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2009年05月03日

● 梅の花


一首詠んでみる。^^




私の病室は病院の最上階にある。


自分で言うのもナンだが そこは一応、特別室と呼ばれる病室であり、お陰で眺望は抜群である。


そりゃそうだ、これでも一応 この病院の理事の一人なんだからこれぐらいの特別待遇は当たり前だ… と、私は思っていた。


ところが、どうやら別な事情があるらしい。


先日、点滴を取り替えに来た看護師のCちゃんがポロッとこぼしたところによると…


「ブタネコさんを 他の患者さんと同室にしたら、

 他の患者さんにどれだけ悪影響を与えるか心配なんじゃないですか」


まぁ、いい。


他人から何を言われようと私は私だ。




こういう事を公開上で述べるのは如何なモノかと私自身感じるモノがあるが、他の病院はいざ知らず、とある病院における内側の関係者として記しておくと…


特別室…という部屋の存在する意味には そこそこ小金を持っている患者から「特別待遇」という名目でボッたくるという意味合いと それとは別な意味で使用される意味がある。


それは、「天国に一番近い部屋」という意味。


もう、手の施しようが無く 命の残りが僅かな患者さんに旅立ってもらう部屋…という意味だ。


誰しもが死にたくないと願い、入院する。


しかしながら、死は誰にも必ず訪れる事。


問題は、4人とか6人同室の病室で ひとりの患者が死を迎えようとなった時、同室の他の患者に与える精神的影響は計り知れない。


だから、心ならずもそういう患者が生じてしまった時に タイミングを見計らって特別室へと転室させるのは致し方の無い事と御理解願う他無い。


故に、二代目開業医の病院の最上階に数室設けられている「特別室」においては その一つを私が使用し、もう一つをとある大物ヤクザが元気に使用している他は 皆、数日のウチに静かに旅立たれようとしている患者さん達だ。




けっして、亡くなっていこうとする方々に文句を言うつもりは全く無いし その家族の方々に対しても同様だ。


ただ、私が言いたい事は 壁一枚向こう側の隣の病室がそういう神聖な状態である事を自覚している以上、時には私も それなりにシリアスになる時がある…という事。


ゆえに、私は 時々、院内見回りと称して 腕に刺さった点滴のバックがぶら下がったスタンドを片手に引きずりながら病院内を徘徊する。


理事の一人として 患者の目線で院内をチェックし、二代目の病院がより良い病院になる事を心がけているからでもあり、ヘタに自分病室で騒いで周囲の病室の方々に不快な思いをさせたくないと思うからでもあり、ごく稀に、廊下から「@@さん!!」とおそらくは患者の家族の方の泣き叫ぶ声や 「先生! 看護婦さん! 誰か! 誰か来て!」という声を聞くのが最も辛く遭遇したくないから病室にいるのが嫌なのだ。


だから、暇そうに待機しているレントゲン技師と将棋を指したり 喫煙所に巣くうヤクザや学生の患者を恫喝し、薬剤室で煎餅をたかり、リハビリしている青年を励ました後、売店のオバチャンをからかう…


まぁ、そんな私を看護師や医師達は


「あ、また散歩に行きやがった」


と、称しているらしいが 心情は理解してくれているので誰も文句は言わない。



私は売店に行くと いつもオバチャン預かってもらっている鰹節の袋を受け取り、その足で病院の職員駐車場に向かう。


職員の駐車場には医師達の車が停めてある。


さすがに、一般の開業病院の医師達だけあって高級車が並んでいるのだが その中に一際群を抜いた小生意気なジャガーが停まっていて そう、それは二代目開業医の愛車である。


駐車場所は決まっており、常にそのジャガーは同じ場所に停まっている。


奇妙な光景に映るのは そのジャガーの隣には新車のラクティスが停まっている事。


かつて、鹿児島に旅行した際 レンタカーの営業所で1300ccの車を


「何だ? このチョロQは!」


と、大声で罵倒した二代目開業医のジャガーの隣に 1300ccのラクティスが停まっている。


実は、このラクティスも 名義は病院だが、実質は院長の専用車であり 本当はパッソを買って半年もせずに 綾瀬はるかが宣伝する様になったから…と言う理由でラクティスに買い換えた…なんて裏話のある車


「だって、ジャガーに乗って往診に行くわけいかないじゃん」


二代目開業医は そう言う。


これは二代目開業医に限った話では無い。


アナタの周囲を見回すと これと同じ話はゴロゴロと転がっている。


特に、わりと儲けているお寺があれば 住職が檀家まわりに使う車は1300ccクラスでも、寺の車庫にはちゃんとクラウンクラス以上のハイグレード車が別にあるのが普通なのだ。^^


まぁ、そんな事はどうでも良い。


問題なのは院長のジャガーだ。


実は数年前から 奇妙で面白い事が続いている。


二代目の病院の周辺には 結構、野良猫がいるのだが、そのうちの一匹で おそらくはこの辺のボス格と思われる真っ黒な猫が 何故か、天気の良い日になるときまって二代目のジャガ-の屋根の上に乗っかって昼寝をする。


この猫が他の車に乗っかっているのは一度も見た事が無く、必ず院長のジャガーの上でしか寝ない。


私は そんな頑固な野良猫が私は大好きで、かねてより そこに置いてあるプラスチックの小皿に その鰹節を入れると、院長のジャガーの屋根の上に置く。


この野良猫の面白い所は もうひとつある。


それは 彼は野良猫なのにとても毛並みが良いのだが、何故か 彼の足はいつも汚れているので、彼がジャガーに上がると ボンネットからフロントウィンド そしてルーフへと彼の足跡が点々とスタンプを押した様に残る。


愛車を磨き上げるのは二代目のこだわりで 彼はいつもジャガーをピカピカに磨き上げているから足跡は余計にクッキリと目立つんだな。^^


ピカピカで見るからに高級そうなジャガーに 梅の花の様な野良猫の肉球の跡は とてもファンシーなのだが、そんな足跡を目にする度に 二代目はヘラヘラと悲しそうに笑う。


職員駐車場の二代目のジャガーとラクティスが停まっている場所の横は いつも2台分のスペースが空いており、基本的に そこは私と「気の弱い弁護士」や「某国立大学理工学部教授」などが病院を訪れた時に使用する場所


最近は その場所に「気の弱い弁護士」のベンツが停まっている時間が長いのだが 面白い事に、二代目のジャガーの屋根の上で寝るのに飽きた野良猫は どうやらピョンと弁護士のベンツの屋根の上にジャンプして しばらくはそこで一眠りして、やがてベンツにも梅の花の足跡を残して 何処かへと去っていく。


ベンツとジャガー 二台並んで猫の足跡を描いている様は まったくマヌケなばかりである。


元々、猫好きな二代目は 自分の愛車に肉球スタンプをつけられる事は苦々しく思っていながらも だからといってその猫に仕返しをしようとはせず、ただヘラヘラと笑うのみ


そんな二代目に


「ジャガーも猫と同じ系統って知ってたか?

 きっと、アイツ(真っ黒い野良猫)は自分の事をジャガーなんかより上だと自己主張してんだよ^^」


と、私が言うと


「どうでも良いけど なんとかならんのかなぁ…」


と、ぼやくのみ。^^


なので、私は病院に出入りの事務機屋に命じて よく、市役所なんかでちょっと偉そうな小役人が机の上に自慢気に飾っている「~課 課長 @@@@」と書かれたプレートのベースを利用して


「土足でこの車に上がるべからず」


というプレートを作ってジャガーのボンネットの上に置いたり、やはり、病院に出入りしている清掃業者に頼んで いつもボス猫がジャガーに上る辺りの地面に玄関マットを敷いてみたりもしているが いまだに全く成果は上がらず 二代目から


「恥ずかしいから 変なモノを俺の車の周りに置くな」


と、怒られたので それ以来、逆に鰹節を敬意を込めて進呈するのが日課となっている。




ベンツ


お駄賃

 気が向いたら…で結構です。^^;

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コメント

梅の花かあー。いい表現ですね。
うちも さまざまな梅の花が咲いています。

ブタネコさん、この絵最高です!! 

★ クロ さん

数日前、我が家の梅と桜が同時に咲きました。^^


【※注意!!】

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