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2012年02月05日

● 麒麟の翼


2012年公開の映画「麒麟の翼」を密かに見てきた。




麒麟の翼


先に申し上げておくが、私は原作を読んでいないので原作ではどうかといった比較論を述べる気はない。


また、この記事にはネタバレが含まれると思うので 映画を見ようと思っている方は、見るのを先にする事を強くお薦めする。


で、見終えた感想を率直に述べれば「面白かった」なのだが、「面白かった」の意味はたぶん多くの人とは違うと思う。


物語的には目新しさを感じる部分は無く 相変わらずの東野お得意商業原作だな…と。


ふと思ったのは、この映画における「新垣結衣」の存在で 新垣結衣が演じた女の子は番宣や予告で「私が殺しました」という台詞のシーンをよく流した為か 多くの観客は「犯人は新垣結衣か?」という興味を抱いたはず


でも、映画を見ると新垣結衣は犯人ではない


単純に考えれば 番宣予告の制作者にいい様に煽られたとも言える。


「私が殺しました」と新垣結衣が演じた女の子が口にするシーンは本編にちゃんと有り、それを番宣予告の制作者にミスリードされたわけで 近頃の映像制作における予告のお約束みたいものとも思うべきなのかもしれないし、稚拙な商業宣伝とも


でもね、この辺を、落ち着いて検証すると興味深いものがある。


当初、容疑者と目された青年は 新垣結衣が演じた同棲相手から、就職し金を稼ぐ事を強く求められ 特に「お金の事を強く責めた」から青年は死ぬ つまり、「私が殺しました」と新垣結衣が演じた女の子の台詞に繋がる…という風に解釈している観客が多いと思うけど、見方を変えると 容疑者の青年が公園の植え込みの中に隠れている時に新垣結衣が演じた女の子に電話をかけ 警察官が近づくのに気付いて青年は電話を切ったのに、そこに新垣結衣が演じた女の子が電話をかけなおしたから その着信音で警察官に気付かれ逃走し… 「私が電話をかけたから、その結果、死亡した… 殺したのは私です」という解釈も出来る。


とはいえ、もっと落ち着いて考えれば この「麒麟の翼」において当初の容疑者の青年や「新垣結衣」が演じた女の子の存在って どうでもいい存在なんだな。


たまたま、日本橋で被害者が襲われるところに遭遇し、たまたま放り出されていた鞄や財布を拾っただけの事


それを、青年は被害者の勤める会社に派遣雇用されていたのを 本来なら労災扱いの事故を隠蔽した上に解雇された…とか、派遣切りを指示したのは被害者だ…とか、東野お得意のデコレーションで誤魔化しただけの筋立てで もし、これが2時間ドラマであれば 近頃売り出し中のグラビアアイドル辺りをキャスティングして視聴者的には特に目立った役柄にもならないだろう


なのに、「新垣結衣」を起用する事によって どうでもいい役柄の女の子があたかもヒロインの如く映っちゃう様が 私が「面白い」と感じた部分のひとつなんだな


麒麟の翼


次に、私がマニアックに面白いと思ったのは「阿部寛」の演技


あくまでも個人的事情だが この「麒麟の翼」を見る直前、私は「聯合艦隊司令長官 山本五十六」を見たのだ。


すると、「阿部寛」は「聯合艦隊司令長官 山本五十六」において「山口多聞」という戦史マニアから「名将」とされる人物を好演していたのだ。


「加賀恭一郎」「山口多聞」ついでに挙げれば「結婚できない男」の「桑野信介」や「トリック」の「上田次郎」 そして近頃では「坂の上の雲」の「秋山好古」 実に見事な演じ分けで それぞれ強く記憶に残るし大したモンだな と。


麒麟の翼


私の記憶に残る東野圭吾の小説に登場する「加賀恭一郎」は「卒業 雪月花殺人ゲーム」というタイトルの本で 今から25年ほど昔、東野圭吾がデビューして間もない初期の著作で 大学生間のやりとりに説得力や懐かしさを感じ、とても切ない名作だと思っている。


しかしながら、その後 いくつかの東野作品に「加賀恭一郎」は登場するが、作を重ねる毎に「加賀恭一郎」の人物設定が変わったり、そこには若干の矛盾とか 今の東野圭吾の御都合主義への変遷を想起させるひとつの証みたいに


で、私がマニアックに面白いと思ったのは 間の矛盾はともかくとして、「阿部寛」が演じる「加賀恭一郎」は その「卒業 雪月花殺人ゲーム」で登場した「加賀恭一郎」の十数年後の姿だと言われれば とてもハマって説得力を感じる事


ただし、実際に「卒業 雪月花殺人ゲーム」の頃の阿部寛はバブルにのっかったグラビアモデルでしかなかったんだよね。


それが実に興味深い。


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コメント

ブタネコさん、こんにちは。

本作は、ある面で“ありえへん”と嘆きつつも、もう一面で、何の知識もなかったので、どう展開させる、だれを犯人にしたんだと単純に楽しめた部分はありました。

「新参者」、「赤い指」も見ていたので、加賀との重ねもまあいいと思いましたが、多々ある細かな点は、他の作品同様全て目をつぶりますが、あの謎解きはいただけないですね。

>東野圭吾の御都合主義

この一言につきますね。


キャストよりも、なによりも、完全主役目線、感情に入り込む見方をする私としては、なぜ、あの遺留品をほっておくと、イライラしてみてました・・・・。

★ イエローストーン さん

>なぜ、あの遺留品をほっておく

そう、もし原作もそういう構成なのだとしたら 東野圭吾は脚本家になった方がお似合いだと思いました。

まったくミステリーじゃないですもん


そうなんですよね。

本当に新垣結衣の役ってどうでもいい役なんですよね。
顔を覚えてる人がどれだけいる?っていう売り出し中の女優でもいい役なんです。
一緒にいた人が「あのカップルやられ損」と評したくらい脇にいるんですよ。

よくあの役設定で、あんなに番宣に連れ出し、ヒロインを演じているかのように宣伝を演出したなと思いますけど、かといってこの映画には実際、ヒロインに当たる女性はいないんです。

そして、そう考えると新垣結衣がヒロインにしか見えないんです。
ファンなもんで、余計に存在感すごいなあと思ってしまうんですが。

この監督が細かいことは想像に任す手法を多用するのは「ハナミズキ」で慣れてしまったので驚きませんが、観客を置いていく所は多々あると思います。

でも、日本橋の道の始まりの知識はなかったのでそういう点で物を知らない人間には本当にそこが伏線になるのでとても楽しめました。

★ 朱鷺野つばさ さん

>とても楽しめました。

それは良かったですね。^^


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