« 雑感(1月6日) | TOPページへ | 銭ゲバ »

2009年01月06日

● 悪魔の手毬唄(稲垣版)


とうとう稲垣版の「悪魔の手毬唄」が放送されたので見た。




悪魔の手毬唄(稲垣版)


先程 とうとう放送された映像を見た。


その感想を簡潔明瞭に一言で述べれば


「あ~、やっちゃったなぁ…」


である。


このドラマが制作中というニュースを耳目にした時に 


誤解の無い様に断っておくが、「塩見三省」という俳優さんが嫌いなのでは無い。

「磯川警部」が 横溝フリークにとって どれだけ重要な人物かを私は強調したいだけだ。

金田一シリーズにおいて「磯川警部」と「等々力警部」は 極めて重要なキャラクターなのだ。

これを使い回す… この時点でどんなに罵っても気が済まない程なのだ。(怒)

しかも、「大空ゆかり」を「山田優」だと? じゃ、仁礼文子や由良泰子は 蛯原や押切か?…と、小一時間問い詰めたい。

「青池リカ」が「かたせ梨乃」

この制作者は 余程、大根おろしが食いたいらしい。


私はその時の記事の中で 上記の様に述べた。


そのお陰かどうかはさておき、既に この時点で今の感想に至るかもしれない、いや、その可能性が非常に高いと覚悟出来たので 現時点ではさほどショックは無い。


横溝作品を映像化する際に 常に問題とされるのは放送時間という尺の問題。


限りある尺の中に納める為に 原作の中を取捨選択したり、時には辻褄合わせをしたり それは制作者の腕の見せ所となる。


私は 横溝正史先生を敬愛する程のファンである。


金田一シリーズの原作群に対しては 他の作家とは比べる事さえおぞましいと思っている程、特別視している。


ゆえに、金田一シリーズが映像化された際に その映像を良しとするか否とするかの最大の基準は 制作者がどれだけ原作を読み込み、把握し、解釈した上で 尺の問題を処理しているか?という点に置く。


例えば、私は 市川崑監督による石坂金田一の映画版が最高だと思っている…と、今まで このブログの中のいろんな記事で述べている。


と、同時に 市川版が完全無欠の最高傑作だとは思っていない旨も述べている。


あらためてそこのところを説明すれば 市川版ですら、尺の問題などもあって原作とは大きく違う設定にした映像があり、それらの中には「?」と疑問を抱く部分があるからだ。


けれども、そんな状況でありながら市川版を私が批判しないのは 市川崑氏がどれだけ原作を読み込んでいるかを私は映像から知っており、であるがゆえに変更部分も許容範囲と納得しているからだ。


さて、では その視点で稲垣版「悪魔の手毬唄」で どう見えたか?を語ると…


この悪魔の手毬唄という物語の 素晴らしい点って何だと思う?


私はその点を この映像の制作者に対して問うてみたい。


なんでもかんでも挙げていけばキリがないから あくまでもブタネコ的に言えば その最大の素晴らしい点は


「探偵小説なのに泣ける」


という事に尽きる。


特に、「青池里子は何故死んだのか?」という点


それと「磯川警部の想い」


原作のこの二つだけは 思い出しただけで俺はいつでも泣けるぐらい心を揺さぶられたんだ。


で、映像を見終えて… ゴメン、俺はひとつも泣けない。


ゆえに、今回ばかりは ハッキリと「駄作」と唾棄しておく。


キャスティング的な部分に感想を述べれば…


悪魔の手毬唄(稲垣版)

個人的に大好きな役者である「小日向文世」が横溝先生役という部分は 大いに良しとしたい。


悪魔の手毬唄(稲垣版)

中丸シオン(由良泰子)


悪魔の手毬唄(稲垣版)

多岐川華子(仁礼文子)、


悪魔の手毬唄(稲垣版)

柴本幸(青池里子)、


この3人の女の子に関しては 暴言に近い極論をすれば 実際の所、そこそこ可愛ければ誰が演じても構わない。


それをこのドラマでは


中丸シオン=中丸新将  多岐川華子=多岐川裕美  柴本幸=柴俊夫&真野響子


と、それぞれに二世を起用したのは違う意味で興味深い。


で、

悪魔の手毬唄(稲垣版)

山田優(大空ゆかり)


というキャスティングに関しては 個人的には不愉快だが、これも映像を見た結果から言えば 百歩譲って「どうでもいい」


しかしながら、

悪魔の手毬唄(稲垣版)

かたせ梨乃(青池リカ)


これだけは最悪としか言い様が無い。


このドラマの制作者は「青池リカ」という人物設定を どう解釈していたのか正座させて問い詰めたい。


あ、誤解の無い様に申し添えておくが 私は市川版の映画で「青池リカ」を演じた「岸恵子」が最高だ…と思っているわけでは無い。


むしろ、業界的には大女優扱いされているんだろうけど 私は彼女を大馬鹿女だと思っている。


ゆえに、単純な比較論でかたせ梨乃を最悪としているのでは無く、かたせ梨乃への演出も最悪という意味を含めて指摘しておきたい。


で、演出に関して批判部分を述べておけば…


悪魔の手毬唄(稲垣版)

この いわゆる「峠のおりん」と呼ばれるシーンは「悪魔の手毬唄」の中でも名シーンの一つなわけだが このドラマでは金田一耕助は 何故か風呂上がりにこの峠に来ている事になっている。


おそらくは原作における「総社のエピソード」を尺の都合でバッサリと切りたかったんだろうとは推察はするが、ひなびた温泉宿に湯治に来て 風呂上がりに峠まで歩く人を私は知らない。


次に

悪魔の手毬唄(稲垣版)

金田一(画像左)は誰の紹介で この宿を訪れたのか?


このドラマの設定で言えば 橘署長(画像右)のはず


であれば、この再開シーンは 物凄く違和感というか意味不明に感じるのだが如何か?


悪魔の手毬唄(稲垣版)悪魔の手毬唄(稲垣版)

原作では「大空ゆかり」は「グラマーガール」とされている。


だからといって 上の画の様な胸部のSFX(あえてSFXと言っておく)までする必要と意味は何なのか? 私には判らない。


そして、ラスト前の「青池リカ」の原作には無い 泣いたり喚いたりの告白シーンは かたせが自己陶酔型の大根である事もあって興醒め以外の何物でもなく…


悪魔の手毬唄(稲垣版)

最も最悪なのは ラストのちょこっと一言貰ったぐらいでニコッと笑っちゃう歌名雄


このシーンで良しとしちゃうだけで 制作者がどれだけ「悪魔の手毬歌」を理解していないかがハッキリ判っただけに噴飯物だった。


イラスト


お駄賃

 気が向いたら…で結構です。^^;

 この記事への御駄賃がわりに下のバナ-のいずれかを クリックして頂けると嬉しいです。^^
 (全部、クリックしてくれると もの凄く嬉しいのは事実です。^^)

ブログランキング・にほんブログ村へ Blog Ranking 人気映画・TVBLOG blogram投票ボタン BlogPeople「自分のこと」部門にクリック BlogPeople「テレビ」部門にクリック BlogPeople「映画」部門にクリック

『稲垣版金田一』関連の記事

コメント

なんか感動しました。そして笑いましたw
昔から推理小説が好きなのですが、横溝正史は怖くてなかなか読むに至りませんでした。
この作品は、小さい頃にたまたまドラマで観て、それがあまりにも怖くて、夜になると思い出して何年も眠れなかった作品です。(確か石田あゆみさんだったような)でも、怖い中にもあの映像や雰囲気に子供心に何か感じたからここまで鮮明に覚えていたんだろうなあと思います。それからずっと気になっていたのですが、そんなに深い作品なんですね。原作をぜひ読んでみようと思います。昨日観たものは忘れてw
映画は、個人的にどれが一番おすすめですか?原作と映画のみどころなど、いつでも結構ですので、もし宜しかったら、教えて頂けたら嬉しいです。

ブタネコさん、こんばんは。

本当にやってしまいましたね。
私は自身の記事で強い語調では批判しませんでしたが、え~、つまり、正直、画面に集中できませんでした・・・。


>ドラマの制作者は「青池リカ」という人物設定を どう解釈していたのか正座させて問い詰めたい。

拍手です!

そして、里子の存在の重さ、そしてそう、何故死んだか。
そしてそして、磯川警部の想い。

正におっしゃる通りですね。

あと、これはシリーズを通していえるのですが、金田一耕助のマントを風になびかせる画や、その他の演出にも多々不満というか、あきれる点が満載でした。

集中して鑑賞できなかったのですが、これはもう一度再見しても、間違っても「八つ墓村」のようなことはないようですね。

ではまた。

深夜にお邪魔いたします….
昨日は,小生も同番組を見ることができました.
比較以前の問題だと感じ,絶句しております.
ブタネコさんの沸点を越えたような冷静な記事に
ある意味,優しさを感じます.(笑)

仁科さんを配しながら,なぜ別所春江役ではないのでしょうね.
レスペクトの無さに落胆しております.

人生を賭して,相対さなければ負けてしまう作品だということに
作り手の誰一人として気づかなかったことが悔しくてたまりません.


★ aoi さん

>映画は、個人的にどれが一番おすすめですか?原作と映画のみどころなど、いつでも結構ですので、もし宜しかったら、教えて頂けたら嬉しいです。


すいません^^;

このブログ 他にも記事があるんですよ


>いしだあゆみ

片岡鶴太郎版「悪魔の手毬唄」ですね


★ イエローストーン さん


私は おそらくこの先一生再見しませんね。


★ ゴーシュ さん


>比較以前の問題だと感じ,絶句しております.

まったくです。^^


>仁科さんを配しながら,なぜ別所春江役ではないのでしょうね

ですね、それぐらいの遊びはあっても良かった


こんにちは、めとろんです。

録画していた本作品をやっと観ました。ブタネコ様やイエロー・ストーン様の記事を読んだうえでしたので、変な期待もなく鑑賞することができました。拙ブログに感想をUPしましたので、お目汚しではありますが、お暇な時にでも読んで頂けたら幸いです。
細かいことを言えばキリがないのですが、やはり市川版の偉大さを実感するこの頃です。

★ めとろん さん

今年も宜しくお願いします。^^

めとろんさんの記事を拝読しました。

で、「悪魔の手毬唄」に関して あらためてちょっと考える事があり、数日中に記事として掲示し その中にめとろんさんのコメントや記事へのレスを併せたいと思います

なので、ちょっと御時間を頂ければ幸いです。


【※注意!!】

この記事は『ブタネコのトラウマ』の倉庫に保管されている記事なのでコメントの投稿は出来ません。 2015年2月10日以降 このクソブログは『ブタネコのトラウマ・リニューアル版』に移転しましたので新規記事更新及び、過去記事へのコメントの受付もそちらで行っておりますので お手数ですが、そちらへの移動をお願い申し上げます。