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2009年08月11日

● 秒速5センチメートル 再見


この記事は 我が友「虎馬」さんに捧げる。^^




【注意!!】  この記事にはネタバレが満載です。

 私としましては この作品を未見の方は 是非、ネタバレ無しで まず本編を先に御覧になる事を強くお薦めします。




ふと、日頃の日課である 友人ブログ巡りをしていたら『虎馬さんのブログの記事』に 拙ブログの記事に触れて下さった記述を見つけた。


そう言えば、少し前「大阪だい」さんも ブログでこの「秒速5センチメートル」を取り上げていたよなぁ…と、思いつつ 折角、お仲間で盛り上がっているコメント欄にお邪魔するのも如何なものかと思ってコメントしなかったんだった。^^;


が、まぁ そんな事はどうでもいい。


以下に述べる事は あくまでもブタネコ的見方であって、それが一般的か否かなど一切構っていない ともすればブタネコだけの妄想と呼ばれても私は驚きもしないし怒りもしないかわりに 自分の妄想を前提に「そりゃ違う」と文句を言われても関知しないので御了承頂きたい。^^




私は この作品を初めて見た後に『秒速5センチメートル』と言う記事を掲示したが、その中で


  「広めの行間を読めるか否か?」全ては それによると思う。


と、記した。


思うに、この「秒速5センチメートル」は3つの章に分られた物語の全編の中に 見た人によって何ヶ所かの数に違いはあるだろうけど 心のツボ、特に遠い記憶をキュッと引きずり出される瞬間があり、その引きずり出され方に時には涙さえ流れるわけで 以前の記事で述べた「広い行間」とは 要は、どれだけ自分の記憶が物語によって刺激されるか?という意味でもある。


さて、まず 私が注目したのは この作品のタイトル「秒速5センチメートル」という言葉に込められた意味だ。


第1章

秒速5センチメートル

「桜花抄」の冒頭で…


秒速5センチメートル

「桜の花の落ちるスピード」と、簡単に記されているだけで その後、目立って物語り中に登場する事は無い。


しかしながら、この言葉は間違い無くキーワードなのだ。


今、DVDを再見し 私はこの「秒速5センチメートル」という言葉に あくまでも個人感だが、二つの意味を感じている。


ひとつは…


「秒速5センチメートル」が単に何かの速さを表しているとしたら これって速いと感じるか遅いと感じるかは 聞いた人の個人感によるとは思う。


秒速5センチという事は「分速3メートル」であり、「時速180メートル」でもある。


単に「時速180メートル」って聞けば 日頃、平均時速80kmで車を運転し、滑走路上空だからスピードは抑え気味なんです…って言っても 時速にすれば300km以上で飛行する機体を撮影している身としては「遅い」と思う。


でも、桜の花びらが舞い落ちる景色を眺めた場合 一枚毎の花びらが落ちるのを見て


「呆気ない」


つまり、「アッと言う間」みたいに感じている。


この感覚のギャップなんだよね。


もっと、妄想的感覚で言えば 中学や高校の頃に感じていた時間と、大人になってからの時間は 多くの人が「歳を取ると時間が過ぎるのが早い」って言ったり感じたりする そのギャップに通じるもの… それを「秒速5センチメートル」という言葉に感じるのね。


で、それとは別に「秒速5センチメートル」という言葉に感じたのは 何十年も前に誰かが、突然言った意味の無いような事を 15年とか20年過ぎたある時に 何かの拍子でハッと思い出す… そんな経験って無いだろうか? 少なくとも私は思い当たる事がいくつかあるんだ。


小学生の時に仲良しの女の子が どうしてその時に言ったのかは判らないけど


「桜ってね 花びらが落ちるスピードが秒速5センチなんだって…」


という台詞を 主人公の男の子の脳内の片隅に 知らずのウチにインプットされ…


このシチュエーション自体が 盲点を突く様な説得力を秘めているんだな。^^


個人例で言えば 私の場合、嫁との付き合いは中学生まで遡る。


ゆえに、中学や高校で過ごした中の記憶って いろんな事が知らずのウチにインプットされており、それが50過ぎてTVドラマを見てるうちに 何気ないシーンや台詞でヒョコっと引っ張り出され…なんて事がよくあるのだが 如何であろう?


つまり、「秒速5センチメートル」という言葉から 一つ目の意味として「時間感覚」、それと 二つ目の意味として無意識に留めていた「記憶」なんじゃないか?と。


物語の中で タカキは例えば第2章で運ばれていくロケットの運搬車が時速5kmと聞いて ハッとなる。


見ている私は そんなタカキやアカリやカナエの 何気ない一言で、自分の記憶の中からハッとした思い出が…みたいに、疑似体験させられたのだ。




この作品を見た人の多くは 第1章である「桜花抄」で転校により離ればなれになったタカキとアカリという二人が その後、どういう変遷を辿るのか…という視点に終始しているらしい。


たしかに、第1章はそれだけインパクトのある内容だから そういう視点で見るのが正しいのだろうとも私は思う。^^


例えば、「二人の恋愛はいつまで続いていたのか?」と論じ合う人達がいる。


秒速5センチメートル

少なくとも上のシーンを見る限り、机の上の数ⅡAの参考書から アカリは高校生の時点でもタカキに手紙を書いている事が推察出来る。
(その手紙を出したか否かは不明だけど)


そして…


秒速5センチメートル

秒速5センチメートル

上の二つのシーンで 二人ともポストに対して意味ありげな仕草を見せている事からも、高校生の時点までは 互いに対する意識はそれぞれにあったと考えて良いと思うわけだが…


上の画像において アカリの横に、まるで一緒に歩いている様な男子学生が描かれている部分に アカリの状態が暗示されているとも私は感じるのね。


つまり、「何時の時点か?」という部分は「高校の時」という最大幅3年間という枠で考えるしかないのだが 私は、アカリには新たな恋愛対象が生じており、タカキは自分の側にも原因があると理解しつつアカリとの関係は終わったのかもしれない…ぐらいの気持ちでいたんじゃないかと考えている。


ただ、ここで思い浮かぶのは


   『オスカーワイルドはこう言っている…

    男は女の最初の恋人になりたがるが、

    女は男の最後の恋人になりたがる。』


   『J・S・ベースという人が こう言っている…

    男は初恋を諦める事が出来ず…

    女は最後の恋を諦める事が出来ない。』


これは『プロポーズ大作戦』というドラマの中で妖精が言った引用である。


冷めた言い方に聞こえるかもしれないが… 遠距離恋愛における自然消滅的破局の典型的なパターンと言ってしまえば それまでなんじゃないか?と。


この映像の制作者である「新海誠」は ある意味、どうでもいいと思える部分は物凄くおざなりなのだが、逆に「え? そんなとこにまでリアルを追求するの?」って感心する部分が沢山ある。


たとえば、


秒速5センチメートル

上の画は 小学生だった時の二人が借りた本の図書館のカード


これを、よく見ると


  ・「影との戦い」 ゲド戦記の第1巻 アーシュラ・K・ル・グウィン 著


  ・「空とぶ庭」 ジュディス・ワーシー:著


  ・「カスピアン王子の角笛」 ナルニア国物語 第2章 C・S・ルイス:著


どれも、私が娘達が幼い頃に嫁に命じられて読んであげた本ばかり。^^




秒速5センチメートル


上の画は 第3章で3年間付き合っていた彼女から別れを告げるメールが着信したシーンなのだが…


携帯の下になっていた書類に「ん?」と なので、直ぐ後のシーンを回転させてアップにしてみると


秒速5センチメートル

「雇用保険被保険者離職証明証」


要するに タカキが会社を辞めようとしている直前、もしくは直後だという事が これで判る人には判る。
(ただ、(事業主控)って部分には?と感じているけどね^^)


タカキは会社を辞めると決断した直後に「ミズノさん」という3年間付き合った彼女から別れを告げられたわけで、仕事と彼女を両方無くしたんだな…と。


で、別れのメールは…


秒速5センチメートル

秒速5センチメートル

秒速5センチメートル


これって、


秒速5センチメートル

秒速5センチメートル

秒速5センチメートル


第2章におけるカナエの決断と ともすれば同じなんだな…




それから、どうでも良い事ではあるけれど…


秒速5センチメートル

この上の第3章の冒頭とラストに描かれている踏切のシーン


いろんな人の感想を伺っていると 結婚直前に、昔を懐かしむ様に踏切を訪れたアカリとタカキが出合う…という風に解釈している人が少なく無いらしいけど 私はそれは違うと思う。


例えば


秒速5センチメートル

秒速5センチメートル

秒速5センチメートル

秒速5センチメートル

上の一連のシーンで 大人になったアカリが両親と別れるのは 少なくとも正月前であり、それから1ヶ月後には結婚式を控えている… と言う事は、彼女は最大幅で見積もっても2月までには結婚したと推察される。


それに対して、踏切のシーンは桜の花びらが舞っている事から3月以降である事は明白で


秒速5センチメートル


踏切に出かける直前のタカキの部屋の描写に 上の画があり、さらに言えば…


秒速5センチメートル


踏切で擦れ違った後の女性の左手を注目すると…


秒速5センチメートル

(画像をアップにしてみた。^^)


指輪、しかも(婚約ではなく結婚)が描かれている。


これが、北川悦吏子や内館牧子が脚本なら「焼けぼっくいに火がつく」みたいに二人は不倫の関係に突入するのだろうし、クソ島なら タカキは線路に飛び込んで電車を停め「ボクは死にましぇん」とか「50年後の君を今と変わらず愛している」みたいな台詞で決めようとするのだろうけど…


電車の速度は秒速5センチメートルじゃないし、踏切が上がるのは 逆に、もっと時間がかかる… そこに新海誠の妙があるんじゃなかろうか?


お駄賃

 気が向いたら…で結構です。^^;

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コメント

こんばんは。


いつも 拙ブログをかわいがっていただき 感謝です。


この作品は確かに大阪だいくんに触発されて 遅ればせながら見てしまいましたが

結局はいつものように ブタネコさんが自分の心に蒔いた種が花開いた格好です。


かなり真剣に見たつもりですが 踏み切りの女性の指輪までは ちょっと・・・ 流石ですね~^^;

★ 虎馬 さん

アナタは義理堅い人ですねぇ…^^

【※注意!!】

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