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2010年09月01日

● ペリリュー島戦記


現在放送中の「ザ・パシフィック」の原作とされている本のひとつと 同じテーマのもうひとつの本、その二つを「ザ・パシフィック」の5・6・7話(ペリリュー戦のエピソードの回)を見終えたら読もうと思っていた。




まずは、


ペリリュー・沖縄戦記


「ペリリュー・沖縄戦記」 ユージン・B・スレッジ:著 講談社学術文庫 ISBN978-4-06-159885-0


著者名を見れば判る通り、「ザ・パシフィック」の3人の主人公のウチの一人の著作である。


この本を読了して思った事は ペリリュー戦の最中に、何度か著者は日本軍に対して憎悪する場面がある。


例えば、仲の良い仲間や上官が戦死した時であり 日本兵によって無惨に損壊された米兵の死体を目の当たりにした時などがそれだ。


でもね、それはお互い様だった。


で、私は「うぅむ」と唸らされたのが この著者自身が「お互い様だった」と認めているところ


例えば、本文P59-60に 以下の様な記述がある。


死んだふりをしておいて手榴弾を投げつける日本兵の手口、負傷したふりをしてアメリカ軍の衛生兵に救いを求め。近付いた相手をナイフで刺し殺す卑劣なやり口。 それに加えて真珠湾の奇襲攻撃。 おかげで海兵隊員達は日本兵を激しく憎み、捕虜に取る気にもなれなかった。

-- 中略 --

戦後に書かれた公刊戦史も海兵隊の歩兵の回想録も、こうした憎悪にはめったに触れていない。 しかしあの戦いのさなか、海兵隊員達は間違い無く、心の底から、激しく日本兵を憎んでいた。 こうした憎悪を否定したりするなら、私が太平洋の戦場で生死を共にした海兵隊員たちの固い団結心や熱烈な愛国心を否定するのと同じぐらい、真っ赤な嘘をついていることになるだろう。


そして著者は こうも記している


日本兵もまた、われわれアメリカ兵に対して同様の憎悪を抱いていたに違いない。 ペリリュー島と沖縄での戦場体験を通じて、私はそう確信した。 彼らは狂信的な敵愾心を抱いていた。 つまり、日本兵たちは、戦後の多くのアメリカ人には--そしてひょっとして現代の多くの日本人でさえ--ほとんど理解出来ないほど強烈に、自分たちの大義を信じていたのだ。


この記述を読んだ時、当時の日本兵を その子孫よりも敵兵の方がよく知っているんだな…という気持ちになり 悔しいよりも情けなくさえ思った。




で、もうひとつの本は


ペリリュー・沖縄戦記


「ペリリュー島戦記」 ジェームス・H・ハラス:著 光人社NF文庫 ISBN978-4-7698-2638-5


上述した「ペリリュー・沖縄戦記」と似て非なる一冊である。


上述の「ペリリュー・沖縄戦記」が「ユージン・B・スレッジ」といういち海兵隊員の視点で記述されたものだから 現実に戦場を往来した兵士の内面を深く窺い知る事に向いている反面、著者の部隊が担当していたエリア以外の戦場の様子は掴みにくいので ペリリュー島攻略戦の全体像が判り難いのが難点


それに対して、この「ペリリュー島戦記」の方は兵士個々の内面の深さは譲るとしても、途中で海兵隊から引き継いで戦った陸軍の記述などペリリュー島攻略戦の全体像を把握するなら コチラの方が判りやすい。


本来であれば、「ザ・パシフィック」というTVドラマシリーズの原作として 上述した「ペリリュー・沖縄戦記」を深く掘り下げるべきなのかもしれないが 私はたまたま書籍を通販で発注する際に この「ペリリュー島戦記」という書が関連リストの中にあるのが目につき それをよく見た時に「あれれ?」と思ったので同時に発注したのだ。


それは、まず「ジェームス・H・ハラス」という著者名で 実は2007年03月20日に このクソブログに掲示した記事『沖縄シュガーローフの戦い』で良書だったと記した本の著者


まさかと思って確認したら 翻訳者も同じ猿渡さんじゃないの


しかも、読み終えて「訳者あとがき」を拝読していたら あれ?あの人やこの人だ…


率直に申し上げて 私直接ではなく、私の義弟がお世話になり、その関係で存じ上げているお名前が数人… 水くさいなぁ… 本を出したのなら教えてくれればいいのにぃ…と 正直言って若干スネ気味の私だったりする。^^;


…と申し上げた上で「ペリリュー島戦記」の感想を述べると あたかも提灯記事の様に誤解を受けるかもしれないが…


御存じの方にはしつこい話で恐縮なのだが、私は戦争物の映画や書物を読む際に いわゆるミリタリー・オタク並とは言わないが 最低限の軍事知識や用語を身につけた人の翻訳と 単なる英語に詳しいだけの翻訳とでは 作品のクォリティに雲泥の差が生じる…と指摘し続けてきた経緯がある。


これだけは実名を挙げて批判させて頂くが、戸田奈津子という方が 過去にどれだけ外国映画の字幕や吹き替えで功績を挙げた方だ…と敬愛する人が多いとしても 申し訳ないが、私は洋画を見る時に翻訳・ふき替えなどに彼女の名前を見つけると「あ、残念な訳には気をつけないと」と警戒する事にしているぐらいに嫌っている。


まぁ、戦争映画における軍事用語もさることながら 医者が出てくれば医療用語、不良が出てくればスラングとか そういった個別の業界用語を戸田という御方は「意訳」とかいう名目でいい加減に扱い それがゆえに笑う所で笑えず、泣ける所で「え?」みたいな思いにさせられている事を いい加減、多くの人 特に映像制作者達は猛省した方が良い。


ゆえに、決して比較して煽るつもりは無いけれど「ペリリュー島戦記」と「ペリリュー・沖縄戦記」を間を置かずに読むと 特にミリオタならば違和感の無さがハッキリ判る。


まぁ、紛らわしいのはハラスの「ペリリュー島戦記」には スレッジが何度も登場し、「ペリリュー・沖縄戦記」でスレッジ自身が記述した事が そのまま記述されていたりもする事。


それと「ザ・パシフィック」のもう一人の主人公ロバート・レッキーも「ペリリュー島戦記」に登場していたので 興味が沸いて調べてみたら…。


ロバート・レッキーが書いた「Helmet for My Pillow」という著書も「ザ・パシフィック」の原作扱いなのだそうだが、他に


日本軍強し


上の本も書いてたんだ。


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コメント

 ユージンスレッジ氏の講談社学術文庫版は私も読みました。NF文庫も現在探しております。ロバートレッキー氏の翻訳本は未見でした。本の体裁からすると、少し古い時期の出版と思われますが、いかがでしょうか?
 さて、戦場における敵に対する憎悪と、それに伴う残虐行為に関する考察を深めるため”容赦なき戦場”という著作をさがしております。読了いたしましたら、感想などを送らせてください。
 それにつけても、今後の硫黄島及び沖縄のストーリーがわずか1回づつ(約45分程度)で描ききれるのでしょうか?心配であります。
 ところで、戸田さんですが、もう戦争映画については、あまりの誤訳の多さに私も辟易としております。”フルメタルジャケット”の時に一回味噌をつけてるというのに、懲りませんな、あの方も。

★ ニャ王様 さん

>ロバートレッキー氏の翻訳本は未見でした。

amazonで検索したらヒットしました 古い本です。

>容赦なき戦場

人種差別、偏見という視点に絞ってのアメリカ人による考察という意味で興味深い本ではありましたが、なんかザラザラした納得出来にくい部分がいくつか感じた本でもありました。

>今後の硫黄島及び沖縄のストーリーがわずか1回づつ(約45分程度)で描ききれるのでしょうか?

無理だと思います。

ですが、それでも従来の典型的日本物とは全く違う表現に出会えるんじゃないかと大きな期待を抱いています。

>戸田

御本人がどうこうよりも 大家と祭り上げ、もてはやすアホ共に私は辟易とします。


ブタネコさんへ
やっと暑さも峠を超えたようで秋めいてきましたがお元気ですか。先週末昔の同僚から暑気払いをしたいから新宿に集合との知らせを受け出かけたのですが、早めに着いたので西口の本屋さんを覗いたところ’沖縄シュガーローフの戦い’が文庫本になっているのが目に入り懐かしんでいたらその斜め上に’べりリュー島戦記’がありブタネコさんが記事にしていたのを思い出し早速入手して読み始めました。この手の本は読むのが疲れます、余りにも日本軍兵士が殺されるので途中で読むのをやめようと思ったのですが翻訳者の方はもっと辛い思いをして翻訳されたと思い先ほど読了しました。戦い終わっての章で井上中将が半年しか準備期間がなく1年あれば米軍を撃破できたと海兵隊の尋問官に述べたとありますが硫黄島でも陣地構築に必要なセメントを十分送っていなかったようだし、たらればになりますが担当者の無念を思うと残念でなりません。相変わらず日本は歴史に学ばないようで昨今の近隣情勢にもかかわらずせっせと防衛予算を削っているようです、日本はどうなるのでしょうかね?

★ タンク さん

蒸し暑かったのも勘弁でしたが、寒暖の差が激しくこれはこれで参ってます。

ところで、今回頂戴したコメントのレス 誠に申し訳ありませんが数日御猶予を頂戴し、その上で「ザ・パシフィック」の8話と9話の感想記事の中で記したく どうかお許しを願います。

たしかに、沢山の日本兵が亡くなりましたが この本を読んだり、「ザ・パシフィック」の映像を見ていて それ以外にも感じる事が多々あり、出来れば 時間をかけてじっくりと考えをまとめて記事にしたいと思っているのです


こんにちは。いつも楽しく読ませて頂いております。BOB, The Pacific 以降ブタネコさんの影響、紹介等で戦記物原作を読むようになったのですが、最近友人が良い本を紹介してくれました。あのロバート•ケネディーの息子が出版した本で、日米両方を徹底的に調べ上げ、両者の心情をフェアーなまでに書き上げた「特攻 空母バンカーヒルと二人のカミカゼ」という本です。ご存知かもしれませんがかなり読み応えがあります。良かったらチェックしてみてください。

★ バンブラ さん

早速、手配しました。


【※注意!!】

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