下さいよ くだらないボケなんかしないで…」


「だって、ひと月の間に二回もブルーな日がやってきたら 本当にブルーに…」


「それ、娘さんやママ(うちの嫁)にも言えます?」


「まぁ、それはともかく じゃぁ、折角だから 一緒にお月様でも見ようか」




それが、今日(あ、もう昨日か)の出来事だ。

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