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2012年04月04日

● 消失グラデーション


「第31回横溝正史ミステリ大賞受賞」という帯のついた小説「消失グラデーション」を読んだ。




消失グラデーション

著:長澤樹 刊:角川書店 ISBN:978-4-04-874256-6


私の感想として「横溝正史ミステリ大賞」と銘打った受賞作に これまで殆ど「面白かった」と感じた本は無い。


個人的に「横溝正史」先生を敬愛している身として御名を冠にしている大賞作が 純粋に「ミステリー」というカテゴリーとは思えない作品まであり、ガッカリどころか憤りさえ感じた事も数多い。


が、そんな事はどうでもいい。


たまたま入院患者の顔見知りの一人がこの本を喫煙室で読んでいるのを見かけ


「面白い?」


と聞くと


「悪くないですね」


という感想。


なので、第二婿(次女の婿)に買ってこさせて読んでみた。




読んだ感想を率直に述べると…


久しぶりに本格的なミステリーを読んだ気がした。


内容的には 盛り込まれている内容の中にある今風のネタが少々個人的にはいただけなかったが、それは些末な事と受け止めている。


雰囲気的に 東野圭吾がデビュー仕立ての頃でまだ純粋なミステリー作家だった頃の作品、舞台が高校という事もあって「放課後」あたりを思い出す。


ミステリーの醍醐味の一つは終盤で「なるほどなぁ」とか「お、そうだったのか」と読者を唸らせるところにあり、この「消失グラデーション」はその点に関して及第点だと思う。


たしかに、所々に粗があり 初見を読了の後、確認も込めてもう一度読んでみると残念な部分が数カ所ハッキリした。


でもね、「確認を込めてもう一度読む」事をさせられたという事自体が私にとっては充分に評価に値する作だとも言える。




amazonのレビューを見ると この本の評価は五段階評定で☆3つといった感じ


正直言って、私はamazonのレビューをその本を購入する前の段階では信用していないのだが 読後に、いろんな人のレビューを読んで自分の感想と比べるのは大好きだったりする。


で、この本のレビューを読み低い評価の方の感想を集約すると


  ・展開が強引

  ・トリックに難点

  ・文章が稚拙


という点を指摘する方が多い。


たしかに、それらを私も否定出来難い。


でもね、では昨今の「本格推理小説」を書く作家達、そしてそんな作家達の著作はどうなのか?と考えた時


  ・展開が御都合主義てんこ盛り

  ・そもそも「トリック」が無い


そんなのばかりでありながら大先生扱いで持ち上げられてさえいる作家が結構いるよね?


ゆえに、そんな作家の作を「傑作だ」とか「面白い」とか「☆5」なんて評価する輩にそもそも「本格推理小説」を語って欲しくないとさえ私は感じているので 新人作家の作品に対してそれらの部分で酷評するよりも むしろ、チャレンジを迎合すべきであり、次回作に期待したいなんて思う


で、私としては根本的に不快な点は別のところにある。


●「歴代受賞作の中でも三本の指に入る逸品!」(綾辻行人)


横溝正史の名を冠した賞の大賞作が 過去30年の中でこの程度で三本の指に入っちゃうレベルなんだよね?と嘆く私は間違っていないんだな…と。


●「間違いなく、わたしが読んだ中で最高の傑作である。」(馳星周)


オマエ、普段 どんな本読んでんの?と 問い詰めたい。


●「誤りなく組み上げられた建築である。感心した。」(北村薫)


いや、構造計算が部分的に間違ってるだろ 特に、耐震設計が


ついつい、そうツッコミたくなる。




さて、


私はこの記事の冒頭で「久しぶりに本格的なミステリーを読んだ気がした。」と述べた。


この一文には「あ~、面白かった」という この本に対する感謝の気持ちがまず第一ではあるが、実は同時に、昨今の「本格推理小説」と宣う小説に失望と怒りを感じている事や この「消失グラデーション」というamazonで平均星3レベルの本程度で「あ~面白かった」と思わされてしまう実情への皮肉が込められている事に どれだけの方がお気づき頂けているであろうか? …なんて事をついつい解説してしまう今日この頃、最後に


「この本、私は面白いと思ったよ」


という事だけは最後に明記しておく。


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