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2010年09月21日

● ザ・パシフィック 第9回


ドラマ「ザ・パシフィック」の第9回を観た。




ザ・パシフィック


この「ザ・パシフィック」に関して戦闘シーンが物足りないという感想を抱かれている人が少なく無いという。


たしかに派手なドンパチが戦争映画の醍醐味…という考えは一理あると思うし、かつての戦争映画はそれがウリだった。


でもね、私の個人感で言えば1998年に公開された「プライベート・ライアン」あたりからドンパチを楽しむのとは違う傾向を示すものが登場しだしたと思うのね


奇しくも、この「プライベート・ライアン」はノルマンディ上陸戦やその後の戦闘場面において兵士達の装備や軍装 登場する戦車や戦闘機の考証がそれまでの戦争映画とは一線を画するほど優れており、しかも上陸シーンでの兵士の手足が飛び散ったり、無惨に破壊された顔面や内臓が飛び出たまま這いずり回る負傷者などの描写の激しさも それまでにはないリアリティの満ちたモノだったのだが、であるがゆえに ドンパチ物としても一級の戦争映画と認識されているのだけど 私はこの映画のドンパチシーンよりも冒頭とラストの墓地のシーンの方に この映画の本質というか、素晴らしさを感じ絶賛したものだ。


「プライベート・ライアン」を制作したスピルバーグと主演のトム・ハンクスは その後、「バンド・オブ・ブラザース」を制作したわけだが、これもまた激しい戦闘シーンの見事さに目を奪われる人が多いけど 本質的に最も素晴らしい点はひとつの中隊と所属する兵士達の個々を集中して描いた事


ゆえに、私は「ザ・パシフィック」が制作されるという話を聞いた時に 最も興味を抱いたのは そんなスピルバーグとハンクスが太平洋戦争を どう描くのか?という点。


ちょっと表現が悪いのをお許し願うとして…


たとえば、これまでに「ガダルカナル」を題材に描いた戦争映画は沢山あるし、ドキュメンタリー番組や書籍も沢山あるが 実は、その殆どは日本人によるものばかりで外国物はそんなに多くは無い。


で、日本物の殆どは ガダルカナルに送り込まれた兵士の大半が戦闘ではなく劣悪な環境、マラリアとか 特に、補給不足による餓えで苦しんだ事ばかりが描かれている。


ところがね、数少ないとはいえ ガダルカナルで戦ったアメリカ兵の手記やインタビューを読んだり見たりすると ガダルカナルに最初に上陸した米軍部隊も一時期、補給が途絶え日本兵よりは遙かに帰還は短いけれど餓えに苦しみ 多くの兵士がマラリアに感染して苦しんでもいる


そう、「物量豊富な米軍に日本兵は駆逐され…」という表現は間違いでは無いのだが、一時的とは言っても日本兵と同様の苦しみを味わった米兵が少なく無い事を多くの日本人は知らないし、ガダルカナルを描いた書物やドキュメンタリーにも殆どそういう記述は無い。


では、なんで米軍の中に そういう風に苦しむ時期があったのか?と言えば 日本の海軍がガダルカナルの近海で連合軍艦艇に損害を与えたり、日本海軍の戦艦がガダルカナルの米軍が占領した地域に艦砲射撃を行った事などがあったからなのだが、現代の日本人でそれらを知っているのは いわゆる戦史を研究するのが趣味の軍事マニアか、仕事上でそれらを知った人ぐらいのもなんだな


だから、そういった極少数の人以外は ガダルカナルでは日本兵は餓え苦しんで死んだか、無謀なバンザイ突撃を繰り返した…ぐらいの認識しかないが、米兵の手記などを読むと バンザイ突撃にも悩まされたが、それ以上にゲリラ戦の巧みさや防御陣地からの効率的で連携のとれた正確な射撃や砲撃に悩まされたと記している。


そう、どの手記でも日本兵がどれだけ恐ろしかったかを ともすれば讃えているのだ。


でもね、日本製の映画やドラマでは 米兵の手記に登場するような「恐ろしい」日本兵が登場するものは殆ど無い。


まぁ、ヒーローっぽく描かれるような兵士が登場したのでは軍国賛美に映りかねないとか、そんなんじゃ「お涙頂戴」にならないとか いろんな理由はあるんだろう。


でも、餓え苦しんで死んでいく兵ばかりを描くわりに 未だに「慰霊」の意さえ啓蒙出来ないのはどういうことなのか? それが私の大いなる不満なんだな。


昨今の普天間問題において いろんな意見が飛び交うと同時に、ささやかながらも沖縄戦に関してニュースやワイドショーなどで学ぶ機会もあったが、私としてはとても気になっていたのは 普天間問題絡みで「沖縄戦は~だった」と報じられるのは その殆どが日本側からの視点ばかりであり、下手をすると大戦中の背景や終戦直後の状況は棚に上げて現代感覚で語ったものばかりだった事で 軍事的に沖縄に米軍基地が有る事と極東の情勢を…なんて論調で「~だから、米海兵隊が沖縄に駐留する事に意味がある」みたいな帰結が大きいんだよね。


たしかに、そういう考えを否定する気は無いんだけど、私は もっと別な視点を何故、誰も口にしないのか?


いや、それを気づいていながら口にしないのが現代日本人特有の嫌らしさだと思うのね。


誤解される事を恐れず、怒られる可能性も承知の上でそれを敢えて記してみると…


「大勢の米兵が死傷して占領した島をアメリカの国民が簡単に返還する事を許すと思えるのか?」


…って事。


基本的に沖縄など南西諸島や小笠原諸島などの領有権は返還されて今日に至るわけで その返還が実現した裏には いろんな思惑が…なんて話しも理解は出来るが 実質的に基地問題を見た時、それが完全に返還されたのとは違う…という事は子供でも判る事だよね?。


でね、沖縄が戦闘行為の結果、占領された地である事を考えた時、もし これが逆の立場だったら 日本軍が自力で占領した地を簡単に返還するのだろうか?と御一考願ってみたいわけだ。


つまり、現代の日本人って返還されたんだから…って事ばかりを見て それまでの過程とか経緯とかをちゃんと理解もせずにモノを言ってる輩が多くないか? とね。


もちろんこれは戦没した方々に対して侮蔑する気や、実際に基地周辺で暮らす人達を蔑ろにする気持ちなど毛頭無いし、沖縄から米軍基地が完全に無くなる事を私は強く願う一人なのだが、どうも鳩山や社民党の言い分には そういったアメリカ側の特にアメリカ政府ではなく、アメリカ国民の感情や思考に対する考慮が欠けていると感じてならなかったのだ。


私の知る、第二次大戦に従軍した米兵達はドイツやイタリア相手に戦った「欧州戦線」と日本相手に戦った「太平洋戦線」とでは趣が全く違うと口を揃えて言っていた。


それは、欧米と一括り出来る部分があるように 思考の基本的な部分に共通性みたいなものがあるのと、根本的に民族や人種が違い 思考が全く違う相手との戦い…という意味でだ。


「ザ・パシフィック」を1話から最終話まで見通した中で 米兵が「なんで日本人は降伏しない?」と喚くシーンが数度ある。


「最後の一兵まで戦い抜く」


という日本軍の姿勢が欧米人には理解出来ない典型なんだな


同時に


「海兵隊は捕虜をとらない」


という台詞も「なんで日本人は降伏しない?」と喚くシーンと同じぐらいにある。


降伏しようとしても「捕虜をとらない」という理由で撃ち殺すのに「なんで日本人は降伏しない?」と喚く… これってよく考えると大いなる矛盾なんだよね


よく左翼系の人が現代感覚で「降伏を認めなかった日本軍は残虐だ」と旧軍を非難するけれども 仮に、旧軍が降伏を認めていたとしても それで兵が本当に助かったのか?と考えると私は疑問を大いに抱く。


ペリリュー、硫黄島、沖縄… 要塞陣地を構築したり、ゲリラ戦で戦う日本軍を相手に上陸して攻撃する連合軍としては陣地を一つづつ潰していく他無く、その結果が火炎放射器だったり、無差別攻撃に至るわけで「捕虜をとらない」という海兵隊の方針は人道的な面はともかくとして、軍事的な部分に限定して考えれば理解が出来るし なによりも、この「ザ・パシフィック」を見ていて


ザ・パシフィック

ザ・パシフィック


日本兵をなぶり殺しにしたり、意図的に少年が射殺されたり、日本兵の遺体から遺品を略奪する行為を多くの米兵がしていた事を示すシーンを見る時、「戦争中、こんな事がありました」と それが良くない事であってもちゃんと証言する元米兵が少なく無い事に いろんな意味でたいしたものだと思う反面、やはり日本人に対するアメリカ人の蔑視的な感覚は今でも完全に拭えてはいないんだろうなぁ…という感じを受ける。


ただね、第9話まで見終えて 特に、この沖縄戦の回を見て感じたのは 戦争中に起きた「良い事」と「悪い事」 それらをちゃんと描いて見せられない日本人ってのは実にいい加減な連中なんだな…と自己嫌悪すら覚える…って事だ。




さて、マニアックな部分でひとつ記しておくと…


ザ・パシフィック


M4戦車や95式軽戦車だけじゃなくアリゲーター(たぶん、LVTの(A)-4タイプだと思うのだが)まで登場したのには唸った。


お駄賃

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