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2009年12月21日

● 獄門島(石坂版) DVD再々見


映画「獄門島」のDVDを再々見してみた。




先日、年末恒例の特番みたいな番組で「大原麗子」の追悼コーナーみたいな部分をTVで見ていたら


獄門島

獄門島

獄門島

「大原麗子」が「獄門島」に出演するにあたってのエピソードと「市川崑」との関わり、その後の


獄門島

獄門島

獄門島

人気CMへと繋がっていく話を知った。


で、「大原麗子」が亡くなったと聞いた時にDVDを再見した「獄門島」を もう一度見たくなったので見たのだが…


前回の記事を掲示した時に ある方から頂戴した非公開コメントで ちょっと気になっていた事があったので それも確認した。


その、ある方から頂戴した非公開コメントで ちょっと気になっていた事とは…


私は高校2年生の女子です。

ブタネコさんのブログの過去ログを読んでいて興味が沸いたので市川監督の「金田一シリーズ」の映画と それの横溝正史の原作本を読みました とても面白かったです。

(中略)


ところで「獄門島」の映画を見ていて気になっている事があります。

それは映画の最初にタイトルが表示され 白黒の(たぶん昔の写真だと思います)画像がバックに流れますよね? そのほとんどの画像は何が写っているのかとか、どういう写真なのかが判りますが 最初から2番目と最後の画像が私にはわかりません。 

(中略)

もし、いつかまた「獄門島」の記事を書かれる時にでも教えて下さると嬉しいです。

(後略)


というお尋ね。


で、今回の再見にあたり 注目してみた。


獄門島獄門島

獄門島獄門島

獄門島獄門島


原爆で焼け野原になった広島、復員兵であふれた列車、終戦後の街中…


で、お尋ねの2番目の画像とは


獄門島


そして、最後の画像とは


獄門島




2番目の画像は


獄門島


ちょっと撮した角度が違うけど 日本海軍の航空母艦「天城」が終戦直前の呉軍港空襲における米軍機の空襲で破壊され沈座した状況を 戦後、米軍が撮影した8mm映像からのキャプ


獄門島獄門島

獄門島獄門島


で、最後の画像の元になったのは 上の「天城」と同様に呉軍港周辺で横転沈座した練習艦「出雲」じゃないかと思うのだが、確証は無い。




さて…


空襲による焼け野原や戦後の街中の風景を用いて 「獄門島」の時代設定が、こんな感じだったんだよ…と描く手法は理解が出来る。


でもね、「天城」や「出雲」が着底している画を盛り込むのは ちょっとマニアックだわな。^^


ゆえに、今の女子高生には「何コレ?」って事になるのは当然とも。


が、今まで私は何も考えずに看過していたオープニングの画像を お尋ねにより、注目したおかげで なんで、「市川崑」はこんなマニアじゃないと判らない様な画を盛り込んだのだろう?と疑問に思い、私なりの推論をまとめた時に「ほぅ?」と初めて感じた。


映画の冒頭に


獄門島獄門島

獄門島獄門島


というシーンがあり、そこで交わされた台詞を思い起こしていただきたい。


そう、戦時中に供出された釣り鐘が島に戻ってくる…というシーンである。


それとね、


獄門島獄門島


そう、千万太は復員船の中で死んだのだ。


「終戦直後」「復員船」「瀬戸内」「金属類回収令」… それらのキーワードで連想する時、先述した「天城」の画像には いろんな含みがある様に思えたのだ。




さてさて…


「金田一耕助」のシリーズは その殆どが昭和35年ぐらいまでの時代設定で描かれており、中でも傑作と呼ばれているものの多くは戦後間もなくの時代設定


例えば、


   獄門島…………………………昭和21年

   悪魔が来りて笛を吹く………昭和22年

   八つ墓村………………………昭和23年

   犬神家の一族…………………昭和24年


つまり、それらの作品に場合 その当時の時代背景に多少なりとも知識が無いと 作品そのものの解釈にも差異が出る。


「地方の因習」に関しては多くの人が横溝文学に対して唱える言葉ではあるけれど、「戦後」に関しては この国の近代史がおざなりだったり、当時を生き抜いた人々が黙りを決め込んで語らなかったり、逆に自分を正当化する為に偽ったりした話が広まっていたり等で不明な部分も少なく無いから 今の若者には判り難くて当たり前なのかもしれないが、それ以上に 横溝文学を映像化した映画やTVの制作者達の殆どが 原作に込められた「戦後」の部分を全く考慮せず、描かなかった事の方が問題だと私は思う。


例えば、「獄門島」における「本鬼頭」や「分鬼頭」と呼ばれた網元の 島における勢力、「悪魔が来りて笛を吹く」に登場する「子爵」「公爵」といった貴族の地位やプライド、「犬神家の一族」における「財閥」の資産など それらをどれだけ映像で描こうとしたか? その尺度で数多ある横溝原作の映像化作品を見比べると 実はよく判るのだ。


そう考えると、「市川崑」が「獄門島」のオープニングに盛り込んだ2枚の画像に関して 今となっては真意を御本人に確かめる事は出来ないが、「市川崑」ならではの「獄門島」に対する理解度を証明する それなりの意味があると私は推察できると確信し「ほぅ?」と思った。


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コメント

獄門島のDVDも持ってますが、これは全然気付いてませんでした。
その女子高生とは逆で、自分の場合、いろんな時代の背景とかは
無駄に詳しい方のうえ、文字情報として得た情報でもビジュアル化するのを
苦にしないタイプなので、それで困ることはまずありません。
しかしそのせいで、映画やドラマを見るときに、ナレーションの一言で
勝手に自己でどんどん情報を補完していってしまい、目の前の映像を
よく見ていないことがあるんだなって気付かされました。
久しぶりに横溝DVD-BOXを見てみたと思いました。いい記事ありがとう。

★ tan さん

そう、私も 最初から「あ、天城だ」って判っちゃっていたから何もそこから感じず、考えようともしてませんでした。^^;

でもね、なんで この天城の画像だったのでしょう? 他にもいろんな写真がいっぱいあったはずなのに…

それに、こう言うと怒られちゃうかもしれませんが この沈座した天城の姿って 知る人ぞ知る…って感じの(元々は)映像なわけですしね。

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