« Perfume 20歳の挑戦 | TOPページへ | ラブシャッフル »

2009年01月18日

● 犬小屋


御存じの方には御存じの話だが、考えてみれば このブログでは語っていない話なので述べておこうと思う。




今から数年前の事、我が家の隣に住んでいた人が破産の一歩手前まで追い詰められた。


彼の父親は札幌市内で中堅の建設会社を営んでいたが、癌に冒され 息子である彼に跡を任せて引退して間もなく他界した。


彼は典型的な二代目のボンボンで 父親の様に会社を経営する資質は無く、父親が他界してしばらくは喪に服せばいいものを 自宅を新しく建て替えるなど浪費を重ね、傍目には羽振りの良い生活を過ごしていたから 不景気の波にあっという間に呑まれたわけだ。


そんなある日の事。


私が自宅の前で愛車にワックスがけをしていたら、ひょこっと隣の旦那(彼)が現れ、


「ブタネコさん ちょっと話したい事があるんですが、時間を頂けませんか?」


と言う。


で、彼が言うには隣家の土地と建物を、私(ブタネコ)に買わないか?…という話。


それに対して、私はその場で「いくつかの条件があるけど、それが可能ならいいよ」と、あっさりとその話を受けた。


…と述べると 不動産をオモチャ屋でプラモデルを買う様な感覚で言える程オマエは金持ちか? と、問い詰められそうなので先に断っておくと…


喫茶「職安」の常連さん達の会社を私が引き継いでいる関係で、債権整理を通して 私はいくつかの銀行の担当者と知古があるのだが、そんな中の一人から


「隣の人の会社が かなり経営状態が悪化してまして、当行としては回収の手続きに入ろうと思ってます」


という情報を それより以前に私は耳にしており、その時点で隣家の買収をダメ元で計画していたからだ。


基本的に私は 隣人とは御近所づきあいだけで、仕事上の付き合いはないから 彼の会社が潰れようが関係は無い。


それと、正直言って建て替えて数年の建物がいかに立派でも 私は建物には興味は無い。


私が思った事は 自宅の土地を拡げたいなぁ…って事。


「隣の土地は、倍出しても買え」という言葉があるの知ってる?


将来的に 娘達が結婚して家庭が…となった時、二世帯住宅にするも、別棟にするも、とりあえず土地があればどうにでもなるし…


正直に言えば 隣家が倒産云々となれば そのドサクサで安く買い叩けるのでは?と期待したからでもある。


で、結果を言えば 私は相場よりもはるかに安い値段で隣家の土地と建物を私の会社名義で購入した。


そのテクニックに関してはいろいろと支障があるので公開出来ないが、ヒントだけ挙げておくと


「破産」「差し押さえ」「競売」「不良債権」「損切り」「自己売却」




ところで…


私は ついつい、持って生まれたサプライズ精神とでも言うべき遊び心から


「計画通りに買い取れるかどうかは判らないから、取り敢えずは嫁や娘達に隣家の話はしないでおこう」


と、当初は考えていたのだが、買収に成功した時点で


「折角、内緒で買収出来たんだから もう少し嫁と娘達には内緒にしておこう…」


って思ってしまったんだな。^^;




隣家は倒産のあおりもあって 夜逃げ同様に転居。

(実際には 昔取った杵柄で、不動産の購入代金が安く済んだ罪滅ぼしに私が協力したわけだが…)


隣家は空き家となったまま放置されて一ヶ月が過ぎていたが その間、何度か私は私の家族(特に嫁)に買収の件を言い出そうか…と思いつつ 何故か言い出すキッカケが見つからないまま過ごしてしまっていたところ…


何気なくTVを見ていたら、現代の道路工事に関する特集が放送されていて、その番組を見ているウチに ふと、閃いた。


で、喫茶「職安」でのバイト仲間であり、我が悪友の一人でもある「一級建築士の資格を持った詐欺師」に電話をかけ 閃きについて意見を求めると、私の閃きは「可能」で、費用も思った程高くない。


しかも、詐欺師と仲の良い建設会社が暇だった事と 依頼する内容を面白がって安く請け負うと言い出したので、早速工事に取りかかる段取りを依頼した。


閃いた時からしばらくして 当時、大学生だった娘二人と嫁が 嫁の最大の趣味である宝塚見物を兼ねて1週間程、旅に出た。


私は その予定を以前から知っており、閃いた時に、その旅行を秘かに実は待っていたのだ。


嫁と娘達が出かけたその日、隣家にショベルカーが入り 我が家と隣家の間に穴を掘る。


そして、掘った穴に直径(内径180cm)のコンクリート(鉄筋入り)の土管を埋め、我が家の地下室と 隣家の地下室の壁を改築して土管を接合し、簡易型地下トンネルにして往き来出来る様にする… それが私の「閃き」だった。


工事期間は女3人が留守の1週間、作業完了後の庭や塀は出来るだけ工事前同様に復元して判らない様にする事。


作業を請け負った業者に それを厳しく守らせた甲斐があって、工事が終了した時には そんなに目立った跡は残っていなかった。


我が家の地下は 元々は多目的用途で広めのスペースを作っており、そこをボードで仕切って物置と私の作業場にしており、現在は私しか使っていないから嫁や娘達が降りてくる事は殆ど無い。


だから、嫁と娘達が帰ってきてしばらくの間は 私ひとりがコソコソと地下トンネルを使って隣家に行き、ガランとした隣家の中を歩き回っては「どのように使おうか…」なんて妄想を浮かべて楽しんでいた。


そんなある日の事。


家族揃って晩御飯を食べていた時に、次女が


「ねぇ、お父さん 隣の家って空き家なんだよね?」


突然、聞かれて咽せる私の横で


「そうよ」


と、嫁。


すると、次女が


「さっきね 隣の家の二階に変な灯りが見えたの」


と言い、嫁が


「灯りってどんな?」


と、重ねて聞くと


「丸いオレンジ色の光が窓にユラユラしていたと思ったら ふっと消えて真っ暗になったの」


「え? それってオバケ?」と、長女。


「やっぱ、そうかな?…」と、次女。


実は、私には思い当たるフシがあった。^^;


夕食の直前、私はいつもの様に地下トンネルを抜けて隣家に行き、二階を探検したのだ。


丸いオレンジ色の光ってのは きっと、私が持っていた懐中電灯で、一瞬だけ部屋の電気が通じてる確認する為に室内灯を点けたのだ。


「見てきて」


不意に嫁が私に言った。


「気のせいじゃないの?」


つい、そう誤魔化そうとして答えてしまった私に


「自分の家なんだから鍵も持ってるんでしょうし、オバケなんか平気でしょ? 見てきて」


と、嫁に言い切られて言葉に詰まる私。


娘二人は笑いを噛み殺している。


「アナタねぇ、いつになったら隣の家の話をするのか ず~っと待ってたけど

 さっぱり話す気が無さそうだから、コッチから問い詰めてあげるわ

 いったい、どういう事なの?」


静かに、でも、迫力あるオーラに包まれた嫁。


「いや、こういうのはホラ 縁起モンだから大安吉日を選んで…」


「アナタ、一ヶ月の間に大安が3日や4日あるの知ってる?」


「ま、タイミングも大事だし…」


「バレたらタイミングもクソも無いわよね?」


「いや、安かったらからさ…」


「スーパーで卵を買うのと違うでしょ?」


「家もさ、二軒あったら 片方に何かあった時、便利じゃなくない?」


「だからって、隣じゃ地震も火事も条件一緒でしょ?」


「いや、ホラ 将来、娘達が結婚したらさ…」


「そんなモノはこの娘達の旦那がする事でしょ?」


「じゃ、一軒は俺用で 一軒はオマエ(嫁)用って事で…」


「夫婦別居がいいわけね? そうなりたいのね?」


「いや、そんなんじゃなくて…

 あ、そうだ ほら、オマエ(次女) 前に行ってたよな? 犬を飼いたいって」


「何処の世界に 電気・ガス・水道 ライフラインが完備したコンクリート建ての犬小屋を買うバカがいるわけ?」


「大は小を兼ねる…って 言わない? ねぇ、言うよね?」


「だいたい買ったのなら買ったって、とっとと言えば良いじゃない。 なんで、黙ってたの?」


「ビックリさせようと思って…」


「ビックリしたわよ、ええ、ビックリしましたとも!! 

 いきなりね、電気やガスの請求書が届いたのよ。


 家のは口座引き落としだから変だなぁ…と思って よく見たら住所が微妙に違ってて…

 よくよく見たら、隣の家の住所なのよ それで調べたら、すぐ判ったわよ」


「あらま」


「だから、だいぶ前から判ってたんだけど 知らんぷりしてたのね娘達と3人で

 そしたら、さっき この娘(次女)が灯りが点いてる…って言うからみんなで見て確認したのよ


 で、不思議なんだけど…

 アナタ、いつ隣の家から戻ってきたの?」


「え? な・なんで?」


「戻ってくる所を押さえて問い詰めようと玄関で待ってたのに アナタ、いつの間にか家の中にいたでしょ?」


バレた以上、潔くするしかない


「実は…」


事実を白状した途端、唖然とする嫁と娘達。


食事中にもかかわらず、


「何処? それ、案内して頂戴!!」


と、有無を言わさぬ勢いの嫁に迫力負けして 地下室に3人を連れて行き


「ホラ、この通り」


と、地下トンネル(土管)の入り口を示すと 3人は「何コレ?」「信じられない」等と口々に言いながら隣家へと移動し「へぇ~」とか「あ、この部屋使いたいなぁ…」とか いつしか、新築マンションの展示ルームを見学する家族の様な和やかな雰囲気


なので、父として 嫁や娘達が楽しそうにしている光景を目の当たりにして


「これが幸せな家族の光景だよなぁ…」


と、悦に入っていたら


「アナタ、この家をどう使うか考えていたの?」


私の方を振り返って尋ねる嫁。


「いや、これは父から妻と子供達へ愛される父からのプレゼントとしてだなぁ…」


そう答える私の言葉が終わらぬうちに


「そう、ありがとう。」


と、問答無用の嫁。(ToT)


しかも、嫁は間髪入れずに


「じゃ、後の事は私が決めるから アナタは戻って御飯でも食べてて」


なので、私は嫁に


「あのう…? スーパーで卵を買ってきたのと違うんだから、俺も一緒に…」


と、懇願してみたが


「大丈夫よ 首輪ぐらいはちゃんと買ってあげるから」


俺は番犬か? > 嫁


お駄賃

 気が向いたら…で結構です。^^;

 この記事への御駄賃がわりに下のバナ-のいずれかを クリックして頂けると嬉しいです。^^
 (全部、クリックしてくれると もの凄く嬉しいのは事実です。^^)

ブログランキング・にほんブログ村へ Blog Ranking 人気映画・TVBLOG blogram投票ボタン BlogPeople「自分のこと」部門にクリック BlogPeople「テレビ」部門にクリック BlogPeople「映画」部門にクリック

『ブタネコ家』関連の記事

コメント

奥さまに弟子入りしたいです。ステキング。

★ スミゴルフ さん

弟子入りは止めた方がいいです 旦那さんが可哀想です

【※注意!!】

この記事は『ブタネコのトラウマ』の倉庫に保管されている記事なのでコメントの投稿は出来ません。 2015年2月10日以降 このクソブログは『ブタネコのトラウマ・リニューアル版』に移転しましたので新規記事更新及び、過去記事へのコメントの受付もそちらで行っておりますので お手数ですが、そちらへの移動をお願い申し上げます。