● 転々 DVD再見
映画「転々」のDVDを入手したので再見した。

DVDが出るのを楽しみに待っていただけの事はある。
見直してみてあらためて痛感したが、この映画は やはり私の中では「名作」の一本だ。

ある日、突然主人公の目の前に現れた取り立て屋(三浦友和)の突拍子も無い提案から始まった散歩 その道中の中で取り立て屋が語るいろいろな話が 雑談の様に見えて、それぞれに含蓄がある。

こんな感じの立ち食いの焼き鳥(焼き豚?)屋が身近にある地域で生活している人には 何でもないごく普通の景色でしか映らないであろうが 田舎から大学進学や就職で上京し、こういった立ち食い屋が殆ど無い北海道の私が 故郷に帰って、東京での生活を思い出す時に ふと、思い浮かぶのは 実はこんな立ち食い屋だったりする。
大学生の頃、アパートと大学、そしてバイト先 この3ヶ所を結ぶ移動経路は4年間 通い続けたから どこにどんな店や公園があるか…とか、当時の景色は 今でもよく覚えている。
けどね、数年の後 札幌に居を戻してから 東京に出張した折りに ふと気が向いて、学生の時に住んでいたアパートや通学路を訪ねてみて初めて気がついたのは 通学路の風景は記憶にあるけれど アパートの周辺は全く覚えていない…という事。
そりゃそうだ、だって その頃、私はアパートの周辺を歩いたり 見て回る事など殆ど無かったのだ。
別に、生活に必死で…なんて理由なんかじゃ無い。
興味も関心も無かっただけの事だ。
でもね、引っ越してから数年後に ただ懐かしさだけでアパートの周辺を徘徊した時、知っているのは ごく限られた周辺だけで、何も知らない事を自覚し愕然とした。
そして、「もっと歩き回っておけば良かった…」と思った。
見て歩く時間なんかいっぱいあったのに…とも。
まぁ、見て歩いて そして記憶してたからって それが何かの得になったり、役に立つのかなんて きっと無い事の方が多いだろうけど、そこに4年間いた事の自分にとっての意義が欠けていたなぁ…と 少しだけ思った。
…なんて事を ついつい思い出させられたのが この映画だった。
さて、そんな個人的な思い入れはともかく…^^;

「松重豊」や


「平岩紙」


「麻生久美子」の出演がスパイスの様に効いてはいたが

圧巻なのは「三浦友和」の醸し出す雰囲気だ。
と、同時に

「小泉今日子」と「オダギリ・ジョー」達との疑似家族が 実に ほのぼのとした良い家族像であり、ゆえにラストシーンでの余韻となるわけで…
その疑似家族を導き出した最大の要因が





「吉高由里子」の存在だ。
この娘の底抜けさが全てを良い方向に変えている。

