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2008年12月29日

● プリズンホテル 全4巻


2005年1月24日に一度は掲示した記事だが、思うところがあって全面的にリメイクする事にした。




プリズンホテル

プリズンホテル

著者:浅田次郎  集英社文庫:刊




私は浅田次郎の小説が好きだ。


彼の小説には 最近ではなかなかお目にかかれなくなった義理人情があるからだ。


「鉄道員(ぽっぽや)」「壬生義士伝」等で有名な作家になり、最近の新刊は時代小説や宮廷小説ばかりになってしまったが、私は浅田次郎のファンになったキッカケは まだ彼が直木賞を取る前だった頃に たまたま書店で見つけた「プリズンホテル」という小説だった。


その当時の浅田次郎は ヤクザ物小説が主で「きんぴか」という作品など 極道ピカレスク小説(意味不明)作家と呼ばれていた。


「プリズンホテル」の主人公は極道小説の作家 主人公の叔父は大物ヤクザだが、風変わりな人物で 債権として取り上げたひなびた温泉旅館を改装し、ワケあり客御用達のホテルへと変貌させ そのホテルで巻き起こる出来事が小説のストーリーとなっている。


今現在はどうなのか不明だが、その当時 浅田次郎は何かの雑誌のインタビューで小説を書く時にワープロは使用せず、昔ながらの原稿用紙に万年筆で筆記するスタイルに徹し、小説家としてその姿勢に拘りがある…と、述べているのを耳目にした事がある。


たしかに、ワープロを使用していると こんなクソブログの記事ですら 漢字は変換任せで気がつけば誤字だらけになっている。


原稿用紙に筆記する場合は 字を間違えると修正が面倒だったり、恥ずかしかったりで一言一句を書くのに随分と気を遣う


その結果、文章表現にもいろいろと考えた上での筆記となり それが結果的に魂のこもり方に現れるのかもしれない。


「プリズンホテル」には 様々なヤクザやワケアリな客が登場するが、彼らが小説の中で語る台詞は 倫理としてはメチャクチャなんだけど、胸に響くものがある。


実際、債権整理は私の稼業だったから 随分と、ヤクザや企業舎弟と呼ばれる人達と関わった経験があるけれども その中にはまさに「プリズンホテル」に登場する人物達と話し方や話す内容が同じ人物が何人もおり 違った意味でリアリティを感じたものだ。


だから、有名作家になった後に発表された浅田の時代小説や宮廷小説も悪くはないと感じているけど、浅田次郎の小説で何が一番面白かったか?と聞かれたら私は迷う事無くこの「プリズンホテル」を推す。


「プリズンホテル」には夏・秋・冬・春として 全4巻ある。


1巻毎に1話完結形式ではあるが、間違い無く順番に読んだ方がいい。


1巻の中で 必ず何度か笑わされ、少なくとも一度はシビレて泣ける。


いろんな登場人物がいるけれど 私はバー「しがらみ」のバーテン「鉄砲常」が最も大好きで 彼の台詞に毎回シビレる。


また、浅田次郎本人が 元自衛官という経歴に基づいたのか「歩兵の本領」という小説も出筆している。


これも「プリズンホテル」同様 私のお気に入りの一冊だ。




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コメント

読み終えました。ホント、面白かった。最高のエンターテイメントですね。

どの登場人物にも作者の愛が感じられ、悪い奴(?)は一人も出てこず、最後はベタなんだけど泣かされる。

「壬生義士伝」や「地下鉄に乗って」なんかも良かったけど、これはまた全然違いますね。

私は他にも「輪違屋糸里」を読みましたが、どれも共通して言えるのは「読みやすい」という事。

私は結構重要だと思うんですよね、小説がエンターテイメントであるならば。


ホント、面白かったー!

★ うごるあ さん

浅田次郎の人気が出ると同時に これらの初期の作品について語られる事が激減したのが私には不思議に思えてなりません。

むしろ、このプリズンホテルこそ 浅田らしい傑作だと私は思っているんです。


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