« 札幌上空(6月9日) | TOPページへ | 小日向文世 in 古畑任三郎♪ »

2008年06月10日

● アフタ-スク-ル 追記


  【注意】

   この記事にはネタバレが含まれています。

   映画を未見の方は必ず映画本編を観た後に読んで下さい。 




アフタ-スク-ル


昨日、この映画の記事を掲示したところ 思いの外、この映画を既に御覧になった方が多く、そんな方々から


「もう一回観に行く予定なので ネタバレ含みのブタネコ流解説を述べてくれ」


という御要望が これまた予想以上にメールや非公開コメントで寄せられたので 劇場公開中ではあるが 今回は特別に語ってみたいと思う。




まず、この映画で巧みな点は 冒頭におけるシーンにおいて常磐貴子と、堺雅人が夫婦、山本圭が 常磐の父親…という風に 観客が勝手に思い込んでしまうところ


で、何故「巧み」なのかと言うと 本編を最後まで見終わった後、例えば もう一回、この映画を見直しても 上述した「思い込み」の部分と 本編全体の設定の中で違和感を抱かせる様な整合性に欠ける点が見つからない所。


ゆえに、中盤過ぎに 大泉が探偵と別れ ひとりで自宅(?)に戻るところで この最初の思い込みにヤラレた観客は「えっ?!」となる。


なんとか、意地悪く この流れにケチをつけれる点が無いかと 実は私は初見も含めると この映画を3回観たのだが、残念ながら ケチをつける事が出来ず、裏返せば その巧みさを 只々、賞賛するばかりだ。




次に、


一般的に マル暴と呼ばれるヤクザ担当の刑事は ともすればヤクザ以上に人相が悪い人が多い。^^;


で、この映画における 2番目の巧みさは 一見して警察官だと判る人物が(人相だけじゃなく雰囲気も含めて)一人もいない点。


その為、大泉が探偵と別れ ひとりで自宅(?)に戻ったところから 中学校の教室で大泉と探偵が再び会うまでの間 大泉と堺の行動や目的が また真実と違う別の姿に観客が誤解させられる。




で、最後に観客が真実を知った時 一度ならず、二度までも誤解させられひっくり返された自分に ただ唸る。^^


でね、私は 昨日の記事で


で、サスペンス作品なのでネタバレ記述は控えようと思っているので ひとつだけお許し願えば 常磐が演じる女が出産する際、堺が何故 病院に来なかったのか…

その理由に関して 大抵の方が応える理由が二つある。

けれども、私には もうひとつ 三番目の理由が感じられ、そこまで監督は計算していたのか否か、たぶん無いとは思うけど もし機会が在れば聞いてみたいと思っている。^^


と、述べたのだが これに関してぶっちゃけで言うと…


多くの観客は 堺雅人が劇中で


「だって、携帯を車の中に忘れたから…」


という台詞があり それが病院に来なかった(来れなかった)最大の理由だと 殆どの人が思っているはず。


さもなくば、「堺は田畑とマンションで朝まで仲良くしてたんだから」と思い 映画を最後まで観た上で「元々、そこまでは考えて無かったんじゃないの?」なんて思っている人も少なくないだろう。


で、私が ここで指摘しておきたい3番目の理由を語る前に 二つの場面を注目して欲しい。


【ひとつめのシーン】


後半、探偵が木村(堺)の携帯を使って留守番電話のメッセージを確認するシーン


神野(大泉)が産気づいた常盤貴子をなだめながら 病院へと向かう車の中で


「木村 どこにいるんだ? 病院に来い 産まれるぞ!!」


と、喋るメッセージが再生された後


「20日 11時5分」


と、メッセージが録音された日時を告げる合成音が聞こえる。


【ふたつめのシーン】


探偵が シャブ中の情報屋からマンションの防犯カメラに写った木村(堺)と謎の女(田畑)がマンションの玄関ホールからエレベーターに乗り込む映像を 探偵がノートPCで再生させて神野(大泉)に見せるシーンで


録画されている映像の画面の隅に その時の日時が記録されて映っているのだが その時間が


「20日 11時6分」


でね、この二つの時間と その時系列を考えた時に 私は「あれ?」と思うんだ。


例えば、この二つの時間が逆だったら…


11時5分 木村と謎の女はエレベーターに乗る


11時6分 神野が木村の携帯にメッセージを吹き込む


という順序になるから「木村は気づかなかった」と理解する以外に無い。


もっと言えば、


木村と謎の女はエレベーターに乗ったのが 11時5分でも6分でも どっちでも良く、そのいずれか、5~6分の間でもいい。


その代わり、常磐が産気づき 神野が木村に電話したのは もっとはるかに後の午前1時とか2時とかにしてくれれば なんの疑問も抱かない。


にも関わらず


「神野のメッセージは 木村がエレベーターに乗る(1~2分)前」


というタイミングに あえて設定しているのは何故なんだ?


それが 私の推論のキッカケである。


ここからは ブタネコの勝手な推論である。^^;


おそらく木村は神野から電話がかかってきた事に気づいていた

でも、電話に出なかったのは ちょうど田畑のマンションの目前だったので 車を停めてから出る、もしくはそこで電話をかけ直そうとした。

で、目的地に車を停め かけ直そうとした時に携帯のモニターに「留守番メッセージが在ります」マークを発見し、かけ直すよりも先にメッセージを聞いた。

で、メッセージの内容を聞き 木村はあえて神野に電話をかけ直さず、しかも 車の中に携帯を置き忘れたフリをした。


このブタネコ流推論を補足しておくと まず、木村は「神野(大泉)と常磐が結ばれる事を願い 産まれてくる赤ちゃんの父親は神野であるべきと考え だから、出産の場面には神野だけが立ち会えば良い」 そう考えたんじゃないか?と私は思うのだ。


「携帯を車内に忘れたフリをした」


と、私が考えたのは その後、何度も「どこいる?」と再び電話が来る事が予想されたから 田畑の前で何度も出ずにいるのは不自然になると考えたからであり…


私も何度か車内に携帯を置き忘れた事があるけれど その殆どがシートの横下とかサイドポケットであって 映像の様に「シートの真下」という経験は無く 携帯が出てきた場所が不自然な事と…


神野と探偵が木村の携帯を発見した時の様子を思い出していただけば 神野が木村の携帯に電話をかけ その音が「昼間の騒音の中でありながら」車内で鳴っている音に気づいたでしょ?


で、木村と田畑がエレベーターに乗る寸前まで 二人は静かな夜に車の前で立ち話をしていたわけで 時間的タイミングからして 木村が鳴っている電話に気づかなければおかしいとさえ思ったのね。


だから、木村は電話が鳴っている事に気づき 留守番メッセージを聴き、でも、病院には行かなかった…という推論から さらに「なんで行かなかったの?」と考え重ねた結果 上述した仮説が浮かんだのだが 如何であろう?


そう考えると ラストのマンション前からエレベーターに乗り込むまでの「真実」映像での会話内容が さらに同情的内容である実感出来る。


常磐が木村に靴をプレゼントする… たったそれだけの事が 如何に大きな伏線となっているのか… その点だけみても こうやって考えると この映画の脚本と演出と構成の凄さが判る。




ちょっと話は変わるが…


私は TVドラマや映画は 出演した役者を楽しみたい…と思う反面 常に、ストーリーを楽しみたいと切実に願っている。


最近、特にTVドラマの場合 マンガや小説を映像化するばかりで、ストーリーのオリジナリティを発揮するものが制作される機会が激減している


個人的に よくお邪魔させて頂くブログや映画サイトを拝読していると 時に「映画は娯楽か芸術か」なんて論争していたり、「クソドラマでも制作者達は頑張っているんだから感謝の意を…」なんて発言が目に付くが…


「少なくても「オリジナリティを大切に考えていない」作品の多い映画を芸術と呼べるのか?」 


「原作の良さを 御都合で掻き回してクソ化したTVドラマの制作者に 何が感謝だバカヤロウ」


と、私は言いたい。


であるがゆえに、この「アフタースクール」の様な映画を制作した関係者の方々には 心の底から敬意と賞賛と感謝の言葉を贈りたい。


お駄賃

 気が向いたら…で結構です。^^;

 この記事への御駄賃がわりに下のバナ-のいずれかを クリックして頂けると嬉しいです。^^
 (全部、クリックしてくれると もの凄く嬉しいのは事実です。^^)

ブログランキング・にほんブログ村へ Blog Ranking 人気映画・TVBLOG blogram投票ボタン BlogPeople「自分のこと」部門にクリック BlogPeople「テレビ」部門にクリック BlogPeople「映画」部門にクリック

『邦画』関連の記事

コメント

なるほど!そこまでは気づきませんでした。
そういえば堺雅人は、「自分はいつも橋渡し・・・」みたいなこと言ってましたものね。

そういう微妙な時系列から、隠された感情までを読み取ってしまうブタネコさんって、
タダモノじゃないですね。参りました。(^^ゞ

私は最初、病院で大泉洋が田中圭に「何飲む?」と聞かれてもいないのに「あ、(ついでに)コーヒー牛乳買ってきて)」と言ったところで「あれ?」と思いました。

あんなの普通、女友人の父親になんか言えません。「何飲む?」って聞かれてるのならともかく。

で、全てのタネが明かされたときに「あー、そういうことだったのか」とそれに関して思いました。


堺が病院に行かなかった理由は私もブタネコさんに同意です。

というか、他の「大抵の方が応える理由」の方が分からなかった・・・

もっと言うと、「携帯を中に忘れたフリをした」ことも分からなかった。

単純に堺が大泉と常盤に気を使ったとしか思いつかなかった。

携帯を忘れたフリかー。じゃあタバコもそれをアシストする形でわざとなのかな。


大泉の「学校がつまらないって言ってる奴はそいつ自身がつまらないんだよ」という台詞は良かった。

最近元巨人の桑田が、PLの後輩の橋本が打たれて泣いた時に「泣く前にやることをやったのか」と言ったという記事を思い出しました。

★ あかり さん

ただの妄想家です。^^


★ うごるあ さん

>大泉の台詞

たしかに 良い台詞でしたね。^^

常盤貴子がキャスティングされていることで「本当の探しているホステスは彼女じゃないのか」と思ってしまいまた予想通りになったことで私の場合少々面白みが減りました。
もう少し、ホステス役が似合わないような人なら本当に騙されたかも。

★ はちはちまる さん

>常盤貴子がキャスティングされていることで「本当の探しているホステスは彼女じゃないのか」

一理あると思います。^^

けど、もし田畑智子の役が もっとナンバーワン・ホステスっぽい女優だったら… 

もしかしたら騙されてませんか?

【※注意!!】

この記事は『ブタネコのトラウマ』の倉庫に保管されている記事なのでコメントの投稿は出来ません。 2015年2月10日以降 このクソブログは『ブタネコのトラウマ・リニューアル版』に移転しましたので新規記事更新及び、過去記事へのコメントの受付もそちらで行っておりますので お手数ですが、そちらへの移動をお願い申し上げます。