● ある方々へのレス
ここひと月の間に複数の方から同じ様なメールや非公開コメントを頂戴している。
はじめまして、何かを検索していてたまたまこちらに当たり、拝読させて頂きました。
喫茶「職安」の話が面白くて今日全部読んでしまいました。
そこで相談させて下さい。
私はやりたいことが見つかりません。両親には毎日のように好きなことを見つけろ、仕事も好きな事をやれと言われます。ブタネコさんは娘さん達にどのような大人になれと言ってきましたか?私はやりたい事が何もない事がとてもつらいです。
上のメールも その中のひとつ
このクソブログを楽しんで下さっているという事は管理人として望外の喜び^^
なので、御礼の意を込めて 私見を述べてみようと思うのですが 冒頭に辺り、少しだけお断りをさせて頂くと…
私は万能でも全知全能でも無いので 実際には偉そうな事を言える人間ではありません。
従って、以下に書き連ねる事は 私の勝手ながらの言い分であって それによって生じるかもしれないあらゆる事に対して 何の予知も出来ないし、責任も持てません。
あくまでも、偏屈なオッサンの好き勝手で無責任な能書きと読み流して頂きたい。
今の小学校は判らないが 私が小学生の時、「将来の夢」なんてタイトルで作文を書かされるのは珍しい話ではなく、「パイロット」「総理大臣」「電車の運転手」…等々 なれるか否かはともかく「なってみたい」という「夢」とか「希望」を描いたものだ。
子供の時からの夢を叶える… 最近、聞いたのは ある方が宇宙飛行士になった時のインタビューだったと思う。
たしかに、「宇宙飛行士」なんて仕事は子供の頃から そこを目指して、それなりの資格を得る為に勉強したりしなければなれないだろうし 逆に言えば、そういう人物じゃないとなってはいけない職業の最高峰のひとつとも思える。
現在の教育システムでは 余程の例外でない限り、医者を志すなら大学の医学部を 弁護士を目指すなら法学部を卒業しなくてならず、そういう大学の学部に入る為の勉強を中学や高校でしなければならない。
ところが、私の時代が特にそうだったのだが
「とりあえず一生懸命勉強して とりあえず良い大学に入りなさい」
と言う親や教師は腐る程いたが、「将来、どんな仕事をしたい?」とか「どんな知識を得たい?」なんて事にはまるで無頓着で ヘタすると
「職業? そんなものはまず良い大学に入ってから ゆっくり考えれば良いの」
なんて先送りだった。
が、それでも今思えば 私の子供の時代には まだ夢を見やすい環境があった。
「鍵っ子」って呼び方を知ってますか?
正式な語源は知りませんので 私ながらの解釈を申し上げると…
1960年代ぐらいまで ある人はそれを男尊女卑と呼ぶけれど 父親は仕事をしに職場に行き 母親は家庭で家事に専念する…というのが 家の在り方みたいな考え方があった
しかしながら、高度経済成長や核家族化 そして女性の社会進出が一般化…という風潮により夫婦共稼ぎをする家が増え その家庭の子供は自分の家の鍵を持たされ、学校から帰ってきた後、親が帰ってくるまで子供だけで過ごす…
それまでは子供(小学生以下)が自宅の鍵を持つ…なんて事は珍しい話だったから そんな子供を指して「鍵っ子」って言葉が社会的に使用され 時にはそれが問題視され議論の対象となったものです。
私と妹は まさに「鍵っ子」でしたから両親が帰宅するまでの間、少なくとも妹が高学年になって一人で友達と遊びに出かける様になるまでは妹の面倒を見つつ 家で過ごすのが当たり前で だから、その頃の私はTVを見たり本やマンガを読んで過ごしたもの
最近の携帯小説なんかと違い SEXもレイプも妊娠もドラッグも出てこない、小学生向けの野口英世など偉人の伝記が殆どだったなぁ…
で、学者の伝記を読むと「俺も学者になろう」と思い TVで面白い落語を見ると「俺も噺家になろう」と思う 実に単純な子供だった。
だから、仮に今の時代に 私がその頃の子供であれば おそらくはTVゲームに夢中になっていただろうから「勇者」や「賢者」 う~ん「遊び人もいいな」なんて事を口走るオバカだったと思う。
「将来、なってみたい職業」 それが、リアルに思い描く様になったのは高校生になってからの事だ
その頃の私は進学希望の大学と同じで第1志望から第3志望まであり
第1志望「自衛隊のヘリのパイロット」
第2志望「弁護士」
第3志望「小説家」
というもの
第1志望「自衛隊のヘリのパイロット」に関しては 防衛大学も航空学生も学科試験はパスしたが、身体適性で「心臓に疾患の疑い」が発見され叶わなかった。
第2志望「弁護士」に関しては 私は理数系進学組だったので論外。^^;
第3志望「小説家」に関しては 当時私が屯っていた喫茶「職安」の常連さん達が
「小説家なんてのは それなりに人生経験を積んだヤツじゃないと文章に説得力が無ぇ
歳とってからでも充分なれるんだから 若いウチは違う事をして経験を積め」
と、アドバイスされ「それもそうだな」と棚上げにした。^^
で、結局 私は大学の理系学部を卒業し、プログラマそしてSEとしてサラリーマン生活を数年過ごしたが、喫茶「職安」の常連さん達が築いた会社を引き継ぎ現在に至る。
つまり、考えてみれば 子供の頃に「やりたいこと」って思った事なんて何一つ出来ていないんだな。^^;
じゃぁ、今までの私はどう過ごしてきたのか?と言えば…
個人的な部分で言えば、その時々で面白く楽しいと思い、のめり込んだ趣味の為に必要な金を稼ぐ事。
亭主という部分で言えば、嫁と娘達が明るく暮らす為の賄いを稼ぐ事。
そう割り切って 時には債権整理、時には取り立て、時には会社再建などに関わったわけで債権整理や更正など楽しいと感じ思って携わった事などひとつも無い。
自分で言うのもナンだが、そこそこ財産も築いたぶん健康が損なわれ 現在は名目だけは代表取締役でも事実上の隠居状態となり、オンゲーだブログだと好き勝手な暮らしをしているが、そもそもそれは20代から40代にかけて 特にバブル景気の真っ盛りに同世代の連中が浮かれて遊びまくるのを尻目に何倍も働き稼いだという自負があるので 逆に20代から40代にかけて あの頃同世代の連中が遊んだ分を 残りの人生で私は遊ばせて貰うのに何の遠慮が必要か?…なんて開き直りでもある。
だから、私の考え方や発言内容は 時に嫌味に聞こえるかもしれないが、金をかけなくても楽しめる事、やれる事は沢山あるし 実際に私もそうしている事がいくつかあるけど、嫌な言い方かもしれないが 今の世の中、最低限、いくばくかの金が無いと出来ない事も現実としてある。
つまり、「やりたい事」があって それにいくら金が必要か?ってのが判れば その為に割り切って嫌な仕事でも我慢して稼ぐ事は出来るし判り易いが、「やりたい事」が見つからないので 嫌な仕事を我慢する必要はあるのか?…みたいな論理になっているのだとすれば それは考えるだけ時間の無駄だと私は思う。
例えば考え方を変えて「やりたい事」がみつかるまで 見つかった時の為に嫌な仕事でも我慢して金を作っておこう…なんて考え方の方が 私としては前向きだと思うのだが、目的も無く嫌な事をするのに意味を見出せない人も少なくないわな^^
さて…
実を言うと 私も二人の娘に対して「好きなことを見つけろ、仕事も好きな事をやれ」と言った父親だった。^^
ただし、私は偏屈でへそ曲がりだから 似て非なる意味も付け足してそう言ってきたつもりだ。
例えば、私が学生だった頃もそうだから おしなべて日本人の子供全般がそういう傾向なんだと勝手に解釈しているのだが、何故か 人は上辺だけ群れたがる。
私の頃を例に挙げれば
みんなが通学に持っているから…と言う理由で紺色のマジソン・バックを持ち…
寒くもないのにアディダスのウィンドブレーカーを羽織り…
みんなが行くから…という理由で市立図書館に行き…
突飛な行動や真似をすれば みんなから浮き上がり、それが孤立になったり反感へと繋がる事を極力恐れる。
実を言うと そんな「みんな」という体裁を重んじようとする考え方や風潮を私よりも私の嫁が嫌っており「自分は自分」に拘りなさいと娘達を仕向けて躾けたのは嫁なのだ。
しかしながら、ウチの嫁は 知能犯 賢い方だから 娘達が万が一孤立しないように
「ウチの娘達が 時に、みんなと違うのは全て父親(ブタネコ)が偏屈だから」
と、全てを私(ブタネコ)のせいに取り繕ったから^^;
「本当は娘達にもみんなと同じ様にバーバリーのマフラーをさせたいのよ
本人達もそう望んでいるし…
でも、ウチの主人(ブタネコ)が ”女の子は手編みのマフラーと手袋だろ”って
頑と言い張って曲げてくれないのよ」
保護者会などで娘達の同級生の親達に ウチの嫁はそうこぼしてみせているのを私は秘かに知っている。^^
実際の私はと言えば
「バカヤロウ、俺様の娘なんだ グッチやシャネルのカシミヤのマフラーぐらいさせてやれ!」
って言ってたのに…(ToT)
私は、娘達に対して「自分なりのこだわり」にこだわる大人になって欲しいと願っている。
なんでもかんでも流行に左右されるのでは無く、タテマエや世間体を重んじるのでも無く、自分なりに「好きだから」「楽しいから」という事に拘って欲しいと。
楽しいから…ってだけで「遊んでる」とか「酒を飲んでる」なんてのは意味が違う。
・「花」の写真を撮り集め いつか自分なりのアルバムを作りたい…
・ビーシュリンプを改良して 自分なりの系統を創り出してみたい…
興味のない人に言わせれば どうでも良い事と思われる事でも 本人が好きで楽しめる事なのであれば他人がとやかく言う話では無い
まぁ、結局は 私が娘達に願う事の背景には 彼女たちの母親、つまり我が嫁の私が最も大好きなところが 嫁の「自分なりのこだわり」にこだわる姿勢なので これは裏返せば娘達に「母親みたいな大人になれ」と願っている…という意味なので 質問者のお問い合わせの意味とは異なってしまい恐縮ではある。^^
