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2011年06月17日

● A子の話(その8)


銭湯からの帰りにB子の父親と別れた後、家に入る前の僕と二人っきりの時に僕の父親が思いがけない事を言い出した。




「おい、明日 学校に行ったら、その猫をくれるって言ってる友達に 子猫を2匹くれって頼んでみろ」


と、突然言いだし


「で、B子ちゃんのとこので一匹 ウチので一匹なんだけど、

 とりあえず表向きはウチので2匹って事にしておいて

 それをB子ちゃんには内証にしておけ」


とも。


「頼むのはいいけどさ、B子ちゃんとこ平気なの?」


と、私が聞くと


「俺が仕切るんだから アイツ(B子の父親)には文句は言わせない」


と、何故か強気なウチの親父。


で、翌日


後年に親の跡を継いで開業医になった友に


「…というわけで とりあえず、ウチに子猫を2匹くれない?」


と、頼むと


「う~ん、大抵が産まれて直ぐに貰い手が決まっちゃってるからなぁ…

 A子の一匹はともかく、オマエのトコにさらに2匹ってのはなぁ…」


「どんなに頼んでも無理?」


そんな話を僕と後年に親の跡を継いで開業医になった友が話しているところにやってきたA子は 前日の夜に既に父親に話して了解の意を取り付けたらしく それはそれで満足気だったが


「ちょっとぉ、B子のお父さんに話してくれたの?

 やっぱ、ダメって言われた…って凹んでるよ」


と、私に抗議口調。


それに対して私は


「あのさ、今 それ色々と調整中なんだ

 で、少々デリケートな状態だから 出来ればその件については結果が出るまでB子にも

 触れないでおいてくれないかなぁ…」


と、応えると


「それは良いけどさぁ、なんとか了解取ってよね? 期待してるから」


すると、後年に親の跡を継いで開業医になった友は 彼特有の何か悪巧みを思いついた時の嫌らしい笑みを浮かべ


「なぁ、A子 その事なんだけどさぁ…

 ちょっとオマエも協力してくれない?」


と、言いだし


「何? どんな事?」


「あのさ、オマエから どうしても3匹欲しいって俺が頼まれた事にしてくれないかな?」


「え? どういう事?」


「ブタネコが B子の父親にウンって言わせる方法をひとつ見つけたんだけど

 その為には、B子のとこに行く子猫の他に もう一匹、ブタネコのトコに行く子猫が必要で

 全部で3匹、子猫を確保しなくてはならないのね?


 ところがさ、ウチのオフクロって 大抵、子猫が産まれた時点で貰い手を見つけちゃってるから

 3匹確保するのが どうかな?…って感じなの。

 でも、A子のトコでどうしても3匹…って言い出したとすれば たぶん、簡単に貰ってくれる予定のところを

 調整して確保できると思うんだ。」


「なんだ それ?」と、僕が横からツッコむと、


「だって、俺んちの親 典型的な成金でさ、A子のとこみたいなブルジョア相手だと

 簡単に媚びちゃうんだよね、昨日だってさ

 ”アンタ凄いお嬢さんと同級生だったんだね”

 …って喜んじゃってさ 大変だったんだ。」


A子はちょっとの間考えて


「うん、いいよ。

 なんだったら、ウチのお父さんから アンタのお母さんに電話してもらおうか?

 悪いけど、3匹下さい…って」


「あ、それ出来るなら 間違いなく一発で話は決まる」


「じゃ、今日帰ったら お父さんに頼んであげるよ」




その日の夜、まず後年に親の跡を継いで開業医になった友が彼の母親に話したところ…


「もうみんな行き先が決まっちゃってるのよ 困ったわねぇ…」


と、予想通りの反応を示したそうだが A子に頼まれたA子の父親が後年に親の跡を継いで開業医になった友の母親に電話をかけ 丁重に依頼したところ、


「いえいえ、@@@さんに頼まれたら嫌とは言えないざます」


と、見事なまでの掌返しを決め 猫問題は終結した…と、後年に親の跡を継いで開業医になった友から私のところに電話で報せが入った。


なので、母が台所で後片付け、妹が風呂に入り 父と僕が二人だけで話せる合間に


「猫の件、ウチとB子の2匹 確保できたよ」


と、僕が父にコソッと報告すると 父は


「そうか、じゃ、後は 子猫が乳離れしていつでも貰ってこれる状態になるまで

 この件は、絶対に B子ちゃんやB子の親父には漏れない様に情報機密を厳となせよ

 情報漏洩は 現代戦ではその瞬間に敗北同然、絶対にあってはならない事だからな」


と、何故か軍事的な指導を僕に与えて ニコッと満足そうに笑った。




それからしばらく後、後年に親の跡を継いで開業医になった友から


「そろそろ子猫が乳離れして 離乳食だけど、自分で食べる様になったから

 もし、連れて行くのならいつでも良いとオフクロが今朝、言ってたぞ」


…との報せが私とA子にもたらされた。


A子は それを相当楽しみに待っていた様で


「ホントに? だったら、今日行って良い?」


と、動きは早く それは学校の公衆電話から父親に電話して 帰りがけに貰いに行く段取りの手筈を整えるぐらいの勢いだったが、なんとか それを土曜日まで待ってもらい…


で、その日の夜 その件を僕が僕の父に報告すると


「そうか、では申し訳ないけど A子ちゃんに、まず、3匹まとめてA子ちゃんの自宅に連れて行く

 で、連れて行って貰ったところで 今度は俺(僕の父)が、B子ちゃんの親父を適当な理由で

 A子ちゃんの家まで連れ出して それぞれがそれぞれ子猫を貰ってくる…

 と、いう段取りで 今回の作戦は実行としよう」


と。


で、段取り通りに その週の土曜日の夕方に我が家とB子の家にシャム猫が一匹ずつ新たな家族として加わった。


その際に、僕の父親がとった行動とは…


「子猫を貰う事にしたから付き合え」


と、単刀直入にB子の父親を連れ出し


「官舎で猫は…」とか「業務隊長が…」と渋るB子の父親に


「俺(僕の父)が飼いたくて貰ってくるんだよ?

 業務隊長がつべこべ言うなら、俺が飼ってんのに 他がダメってのは業腹だ…って

 全部、俺のせいにしていいからよ。 だって、俺がシャム猫を飼いたいんだもん。


 で、よぉ 俺のトコが飼ったら、B子ちゃんだって我慢が出来なくなっちゃうだろ?

 だったら、これから俺と一緒に行って 一緒にオマエも一匹貰って

 オマエからB子ちゃんに いいよ…って言ったら、オマエと娘の関係もより良くなるだろ?」


…だったそうな。


要は、ウチの親父がシャム猫を飼いたかった… ただそれだけの話だったのだ。


でも、それは結果的にB子の望みが叶う事であり、僕はA子から


「相変わらず、良い仕事をするじゃん」


と、褒められる結果となったのだから まぁ、良しとしよう


お駄賃

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コメント

 この話題って、以前もされたことありますか? どうも聞き覚えがあるの
ですが~。私の記憶違いでなければ、A子さんは後年・・・・・。この先の
展開がとっても気になります。

多分、初めてコメントさせてもらいます。
もういつだったか思い出せないくらいに、たしか綾瀬はるかの検索でたどりついて、
それから貴ブログにはまっております。特に職安時代の話からブタネコ様のお話に魅了されております。
娘さん達の結婚式話の続きも気になっておりまするが、今回のA子さんの話、B子さまのお話、不謹慎かも知れませんが、わくわくしながら更新を楽しみにしております。
もしかして、今後ブタネコ様にとってはしんどい展開になるのかもしれないかなと案じておるのですが、応援しておりますので是非続けてお書きくださることを切に願い、コメントさせていただきます。

★ ハウプマン さん

いくつかの記事に断片的に記した部分はあると思います。

が、過去記事を記した際に その時々に応じて私の中の自主規制の限度が違い、微妙に異なったり食い違う部分が生じるやもしれませんが どうか、気にされませんよう^^;


★ ぴの さん

こちらこそはじめましてコメントありがとうございます。

あと何回続くのかは私にも現時点で不明ですが しばらく続きますので宜しくお願いします。

ずいぶんと以前から、こちらのサイトを楽しみに拝見しています。
綾瀬はるかさんのふるさと、広島からです。

今回の「A子の話」シリーズはいいですね。
ぶたねこさんには及びもつきませんが、自分の昔というか中学生の頃とかを思い出してしみじみとしてます。
お話の続きをとても楽しみにしております。
いよいよのご清栄を祈りつつ。

★ けんた さん

コメントありがとうございます。

まだ、しばらくは続くと思いますが楽しんでいただけると嬉しいです。


【※注意!!】

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