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2010年08月31日

● O弁護士の遺訓(2)


その日、私と後に”二代目開業医”、”某国立大学理工学部教授”、”一級建築士の資格を持った詐欺師”と呼ばれる4人の高校生達は 放課後、”二代目開業医”の家に行き娯楽室で麻雀していた。




”二代目開業医”の実家はそこそこの病院を経営しているだけあっていかにもな金持ち

家も豪邸でカードテーブルや麻雀卓(まだ全自動じゃなかったけど)やビリヤード台まである娯楽室があったので我々には都合が良かったのだ。


「そういえば、”腕力だけが取り柄の歯科医”と”気の弱い弁護士”午後からサボったんだべ?」


「え? そうなの?」


「そう、”腕力だけが取り柄の歯科医”が 何処かで心霊写真が撮れるスポットを聞いたらしくて…」


「真っ昼間に行って撮れるのか心霊写真って」


「真っ昼間に限らず、”気の弱い弁護士”に撮られる霊がいるとしたら

 余程、マヌケな死に方した霊ぐらいのもんだろさ」


「俺は いつか”気の弱い弁護士”の方が どこかでマヌケな死に方して

 霊になって写真に撮られる方にまわると思う」


「あ、それ同感」


「だよな」


「今頃、その心霊スポットとやらで地縛霊になっちゃってんじゃねぇの?」


「ブヒャヒャヒャ(笑)」




で、翌日の事。


徹マン明けのまま私達は高校に登校したが”気の弱い弁護士”と”腕力だけが取り柄の歯科医”は登校して来ない。


出席を取り終え朝のHRが終わる時、担任教師が私を呼び


「オマエ、@@(”気の弱い弁護士”の本名)や¥¥(”腕力だけが取り柄の歯科医”)と仲良いよな?」


と言う。


入学して間もない頃ではあったが、既にこの時点で私は この担任教師が嫌いだった。


それはこの時もそうだったのだが、腕に赤字に白で”団結”と書かれた日教組の腕章を巻いており、日教組の組合活動があると授業を自習にして何処かへと出かけるマルクス・レーニン主義に熱心なアホ教師で


おまけに、この数日前 この担任教師は私の父が自衛官で、住んでいる所が自衛隊官舎である事を理由に 事前に予定された時間を断りもなくスッぽかし、電話で問い合わせた母にハッキリと


「軍国主義と話し合う必要は無い」


という理由で生徒全員の所に訪れる家庭訪問のはずなのに ウチには来なかったのだ。

(これ、ホントの話)


それを私の父親は激昂し最初は「そんな高校辞めちまえ」と激怒していたが


「辞めて損するのは子供の方でしょ」


と母になだめられ


「そんな馬鹿教師に媚びへつらう必要なんか無い いつでもぶん殴ってやって構わん」


そう言って怒ってた情景が今でも甦る。


「何すか?」


私があえてぶっきらぼうに応えると


「@@と¥¥が 昨日の午後の授業をサボったのも先生は知ってるんだ

 二人が学校に来たら話があるから先生の所に来いと伝えろ」


担任教師がそう私に言うので


「アイツらもそうだし、自分も組合活動に忙しいんで 申し訳ないけど伝えられるかどうか約束出来ないッす

 先生も組合活動で忙しい方だから その辺のところ御理解頂けますよね?」


と私が応えると 担任は怪訝な表情で


「なんだ? オマエの組合活動って もしかして学生運動か?」


「いや、そんな御立派なモノじゃないです。

 自分のは反日教組運動を活動する組合ですよ 判りやすく言えば

 ”日教組の犬みたいなバカ教師の言う事は聞くな”

 と、父親から厳命されただけの話です。」


担任教師は今にも怒鳴り出しそうにプルプルしていたが、自衛隊官舎住まいの学生の家庭に家庭訪問に来なかった教師が他にもおり、その件で前日にPTAの抗議や市教委がどうしたと騒ぎになっている最中だったから たぶん、余計な騒ぎを起こすまいと思ったんだろうね… その時はそれ以上の話にはならなかったが、翌日から2年に進級してクラス替えで担任が替わるまで 朝のHRの出欠で私の名前が呼ばれた事は一度も無くなった。


この担任教師にしてみれば 精一杯の嫌がらせだったんだろうけど、お陰で私はどれだけ学校をサボっても その担任の行為のお陰で判らなくなってしまい、結果的に1年生の時は無遅刻、無欠席、無サボリ、無出席という 非常に不可解な出席日数となる。

(卒業時、上記から「無出席」という記述は公式記録から削除された)


が、そんな事はどうでもいい。


いくらなんでも”心霊写真”に夢中になる奴の心情が理解出来ない事もあって気にしないでいたのだが、1時間目の授業が終わったタイミングで”気の弱い弁護士”が教室に現れ


「いやいやいやいや まず、ビビったぞ、いや、あれだら誰でもビビるもなぁ…」


一人で勝手に興奮気味に盛り上がっており、他の仲間達は それがきっと前日の心霊スポットの話なんだと勝手に解釈してウンザリ。


そういう状態の”気の弱い弁護士”に迂闊に関わると必ず面倒臭い事になるので(それは40年近く経った今でも変わっていないが)我々はあえて無視。


で、2時間目の終わりに”腕力だけが取り柄の歯科医”が教室に現れ


「いや、凄ぇ面白い喫茶店見つけたんだけど行かねぇか?」


と、私と”二代目開業医”、”某国立大学理工学部教授”、”一級建築士の資格を持った詐欺師”の4人を誘う。




で、話は前日の夕刻の喫茶「職安」に戻る。


”腕力だけが取り柄の歯科医”と”気の弱い弁護士” 後年そう呼ばれる様になる二人の高校生に振る舞われたカレー・スパゲティ(略してカレ・スパ)は それまでにありそうで無かった食べ物であり すこぶる美味かった。


で、食べ終わった二人に対して喫茶「職安」の常連さんの中でもボス的存在が「屯田兵の御隠居」だとすれば若頭的存在の「運送屋のN専務」が色々と質問をぶつけていた。


「オマエ達、タバコは吸うのか?」


「はい」


「酒は?」


「飲みます」


「オマエ達、高校生なんだろ?」


「はい」


「あ、高校生が吸ったり飲んだりしちゃイケナイ…って 歳の話をしたいんじゃないんだ

 俺が言いたいのは オマエ達、なんかバイトしてんのか?って事だ」


「いえ、してません」


「…って事は タバコも酒も親の金か?」


「…です」


「俺がオマエ達と同じ歳の頃、俺はいくつも仕事を掛け持ちして 自分で自分の煙草銭ぐらいは稼いだぞ」


「 … 」


「そう、俺が言いたいのは 酒もタバコもやるなとは言わない

 でも、それは自分で稼いだ金でやれ…って事で 親がくれる小遣いはもっと有意義に使え

 いや、高校生ぐらいの歳なんだから 親から小遣いなんか貰ってんじゃ無ぇ…」


「 … 」


「でな、そこで相談なんだけどよ オマエ達、明日からしばらくこの喫茶店に通えや」


「え?」


「出来れば、あと3・4人 オマエ達の仲の良い友達も連れてこい」


「 … 」


「オマエ達と友達のコーヒー代と それぞれの好きなタバコを1日一箱プレゼントしてやる」


「毎日、全員が来なくてもいい。

 暇な奴が一人か二人 どっかで学校サボるんなら ここでサボれ… そんな感覚で良い。」


「あのぅ?… お話しがよく判らないんですけど…」


「この店もよ 見りゃ判るんだろうけど、常連客がオッサンばかりでよ 他に来る客はその辺の店の親父ばかり…

 おっ、学生が来た…と思ったら さっき、オマエが殴り倒した不良みたいなのだしよぉ…

 そこで、オマエらみたいな見るからに高校生ってのが 何人かサクラ代わりにいれば

 若いオネェチャンが入りやすい店になんじゃねぇか… なんてな。


 あ、そうだ オマエ達が彼女連れてくる…ってのでも良いぞ」


最初の雰囲気といつの間にか変わって 運送屋のN専務は話しやすいオジサンになっていた。




で、話を翌日の高校の教室に戻す…


「何それ タダでコーヒーが飲めて 行けばタバコを一箱貰えるの?」


「うん、そう言ってた。」


「その話 なんか胡散臭くねぇか?」


「うん、胡散臭いと言えば… そんな感じもしなくもない」


「でも、最初は怖かったけど 話してたら面白いオッサンだったよ」


「どうなの? それって新しいネズミ講とか新興宗教の勧誘なんじゃないの?」


「結局、一円も取られなかったからネズミ講って感じじゃ無いし、宗教めいた感じは全く無かった」


高校生6人が教室の片隅でゴニョゴニョと相談していたわけだ。


そんな時である くそ真面目で担任にゴマ擂る事が内申点を稼ぐ最大の方法と信じている生徒が我々に近付き


「@@君と¥¥君 さっき担任が君たちが学校に来たら、職員室に来い…って言ってたよ」


と言う。


それを聞いた瞬間、私も担任との会話を思い出し


「あ、オマエら昨日サボったのバレてるぞ 多分、説教だわ」


と言うと”腕力だけが取り柄の歯科医”は


「面倒臭いから 俺、このままフケる(サボる)」


”気の弱い弁護士”も


「あ、痛たたた… なんか、腹が痛くなってきた 俺も今から病院に行く…って事で」


で、二人は去り際に


「その喫茶店に行ってるからよ オマエらも後で来いよ」


と言って教室から消えた。


で、残った我々4人はと言えば… 次の時間の授業はちゃんと受けたが、その次の時間の授業が担任のでは無かったが、教科担任がこれまた日教組の活動に御熱心な教師で てめぇの活動の為に授業を自習にし為 馬鹿馬鹿しくなってサボってその喫茶店を覗きに行くことにしたのだった。


ほんと、この当時のこの高校は そういうクソ教師が沢山いたんだ。


                                         ---- 続く ----


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