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2010年12月14日

● アウトレイジ


2010年公開の北野映画「アウトレイジ」のDVDを入手したので観た。




アウトレイジ


北野映画だから…というのも大きな理由ではあるが、キャスティングの魅力に病院を抜け出して観に行きたかった一本だったが、当時 千歳も色々あって行けずに終わったんだな。



いつも北野映画の感想で感じて述べる事だが、脇の役者達のキャラが巧い具合に立っている。


まぁ、当たり前の事なのかもしれないけど 映画って主人公ばかりに目がいってしまいがちなんだけど、主人公が際だつのは 脇が立っている時。


なのに昨今の映画はスポンサーや芸能事務所などの御都合ばかりではなく、映画の制作者自体が人気マンガやベストセラー小説といった原作の人気や 役に合うか否かよりも、客が呼べるんじゃないか?という観点で主役をキャスティングし、脇のキャストをおざなりにしちゃってるだけに 北野映画みたいなキャスティングはより際立って映る。


例えば、


アウトレイジ

「三浦友和」は大きなヤクザ組織の寡黙な若頭(ナンバー2)役


アウトレイジ

「國村隼」は二次団体のいい加減な性格の組長役 


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「椎名桔平」は三次団体の組長である「ビートたけし」が演じる組長の側近(ナンバー2)


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「塚本高史」は敵対する組の構成員だが、普段はボッタクリ店のポン!引き


アウトレイジ

「小日向文世」はヤクザとべったりの○暴の刑事


そして、この映画で驚かされたのが


アウトレイジ

「加瀬亮」がインテリ・ヤクザを実に見事に演じて見せた事。


つい数年前、「それでもボクはやってない」と 冤罪の痴漢犯を巧く演じてみせてくれた男が 相反するようなインテリヤクザを好演してみせる… これぞ、俳優であり、キャスティングの妙と言わずどうしましょ?




さてさて…


こういったバイオレンス系の映画は、簡単に人を殺しちゃうストーリーだから嫌だ…とか、身近な現実には起こりにくい話だからのめり込めない…と嫌悪する人がいるが、そんな話を聞くと、幸せな環境に恵まれて実に羨ましい話だなと私なんかは思ってしまう。


バブルがはじけて不良債権が問題化して間もない頃、企業舎弟と呼ばれる 本当は大きなヤクザ団体が経営している企業に、本当はその組織の構成員が表向き「社員」として債権整理や倒産整理している連中が乱立した


その中の一つの会社の そこそこの立場にいた者が、どう気が向いたのか判らないが 某国営放送に○○○スペシャルなんて番組に 顔にモザイク、声にボイスチェンジャーで出演し、その当時の企業舎弟が どんなテクニックや流れで不良債権をさばいているかを蕩々と喋った。


そのお陰で、ドキュメント番組としては説得力のある信憑性の高い内容で 番組としては良い番組だったと言わざるを得ないが、その世界に詳しい連中は その番組を見て


「あぁ、やっちゃった…」


と誰もが思い そして、誰もが危惧した通り 番組放送から一週間も経たぬうちに その男は路上で何者かに襲われ殺された。


私はたまたま番組が放送された数日後に その当時、企業舎弟系の連中や、不動産屋や金融業の連中が暇な時には屯して情報交換の場に使っていた とある一流ホテルのティーラウンジで その男や仲間達とコーヒーを飲みながら、とある案件の処理について打ち合わせたばかりだったから「仲良し」という関係では無いが「顔見知り」である人物が 呆気なく襲われて殺される…というのは なにもその時が始めてではなく、むしろ殺されても仕方ないだろ…ぐらいにさえ思ったものだ。


そんな感覚を身につけてしまうと「ナニワ金融道」とか「ミナミの帝王」なんて話は いかにもマンガでしかなく、Vシネマ系のヤクザ物は ヤクザをよく知らない映像制作者がどこかの組や親分を あたかもカッコの良いヒーローに仕立て上げただけの提灯映像にしか感じない。


でもね、かつては深作欣二が描いた「仁義なき戦い」にあった 私の知る「現実的なヤクザ」が北野映画の中にはある。


例えば、今回のその典型が「加瀬亮」であり


アウトレイジ

「椎名桔平」が演じて見せた人物像だ。(彼の殺され方は別として)


北野映画を語る時、やはりいつも述べるもう一つの事なのだが…


何故か映画の批評が好きな方の中には 北野映画の感想を述べる時に「死への渇望や憧憬」とか、「溢れ出る暴力性」とか、「暴力的であるが故に生まれる美」とか、やたらと小難しく語りたがる傾向がある。


ゆえに、そうやって小難しく語りたい人にとっては 北野映画は格好のネタとして今後も愛され続けていくのだろう。


でもね、私は 申し訳ないけど そういう意味で北野映画を楽しみたいのでも楽しんでいるわけでも無い。


私は 脇のキャラをちゃんと立たせて見せてくれる北野映画が好きなんだ。


同時に、脇に配する役者達に 彼らの固有な役柄ではない別のキャラを与えて、役者としてのポテンシャルを引き出してみせる様が好きなのだ。


アウトレイジ

アウトレイジ


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コメント

ブタネコさん、こんにちは。

私が知らない裏の世界を語るブタネコさんはすこぶる怖いです。

DVDの発売日からすると今年のブタネコアカデミー賞の対象作品だなぁ、と思っていたのですが早めに纏めたのですね。
このアウトレイジ、作品賞の特別賞とか、助演男優賞に誰かノミネートされるか、ひそかに期待していたのです。
もし今年に入っていても結果は変わらずだったでしょうか?

事後報告ですが、拙ブログでこの記事を引用させて頂きました。すいません。

★ 大阪だい さん

>ブタネコ的アカデミー大賞

他にも良い映画があったのでまとめ直そうかどうしようかと迷っています。

>記事を引用…

ほぅ、じゃ、後ほど拝読に伺います。


…で、拝読しまして 大阪だいさんのブログにコメントをしようかと思ったんですけど、他の閲覧者の方々に不快感を与えるのはしのびないので こちらに記させて頂きます。


私は個人的に「佐○木蔵之介」という俳優さんは嫌いではありません。

しかしながら、このクソブログに「お気に入り」としてカテゴリーを設けるつもりは今のところありません。

というのは、彼の演技は微妙に演じ分けてる部分も確かにあるんだけど 大部分がワンパターン(正確には良い人役のパターンと悪役パターンのツーパターンなんですが)に私には見えてしまうからです。

「アフタースクール」でのセコイ悪党を演じるパターンと 「ハンチョウ」のハンチョウみたいな正義感漂う良い人を演じるパターンは確かに大きく異なっているとは思います。

でも、それは誰かを騙そうとギラギラしている部分と 冷静に部下を指揮したり信念を貫こうとする部分との対比がそう見させているとも感じられるわけで 例えば彼の良い人パターンを否定的に考えると、「秘密」における父親演技とハンチョウを並べると ほとんど違いが気づけません。

同じようにそのパターンは「医龍」でのパターンにも大きく被っているとも。

これって「彼にしか出来ない演技」とか「彼だからこそ出来る演技」と盲目的なファンの方は魅力と捉えるのかもしれませんけど、私には、もしかしたら「それなりの俳優なら誰でも可」なんじゃないのかな?…なんて疑念が浮かび 同時に、「何故、その役を彼が演じるのか?」という部分に説得力を感じない事が多いので 今ひとつ「お気に入り」とのめり込めずにおります。

ブタネコさん、まさか『佐々木蔵之介』考を頂戴するとはありがたいことです。

・・・と言っても、『佐○木蔵之介』と伏せ字で意地悪されてますが。

もっと手厳しいかな?と思っていたのですが、オブラートに包んでくださってますね。

そもそも、私がファンになったのは、「あら?この役、誰にも出来る!!!」とテレビの前でツッコミ出してから、数年、それでもテレビや映画に出演し続けているので、ずっと追い続けたくなったのです。

大部分で納得するところがあり、反論の余地はありませんが、いつか、この佐々木蔵之介、逆襲いたしますので・・・と言いつつ、キャリアはもう20年ですので、なかなか。


ブタネコ的アカデミー大賞の仕切り直しがあれば、楽しみにしてます。
私は、孤高のメスでした。

★ 大阪だい さん

>『佐○木蔵之介』と伏せ字で

伏せ字にしておかないと、「検索ヒットを狙っている」と盲目的ファンからいわれのない批判を受けるのが嫌なだけです。

以前、とある俳優がらみで、それで実に不愉快を味わいましたので


>もっと手厳しいかな?と思っていたのですが、オブラートに包んでくださってますね

それだけ真剣に語る必要性を感じていないのだとご理解頂ければ嬉しいんですけどね


>逆襲いたしますので・・・

面倒臭いので結構です。


>私は、孤高のメスでした。

たしかに、孤高のメスは面白かったですね

ブタネコ的アカデミー大賞を見直そうかと思った理由の一つでもあります。

で、このまま もし見直して孤高のメスを高く評価した修正記事にした場合、なんだか 大阪だいさんの御意見におもねるように映ると癪なので見直すのを辞めます。

悪しからず


ブタネコさん、こんにちは。ほしと申します。
昨夜、「アウトレイジ」を観たばかりで、コメントお邪魔させていただきます。

面白かったなー、と鑑賞後は愉快な気持ちでした。
初めのうちは北野映画の常連俳優さんが出てこない??と思いましたが、そんな些細なことも
忘れてしまうほど魅力的な俳優さんが起用されていて、画面から目が離せませんでした。

加瀬亮さんは、内向的で暗い感じの役が上手いと注目してました。今年はこの『アウトレイジ」や
「spec」でガラリと異なる役を見事に演じていて、私の中では赤丸急上昇の俳優さんです。

ところで、私にとって「仁義なき戦い」は、父との思い出の映画で大切な作品です。
そのせいか、北野(やくざ)映画にはどこか「仁義なき戦い」の匂いがするように感じて、惹かれます。
「仁義~」の中でも広島死闘編が好きで、北大路欣也演ずるやくざが口笛する「予科練の歌」を
父が教えてくれたのも懐かしい思い出です。「『仁義~』が好き」とは、リアルに人様になかなか
言いにくいのですが。。。

★ ほし さん


>「『仁義~』が好き」とは、リアルに人様になかなか言いにくいのですが。。。

そうですか? 私は平気ですよ

良い物は良い、面白かった物は面白かった…で いいではないですか^^


>北野(やくざ)映画にはどこか「仁義なき戦い」の匂いがするように感じて、惹かれます。

私は、それが脇役への光の当て方だと思っています。

その辺については近いうちに ひとつ考察記事を掲示しようと思っているんです。


【※注意!!】

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