● ありがたい話。^^
数日前の事。
夕食を終えて タバコを吸っている時に、フラッと我が家の次女の彼氏こと 我が悪友「気の弱い弁護士」の倅が私の病室に現れた。
彼は私とほぼ同じぐらいに真っ黒に日焼けしている。
そう、今年の夏 ずいぶんと彼を運転手代わりに使い、千歳に写真を撮りに行ったのだが、元々、カメラ小僧上がりの父親のDNAのおかげか 彼も今では飛行機写真にのめり込み、新型インフルエンザのおかげで私が病室に軟禁生活になってからは 独りでチョロチョロと千歳に出かけている。
「お? なんだ? そういえば、最近は行ってんのか千歳に?」」
私が そう言うと
「ええ、一昨日 良い天気だったんで午後から行ってきました」
「そっか… なんか、珍しい機体来てたか?」
「いやぁ、ローカルも殆ど上がらなくて… 収穫無しです。^^」
と、笑っている。
「アホかオマエは 飛んでるのがいなければ民航側行くとか 手を変え、品を変え…」
そう言いながら 私は呑みかけの昆布茶をズッと一口啜っていたら
「あのぅ… ブタネコって人 知ってます?」
突然、気の弱い弁護士の倅がそう言い出すモンだから 思わず、昆布茶を鼻から吹きそうになった。^^;
「なんだ? いきなり」
「ブタネコって人をオヤジさんは知ってますよね?^^」
「だからなんだ、いきなり」
「一昨日、滑走路脇で撮影してたら 話しかけてきた人がいたんですけど
その時にその人、なんかのブログをプリントアウトした紙を数枚持ってまして
その中の一枚を私に見せて
”この36Rってところの入り口って何処か知ってませんか?”
…って 聞くんですよ
で、その紙を見たら”ブタネコのトラウマ”ってブログの記事のプリントアウトなんですけど
御丁寧に地図とか書いてあったんで 面白そうだからURLをメモして家に帰ってから そのブログを…」
「見たのか?」
「ええ、しかと拝見仕りました」
「ふむ… それで?」
「いやぁ… ビックリしました。
見た事のある写真が一杯、ほら この病室の天井とか この病院の中のいろんな廊下に
額に入れて飾ってあったりする奴とか…」
そうか、コノヤロウ 気づきやがったのか…^^
参ったなぁ…という気持ちと 来るべき時が来たか…という気持ちが半々。
「なぁ? オマエは”ゴッドファーザー”って映画を見た事があるか?」
「え? なんスか? 藪から棒に…」
「見た事、あるか?って聞いてるんだが…」
「ありますよ、コッポラの3部作ですよね?」
「そう、その1作目 内容を覚えているか?」
「ええ、一応 ひと通りは…」
「ドンの娘の亭主が 最期、どうなったか覚えているか?」
「え? ええ…」
「なんで、そういう最期になったか覚えているか?」
「はい、だいたいは…」
「突き詰めて言えば、ペラペラと余計な事を喋ったから…だったよな?」
「そうですね、裏切りもありましたけど…」
「ん? オマエもカルロ(ドンの娘婿)みたいに何か裏切ってんのか?」
「え? う・裏切ってなんて…」
「そのブタネコの話、今 俺に話すまでの間に誰かに喋ったか?」
「しゃ、喋ってません!」
「絶対か? オマエの彼女(俺の娘^^;)とか ウチの嫁に…」
「言ってません! 喋ってません!!」
「そっか… 男ってのはよ、時にはグッと腹にしまっておくぐらいの器量が無いとな」
「はい、そりゃぁもう…」
「オバチャンの井戸端会議みたいに 有る事無い事をペラペラ喋る奴、俺は嫌いだ」
「え? そうですね…」
「オマエはオバチャンじゃないよな?」
「もちろんです」
「だったら、何が重要で この先どうすれば良いのか判るよな?」
「はい」
まぁ、いずれバレる時がくるのは判っていたから さほど驚きはしないし、嫁も薄々は気づいておかしくないし、どうせ嫁にバレるのなら、私らしいサプライズを仕掛けておきたいもの。^^;
「で? そのプリントアウトを持ってた人は その後、どうしたの?」
「しばらく、ボクの横で写真を撮ってましたけど36Rに行ったんじゃないですかね、
車に乗ってどこかに行っちゃいましたから」
「ふぅん…」
「で、オマエはそこで ボク、ブタネコの娘を拐かしているんですよぉ…とかって、言わなかったの?」」
「言いませんよ、言えるわけ無いじゃないですか
…でもね、その時 別の傍にいた人も”ブタネコのトラウマ”をたまに見てるって言ってましたよ」
「ホントに? そりゃ、嬉しいねぇ」
「”千歳 F-15”ってキーワードで検索すると ポッと出てくるらしいですよ」
「ふぅん… じゃぁ、そろそろコソッと千歳に行こうかなぁ…」
「院長やママが許可くれるんですか?」
「くれるわけないだろ」
「じゃ、お忍びですか?」
「おう、オマエの運転でな^^」
