« ブリザード | TOPページへ | 佐藤健 CM 2本 »

2011年12月04日

● A子の話(その16)


妹とC男が付き合っているのを知らなかったのは僕だけ…という衝撃の事実を知ってしまった翌日の事。




いつもの様に中学へと登校する僕の横を 待ち構えていた様に現れたB子が妙にニコニコしながら歩いていた。


「なんだよ?」と僕が聞くと、「ダメだよC男を虐めちゃ」とB子


「あぁ? まだ虐めてねぇだろぅが? そんな台詞は実際に虐めてから言え」と僕


「うわぁ、怖いんだ 今日のブタネコ君は怖いんだぁ」


茶化すB子。


自然と足早になり いつもよりも早く学校に着くと、普段はそんな時間に会わないはずのA子が僕のクラスの教室の入り口の前で待っており… そんなA子に


「A子ぉ 今日のブタネコ君は怖いから気をつけな」


ともすれば楽しげな口調で声をかけると自分のクラスの教室へと消えていくB子


A子はそんなB子にお構いなしに


「夕べ、B子から電話で事情を聞いたんだけど なかなかエキサイティングらしいね?」


これもまたなんか楽しそう


それがB子が言った台詞なら「なに楽しんでんだコノヤロウ」と半分怒鳴っていた可能性が高いが、A子の話し方には悪気が一切感じられず


「楽しそうね? 楽しんで貰えて俺も嬉しいよ」


皮肉を込めてそう言い返すのが精一杯で そう言い捨てて教室に入ろうとすると


「ねぇ、ちょっと頼みがあるんだけど…」


と、さらに僕を足止めるA子は 抱えていた大学ノートを僕に差し出すと


「急がないから、ゆっくりでいいからじっくりと中を読んでみてくれない?

 読み終わったら必ず感想を聞かせてね」


僕がその大学ノートを受け取るとA子は足早に自分の教室へと戻っていき それを合図に僕はノートを手に教室に入ったら 僕とA子を興味津々に盗み見していたクラスの一人が


「おいおい、ラブレターか? やるねぇ…」


と、勝手な想像を膨らませて僕をはやし立てた。


やっぱ、僕はその日不機嫌だったようで そいつを座っていた椅子ごと後ろに掴み倒し 床に転がったそいつの脇腹に蹴りをひとつ入れ


「朝からつまんねぇ事言ってくれるなよな?」


と、僕が優しく注意すると 椅子が転がる派手な音に振り返ったクラス中の連中だったが、周囲を見回した僕と視線を合わせまいと、慌てて何事も無かった様にそれまでのそれぞれの続きに戻ったので 僕も何事も無かった様にいつもの平凡な日々の様に自分の席につき 今し方A子から受け取った大学ノートを机の上に置いた。


たしかにシチュエーション的にはまるでラブレターを貰うみたいな感じだったが、大学ノートにラブレターを書いて渡すって話は聞いた事が無いし…、いやいや、既存の枠にはまらないA子だけに大学ノート一冊まるごとのラブレターってのもやりかねないし… 等々、僕の脳内はいろんな考えが浮かんでは消える。


しかし、そんな僕の妄想は 1年生のC男が3年生の教室である事もお構いなしに飛び込んできて 教室内を見回して僕を見つけると駆け寄り、


「すいません、お兄さん ホントにごめなさい」


僕が座る席の横に飛び込む様に正座すると両手と額を床につけて詫びた事で吹き飛んだ。


「なんなんだ今日は 朝から次々と…」


そんな僕に


「@@@(僕の妹)ちゃんとの事は もう少しちゃんとしたら

 あらためて御報告をしようと思っていたんですが

 いつの間にか順番が逆になって お兄さんには御不快な思いを…」


早口でまくしたてているC男に


「おい」


「ですから、責任は自分にあるわけで@@@(僕の妹)には無い…

 いや、少しはあるけど いやいや、やっぱそれは自分の責任なわけで…」


「おい」


「ですから、ね? お兄さん、本当に…」


「いいから、ちょっと黙れ!」


「はい」


「聞いたよ、話は昨日の夜に全部」


「はい」


「言いたい事は山の様にあるけど ここは学校の教室だぞ?」


「はい」


「プライベートな話はプライベートな場所でやるべや? な?

 とりあえず、昼休みに中庭でって事に…」


そんな時に間が悪い事に担任教師が朝のHRに教室に入ってきて…


「なんだ?  どうしたんだ?

 ん? 誰だそこで正座してんのは?…って あれ?オマエ1年生か?

 なんで? どうしてそこで1年生がそんな格好してんだ?

 あ? ブタネコ、オマエか? オマエが1年生に何かしたのか?

 判った、HR終わったら ブタネコ、おまえ職員室に来い 話はそこで聞くから…

 そこの1年生は自分の教室に戻りなさい キミのクラスもHRだろうが、ほれ

 はい、ほらほらみんな席について HRを始めるぞぉ」




HRが終わり不本意ながら担任の後について職員室に行くと…


「オマエなぁ、一年生を三年生の教室に引っ張り込んで正座させるって どういう了見だ?」


「いえ、あれはあっちが勝手に飛び込んできてやった事で 僕がさせた事ではありません」


「でも、オマエが何か脅したから そういう風になったんだろ?」


「いえ、一切脅してません。 嘘だと思うのならどうか、あの一年生に確認して下さい」


「確認も何も 俺がこの目で現場を見てるのに誤魔化しているんじゃないぞ」


「先生、なんと言われようと僕は彼に命じたわけでも、強制したわけでも無いです。」


「とぼけてもダメだ、俺はしっかり見たからな

 もし、あの一年生を呼んで オマエがデタラメを言ってると判ったら

 それなりの処分をするぞ? いいか? 素直に謝るなら…」


「先生、生徒の言い分を少しは聞いて 少しは信用するなり、確認するなりしないんスか?」


「信用だぁ? ふざけんな、俺はこの目で見てるんだ 確認する必要なんか無いだろが

 だいたいオマエは日頃から教師をナメてやしないか?…」


僕の中の何かがブチッと切れた。


「グチャグチャ言ってねぇで あの1年生に確認しろよ!

 逆に俺の言ってる事がホントだったら どうするの?

 確認もしないで何がそれなりの処分だよ? 

 ナメられたくなかったら、ちゃんとした先生らしく 事実確認をしてから文句を言って下さいよ」


つい大声で言い返したもんだから、職員室にいた他の教師 特に体育系とか生徒指導系の教師が


「こら、ここどこだと思ってるんだ?」


「おいおい、穏やかじゃねぇなぁ…」


…等と口々に言いながら僕を取り囲み 結局、僕は午前中ずっと生徒指導室で説教


生徒指導室では 僕が一年生を呼びつけて正座させた疑惑については一切触れられず、職員室で担任教師に反抗的な態度や言動をした事に終始した説教だった。


昼食を兼ねた昼休み時間になり、教師達は僕に対する指導に満足したのではなく 単に昼飯が食べたいという理由で僕を釈放し 僕は教室に戻って弁当を早々と食べ終え中庭に行くと そこにC男は既に来ていた。


「あのぅ…」


何かを話そうとするC男に


「悪ぃけど、今の俺は不機嫌だから どんな話を聞いても暴れるよ?」


するとC男は黙ったまま。


とは言え、僕も何をどう話していいか頭の中はゴチャゴチャで そんな状態で数分過ごしていたら背後から


「おニィ、文句があるなら アタシに言えば?」


振り返らずとも声だけで妹だと判る。


が、僕は振り返り


「文句なんか言ってないよ」


と、応えると 妹はC男に


「ほら、おニィは文句無いって 行こ」


するとC男は


「いや、でもさぁ…」


と、抗っては見せたが 既にその時点でC男は妹の尻に敷かれており


「いいから、行くよ」


と、妹に促されると


「お兄さん すいません…」


と小声で僕になおも詫び、妹の後を追った


中庭に不完全燃焼のまま僕は一人で呆然としていた。


お駄賃

 気が向いたら…で結構です。^^;

 この記事への御駄賃がわりに下のバナ-のいずれかを クリックして頂けると嬉しいです。^^
 (全部、クリックしてくれると もの凄く嬉しいのは事実です。^^)

ブログランキング・にほんブログ村へ Blog Ranking 人気映画・TVBLOG blogram投票ボタン BlogPeople「自分のこと」部門にクリック BlogPeople「テレビ」部門にクリック BlogPeople「映画」部門にクリック

『A子の話』関連の記事

コメント

ここが面白かったです。

 「グチャグチャ言ってねぇで あの1年生に確認しろよ!
  
  逆に俺の言ってる事がホントだったら どうするの? 

  確認もしないで何がそれなりの処分だよ? 

  ナメられたくなかったら、ちゃんとした先生らしく 事実確認をしてから文句を言って下さいよ」

最後だけ、敬語。それも、冷静になってる。

「この、官舎育ち!」

理不尽さは、同情(この話の)に値しますけど、よくあることです。

まっ、しかし、礼をわきまえておられる。

 
とばっちりのC男のナイスな点は、

ブタネコさんが、怖いよりも、

早くに告げなかった事への後悔と、

やっぱり怖いとの思いですかね。

朝昼ですもんね。

キンキンに張った弓の張力の解放の仕方は、人それぞれですね。

★ panda604 さん

頂戴したコメントに対するレスの様な記述が偶然にも次回(17)の中にあると思いますので

ここでは割愛させて頂きますが、どうかそれがpanda604さん個人へのレスとは思わないで下さい

このところ、私の日教組批判がお気に召さない方の 意味不明な非公開コメントが多いので

それについての私見も下書きに追記したばかりなんですよ。^^


【※注意!!】

この記事は『ブタネコのトラウマ』の倉庫に保管されている記事なのでコメントの投稿は出来ません。 2015年2月10日以降 このクソブログは『ブタネコのトラウマ・リニューアル版』に移転しましたので新規記事更新及び、過去記事へのコメントの受付もそちらで行っておりますので お手数ですが、そちらへの移動をお願い申し上げます。