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2011年05月06日

● 久しぶりに「犬神家の一族」を語ってみる


先日の事、何も考えずに ふとTVをつけたら「犬神家の一族(1976年版)」が放送されていた。




久しぶりなので 一瞬、そのまま見続けようかと思ったが TV放送だと色々とカットされた場面が多く、台無しなので DVDを引っ張り出してちゃんと観た。


犬神家の一族


で、今まで このクソブログ内で「犬神家の一族」に関しては色々と語ってきた事でもあるので 今回は違う視点で語ってみようかと思う。


というのは、なんとなくなのだが、昨今 密かにささやかではあるが「横溝正史」ブームが起きている様な気が実はしている。


それは、こんな場末のクソブログに「横溝正史」「金田一耕助」といったキーワードで検索して訪れる方が微妙に増えている事と ずいぶん昔に、今私が入院の真似事をしている病院の図書室に金田一耕助シリーズの本を一揃い寄贈しておいたのだが、それが入院している中高生達の間で貸し出しの順番待ち状態という話を看護師から聞いたりしていたからなのだが…。


あくまでも私が今まで読んだいろんな本の受け売りや、個人感で言えば 昨今のなんでも英語でカテゴライズする風潮で言えば「ミステリー」と呼ばれる小説の分野と 私が一番夢中になって読み漁っていた学生の頃の「ミステリー」とは ずいぶんと趣が違う。


厳密に言って、私が夢中になって読み漁っていた学生の頃の「ミステリー」とは「本格推理小説」と「社会派推理小説」という風に大きく二つに分けられていた。


この二つをブタネコ的に解説すると


「本格推理小説」とは


「探偵(もしくは刑事など探偵役)が登場し、事件のトリックや動機を解き明かすスタイルで 探偵が捜査を進めていく課程の描写に手がかりを提示し、終盤に探偵が作中の主要な登場人物達を一堂に集めて「犯人は@@@ですね」と謎を解き明かすところが醍醐味で

ゆえに、作品の中にはその直前のところで「読者への挑戦」などのタイトルで

『ここまでの記述の中にトリックや動機を推理する材料は総て提示してあります。

  探偵が謎を解き明かす前に、まず貴方が推理してみては如何かな?』

といった記述で読者にサービスする作品も少なくない。

で、私が夢中になって読み漁っていた学生の頃は「本格推理小説」という呼び方では無く、その作品のスタイルから「探偵小説」と呼んだもので 当時としては「横溝正史」や「江戸川乱歩」が主流


「社会派推理小説」とは


実際に起きた事件をアレンジして題材に扱ったり、社会的な話題性を作品世界に盛り込み、リアリティを重視した内容で事件そのものよりも事件の背景に主眼を置いてる作品が多い。

当時としては松本清張や高木彬光などが主流


ゆえに、私が学生の頃 「探偵小説」と言えば「シャーロックホームズ」、「シャーロックホームズ」と言えば「お子様向け文学」みたいなイメージが強く、ちょっと背伸びがしたい中高生という年頃には 大人な「社会派推理小説」を読み、語り合う事がカッコイイと思われていた自分でもある。


でもね、「シャーロックホームズ」が「お子様向け文学」と決めつける向きが多いのは 多くの人が児童向けに翻訳したものしか読んでいない為で 原書や普通に翻訳されたものを読むと 決して児童文学とは言い切れないモノだと理解できるはずなのだが


ただ、「社会派推理小説」とは違い、探偵小説の場合は先述した様に本編のラストで「犯人は@@です」と探偵が総てを解き明かす場面があり、ゆえに その直前のところで読者自身が探偵になったつもりで推理し、本文の探偵の話と照らし合わすパズル感覚の楽しみ方というのもあり、一説には 推理小説に没頭すると中高の国語の成績が飛躍的にアップするという指摘も その辺に理由があるのではと愚考する。


が、まぁ、それらの事はどうでもいい。


入院患者として病院の中を徘徊していると 当たり前の事だが、いろんな入院患者と顔見知りになる。


で、顔見知りになった中高生の患者達とお喋りをしていて


「なんか、面白い本のお薦めってありますか?」


と、聞かれると 私は迷わず、まず「横溝正史」の「金田一耕助」シリーズを薦める。


犬神家の一族


まぁ、後付の言い訳の様に思われても構わないのだが それはただ単に本として「面白い」とか、私が「横溝正史」先生を敬愛しているとかいう理由だけでは無い。


私が入院患者の中高生(というか、札幌に居住する中高生)に横溝正史の金田一シリーズを薦める理由は


犬神家の一族


まず、作品の時代背景が 学校の歴史教育では殆ど教えてくれない戦前、戦後である事。


犬神家の一族犬神家の一族


特に、終戦直後から数年の間が時代設定のモノには傑作が多いので 中高生にとって


「へぇ、この頃って そういう感じだったのか」と


おぼろげに理解してくれるだけでも、出来れば興味を持つキッカケになってくれればいいなと。


犬神家の一族


次に、家長制度とか 昔ながらの風習とか因習とか、札幌では爺さんや婆さんの世代でも無縁に近い地域に生まれ育った子供に そういった雰囲気だけでも理解して欲しいと思うから


犬神家の一族


そして、3番目に 物語の舞台となっている地域が信州とか、岡山の山村で それは北海道とは異質な地域であり、地図で見ればちっぽけな島国の日本という国でも 実は広く多岐に渡っている事に気づいて欲しい…とも。


犬神家の一族


まぁ、他にもいろいろと理由はあるのだが 上に挙げた3つの理由は私自身が中高生の時に横溝正史の金田一耕助シリーズから横溝文学の面白さとは別に学んだ事だからだ。


結局、今の日本の若者、というか子供は 私が子供だった時点で既にそうだったのだが、学校でいろんな事を学ぶ為、いつの間にか なんでも知っている様に勘違いしてしまう事が往々にしてあるのだが、こう言うと語弊があるかもしれないが 学校で学んだ事だけが総て人生に役立つわけで無いし、結果的に覚えていても意味の無い事が多かったりもする。


その反面、実は日本人として知っておいた方が良い事も多いけど そういった事は教科書には載っていない事なので なにかのキッカケがあって興味を抱かない限り気づかずに過ごしていく


何が良くて、何がダメかは あくまでも主観の問題でもあるので それらを押しつける気はサラサラ無いのだが、少なくとも 私は横溝正史の金田一耕助シリーズがキッカケで興味を抱き、見知った事は この歳になってもとても有意義な事だったと感謝すら覚えているから もしかしたら、同じようにキッカケを得る学生が現れるかもしれないと期待して推薦している…と言ったら 少々、大げさかもしれないけどね。


注:金田一耕助シリーズには 時代設定が昭和30年以降のモノや、舞台設定が東京など都市部のモノもあります。




さて… 少々、話は変わるけど、横溝文学のマニア達の間で どの本が傑作か?という議論が よく交わされる。


ハッキリ言って、私はどれが一番とランク付けする気にはなれないので そういう議論には基本的に参加しないが、例えばベスト3を挙げよ…となった時に 興味深い事は多くの横溝マニアは3つのうちに、「獄門島」と「悪魔の手毬唄」を入れ 残りのひとつに何を入れるか?という部分に それぞれの嗜好やこだわりが垣間見える点がある。


「本陣殺人事件」「悪魔が来たりて笛を吹く」「女王蜂」「八つ墓村」「病院坂の首縊りの家」…


どれも、ベスト3の中に入っておかしくない傑作揃いだと思う。


で、この「犬神家の一族」も もちろん、その一つなのだが 面白い事に、俗に批評家とか推理小説マニアと呼ばれる人々の間では この「犬神家の一族」を3つ目に(中にはダントツのトップだと)挙げる人が多いんだな。


で、その理由も ブタネコ的解釈で言わせて貰うと…


俗に、横溝正史の金田一耕助シリーズの特徴として


  ・おどろおどろしい

  ・血の系譜

  ・因習

  ・見立て殺人


…等を挙げる人が多く それらの描き方が素晴らしい、と褒め称える批評家が多い。


例えば、「獄門島」と「悪魔の手毬唄」に共通して挙げられる事として 手毬唄や俳句に見立てた おどろおどろしい連続殺人事件で 背景には血の系譜が…って感じになる。


「本陣殺人事件」の場合、因習

「悪魔が来たりて笛を吹く」の場合、血の系譜やおどろおどろ

「女王蜂」の場合、血の系譜もさることながら やはり、おどろおどろ

「八つ墓村」の場合、特に おどろおどろ

「病院坂の首縊りの家」の場合、血の系譜と因習


それに対して、「犬神家の一族」は 先述した特徴が総て網羅されており、であるがゆえに「横溝文学の集大成」と位置づけて評価する向きが強いという事なんだな。


ゆえに、今となっては角川春樹が仕掛けた角川映画において 金田一耕助シリーズにおいて 「本陣殺人事件」や「悪魔が来たりて笛を吹く」や「八つ墓村」の映画化権が…とか いろいろあったにせよ この「犬神家の一族」を最初に手がけた理由も もしかしたらそんなところにあるのかな?なんて思う今日この頃でもある。


で、結論的に言えば それはそれで良かったと思うし 何よりもこの映画の主題歌となった「愛のバラード」が あくまでも個人的意見だが、私がこれまでに見たいろんな映画の主題歌の中で(純粋に主題歌として制作された音楽として)間違いなくベスト3の一つだと感じるほど秀逸だとも感じている。


だって、俺 この曲聴いただけで泣けるもん。



犬神家の一族犬神家の一族

犬神家の一族犬神家の一族

犬神家の一族犬神家の一族


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