« 伊藤歩 in Dr.コトー診療所2006 第7話 | TOPページへ | ギャラクティカ »

2008年05月24日

● ランボー


先日、TVで放送されていたもので映画「ランボー」を久しぶりに観た。




映画「ランボー」を見た人は結構多いと思う。


その上で、傑作か否かの評価はさておき 感想が「面白かった」か「つまらない」のどっち?と尋ねられた時、「面白かった映画」と応える人の方が多い。


で、映画「ランボー」が「面白い」と応える方に 試しに


問い1

「ランボー」という映画の 最も面白い点って何?


問い2


「ランボー」という映画のジャンルって何?


…という二つの質問を問うてみたいと思う。




それと、もうひとつ どうでも良い事なのだがアナタが近所のレンタル屋に赴いた時 この映画「ランボー」のDVDやビデオが どのジャンルの棚に並んでいるのかを確認してみて欲しい。




さて、なにゆえ 二つの問いと 一つの調査を先に述べたかというと ブタネコの独断的個人感で述べれば この「ランボー」こそ、作者の意図とは違う受け止め方(誤解)をされている興味深い作品は無い…という事を 今回は主張してみようと思うのだ。


よく「ランボー」の感想に 


「スタローンが扮するランボーのずば抜けた身体能力、

 特殊部隊のエキスパートの動きや思考が凄いアクション映画」


という様な内容を耳目にする事がある


たしかに「ランボー2」とか「ランボー3」は ストーリーよりもアクション重視の内容であり、出来なのだが、それだからといって第1作の「ランボー」は 実は「アクション」よりも「ヒューマンドラマ」という色彩が強い事に気づくべきだと指摘しておきたい。


で、まず注目すべき点は この映画の題名である。


第一作の題名「ランボー」は邦題であって 原題は


ランボー

「FIRST BLOOD」


これって直訳すると「最初の血」で 日本の学校教育の英語レベルでは意味がピンと来ない。


で、DVDの日本語吹き替え もしくは日本語字幕だけを頼りにこの映画を観ていたのでは気づきにくいと思うのだが、原文で台詞を味わっていると「FIRST BLOOD」という言葉が台詞として登場する場面がある。


それが


ランボーランボー

山狩りをくぐり抜けて洞窟に身を潜めるランボーと トラウトマン大佐が無線で交信するやりとりのシーン


ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

この「向こうが先に仕掛けた」と字幕のある部分


ランボー

DVDの英語字幕付き画像で どう台詞を言っているかというと「They drew first blood,not me」


この場合の訳としては「流血を招く」とか「先制する」


つまり、「先制してきた(先に手を出した)のは彼ら(保安官)の方で 俺じゃない」となる。


要するにランボーは 元々、攻撃する気は全く無かったのだが、


「先に仕掛けてきたから反撃しただけなんだ」


と、主張しているのだ。


で、私が今回 何を言いたいかというと…


「ランボー」という映画の前に制作された戦争関連の映画に全く無かったわけでは無いが、あの戦争大好き国家であるアメリカという国の内情に関し、戦場で戦った兵士達の視点での主張を生々しく しかも明確に映画の中の台詞で表したのが この「ランボー」だったと私は感じている…という事。


つまり、ベトナム戦争において事前の想定以上に長引いて泥沼化し アメリカ本国では反戦気分が高まり 事実上の「敗戦」として本国に戻った帰還兵達を 安全な本国でぬくぬくと生活していた人々の多くが 温かく迎え入れてくれるどころか ある種の厄介者として扱い 戦場とは違う心の傷まで本国で味合わされた帰還兵達の心の叫びが この「ランボー」の台詞の中に込められているのである。


多くの観客は ランボーが警察署から脱出し、山中を逃げ 追っ手である保安官や州兵達を卓抜としたテクニックで無力化していくアクションに魅入る。


けどね、この映画の根本は 戦場では英雄とも言われる技量の持ち主でありながら、戦争が終わって戻った本国ではスクラップ同様の扱いしかして貰えなかった…


ランボー

ランボー

しかも、身なりが汚いとか 帰還兵には精神的におかしくなってしまった者が多いという偏見的理由から 町に入る事を保安官に許して貰えず、理由もなく逮捕・拘留・暴行…となれば ランボーが怒るのも無理は無い。


ゆえに、「ランボー」で観客が観るべきところ 感じ、考える部分というのはアクションシーンなんかじゃ無い。


ラストのランボーが泣きながらトラウトマン大佐に心情を吐露する その台詞にこそ この映画の本質がある。


ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

ランボー

なんでランボーが暴れなければならなかったのか?


その部分を ちゃんと理解出来れば「アクションシーンが最高」なんて脳天気な感想を言えないんじゃないの?… と、私は個人的に感じている。




ちょっと余計な事を言えば…


太平洋戦争後の日本において 戦争=悪という思考の変化に伴い 軍隊=悪 従軍兵=悪と連鎖し 語る事すらタブーとされ、戦没者慰霊ですら国家としてきちんとされる機会は殆ど無い。


ベトナム帰還兵に対して その時代、アメリカの世相風潮が冷たかったのは歴然とした事実ではあるが、それでもアメリカは戦没者慰霊碑や従軍兵の墓地は国家が守り 現役の軍人だけではなく、退役軍人にも国民は相応の敬意を表している。


軍人に対しての敬意を義務づけろ…なんて主張を私はする気は無いが、せめて戦没者に対しての慰霊はきちんとしようよ…というのが私の かねてよりの主張で であるがゆえに、このランボーのラストシーンの台詞には 毎回、見る度に泣かされてしまう。


意味合いは違うと言われる方も多いだろうけど 敢えて私が言いたいのは、ランボーが泣き叫んだ様な内容って 太平洋戦争時に従軍した我が国の先人達の多くが同様に思い、感じた事なんじゃないのか?と 私は愚考する。


それに対して 当時は「生きるのに必死だった」とか「国を再建するのが先決だった」として放ったらかしにせざるを得なかったのは 致し方のない事だったとも思うのだが、戦後60年以上が過ぎ、ともすれば後世の我々までもが「慰霊」の気持ちすら持たずにいるのは如何なものかと あらためて考えさせられてしまう。


お駄賃

 気が向いたら…で結構です。^^;

 この記事への御駄賃がわりに下のバナ-のいずれかを クリックして頂けると嬉しいです。^^
 (全部、クリックしてくれると もの凄く嬉しいのは事実です。^^)

ブログランキング・にほんブログ村へ Blog Ranking 人気映画・TVBLOG blogram投票ボタン BlogPeople「自分のこと」部門にクリック BlogPeople「テレビ」部門にクリック BlogPeople「映画」部門にクリック

『洋画』関連の記事

コメント

こんにちは。
この記事、「ランボー」に関して、おっしゃるとおり、まさに同感です。

公開当時、最初は予告編などで“1人対1000人”などコピーでアクションとして期待して鑑賞しましたが、その内容に非常に心うたれた作品でした。
その原題「FIRST BLOOD」、当時その真の意味は理解できてませんでしたが、私は内容からと自身の映画を鑑賞した想いから、邦題「ランボー」というのは違和感がありました。
また、シリーズとされていますが、別ものという想いと、当然この1作目が一番好きな作品です。

そもそもこの映画、ランボーがひとりの戦友を訪ね、その彼が戦場の枯れ葉剤によってしんでしまったという場面からはじまります。

私もあの最後、大佐に泣きながらランボーがその想いを吐くシーンが心に残ります。
“戦場では100万ドルの武器をまかされた、しかし、ここでは駐車場の係り員にもなれない。”
などなど・・・。

タッチは違いますが、私が好きな「ジャック・ナイフ」にも描かれている、ベトナム帰還兵が抱える心の闇を描いているのに加え、さらにシリアスに、苦しみ、そしてその現実を知らないものによる彼らへの扱い、など非常に訴えるものが重いと想います。つまりベトナム戦争のアメリカの抱えるキズを描き、反戦映画であると想います。

私は最後に流れる曲、「IT’S A LONG ROAD」がまさにランボーの想いであり、その曲が心にしみてなりません。

そして、「慰霊」についても、おっしゃる通りだと想います。

★ イエローストーン さん

今度 新作の「4」が公開されるにあたり番宣を兼ねて前作が再放送されたり
小賢しい評論家とやらがメディアでまくしたてる美辞麗句を拝聴していると
その殆どが「アクション映画」として語っているんです

「2」と「3」は 間違い無くアクション映画でしかないと私も思いますが「1」をも
アクション映画として評する方が多いので 持論を述べてみました。^^;


ブタネコさんの記事に思わずうなってしまいました。
↑でイエローストーンさんも書いていらっしゃるので、繰り返しませんが、
ベトナム帰還兵の内面を描いているこの作品は、後発の「ランボー」シリーズとは、明らかに一線を画しています。単なるアクション映画では決してありませんね。

★ ぶー さん

>単なるアクション映画では決してありませんね。

そこに気づけない人が多いんですよねぇ…^^;

初めまして。

昔観た映画をネットで探そうとして、ここに辿り着きました。

『ランボー』

はるか昔、原作を読みました。

映画は、TVで観ました。

ラストシーン、ランボーの悲しげな寂しげな視線、あれは誰に向けられた視線なんだろう?

と、ずっと思っていました。

スタローンの初期の作品は、いつもメッセージを発信していますよね。

『ロッキー』しかり、この『ランボー』しかり・・・

ブタネコさんの視点が、自分と似ている事に、とても共感を覚えました。

ありがとうございました。

★ ユキオ さん

こちらこそはじめまして コメントありがとうございます。^^

>昔観た映画をネットで探そうとして

どの映画か 気になります。^^

初めまして。

NY在住でAMC(American Movie Classic)というチャンネルをよく見ているのですが、このFirst bloodが何度も繰り返し放送されてて、久々に見入った者です(RAMBO Week として、1週間、毎晩、1,2をセットで放送)。

字幕がないので、素朴に「ラストで何を言っているんだろう?」と調べているうちにこのサイトにたどり着いたのですが、上記の内容は非常に同感できます。

私自身、悲しいことに3からRAMBOに入り込んだので、2以降の派手なアクション映画、というイメージしかもっていなかったのですが、今、繰り返し見るたびに、この1が他のシリーズとは異なる秀逸な映画であることを、20年近くたって気づかされました。

私にとって目から鱗だったのは、アメリカ世相風潮がベトナム帰還兵に厳しく、その代表たるものが警察官、という時代背景で、これがあるなしで感じ方が大きく変わると思います。

冒頭のシーンも「いじわるな警官にいたずらされたくらいで」という印象しかなかったのですが、こういった背景や、戦争によって受けた深い心の傷に加え、祖国のために戦った自らが、知らない間に社会に受け入れてもらえない対象となってしまう悲哀がわかると非常に感情移入できます。

米国の公開当初はあまりヒットしなかったようですが、今こうやって繰り返し放送されるということは、米国も時代が変わって受け入れられるようになった、ということでしょうか。

★ よっちー さん

こちらこそはじめまして、コメントありがとうございます。^^

よくアメリカ映画にはプロパガンダが含まれる…と批判する映画評論家がいますが、たしかにそうであると感じる反面、このランボーの様に虐げられた者の代弁みたいな描き方の作品が作られるだけ 日本の映画よりはマシだと思える事も私はあります。

例えば、「ブラックホークダウン」という映画のラストにも負傷兵が帰国した空港のシーンがありますが、そこには このランボーの叫びと似たものを感じたものです。

激しやすく冷めやすいというか、熱烈に開戦を支持したかと思えば 呆気なく厭戦気分にもなり、それをまた繰り返す…

そういう意味でアメリカってのは面白い国だなぁとも思います。

【※注意!!】

この記事は『ブタネコのトラウマ』の倉庫に保管されている記事なのでコメントの投稿は出来ません。 2015年2月10日以降 このクソブログは『ブタネコのトラウマ・リニューアル版』に移転しましたので新規記事更新及び、過去記事へのコメントの受付もそちらで行っておりますので お手数ですが、そちらへの移動をお願い申し上げます。