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2010年11月10日

● 99年の愛


5夜連続で放送されたドラマ「99年の愛~JAPANESE AMERICANS~」の第1話~第5話を見た。




99年の愛99年の愛


正直言って私は「橋田壽賀子」が嫌いだ。


と、同時に橋田ファミリーなどと自称する役者連中の殆ども嫌いだ。


であるがゆえに、橋田壽賀子の金魚のふんにしかすぎないのに大女優だと思いこんでいる泉ピン子は… 


ま、そんな事はどうでもいい。


だったら、こんなドラマを見なければ良いのだが 残念ながらこのドラマで描かれた日系移民の戦前・戦中・戦後について私は個人的に興味を抱いており、それをちゃんと描くドラマが見たいと以前から思っていたけど なかなかそういうドラマに巡り会えずに来ただけに「どんなものか覗いてみた」というのが そもそものキッカケだ。


でね、見終えた感想を先に述べれば このドラマはとても秀逸な部分と 橋田特有で かつ、TBS特有のあざとさが微妙にうまく配合されている…という感じも受けた。


だから、素直に全体を褒める事は出来ないが 部分的には個人的な理由でボロ泣きさせられたシーンがいくつかあった事も素直に認めておきたいと思う。


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さて…


怒られるのを覚悟で言うが 未開地や外国に移住した人達の苦労を偲ぶという趣のドラマは 生粋の道産子と本州以南人とでは偲び方も思い入れも大きく違うと思う。


札幌オリンピックを期に、札幌の人口は急増し それまでは大手企業や官公庁では「島流し」の場所とされていた北海道も いつの間にか、それ以前の北海道を知らない人が増えてしまったから 今の北海道の若者達には頑固親父の思い出話にしか聞こえないのだろうけど 私の世代は開拓史、屯田兵の子孫として爺さん達から苦労話を生で聞かされているので 未開の地に移住する事がどんな事か僅かながらも知っている。


かつて倉本聰の「北の国から」という名作ドラマに大泣きさせられたのは そんな開拓者の苦労を倉本聰はきちんと踏まえてドラマに盛り込んでいたからで なんでもかんでも


「散々、苦労した末に良い人に巡り会えて」


なんてキッカケが転機となって…ってのは御都合ドラマが得意な橋田らしさがプンプン臭って鼻につく。


たしかに、そういう「良い人」は沢山おり それが日本人の本来兼ね備えた美徳だとも思う。


けれども、現実的には そういった夢や希望を持った人達を確信犯的に騙す者や、夢や希望ばかりを膨らませすぎて 現実に直面した時に挫折したり、逃げた者も大勢いたわけで…


結局、このドラマの初代:平松長吉は自身が真面目で働き者だったから…というのは確かに大きな要因だが、アメリカへ移住する時、土地を手に入れる時など節目に、親切な人や理解してくれる人が現れ 長吉の息子である一郎が442部隊で奮闘した事で


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目の敵だった男がその言動を180度変える。


素直な人は その一つ一つに感動し、泣けるんだろうなぁ…とは思う。


けど、現実まみれで薄汚れた私は 悪人が出てこない世界に、お涙頂戴設定のあざとさを感じ、そこに感情移入は出来難いんだな。


どうでもいい オタク話だと笑われるかもしれないが…


442連隊の存在と活躍は おそらく今の日本では軍事オタクと呼ばれる連中ぐらいしか知らない。


ゆえに、どういう形であれ今回の「99年の愛」の様なドラマでその存在や流れを知らしめるのは意義ある事だと思う。


けれども、この「99年の愛」の様に一郎の442部隊での活躍によって かつての家と土地を平松家が取り戻す…という流れは 実はレアケースに近く、戦後しばらくも442部隊の隊員達ですらジャップという迫害は続いたのであり 昨今の様に日系人が認められる様になったのは1960年代の公民権運動以降の事


つまり、橋田のこのドラマの様な描き方では 日系人史を知らなかった人達に、ともすれば誤解を招くおそれが高い


そう、あたかもすべて中立公正で総てを把握しているかの如く振る舞いながら 実は歪んだ個人感を押しつけていた筑紫に影響されたTBSそのものを投影している感があるとさえ私には感じるのだ。


もちろん、私も偏屈で偏見の持ち主だから私が全面的に正しいとは言えないからお互い様なんだけどね。




ただね、


99年の愛

「高畑淳子」が画面に登場した時は また得意のワンパターンかとウンザリしたが、


99年の愛99年の愛


この「おはぎ」のエピソードは 個人的に同様の経験談を義弟の親父さんから何度も 毎年、終戦記念日に「火垂るの墓」が放送され それを見る度に聞かされたのを思い出し、泣けた。


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99年の愛99年の愛

この「寺島咲」と「川島海荷」の表情の演技 巧かったなぁ…


99年の愛

このシーンは思い出しただけでも泣ける それは認める。


でもね、だからこそ あくまでも個人的に納得のいかない事がいくつかある。


その最たるものは


99年の愛


川島海荷が演じた「サチ」が 中尾明慶が演じた二世の米兵から受けた恩に関する礼なり感謝が描かれて無かった事。


そう、この物語は最終回の最後の最後に至るまで どこかで「良い人に助けられて」ばかりなんだな平松家は。


で、それに対する感謝の描写がひとつも無いのだ。


にも関わらず、ハッピーエンドみたいな終わり方って どうなの?って違和感を最後に覚えた。


99年の愛


岸惠子が演じる「サチ」は 戦後の混乱期をいろんな苦労を乗り越えてデザイナーとして成功した…のは良いとして 台詞の中にいろんな恨み言を述べる。


でもね、沖縄から広島に移動でき 広島で姉と再会し、いくばくかの金を借り… そういった日系二世の米兵に対する礼なり感謝はどうしたの?


アメリカと縁を切り…って流れであれば 落ち着いてから探し出したとは思えない。


99年の愛

収容所にいた平松家の連中も わざわざ姉妹の無事を伝えに来てくれた彼とは その後、疎遠なの? 両親の墓参りもいいけど、サチはまず彼に感謝の意を表す何かをしなきゃダメだろ… なんて、だんだん腹が立ってくるんだな私は。


で、ふと思うのは 橋田はこのドラマを遺言だとかぬかしているが、このドラマで彼女は何をどう描き伝えたかったのだろうか?


真面目に頑張っていれば、誰かがきっと助けてくれる…って事なのか?


だとすれば、ずいぶんと自己都合な他力本願だな?と冷笑したい。


結局、助けてもらった事に感謝を込めた礼、その方が既に亡くなっておられるならば せめてもの「慰霊」 それが欠けているのだこのドラマは…って思うと 何かに通じてくる


そう、戦没者に対する慰霊だ。


戦争反対、世界平和 戦争責任は… それらを唱えるのもいいけれど、感謝は? 慰霊は? まさにTBSだな、おい と。


99年の愛

「中井貴一」の演技は渋かった。


99年の愛

「松山ケンイチ」も秀逸だった。


99年の愛

「大杉漣」も彼ならではの味が出ていた。


99年の愛

「大泉洋」も 美味しいところを持って行ったと思う。




さて、最後に さらにどうでもいい オタク話も少し付記しておきたい。


99年の愛

99年の愛


第4話の戦争シーンの中で「戦車」が登場するシーンがある。


この戦車 どう見ても


画像をクリックして大きな画像で見てね。^^

(上の写真は陸上自衛隊武山駐屯地(横須賀)に展示されているのを私が2007年10月に撮影したもの)


61式戦車なんだな。


昔の名作と言われている戦争映画では アメリカの戦車を多少装飾してドイツ戦車として映画内で用いているケースは沢山あったが、近年の戦争物で しかも、戦後の日本の戦車をドイツ第17SS装甲師団だと言い切って見せているのには顎が外れそうになった。


しかも、御丁寧にCGを用いて何台もある様にみせかけまでしてる。


演出家に軍事知識が無くて


「ここは戦車をドーンと出して 戦場の緊迫感を盛り上げちゃってさぁ…」


と、勝手に言い出すのまでは百歩譲って理解が出来るとしても 演出家を支えるスタッフやCGを制作した連中の中に 多少なりとも軍事知識を持ち合わせた者、いや ドラマを作る上で最低限の考証を意識するためのアドバイザーとか どうしていないのかね?


99年の愛


高台の開けた場所の狭い地域に 5両の戦車が密集して射撃…


(どこのどんな標的を撃ってるの? コレ)


最低限の知識を持ち合わせた人が一人もいなかったんだなと明白な画面作りなんだよね これって。


要するに、何が言いたいというと…


戦場を描こうと真剣に考えた人ならば多少なりとも「~戦線」とか「~島上陸戦」とか そういった軍記や資料を学ぼうとするはず、というか そういう予備知識を得ずに戦場を語ったり描く資格は無い


「とりあえず、ここ激戦の戦場だから それが判る様にブワァッとね」


…みたいなお手軽気分で描いた映像に説得力なんか無い。


物語的に「戦場で一郎は仲間を庇って戦死しました」を描く為に この演出家はどれだけのウソを並べたか気づきもせず「戦場を描いた」と満足しているんだろうなぁ… 言い換えれば こんなアホ演出ばかりだから、いつまで経ってもまともな戦争ドラマを制作できないんだなと理解した。


あ、ちなみに この「99年の愛」というドラマは 戦争ドラマだと私も思っていないので どうでもいい、と言えば どうでも良い事である。


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