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2010年11月21日

● 特攻 空母バンカーヒルと二人のカミカゼ


半月ほど前に「バンブラ」さんから勧めていただいた『特攻 空母バンカーヒルと二人のカミカゼ』を ようやく読了した。




特攻 空母バンカーヒルと二人のカミカゼ


著:マクスウエル・テイラー・ケネディ 刊:ハート出版 ISBN978-4-89595-651-5


内容を簡単に述べると…


太平洋戦争終盤、沖縄戦に航空支援のために参加していた米海軍の航空母艦バンカーヒルに対し特攻隊の爆装した2機の零戦が突入し空母は甚大な被害を受け、650名以上が死傷した。


著者はバンカーヒルの乗組員達にインタビューを行い その証言を基に特攻を受ける前の艦内の様子から 特攻を受けた被害状況や、その後の本国への帰還までを乗組員の目線で描くと共に 特攻機の二人の日本人パイロットの生い立ちや特攻に至るまでの経緯を併せて描いている。


さて…


この本の傑出した点は あくまでも冷静な視点でアメリカ側と日本側のどちらに偏ることなく証言を事実として淡々と記しているところにある。


残念ながら 第二次大戦の戦場をこのように描ける日本人が少ない反面、最近のアメリカでは こういった視点で戦記が描かれるケースが増えている様に感じるのは 私としてはとても望ましく感じる。


戦後60年以上が経ち 思想感や認識などずいぶんとアメリカナイズされたと言われる日本だが、戦中戦後に関しては臭い物に蓋をするかのごとく 冷静な検証を行おうとする動きに乏しく ともすれば事実とは違った風聞ばかりをあたかも事実の如く受け止めて ただ、時が過ぎるのを待ってる感すらするのと同時に 自国の先史に対してそうである以上に 例えば、敵国側の将兵などの事など気にすらかけていない。


特攻という行為に対して 上からの命令だったか、自発的な行動だったのか? そればかりを議論し 昨今では「上からの命令だった」というのが定説となっているようだけれども 私は「命令」であろうが「自発行為」であろうが そのどちらであったとしても現実的に特攻で亡くなった方は多くおられるわけで その多くの方々は「家族の為」「恋人の為」しいては「国の為」と亡くなった事を思う時「誰が?」とか「どうして?」とか論ずる暇があったら まず、感謝の意を込めて慰霊だろ?とずっと思い続けてきた。


で、今回 この『特攻 空母バンカーヒルと二人のカミカゼ』を読み 特攻機のパイロットとして亡くなったお二方の事を世に知らしめる記述の他に 遺族や戦友の方々のインタビューが数多記述されており そういった方々の考えや証言に触れる事、それもひとつの「慰霊」だと思うんだよね。


この『特攻 空母バンカーヒルと二人のカミカゼ』を読んだ方のいくつかのサイトにおける感想記事や評論に目を通すと この本を高く評価している方が結構多い。


が、若干とは言え この本を酷評している方も少なくなく 酷評される方の多くはこの本の中に記された著者の推論 特に「特攻隊の攻撃が原爆投下の決断をもたらした」かの描写が気に入らない事によるものであり、正直言って 私もこの著者の記述の一部には「?」と首を傾げる部分がいくつかある。


「特攻なんて真似したから原爆を落とされた」


…なんて議論に私は意味を感じない。


仮に、それが事実だったとしても特攻隊の隊員達に責任は無いのだからね。


それにそれよりも重要な事は この著者はちゃんと日本側の証言もきちんと記している事。


つまり、この本の最大の良い点は 今まで日本人がちゃんと調べて描こうとしなかった事をアメリカ人なのにやってくれた事… そこに尽きる。


だから、私はこの本を酷評する気にはなれないんだ。


それは先に述べた様にバンカーヒルに突入した2機のパイロットは誰だったのか? それを明らかにしてくれた事で 日本の学校では教えてくれない戦史という歴史をひとつ明確にしてくれた事を私は良しとしたいんだな。


昨今の日本人的感覚だと


「突入機が誰だったかなんてむしろ明確にしない方が その日、特攻に飛び立った他の多くの

 特攻機の方々を含めて みんなで挙げた戦果って事で良いじゃない」


なんて言う人も少なくなかろう


私は特攻に飛び立ち、敵艦に突入できず撃墜された方々を卑下する気なんかさらさら無い。


突入の如何に関わらず、特攻機として飛び立った時点で同列であると私は思う。


しかしながら、突入に成功した者を明らかにしておかなければ その者は浮かばれないんじゃなかろうか?


本書の記述によると二人のうちの一人である「小川清」少尉は バンカーヒルが炎上した甲板に搭乗機のそばにその亡骸があり、「記念品」と称して亡骸から略奪までされた事が明記してある。


まぁ、宗教観の違いによって受け止め方もいろいろあるだろうけど その様子を記述から思い浮かべる時、心中察して余りあるなんてもんじゃ無い。


で、下世話な意味でだが この本の難点をひとつだけ挙げておくと それは本の値段が3800円+税と 平均的な単行本と比して高額である事。


まぁ、戦記物 しかも洋書の翻訳物は総じて値段が高いんだけど この本は出来るだけ広く読まれるべきと思うだけに その値段の高さは残念だ。


お駄賃

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コメント

私もやっと読み終わりました。アメリカの作者が事実を淡々と、これだけ公平に書けていることには驚きです。この著書のように事実が歪曲されることなく(もちろん事実に対する著者と私の感性の違いはありますが。)、多くの日本人により記されることを願わずにはいられませんでした。
よい本をブログで公開していただきありがとうございます。

★ きーマン さん

>よい本をブログで公開していただきありがとうございます。

いえいえ、これを私にご紹介下さったのはバンブラさんなので バンブラさんに感謝^^

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