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2010年01月20日

● 眠れる森 DVD再見


ドラマ「眠れる森」のDVDを再見してみた。




ここ数日、2005年12月21日に掲示した『眠れる森』という記事のアクセスが ビックリする数字になっている。


どういう事かと調べてみたところ 一部の地域で再放送されているんだな^^


これまでにも 過去に放送された名作ドラマや映画が再放送された時に たまたまそれに触れたこのブログの記事のアクセスがハネ上がる事はあったが、今回の「眠れる森」の数値は ちょっとばかり異常にすら覚える。


「眠れる森」がオンタイムで放送されたのは1998年の10~12月期 今から11年も前の事なのだが、それだけ「眠れる森」というドラマの出来が良い事の証なんだろうとも思う。


…というわけで 久しぶりに「眠れる森」のDVDを再見しあらためて感想を記す事で、今回アクセスされた方々から寄せられた非公開コメントへのレスも含めようと思うのだが、部分的に感想が 2005年12月21日に掲示した『眠れる森』という記事の内容と異なるところが生じているのは御愛敬と言う事で どうかお許し願いたい。




【注意!!】以下の文章にはネタバレが沢山盛り込まれています。




私は探偵小説のマニアであり、学生の頃から横溝正史先生の金田一耕助シリーズに傾倒している。


ゆえに、ミステリーとかサスペンスに関して 私なりの持論めいたものを持っており、それは多くの人の見解よりも頑固で偏屈な見方にもつながっていると思うが…


サスペンスドラマの最大の醍醐味は「犯人」と「動機」が判った時、つまり探偵小説で言うところの「大団円」を迎えた時に いろんな部分の「謎」に対して「成程」とか「あぁ、そうだったのか…」と充分な説得力を発揮する その度合いが作品全体の評価に繋がると思っている。


私はこれまで2時間ワイド系の「サスペンス」と称するドラマを 悉く、クソドラマ呼ばわりをしてきたが、その理由は 新聞やTV番組のガイド雑誌で出演者を眺めた時に


「あ、コイツか さもなくばコイツが犯人だ」


と、簡単に判ってしまう時点で もう、ミステリーでもサスペンスとも呼べるシロモノじゃないでしょ?


にも関わらず、そんなクソドラマにせっせと原作を提供する「西村京太郎」「内田康夫」「山村美紗」「夏樹陽子」なんて輩を ミステリー作家と呼ぶ事じたい、ちゃんとミステリー作品で読者を楽しませ続けようとしている他の作家に対して失礼この上無いと思うわけだ。


「大団円」における説得力や意外性を増す為に 作者はミスリードや、偶然や、他の関係者の思惑を散りばめ 謎という名の霧を深めていく。


道義的に「殺人」は許されざる事だから そんな「殺人」に説得力もクソもあるかと思われるかもしれないが、その道義的な問題に関しては 申し訳ないけど棚に上げておく。


実は、この「眠れる森」に関して言えば 放送当時、木村拓哉が番宣番組内で 


「オープニングの映像の中に謎を解くヒントが隠されている」


と発言し、そのおかげで 第4話~第5話ぐらいの時点で「市議会議員一家殺害事件」の真犯人が誰か 推理マニアの多くは想像がついていた。


眠れる森

犯人として逮捕された国府吉春(陣内孝則)と濱崎輝一郎(仲村トオル)が大学の同期生で仲良しだった…という事実が明かされた時に それまでの濱崎の言動や状況の奇異な部分が「犯人は輝一郎か」と であれば、キムタクの言ったオープニングの謎に関しても「あぁ、成程」という具合に。


だから、そのままよくあるワイド系のサスペンス番組(?)の様な展開が最後まで続いたとしたら 間違い無く私は「眠れる森」をクソドラマと酷評していただろう。^^


でもね、今だから言える事は おそらくは演出家と脚本家の「野沢尚」の力量だと思うのだが、第4話~第5話ぐらいの時点で 多くの視聴者が見切ったはずの犯人を


「あれ? 実は違うのか?」


と、真の意味でのミスリードを仕掛け、それに成功した事。


最大のミスリードは 中山美穂が演じた実那子の記憶で 第6話のラストに


眠れる森


実那子はフラッシュバックで


眠れる森


鏡に映った自分が血まみれで包丁を握って立っている姿を見る


その時のワンカットに


眠れる森

妖しげな笑みを浮かべる実那子


この瞬間的なワンカットの為に「あれれ?」と 多くの推理マニア達がそれまでに構築した推理を大きく揺るがしたのだ。


というのは、第5話までの時点で 新たな登場人物が無いという仮定の上で言えば 「市議会議員一家殺害事件」の犯人と成り得たのは


 ・大庭(森田)実那子(中山美穂)

  (理由)森田家唯一の生き残りであるが故に もしかしたら…


 ・濱崎輝一郎(仲村トオル)

  (理由)仲村トオルの演技力の乏しさも良い意味で作用して 言動が不自然


 ・国府吉春(陣内孝則)

  (理由)やっぱりコイツが犯人でした…というオチも まだ否定出来ない


 ・濱崎正輝(岡田眞澄)

 ・伊藤直巳(夏八木勲)

  (理由)年齢的に 第6話までまだ明かされていない事情によって犯人に化けるかも


 ・濱崎麻紀子(原田美枝子)

  (理由)この女の存在自体が不明で 不明であるがゆえに犯人の可能性も


それと、もうひとつ

 「市議会議員一家殺害事件」というのは 実は「森田明仁(実那子の父)」「森田加寿子(実那子の母)」「森田貴美子(実那子の姉)」の3人による一家心中だった…という可能性も否定出来なかった。


で、それらの中で「濱崎輝一郎」が犯人だという可能性が 国府の「地獄を見せてやる」相手として 最も相応しい… それが、第4話~第5話ぐらいの時点で 多くの視聴者が見切ったはずの犯人だったのだ。


にも関わらず、たった一発 実那子の子供の頃を演じた子役の女の子の妖しい笑みのワンカットで もう一度、推理を構築し直す結果となり、再び推理という霧の中に叩き込まれたんだな。^^;


しかも、第7話で 


眠れる森眠れる森

眠れる森

実那子の子供の頃が明かされる中で 実那子が犯人であり得る可能性や、実那子の本当の父親の存在と犯人である可能性が強くなるのも 6話のラストで制作者が仕掛けたミスリードの補完となり、出演者の中で実の父親に成り得るのが


 ・濱崎正輝(岡田眞澄)

 ・伊藤直巳(夏八木勲)


であるがゆえに、彼等への容疑も深くなる。


この辺の構成が 実に巧かったと、見終えた今 素直に私は讃えたい。


多くのドラマが ともすれば中だるみに陥る5・6・7話で 逆に、展開をひっくり返した手法は見事だったと。


そして、もうひとつ重ねて言えば 第9話


眠れる森眠れる森

佐久間由理(本上まなみ)という女の子の健気さが印象強く植え付けられた回ではあるが、同時に


眠れる森眠れる森


「市議会議員一家殺害事件」の現場から運び出される実那子が呟いた「お父さん」


犯人推理が その一言でまた大きく揺さぶられる。


でね、


眠れる森

第1話のラストで いかにも意味ありげに挿入されていた 現場の群衆から離れたひとつの白い傘


それまでの流れで 暗に、この傘の持ち主こそ真犯人…というイメージ


それらが相俟って、後に


眠れる森

眠れる森


カメラワークで見せられた 上のカットにもたらされた説得力には唸った。




さて… 「眠れる森」を最後まで見終えて、この記事の冒頭で述べた「大団円」を迎えた時に いろんな部分の「謎」に対して「成程」とか「あぁ、そうだったのか…」と充分な説得力を発揮したか? …という点だが


率直に言えば「あぁ、やっぱりコイツだったのか」という感が確かにあった。


動機に関しても「なんだかなぁ…」という気持ちが 正直言って少なからずあった。


けれども、最後まで 脚本と演出に気持ちいいぐらいに振り回され それが故に、いろんな推理を組み立てる時間が 実に愉しく、「なんだこれ?」という不満より「面白かった」という印象の方が 私にははるかに色濃い。


国府が真犯人に対して見せた「地獄」


眠れる森眠れる森

眠れる森眠れる森

陣内孝則の秀逸な演技によるところが大なのだが この一瞬が見せた説得力はいろんなものを「どうでもいい」と思わせるほど見事。


今までいろんなサスペンス系の映画やドラマを見てきたが、犯行やその動機として描かれた数多の中で この国府の言動は見事という他無い。


ゆえに、以前掲示した『眠れる森』という記事の中でも陣内孝則をベタ褒めしたわけで、その気持ちは今でも変わりはない。


が、その記事をまとめるために見直した時から あらためて数年後の先日、DVDを一気見してあらためて思った事は


眠れる森

実那子の子供時代を演じた子役の女の子が とても秀逸だったんだなぁ…って事。


そして、


眠れる森

トオルちゃんが 今も昔もそのまんまだと あらためて確認した事。


眠れる森眠れる森

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