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2009年07月29日

● フルートの話(その4)


雀荘のアルバイトと聞くと ろくなバイトじゃないと思う親は大勢いる事だろう。^^




たしかに、その通りだと私も思う。


実際、私がバイトしていた雀荘の客は 仕事をサボるサラリーマンや、近所の商店主達や、本来の学業などそっちのけで遊ぶばかりの大学生が多かったけど、ヤクザやヤクザまがいの連中や、地域的な環境もあってか 数日日雇いで稼いでは 金の続く限りブラブラし、また金が無くなれば日雇いに行く労務者達も多かったから、まともな親であれば 自分の子供が接して欲しくない様な人種が沢山屯している場所だった。


でもね、他人はどう思うか知らないが 私はその雀荘で大学在学の4年間、ずっと働き その間にいろんな人を見知り いろんな話を聞き、いろんなその人達の人生を垣間見た事は 私にとって学校では絶対に学べない貴重な授業だったと確信している。


例えば、労務者達に混じって雀荘に訪れる人の中には 元大学教授や、大手企業の重役や、官庁でエリート街道を歩んでいた人もいる。


しかしながら、その人達は派閥争いなど権力闘争に敗れるなど、何かの事情でそれまでの人生から逃避し、その結果 労務者外に流れ着いた人々で 逃避するまでの課程には、やむを得ない事情もありつつ、ワガママだったり、誤解だったり、その人自身による失敗がキッカケという人が少なく無いのも事実。


第三者である私にとっては 何がどうなったら、本来であれば多くの人から崇められたり尊敬されるべき立場にいるはずだった人が、ホームレスに毛が生えた様な生き様になるのか? それを垣間見れた事が、最も私にとって重要であり、活きた教材となった。


が、その話は別の機会に譲るとして…^^




大学3年の時、西田敏行が金田一耕助役の映画「悪魔が来たりて笛を吹く」が劇場公開された。


K親分が ふらっと私達がバイトしていた雀荘に現れ、


「おい、”悪魔が来たりて笛を吹く”を見に行くから オメェもつきあえよ」


と、私に言ったのは 公開されて間も無い頃の事。


私はバイト中ではあったが、雀荘の経営者はK親分の奥さんだから その誘いは業務命令同然、見たい映画でもあったから


「え? 良いんすか? 喜んでお付き合いさせて頂きます」


という事で、見に行ったわけだが…


感想については『悪魔が来たりて笛を吹く(西田版)』を御一読願うとして、映画を見終えた後 K親分に誘われるまま 親分の行きつけの寿司屋で御馳走になりながら親分の話を聞いた。


「ありゃぁダメだぜ、あの映画の監督は 横溝を何も判っちゃいねぇ」


そう悲しそうに語りながらも、


「でも、あの音楽は良かったな あれだけは認めるぜ」


とも言い、それについては私も同感だった。


そして、親分は


「オマエ、修学旅行に来た時 神保町で見た黄金のフルートを覚えているか?」


と、聞き


「ええ、もちろん覚えてますよ

 あの時に、買った横溝正史のエッセイ本を読んだら 横溝正史の長男が音楽家だとか

 知り合いにフルート奏者がいて それから聞いた話とか、もちろん金製のフルートの話とか

 親分はあの時点で 既に知ってらしたんですね」


「おうよ、だから いつかは手に入れてぇ…って思ってたんだけどな

 今日の映画の音楽聞いて、明日 早速、買いに行こうと決めたぜ」


「え~ 買うんですか? あれってヘタな車より高いじゃないすか?」


「バカヤロウ、値段なんか問題じゃ無いんだ 心意気だよ、心意気!」


翌日、本当に親分は買ってきた。^^


買ってくると早速、私を自宅に呼び


「どうだ、とうとう手に入れてやったぜ」


と、満足そうに笑い


「オメェの友達か誰かで コイツであの映画の曲を吹いてくれる奴はいねぇか探してくれねぇか?

 もちろん、タダではと言わない。

 それなりの礼金を払うから バイトだと思って引き受けてくれる奴、ちょいとさがしてくれねぇか?」


私には音楽的教養も趣味も無い。^^;


なので、「気の弱い弁護士」や 同居していた後の嫁に「誰かいない?」と頼んだところ


嫁の大学の友人の中に吹ける女の子が見つかり、その子に引き受けてくれる様に頼み込んだ。


その子が親分の前で 親分の黄金のフルートを使用して吹いてみせたのは 依頼してからほぼ2ヶ月が過ぎた頃で、レコードを聞きながらコピーして ピアノのソロの所もフルートでちゃんと吹いて見せるまでになるには それぐらいの時間が必要だったんだな。


感激した親分は その子に10万(当時の大学出のサラリーマンの初任給がそれぐらいだった)を払う程の大満足。


女の子も法外なギャラを貰い満足、どちらも良かったね…って話で終わる。




さて…


フルートを吹いた女の子は 中学・高校の時に吹奏楽部に所属してフルートを担当し、楽器メーカーが主催する音楽学校にも通っていた子で 大学進学も、音大を受験しようか さもなくば普通の大学を受験しようかとギリギリまで悩み、普通の大学を選択した子


だからなのか、親分の一件があって以来 もう一度、真剣にフルートと取り組んでみようか… そういう考えが心の中で大きくなり、また音楽学校に通い始めると同時に 音大を受け直す事も真剣に考え始めたのだそうだ。


そして、時々 親分の所を訪ねては 黄金のフルートを借りて演奏会に出演するなどしていたらしい。


で、そんな或る日 事件が起きた。


お駄賃

 気が向いたら…で結構です。^^;

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