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2012年03月26日

● 「姫川玲子シリーズ」を読んでみた。


「ストロベリーナイト」など誉田哲也の「姫川玲子シリーズ」読んでみた。




先日、放送終了したTVドラマシリーズ「ストロベリーナイト」の原作となる誉田哲也の「姫川玲子シリーズ」で


  ・ストロベリーナイト 光文社文庫

  ・ソウルケイジ 光文社文庫

  ・シンメトリー 光文社文庫

  ・インビジブルレイン 光文社

  ・感染遊戯 光文社


上記の順番で5冊(連載中のモノもある事を最近知ったが、それは読んでいない)を一気に読んでみた。


ちなみに、TVドラマシリーズと原作の相関をメモしておくと


I 2012年1月10日 シンメトリー

II 2012年1月17日 右では殴らない 前編

III 2012年1月24日 右では殴らない 前編

IV 2012年1月31日 過ぎた正義 前編

V 2012年2月 7日 過ぎた正義 後編

VI 2012年2月14日 感染遊戯

VII 2012年2月21日 悪しき実 前編

VIII 2012年2月28日 悪しき実 後編

IX 2012年3月 6日 ソウルケイジ 前編

X 2012年3月13日 ソウルケイジ 中編

XI 2012年3月20日 ソウルケイジ 後編




で、まず感じた事は TVドラマ化に際して いろいろとドラマでは設定を弄っている事が判った。


先にお断りしておくが、基本的に私は原作のあるモノを映像化する際に「忠実に原作をなぞるように映像化しないと怒る」派では無い。


が、このクソブログを古くから御愛読頂いている方々の多くは


「嘘つけ、ほとんど怒ってるじゃん」


と、御指摘されるかもしれないが 例えば、「世界の中心で、愛をさけぶ」の様にTVドラマは神ドラマだが、原作はクソと罵ったものも少なくないよね?


要するに、ドラマなり映画化した時に「あぁ、面白かった」と楽しませてもらえるのなら忠実に原作をなぞるように映像化しなくても良いと寛容なのにも関わらず、大抵の場合 映像化の際に原作を弄った部分が「なんだ、それ?」と腹立たしくなる改悪ばかりなので怒ってるのだ。


で、まず「ストロベリーナイト」だが 映像化されたドラマはとても面白かったが、原作も最近読んだ本の中ではなかなか秀逸だったと感じている。


原作とドラマの相違点に関して もっとも目立ったのは豹変してからの犯人が原作の方がほんの少しエロが入っている点で これはドラマの犯人役の小僧の演技力の乏しさも相俟って残念に感じたが、近年の原作モノのドラマ化としては秀逸だったと思う。


次に、「ソウルケイジ」だが やはり、ドラマの感想の中で記した通り というか、想像通りで 冒頭の河川敷での記述がドラマでは「ん?」と感じたけど 原作では「なるほどな、そうだよな」と


原作の様に映像化するのはたしかに難しいだろうし、役者が石黒賢では演技力を求めるのも無理だわな…とも。


でもねぇ、ここを巧く映像化出来ていれば とてつもない傑作になった気がしてならず非常に残念であるとも思った。


それと、ドラマの感想で最も違和感を覚えた「玲子の日下に対する対応」も原作の描写では全く気にならず、何故ドラマではあんな極端な演出だったのか その演出意図に疑問を感じたのは原作を読んで より一層強く感じた。


次に、「シンメトリー」だが、「シンメトリー」は表題作を含む7本の短編集で


 ●東京

 ○過ぎた正義

 ○右では殴らない

 ○シンメトリー

 ●左から見た場合

 ○悪しき実

 ●手紙

○はドラマ化、●は未ドラマ化


順番に感想を述べると、「過ぎた正義」は原作もちょっと出来が良くないが それ以上にドラマは駄目だね。 

ドラマにおける最大の失敗は「杉本哲太」はキャスティングミスだと思う。

あくまでも個人感で言えば 年齢的に20歳半ばぐらいの息子がいる世代である事と、仕事バカであまり協調性を大事にしない性格を演じられる俳優でイメージすると「三浦友和」か年齢的には少し若いけど「堤真一」あたりが演じていればずいぶんと良くなったんじゃなかろうかと


・「右では殴らない」に関しては ドラマの後半、特にラストが原作よりもドラマの方が素晴らしく良かったと思う。


・「シンメトリー」に関しては原作もドラマも なかなか悪くなかったとは思うが、ドラマにおいて残念だったのは電車事故のシーンがあまりにも安っぽいところで 特に、「女子高生を無理に引っ張り出したせいで車両が横転した…」って部分をもっとリアルに説得力を感じさせてくれていれば全然違ったな…と


・「悪しき実」に関しては ドラマでは木村多江の良さで誤魔化されているけれども、ドラマの作りは落ち着いて見直すと陳腐なんだよね。 「何故、死なねばならなかったのか?」という部分が薄いのはドラマに限らず、原作も同様。


・「インビジブルレイン」に関してはドラマ化されていないので あえて述べずにおこうと思うが、なんとなく私は映画化の原作は「インビジブルレイン」なんじゃないか?と思っている


で、「感染遊戯」に関して言うと


  ・感染遊戯

  ・連鎖誘導

  ・沈黙怨嗟

  ・推定有罪


と、姫川玲子シリーズのスピンオフ作品4本のオムニバス構成となっており、「感染遊戯」だけドラマの6話として映像化され「連鎖誘導」で描かれている一部が 4・5話の「過ぎた正義」に用いられているわけだが…

率直な感想を言わせて貰うと、「感染遊戯」を映像化するタイミング(6話として映像化)の意図が私には理解出来ない。

というか、「感染遊戯」内の4作は 個別のスピンオフの様でいて根底に一つの柱となるストーリーがあり、「感染遊戯」だけを取り出すのは他の3作との整合性を欠くのは明白だからだ。




で、総論的な感想を述べると TVドラマの最初の「ストロベリーナイト」 そして、連続シリーズの3話までは 多少の粗はあっても近年の刑事物ドラマとしてはなかなかの出来で面白かったのだが、4話以降 回を重ねる毎に姫川玲子のキャラにヒステリックさの度合いが増した様な感がしてそれが鼻につくと各話の感想で述べた通りなわけだが、それは原作における姫川玲子のキャラクターが刊を重ねる毎に恋愛話めいたエピソードが盛り込まれ ともすれば女々しくなったり、女である部分の見せ方が変わっていたりする事を映像化する際に切り捨ててしまえば良かったのに 逆に、積極的に描こうとして失敗してるからなのだと 原作を読み重ねて痛感した。


それと、玲子が刑事を目指したキッカケとなったレイプ事件に関して ドラマでは事ある毎に盛り込んでいたが、それは原作にもそういった記述はあるけれども 原作における各話での描き方や扱いと、映像化された描き方が先述した玲子の女の部分の描き方に整合性がとれていないのも失敗なんだと感じた。


思うに、主人公が女性だと どうしてもそこに恋愛めいたエピソードを盛り込みたくなりすぎるのが映像制作者の悪い癖で ともすれば原作に無い部分でそんな恋愛話を盛り込もうとして失敗してるドラマは過去に枚挙に暇が無い程なのにね。


それと、「強い女」と「気が強い女」って言葉は似ているけど全く違うタイプであり、ストロベリーナイトのヒロインは「強い女」であるはずなに 演出的に「気が強い女」の描き方に間違っている部分が見直してみると案外多いところが残念だと原作を読んで痛感した。


それでも、やはり「ストロベリーナイト」は近年の刑事物ドラマとしては秀逸な部類だと感じてもいるんだけどね。


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コメント

ブタネコさん、こんにちは^^

早速記事になっていてとてもうれしいです!

原作は作者が姫川玲子というキャラクターを描きたくて書いている作品なのかなという印象があり、事件の捜査部分と姫川を取り巻く刑事たちとの関係性が希薄に感じる場面もあって、好みはかなり分かれるのではないかと感じています。
「インビジブルレイン」は特にそれが顕著で、私は途中うんざりしてしまいました。

ミステリーではないとか、本格警察小説ではない・・・という意見をよく目にし、そういうカテゴリの作品の愛好家にはすこぶる酷評されているようです。ドラマもしかり。
私は警察を舞台にした人間ドラマというのが一番近いかなと感じています。

原作では先を急ぐあまり、適当に表現されている部分もかなり多いと感じるので、そのあたりブタネコさんはどう感じられるのか興味ありました。思っていたほど辛口ではなかったのでちょっと意外です。


>それと、「強い女」と「気が強い女」って言葉は似ているけど全く違うタイプであり、

なるほど、私が感じていた違和感はこれだったのか~と納得しました。
原作もドラマも同じように考え動くのにどうしてドラマ版を見るといらいらするんだろうとずっと思っていたんです。
特に後半は姫川が大きな声でしゃべればしゃべるほどなんだか嫌な感じがしてしまったのです。
些細なことを表現しないだけで、こうもキャラクターは変わるんだなあと・・・非常に面白いです^^


私も映画は「インビジブルレイン」だという気がします。
この作品は事件の大筋はとても興味深いですが、その解決に至る部分の展開に少々食傷気味になりました。
願わくば、事件の捜査部分をうまく描いて欲しいものです。
そんなわけで、映画化については複雑な気持ちです。

(ちなみに私はあの人については菅田俊さんしか浮かばなかった・・・年齢的に合いませんけど)

それと連続ドラマ版のDVD-BOXの発売がすでに発表になっていますが、タイトルに"シーズン1"と銘打ってあることと、作者がドラマ版の菊田刑事のかっこよさに影響を受けて(私はかっこいいとは思いませんが^^;)今後の作品に反映したい旨のことをインタビューで語っていたのを読んだので、私はとてもいや~な予感がしています^^;
個人的には映像化は映画版で打ち止め・・・いや終わって欲しいです。

ドラマ版「感染遊戯」では本来姫川がしゃべらない内容を言わせていたりして非常に違和感を感じました。
「左から見た場合」あたりをさくっと入れたら、肩の力が抜けてよかったんじゃないのかなあ・・・というより、私があのオチを見たかっただけですけどね^^;

数日前、本屋で「誉田哲也 All Works」という本を見つけました。
「女の敵」という短編が収録されているのですが、姫川と大塚刑事の出会いが描かれていて、なかなか面白かったです。
また、作者のインタビューで井岡刑事がかなり重要視されていると感じ、納得しました。

すみません、私もここ最近で一番楽しんだ作品だったので、長々と書いてしまいました。

★ slan さん


私が原作を読み通して最も強く感じた事は 主人公である「姫川玲子」のキャラ設定が
本によって微妙にブレている点です。

ゆえに、映像を見続けた際に感じた違和感の根本は原作にも責任があると思いました。

>ミステリーではないとか、本格警察小説ではない

この本の場合、それってどうでもいいと感じてます。

例えば「本格ミステリー」と謳っているわけでも無いし、「警察組織のリアリズムを…」
なんて事も謳ってませんしね。

>思っていたほど辛口ではなかったのでちょっと意外です。

最近のドラマの番宣は「~の最高傑作」とか「映像化は不可能とさえ言われてた」なんて
ミエミエの大風呂敷かつ大嘘つきな宣伝が当たり前になっている中で ともすれば謙虚に
さえ感じていましたので酷評する気にはなれず、少なくとも1、2、3話のエンドの締め
方は余韻を帯びて秀逸だったと感じてますからね


>作者がドラマ版の菊田刑事のかっこよさに影響を受けて今後の作品に反映したい旨のことをインタビューで語っていたのを読んだ

そうなのだとしたら、私はもう続編には期待しません。

原作者がドラマ版におもねるような発言をして良くなった事などいまだかつて見た事が
ありませんし、そもそもそういう発言をするアホだったのかと残念でなりません。

原作者は自らが産み育てた作品やその中のキャラクターを大切にすべきなのであって
放送作家みたいな発言をした時点で原作の流れが崩壊したも同然でしょ?

そんなお調子者だったのかと思うと 玲子のキャラがブレるのも当然ですね


ブタネコさん、こんにちは。

ブタネコさんのご意見を読んで、感覚的にもやもやしていたいろんな部分がぱっと晴れました。

>ゆえに、映像を見続けた際に感じた違和感の根本は原作にも責任があると思いました。

そこの部分、私もどこに原因があるのだろうと考えていました。
演出?脚本?・・・もしかして原作?
私はそこまでは考えてみましたが、どうにも分からず・・・。
ブタネコさんのこの一文で、納得してしまいました。

ドラマ版を観た作者のコメントはなんだかすごくミーハーな印象で、"映像化に参加したい~"オーラのようなものを感じて、がっかりでした。

やっぱり作家は最終的に映像化を望んでいるんでしょうか。
もしも、"あて書き"してるのだったら、ブタネコさんのおっしゃるとおり脚本家になればいいのにと、私も思います。

いろいろ頭の中が整理が出来ました。
自分以外の人の意見を読むのは面白いですし、自分にとっても別の見方をする機会になりますね。
ブタネコさんの厳しいご意見は本当にいい刺激になっております^^

★ slan さん

>なんだかすごくミーハーな印象で

私はそれを実際に見聞していないので 何とも言えませんが、もし想像の通りだとしたら
かつて東野圭吾に対して感じた失望と怒りと同様のものを誉田哲也に抱かざるを得ません

【※注意!!】

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