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2009年08月17日

● ブタネコの撮影メモ 無線編


飛行機撮影をする時に ハンディレシーバーを使用して航空無線を聞く人が多い。




航空機と管制塔などの交信を聞いていると そこからいろんな情報が得られて便利…という理由が殆どだが、航空無線を使いこなすと もっと面白い世界が広がるからでもある。


「ハンディレシーバーは 何処のメーカーの何を使っているんですか?」


というお尋ねも頂くが、私が使用しているハンディレシーバーはアルインコのDJ-X3Sという機種 もう何年も前に購入した物で、現在家電量販店で売られているタイプに比べたら2世代ぐらい前の機種ではあるが なんの問題もなく充分に使えている。


よく、千歳の撮影で顔を合わせる人達を眺めていると スタンダードというメーカーの製品の利用者が多く見受けるが どのメーカーのどれが…と比較検討する程 性能差はそんなに大きいとは思えない。


主なメーカーを挙げると アイコム、ユピテル、スタンダード、アルインコ


価格は2万円~3万円


VHF帯の118~136MHzとUHF帯225~400MHzが受信出来れば充分 マニュアル本などではHF帯2~30MHzも聞けた方が良いと解説しているものもあるけど、HF帯は国際線の洋上などでの使用だから 滑走路脇の写真撮影には必要ない…と、私は思っている。


また、予算に余裕が在れば アンテナをもっと大きい(長い)高感度な物に付け替えるのも一興で(価格は1万円前後) 一応、私の愛車のトランクにも購入して積んではあるが、殆ど使用した事は無く、最初から備え付けのホイップアンテナで充分…と、私は思っている。




さて、航空無線を聴く為に最低限 覚えておくべき基礎知識を記しておくと…


【単位】


飛行機は 距離=1マイル(1.852km) 高度=1フィート(0.305m) 速度=1ノット(1.852km/h)という単位を用いており、航空無線で交わされているのは特別な場合を除いて その単位だという事を念頭に置く事。


【フォネティックコード】


無線の聞き間違いを防ぐ為に アルファベットそれぞれに呼び方(()内の単語)がある。


A(アルファ) B(ブラボー)  C(チャーリー) D(デルタ) E(エコー) F(フォックストロット)

G(ゴルフ) H(ホテル) I(インディア) J(ジュリエット) K(キロ) L(リマ)

M(マイク) N(ノーベンバー) O(オスカー) P(パパ) Q(ケベック) R(ロミオ)

S(シエラ) T(タンゴ) U(ユニホーム) V(ビクター) W(ウィスキー) X(エクスレイ)

Y(ヤンキー) Z(ズール)


例えば機体番号がJA8699の飛行機の場合「ジュリエット・アルファ・エイト・シックス・ナイナ・ナイナ」という言い方をする。




次に、民航機の離陸から着陸までの航空管制の流れを記しておくと…


・CLR(クリアランスデリバリー)

これから出発しようとする航空機が最初に交信するセクションで、事前に提出しておいたフライトプランの確認、気象状況等諸般の事由による修正、そして承認を受ける手続き。


・GND(グランドコントロール)飛行場管制

民航機の場合は滑走路に向けてプッシュバック(トーイングカーでの押し出し)の許可をもらう 自衛隊機などプッシュバックしない機体の場合は 滑走路に向けてタキシング(地上走行)する許可をもらう手続き。


・TWR(タワー)

滑走路を離着陸する許可をもらう


・DEP(ディパーチャー)出発管制

離陸した飛行機を航空路まで誘導するセクション。


・ACC(@@コントロール)航空路管制

航空路上を飛行する航空機の管制


・APP(アプローチ)進入管制

空港に着陸する航空機を着陸進入コースに誘導するセクション。


・TWR(タワー)

滑走路を離着陸する許可をもらう


という風に段取りを踏んでいくわけだが、空港によっては、RDO(レディオ)がCLR・GND・TWRを一括して行ってる場合や TWRがCLR・GND・TWRを一括して行ってる場合があるのでこんがらないように^^


とある航空無線のサイトを閲覧したところ 新・千歳空港の管制周波数に関して

   千歳CLR:121.9
   千歳GND:121.6
   千歳TWR:118.8 123.6 126.2
   千歳RDR:119.1 119.5 124.0 125.3 134.1
   千歳APP(RDR):120.1
   千歳APP(DEP):124.7

と記されていたので引用しておく。


で、ウンチクを少し付け加えておくと 上記は「新千歳空港」の周波数、つまり民間機側滑走路の周波数で 自衛隊側「千歳空港」には自衛隊の周波数が別にある。

   千歳CLR:322.2
   千歳GND:275.8
   千歳TWR:236.8 247.0 304.5
   千歳RDR:120.1 362.3
   千歳APP(RDR):362.3
   千歳APP(DEP):305.7

上表はあくまでも参考例 現在は一部が別の周波数に変更されていたり、別途の周波数もある。


混同しやすいのは「千歳」と「新千歳は」それぞれ2本ずつ合計4本の滑走路が平行に並んでおり 双方を繋げる誘導路もあるが、飛行場としては別扱い。


ところが、管制塔は航空自衛隊が一元管理しているからTWRやGNDは民間機も自衛隊機も入り混じる事も多く 民間側の周波数だけしか知らずとも、あたかも全部を聞けている様に誤解させられるケースがあるが、自衛隊機のみの無線を聞こうとする場合は自衛隊側の周波数をも知っておかねばならない。


また、自衛隊にはGCAとかGCIと呼ばれる周波数があり、それらの周波数を知ると航空無線の面白さは格段に広がるのだが… 基本的にGCAの一部とかGCIや飛行隊のチャンネル周波数をネット上で知る事は無理、これらの周波数は防衛機密に属するものでもありネット上で公開されると 直ぐに違う周波数に変えられてしまう事もあって地元のマニア達の間ですらも簡単に教え合う様なシロモノでは無い。^^


周波数を知る為には 何度も飛行場周辺に通い、ハンディレシーバーのサーチ機能を用いて自分で探す事。


もしくは、TWRと飛行中の機体の交信を丹念に聞いていると


「コンタクト @@ ナイナ、エイト、セブン、デシマル シックス」
(周波数を987.6に合わせなさい)987.6は架空だよ^^


という風に指示するのを聞ける時があったりもする。


もっとも、最近の自衛隊の交信は あらかじめ周波数がチャンネルでセットされていて


「プッシュ、チャンネル ワン」とか「プッシュ、チャンネル ハーケン」
(1チャンネルに無線を切り替えろ) (201飛行隊の部隊周波数に切り替えろ)


なんて交信が殆どだけど、その時にサーチして うまく受信に成功したら その周波数を覚えておけばいい。




さてさて、飛行機写真を撮る際にハンディレシーバーを使用して航空無線を聴いて得する事とは…


・コールサインを聞き分ける事により 外来機の接近をキャッチ出来る。


例えば、千歳基地の場合


 ハーケン  201飛行隊

 アトム   203飛行隊

 ヒーロー  救難隊のUH-60

 アスコット 救難隊のU-125A

 シグナス  政府専用機のB747


という常駐や


 クレスト  空輸隊のCH-47

 ジャパン・フォース・スケジュール 航空自衛隊の定期便として飛来するC-130もしくはC-1

 キャメル  小牧の401飛行隊 C130

 コスモ   入間の402飛行隊 C-1

 コメット  美保の403飛行隊 C-1 ごく稀にYS-11


というお馴染みさんは3日も続けて通えば遭遇するわけだが…


 エメット 教導隊(アグレッサー)

 ゾディアック 入間の電子戦支援隊のEC-1およびYS-11EA

 キューダス 百里の501飛行隊 RF4E/4EJ


等の様に聞き慣れないコールサインが入ってくると


「お? @@が降りてくるぞぉ~」


と、滑走路脇は色めき立つ。^^


・ランウエェイチェンジ モボステーションクローズ等を速やかに把握出来る


千歳の様に広い飛行場の場合 撮影ポイントによっては滑走路の一部しか視認出来ない場所が少なく無い。


ゆえに、気象状況(風向き)が変わり 離着陸する向きが逆になる(ランウェイチェンジ)のに気づくのが遅れると 狙っている飛行機を取り損なったりする。


大抵の場合、


「あと10分前後でランウェイチェンジになる可能性が大です」


等と、管制官が離着陸しようとしている飛行機に対して注意を呼びかけるので事前に対応が出来る。


・CLRとGNDをチェックする事で 間もなく離陸する機体が判る。


特に外来機の場合 クリアランスで帰投なのか、周辺をフライトして再び千歳に降りるのかが推測出来る。


・離陸の仕方が判る。


フォーメーション、ハイレートクライム、ホット(アフターバーナーを使用)など


・エマージェンシーやスクランブルが判る。


文字通り。^^


・着陸してくる順番やタイミング、着陸の仕方が判る。


ヘリなのかプロペラ機なのか それが判ればシャッタースピードの確認が出来る。


タッチアンドゴーであれば、それに対応する取り方もある。


オーバーヘッドアプローチであれば 着陸前のコース取りや旋回パターンが読める。




マニア的な楽しみ方をついでに付加しておくと…


GCAとかGCI 特に飛行隊周波数を把握出来ると離着陸する飛行機がいない時間帯の暇潰しには最高の時間潰しになる事が多い。


例えば、千歳の場合 F-15が訓練飛行に離陸すると大抵の場合、戻ってくるまで1時間弱かかる。


その間に別の飛行隊や機体が離着陸すればそれはそれだが、大抵の場合は その間をボーッと過ごすか、撮影ポイントによっては民間機を撮ったりして過ごすのだが 時に、飛行隊の周波数などをチェックしていると 編隊長が怒鳴りまくっている様子とか、訓練の様子とかが無線から垣間見える時がある。


今年の春先に岩国の海兵隊のF/A18が飛来した日米共同訓練の際 景気よくアフターバーナーを焚いて離陸していったF/A18が30分もせずに戻ってきた。


その時にF/A18のパイロットが無線で告げた言葉が


「フューエル、ビンゴ(燃料切れ)」


滑走路脇でそれを聞いていたマニア連中は


「さすがアメ車は燃費が悪ぃな」


と、苦笑したものだ。


また、先日の千歳基地の航空祭で 機動飛行を展示する為に離陸したばかりのF-15が2機


どっちの機のパイロットが何を言ったのか聞き取れなかったが


「あ? 今、なんて言った?」

「…」

「声が小さい!」


その喋り方が なんとも緊迫感に欠けたもので


「おいおい、機動飛行のわりに最初から気合いが抜けてんじゃねぇの?」


無線を聞いていた者達の間でそんな会話がなされ失笑が起きた。


また、ある時F-15がスクランブルで発信した際に 領空侵犯機に対してスクランブルした要撃機が警告を発する無線を聞いた事もあるが、目の前に広がる 平和な千歳空港の景色と 空の上の片隅で繰り広げられている緊迫した様子のギャップに何とも言えない気持ちになった。




というわけで、次回は千歳の撮影ポイントについて素人私見を語ろうと思う。^^


お駄賃

 気が向いたら…で結構です。^^;

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コメント

う~ん、深い!
マニアの知識は深いです。
こんな貴重な情報を公開していただきありがとうございます。
ここまで分かると飛行機撮影はますます楽しくなりそうですね~!

いつの日かこんなマニア的撮影出来るようになりたいです^^

★ yah さん

大丈夫です、ほんのちょっと意識を改革すれば もうマニアですよ^^

うう~新田原に行きたくなってくる~ヽ(`Д´)ノ

★ Wen さん

行ってらっしゃい^^


Thunderbirdsの無線は面白いですよ。
Blue Impulseみたいに周波数が1波のみではないのでちと大変ですが、スラング連発です。
紳士的な感の有るBlue Angelsも実は凄いです^^;

★ sonden さん

へぇ、楽しみです。^^


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