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2010年03月17日

● 長女が結婚 その5


病室に戻ってみたら そこには既に嫁がいた。




「アナタ、昨日 なんて言ったっけ? 私の記憶に間違いがなければ


 ”今日からは大人しく寝てます”


 昨日、アナタはそう言わなかった?


 なのに、何? また今日も千歳? 昨日の台詞はどの口が言ったのかしら?」


念願のアントノフの着陸シーンが見れずに不機嫌だった私は 嫁とは目を合わせないようしながら、撮影用の防寒着からパジャマに着替える途中 そんな私の背中にアイスピックの様に鋭利な言葉が浴びせかけられる。


余程、パンツを脱いで尻の*を嫁に見せ


「この口だよ~ん」


ぐらいの事を言ってやろうかと思ったが、そんな真似をしたら 嫁がブチ切れるのは明白で 長女の結婚式目前に夫婦喧嘩を行うのはいろんな意味でよろしくない。


そんな緊張感が漂う病室に 担当看護師のCちゃんが飛び込んできて


「あ、ブタネコさん 戻ってたんですね。^^


 @@さんから電話がさっきあって、ちょっと急ぎの件があるので大至急連絡を…って」


ナイスなタイミングだCちゃん。


私は


「え? 大至急? そりゃ、大変だ 電話しなくちゃ…」


Cちゃんの伝言を有り難く助け船に利用して病室から逃げ出し 院長室へ


電話をくれた@@君に電話をすると


「明日、アントノフが9時頃に離陸するんですけど…

 その直ぐ後に、何かレアな機体がテクラン(燃料補給)で降りてきて すぐまた上がるらしいですよ」


「レアな機体って何だよ?」


「まだ、完全に情報が見えてないんですけど C-5じゃないか?って話で…」


「C-5? 米軍のギャラクシーか?」


「輸送機で テクランの後、嘉手納に向かう…ってのは 固い情報みたいなんですけど機種はまだ不明です」


おいおい、もしC-5だとしたら 寝てるわけにはいかねぇぞ…


それよりも、今 病室では噴火寸前の嫁がいる。


どうやって嫁を鎮めるか…


院長室で考え込む私。


そんな私に院長であり、主治医である「二代目開業医」は


「どうした? 歯が痛いのか? あ、あれか ホルモンの食いすぎで奥歯が浮いてるのか?」


まったく、使えない医者である。^^;


ざっくりと事情を説明すると


「う~ん そりゃぁ、医学的見地から言って 家庭内の問題だから処方できる治療法も薬も無いな」


コイツは都合が悪くなると医者のフリをしやがるんだった。(ToT)




恐る恐る、病室に戻ってみると 嫁はCちゃんとニコニコ笑顔で談笑中


「ホント、困っちゃうわよね もう大変よ

 あ、そうそう Cちゃん、式の余興で何か唄ってくれるんでしょ? 何を唄うの?」


「木村カエラのバタフライを…って思ってたんですけど

 ¥¥ちゃん(うちの長女)のお友達が唄いたいらしいのと、院長(二代目開業医)が

 ”カラオケじゃ味気ないだろ”って 生バンドいれるらしいんですよ

 で、院長から”せっかくの生バンド演奏なんだから 天城越えを唄え”って言われました」


私は、さりげなくニコニコ談笑に滑り込もうと


「お? Cちゃん”天城越え”? いいなぁ、うん、それ良い

 それなら、ウチの奥さんから着物借りて 着物姿でデーンと石川さゆり あ、いいなぁ、それ」


と、太鼓持ちのように会話に潜り込もうとしたのだが…


嫁の表情は一瞬で固まり


「え? 生バンド? それ、アタシ聞いてないわよ

 何、二代目クン そんな手配を勝手にしちゃってるの? そうなの?」


と、問い詰める表情で私を凝視


「え? 知らないよ、俺 ホントに何も聞いてない

 ホラ、お前との約束をちゃんと守って 余計な事は一切してないよ 俺」


脂汗を流しながら懸命に弁解する私。


何も言わず、音も立てずに スーッと病室を出て行く嫁の後ろ姿を 一難去ったとホッとしながら見送る私。


「あ? 私、なんか余計な事を言っちゃいました?…」


悪びれずにそう言うCちゃんに


「いや、オマエ ベリーナイス。

 たぶん、嫁は院長の所に行ったはずだから 後はアイツらで話し合って貰って…」


私は自分のベットに潜り込むと


「Cちゃん、水枕と氷嚢を大至急持ってきて!

 たぶん、俺は千歳で風邪を引いて帰ってきたんだ そう、風邪ひいちゃった

 あ、なんか熱っぽい うわぁ、関節が痛いぞぉ あ、喉もなんかヒリヒリ…


 ほら、ボーッとしてないで 俺は熱が出たんだから ホラホラ」


数分後には 重病人が出来上がり。^^;


1時間ほど後、嫁が病室に戻ってきて


「まったく… 二代目クン、自分が仲人だって事 完全に誤解しちゃってるんじゃないの?

 余興に生バンドってアナタ 場末のキャバレーのショータイムじゃないんだから もう…」


私が寝込んでいるフリをしているのを一切お構いなしに それから延々2時間 懇々とお説教


さすがに嫁も怒り疲れたのか、さもなくば 言いたい事をぶちまけてガスが抜けたのか


「式までには ちゃんと治しておいてよ」


と、言って帰って行った。


そんな嫁が帰る姿を どこかで覗き見していたのか、嫁が去るのと入れ替わるように主治医の二代目開業医と担当看護師のCちゃんが病室に現れ…


「ん? なんだ? その水枕と氷嚢」


「具合が悪いフリすりゃ 少しは嫁も手加減してくれるかと…」


「あぁ、そっか… いつもながら無駄な努力だけは一生懸命だな」


「オマエにだけは言われたくない。

 それより、オマエ ウチの嫁に何を怒られたの?」


「ん? あ・あぁ… 生バンドを手配したのなら なんで、とっとと連絡しないんだ?って」


「まぁ、そうだろな」


「生バンドがバックなら 唄う曲を選び直さなきゃならないでしょ? って怒られた」


「え?」


「なんか、@@ちゃん(ウチの嫁の事)も唄うみたいよ余興で あれ?知らなかったの?」


「うん、聞いてない。

 …っていうか、俺には大人しく何もするなって言っておいて 周りはどうなってんだ?」


既に御存じの方も少なく無いのだが、私はTV版「世界の中心で、愛をさけぶ」に壊れて以来、秘かに そのドラマ内で使用された「朔と亜紀」というタイトルの曲をピアノで弾く事を練習し 娘の結婚式にはサプライズでそれを演奏しようと思っていた。


しかしながら、年末に右手の小指を脱臼し その後、靱帯損傷が見つかって現在も右手の小指はギプス状態。


残念ながら、長女の結婚式でピアノリサイタルは無理だと諦め凹んでいたのだが…


私の知らない所で、周囲の連中はそれぞれ独自に楽しもうと画策している中、私は一人で「大人しくしろ」と命じられている。


「花嫁の父」である私に 何も見せ場は無いのか?


静かな闘志が 私の中にメラメラと燃え上がってくるのを嫌でも感じた。


お駄賃

 気が向いたら…で結構です。^^;

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コメント

>「朔と亜紀」というタイトルの曲をピアノで弾く事を

そのお気持ち、お察しいたします。まさに今の私はこの曲を聴いている最中であります。(あ、でも、まだ泣いていません)

★ K136 さん

本当に察せているか疑問です。^^

だって、泣いてないんでしょ?

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