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2010年02月18日

● Love Letter TV再見


数日前、映画「Love Letter」がTVで放送されていたので 久しぶりに再見した。




実は 昨年の秋に映画『ハルフウェイ』のDVDを見た際に タイミングを見計らってこの「Love Letter」を再見しようと思っていたのだが、すっかり忘れていた。^^;


で、この映画に関しては2005年に『Love Letter』という記事を既に掲示しており、私は個人的に記憶に残る名画だとずっと思ってきたのだ 映画「ハルフウェイ」を見るまでは。


ところが、映画「ハルフウェイ」を見た後に「あれ?」と映画「Love Letter」に関して疑問というか違和感みたいなモノを感じてしまい、だから 再見してそれを確認してみたいと思っていたのだ(忘れていたけど^^;)


でね、再見した結果 というか結論を先に言うと、今まで名画だと思ってきたが、クソ映画とまでは言わないが「中程度の」ぐらいに評価を下げようと思った。




【注意!!】 以下の記事にはともすれば映画「Love Letter」に関する酷評が記されております。^^;




Love Letter


思えば、私は映画「Love Letter」に関して 


Love Letter

「中山美穂」


Love Letter

「豊川悦司」


Love Letter

「酒井美紀」など 登場する人物達の台詞や仕草と


Love Letter


映像や音楽にしか神経を集中させていなかった。


というか、それだけ出来は素晴らしい それは今でも素直に認めたい。




でもね…


私は ある事、そう岩井俊二の大きな欠点とさえ言い切りたいある事に気づいてしまったのだ。


それは、彼の関わる映像作品における「季節感」と「ロケ地感」


で、あくまでも「季節感」という一点について留意して この映画を冒頭から眺めると…


Love LetterLove Letter


このシーン 


Love Letter


三回忌法要という台詞と「神戸」というテロップなんだけど…


Love Letter


上の風景って 本当に神戸なの?


私は神戸に何度も行った経験はあるが、住んで暮らした経験は無い。


ゆえに、「これ神戸です」と言われれば「あぁ、神戸なんだ…」と思う他無いのだが、なんかコレ…


そう思って調べてみたら これ小樽の天狗山なんだな。^^;


まぁ、いい。


そんな事はどうでもいい。


例えばなんだけど…


「秋から冬、つまり雪の降り始めの時期の景色」と「冬から春、つまり積もった雪が溶けて消えてしまう時期の景色」


そんなに街には雪が積もってないのに、遠く向こうの山並みは白く雪景色で 庭の片隅や樹木にはところどころ雪が積もっていて… パッと見た感じは似ている様に見えても、雪国育ちの人間ならば 晩秋なのか早春なのかの区別は無意識に出来てたりするんだよね。


(A)本編開始から約9分後

Love LetterLove Letter

Love Letter


上のシーンも 映画開始早々の小樽の連続カットなのだが、これらの情景を見て 私はどちらも先述した区分けで言えば晩秋(おそらく早くて10月の末か、11月頃)に撮影されたと想像する。


というのは真冬の除雪で路肩に積み上げられた名残が無い事と 庭の樹木(広葉樹)に葉が残っている事で、さらに想像を述べれば 郵便配達のバイクが坂道を上る最初のキャプは 屋根の積雪量から何度か雪が降った後と推測され他の家のキャプ2枚の撮影時期より少し遅く、それに対して家の2枚のキャプは初雪みたいなタイミングで結構な量がドンと降った数日後って感が強い。


(B)本編開始から約33分過ぎ


Love Letter


千歳空港に旅客機が着陸する、個人的に見慣れたシーンだが この画の樹木の感じも11月の末か、12月頃であり、断じて早春では無い。




何が言いたいかというと…


おそらく、この映画での小樽ロケは10月の末頃から12月の末ぐらいまでの間に撮影されたんだろうなぁ…と 私は映像から勝手に推測した。


で、その撮影時期に関してどうこう言いたい訳では無い。


撮影する側にもいろんな事情や思惑があっての事だろうし、そこまで詮索したいのでは無い。


ただ、制作者である「岩井俊二」は この映画で何を描きたかったのか?という点と、何故その舞台として小樽を選択したのか?という整合性みたいなものについて ちょっと私なりに検証してみたくなったのだ。


というのは、


(C)本編開始から約9分半後

Love Letter


(D)本編開始から1時間50分後

Love Letter


(E)本編開始から1時間55分後

Love Letter


上の(C)(D)(E) 3つの場面は玄関から家の門を見たほぼ同じ視点の画像なのだが この3つがいろんな意味で物語っていると思うのね。


思うに、雪の積雪具合から 雪国に馴染みの薄い方であれば(D)(C)(E)の順にこの3つのシーンは撮られたと感じる方が多かろうと思うが、背景の樹木の葉の状態から上の3つのシーンの撮影順が(C)(E)(D)の順であるのは明白。


ちなみに(D)のシーンは中学生時代の回想シーンだから(C)(E)の順さえ合っていればそれでいい…と考える。


でもね、そこが私に言わせれば問題なのだ。


今、私が岩井俊二に対して感じている事を率直に述べれば 岩井俊二には小樽という土地が映画の舞台(ロケ地)に用いたいと思うほど きっと魅力的に映ったんだと思う。


それについては 私は比較的小樽とは近い位置の札幌育ちのいち道産子として光栄に思う。


けどね、映画の舞台(ロケ地)に用いたいと思うほど魅力的に感じたのであれば それだけ小樽の事を調べるなり、知った上でやってくれ…という ほんのちょっとの不快感なんだ。


そう、『ハルフウェイ』という映画において「小樽」や「石狩」を再びロケ地に用いた岩井俊二に対して「季節感」のデタラメさに不快感を抱いたと私は感想記事で述べたのだが、実は 落ち着いて映画「Love Letter」の記憶を辿ると「あれ? もしかして、Love Letterも変だぞ?」って気がついたのだ。^^;


でね、けっして粗探しをしたわけでも したいのでも無いが、今回 TVの放送を眺めていて「あ~、やっちゃってるよ」と とても残念な部分に気づき、冒頭でも述べた様に映画に対しての評価を下げようと思ったのだ。


そのシーンが


Love Letter

コレ。(本編開始から1時間56分後)


ちなみに、このシーンは


Love LetterLove Letter


柏原崇が急な転校で 冬休みが始まる時に冬休みの間に読もうと学校の図書館から借りた本を酒井美紀に 代わりに返してくれと頼んだ本の図書カード


『貸出日12月21日 返却予定日1月9日 返却日1月16日』


これね、本州以南にお住まいの方には判って貰えないとは思うのだが、北海道の小中学校って 本州以南の小中学校と比べて夏休みが短いぶん、冬休みが長いのね。


つまり、北海道の小中学校の冬休みって大凡1月の15・6日ぐらいまである。


しかしながら、この映画「Love Letter」内では 元旦早々に父親の葬儀で母親が寝込んでしまい おそらくは9日が3学期の始業式だった酒井美紀は”私だけ1週間遅れた始業式…”とナレーションで語っている様に16日に初登校して その日にこの本を返しているのであろう


でね、1月の6日過ぎに本を返すのを頼みに来た柏原崇は


Love Letter


自転車に乗って去っていく。


断言しても良い、正月明けの小樽の積雪は多く、しかも坂道も多ければ海風で凍結路面も多い そんな状況下で自転車に乗れるほど甘い土地じゃない。


百歩譲って12月の半ばぐらいまでなら 近頃の暖冬なんかもあって、なんとか乗れる日はあるかもしれない。


けれども、年末年始の間にたいてい一度はドンと大雪が降り それが根雪となって春先まで…ってのが通例の北海道を知る者であれば その時期に郵便や新聞配達といった特別な事情のある人じゃない限り とっくに自転車は物置などに格納して使う気にすらならない。


それともうひとつ。


Love Letter

大雪(しかも吹雪という設定)の中 中山美穂を爺さんが背負って病院へ…のシーン


母親役の范文雀が傘をさしている… これもイタダケナイなぁ。^^


たしかに、関東近辺じゃ雨も雪も変わりなく傘をさしているのが当たり前なんだろうし、最近じゃ札幌あたりも傘をさす人がいないわけじゃない。


けれども、ほとんどのしかも当時の道産子は 吹雪に傘は意味が無く、しかも邪魔であるという理由でささないのが普通なのだよ。


つまり、岩井俊二に言いたい事は 小樽を魅力的と感じてくれるのは嬉しいが、それなら ちゃんと、小樽なり北海道なりを少しは知れと もっと判りやすく言えば、小樽の正月過ぎを映像化するつもりなら ちゃんと正月過ぎに小樽の風景を自分の目で確かめてからにしろや!…と 言いたいのだ。


まぁ、以上に述べた事は ある意味、重箱の隅を突く様な物言いとも受け取る人は多かろう。


が、御理解頂きたいのは 私は昨年『ハルフウェイ』を見るまでは この映画「Love Letter」は名作だと感じていたし、自転車も冬休みも 全く気にしていなかったのだ。


何事も最初から万事を知った上というのは無理だし そこまで要求するほど私は傲慢では無い。


が、同じマヌケを二度やれば「アホか」と言うべきだと私は心得ているつもりなので 今回は率直に言わせて頂いた次第なのだ。


Love Letter


Love Letter


Love Letter


上の3枚のキャプは 柏原崇が演じていた藤井樹が小樽に居た時に住んでいたと思われた場所に 中山と豊川が行くシーンの殆ど連続カット


で、よ~く 地面の雪の積もり具合を見比べてみるといい。


たった数秒の 3つのカットを撮る為に、どれだけの撮影時間がかかったのかは知る由も無いが、逆に道産子として想像できるのは たまたま撮影したその時のほんの数十分の間に それだけ雪が降り積もっちゃったんだろうなぁ…って事。


道産子にしてみれば 何の不思議もない、よくある冬の光景なのだ。


であるがゆえに、


Love Letter


「路面が見えてるから平気」なんて感覚では その時期に自転車なんか乗れないんだよ 岩井クン。^^


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コメント

さすが雪国の方の解説には「なるほどなぁ・・」と感心します。
この映画は数回は見ていますが、そのような指摘は思いも付きません。

こちらでは、この冬、雪も降らなければ、氷すら張ってないです。
昔は一冬1~2回は数センチの「積雪」があって大騒ぎしたんですけどね。

★ sonden さん

なんか、気になっちゃったんですよ 今回のTV放送を見てまして。^^;

この映画のLDを以前持っていたんで懐かしかったです。

例えば自分の職業とか趣味みたいに自分に身近なものが出てくる作品って、
細かい齟齬が気になって一気に幻滅する場合と、
そういうミスもかえって御愛嬌ってすんなり許せる場合がありますよね。
その違いってどこから来るのかなって、ふと考えたい気分になりました。

※ この頃の酒井美紀って、浅田真央とどこか似てる気がする。


★ tan さん

私は 今でもこの映画をクソ映画だなんて思っていません。

つまり、映画に幻滅というより岩井俊二に幻滅したんです。

この映画だけなら気にする事は無かったと今でも思っていますが、「ハルフウェイ」を考えると… 私にとっての分岐点はそれがキッカケですね。


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