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2012年07月01日

● リーガル・ハイ 第1話 再考


久しぶりに「もう一度味わい直してみよう」と感じたドラマに出会った様な気がして録画を第1話から再見してみた。




リーガル・ハイ


まず、このドラマの秀逸な点は第1話の冒頭から主人公・古美門が拝金弁護士だとあからさまに描いている点。


リーガル・ハイ


教えてあげよう、正義は金で買える。 金を持って来い!


これまでにもこういった描き方のドラマが無かったわけでは無いが、この「リーガル・ハイ」がそれらと異質なのは 単にコメディとして面白可笑しく描く為の拝金主義では無く、この国の弁護士達の多くが実際はそうであるにも関わらず、典型的な日本人特有の「本音とタテマエ」の使い分けにより あたかも自分は「拝金主義では無く、社会正義を重んじ…」みたいに振る舞っているところへの風刺の効き方にあると私は思う。


例えば、裁判の判決というのは「何が正義かを示すもの」…という原理原則みたいな考え方がある。


つまり、刑事事件の場合「ブタネコは禁固3年の刑に処す」という判決が出たならば 言い方を乱暴に変えると「ブタネコは禁固3年に罰するに値する悪い事をした」と正義の名の下に判断された…って事であり、民事紛争において「ブタネコは原告に300万円の賠償を支払え」という判決が下されたならば、言い方を乱暴に変えると「ブタネコと原告の言い分を正義の名の下に法に照らして公正に判断した結果、ブタネコは300万円ぶんの迷惑を原告にかけたと判断したので弁償しろ」という様な意味にもなるわけで…


まぁ、この日本という国に限った話では無いのだろうけど いち日本人としてこの日本という国に限って言えば この国の法律や司法にはまだまだいろんな矛盾が数多く存在しており、その弁護士が優秀か否かを測る基準は「如何に依頼人の側に親身になるか」ではなく「如何に相手から賠償金をふんだくるか」や「如何に情状酌量を認めさせて量刑を軽くさせるか」であり、つきつめて乱暴に言い表せば「どれだけ弁護士報酬を稼いでいるか?」だと言っても過言では無いのが現実なのだ。


ただし、注意して区分けして考えておかなければならない事は これも乱暴な表現で言うと「弁護士報酬を稼ぐ」事が目的の弁護士がいる反面、「報酬よりも名誉」を重んじる弁護士も現実には少なくなく いわゆる、「死刑を回避する」事だけに執念を燃やすなど 一般的に「人権派」と呼ばれる弁護士は少なくないが、この「人権派弁護士」の中には真の意味での弱者救済を目的にしている弁護士も少なくない反面、その弁護士自身が思い描く理想的な判決を得る為には、依頼人や被害者の実情など二の次という単に自分の名誉欲の為だけに弁護士をしてるんじゃないの?…みたいな輩も少なくない点である。


思うに、弁護士に何かを依頼した経験のある方なら その多くが体験した事に、最初の相談の際に「~という人と ~な状況でトラブルになってしまい…」と事情を説明した時、ほとんどの弁護士が


「それは、なかなか難しい状況になってしまいましたね…」


…みたいな事を言われたはずだ。


これって落ち着いて考えてみれば当たり前の話で難しい状況になったから相談に来てるのであって難しくなければ弁護士なんかには頼まないでしょ? 普通は。


占い師の前に座った時に 占い師が「あ~、とても悩んでおられますね」というのと全く同じなんだ


が、弁護士の場合 最初にそう切り出すのは 依頼人に対して


「この件は そうそうアナタ(依頼人)の思う様には解決出来ませんよ(勝てるとは限らない)」


という前フリであり、そう釘を刺しておかないと裁判慣れしていない日本人は 裁判に負けると(勝ったのに思い通りの判決を得られなかった時も同様)それを弁護士の責任だと八つ当たりする輩が多すぎるからでもある。


が、そんな事はともかくとして…


この第1話は


リーガル・ハイ


バイト先の上司を刺し殺したとして一審で懲役10年の判決を受けた被告が冤罪か否か?という刑事事件がベースになっているわけだが…


リーガル・ハイ


犯行時に公園でコーヒーを飲みながら花を見て過ごしていたのがアリバイだという点で 自分が無実であると被告は主張する。


ドラマのこの辺の描き方が実に巧いなぁ…と感心したのは


リーガル・ハイ


古美門が売店の主人に対して暗示を掛けるかの如く その日、被告がそこにいたと植え付ける事


たぶん、多くの視聴者はこの部分の流れに「古美門は勝つ為なら平気ででっち上げる」という印象を強く受けたと思うのね。


でもね、私は私自身がへそ曲がりである事が最大の理由でもあるんだけど この部分の演出・脚本って 古美門というキャラクターだけを描いているのでは無く、もっと別な何かを風刺している様に感じたのね


例えば、TVの報道やワイドショーにも こんな感じの事が言える… と、いう風に。


何かの事件が起き、ある人物がその犯人として逮捕された時


「捜査関係者の話によりますと 容疑者は日頃から被害者とトラブっており、”ブッ殺す”と言っていたそうです」


とか、容疑者の自宅の近所の住人が


「いつも暗い感じで薄気味の悪い人でした」


なんてインタビューを流すのって まだ容疑者の段階なのに、「犯人です」って決めつけて視聴者に対して潜在的に植え付けている…って考えられないかい? と。


要するに、このドラマの制作陣は コミカルタッチで「本音」とか「現実」という部分を描きつつ、更にはそのものとは別の事柄に対する風刺めいた批判を巧みに埋め込んでいる… そう感じたんだ。




古美門のそんな風刺は2話以降を再見した今後の記事でも触れるだろうから 今回はこのぐらいにして 別の面で第1話に関する私見を記しておくと…


この第1話で私が最も「おぉ?!」と感心したのは


リーガル・ハイ


検察側の証人として登場した女子大生が「波瑠」だった事。


波瑠に関するブタネコの私見としては『波瑠』カテゴリ-の記事を御参照願うとして…


彼女へのこれまでの印象は


女の子ものがたり

女の子ものがたり

(映画「女の子ものがたり」より)


という風に 髪が長く、役柄も暗めや虐めっ子が印象強かった事もあって エンドクレジットを見るまで不覚にも波瑠だと全く気づけていなかった。


そして、このドラマがオンエアーされるのとほぼ同時期に放送され始めたドコモのCM


CM

CM


この新人OLが「波瑠」だと これまた直ぐには気づけなかった


だから、この第1話とドコモのCMがそれぞれ波瑠だと判った時 良い意味で化けたなぁ…と感心すると同時に この第1話における証人の女子大生役にキャスティングし、尚かつそのキャラを演じさせた制作陣の手腕にも敬意を表したい。


だってさ、


リーガル・ハイ


「波瑠」のこんな笑い方や


リーガル・ハイ


いかにも社交的な今風の女の子の喋り方なんて これまでの彼女の役柄に見た事無いもんね


で、褒めたいのはそれだけじゃなく


リーガル・ハイ

リーガル・ハイ

リーガル・ハイ

リーガル・ハイ

リーガル・ハイ


黛(新垣結衣)からブログの記事と掲載日の整合性のズレを指摘され始めてからの 波瑠の表情(特に目)の演技が実に秀逸だった事。


これは演出・演技・そしてカメラワークのアンサンブルが見事に決まった場面なんだな


ゆえに、今後の波瑠の飛躍をあらためて確信した次第。


ちなみに、「新垣結衣」と「波瑠」は映画「恋空」でも共演しており この時と今回のと彼女たちの演技を比べるのも実に興味深いものがある。


それとね、この証人である女子大生の証言


「売店で買ったコーヒーを飲みながら日が暮れるまでベンチで植物のデッサンをしていた」


というのは ブログの他の記事(ラーメン屋とか)等の日付の不整合性を黛から指摘され 証言の信憑性は瓦解したけれど、この証言がなされた9月3日の午後2時頃「売店で買ったコーヒーをベンチで飲んでいた」のが もし、本当に彼女だったら?


他のブログの記事に日付の整合性がとれないものがあったから、全体の信用性も薄い… そう判断されてしまうのって 先述した、売店の主人が古美門に記憶を誘導されるのと実に対照的な展開であり、ドラマの展開として実に巧みな構成だなぁ…と感心する


そう、真実が信用性を疑われ 曖昧な記憶が暗示によってあたかも真実の如く信用される…


リーガル・ハイ

リーガル・ハイ



古美門「怖くなったか? 自分が殺人犯を野に放ってしまったのではないかと。」


黛「先生は、彼がやったと思ってたんですか?」


古美門「どっちでもいい やっていようがやっていまいがそんなのは私に関係ないし、何の興味もない。

    検察の証拠は不十分だった、だから彼は無罪になった、それが法だ。 三木の元に帰りなさい。」


黛「でも、だとすると真実は?」


古美門「うぬぼれるな、我々は神ではない、ただの弁護士だ 真実が何かなんて分かるはずがない。」


黛「だったら、私たちは何を信じればいいんですか?」


古美門「自分で探せ!」



取り調べの方法に問題があれば 実際は犯罪者でも無罪になり、実際は無罪なのにそれが証明出来なければ犯人とされてしまう時もある… そんな対照的な事柄を実に巧く描いたと言わざるを得ないんだな


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