● 国民総背番号制度
「国民総背番号制度」という言葉を覚えていますか?
と言っても、これは今から40年近く前、昭和45年頃に騒がれた話だから 40代以上じゃないと判らないかもしれないが、ざっくりと説明すると…
国民それぞれに個別の番号を持たせ、その番号を基に本籍や現住所、職業、家族構成などの基本的個人情報はもとより、犯罪歴、納税歴、病院への通院歴や、治療情報、健康保険の使用歴や、年金の支払い記録など、各官庁がバラバラに管理している個別デ-タを一元管理出来る事を目的としたもの
当時の考え方として 最も、重要視されていたのは 脱税の抑止や摘発と急増した蒸発者(今風に言えばホームレス)対策で 例えば、国民総背番号を納税者番号とする事で、例えばサラリーマンが給料の他に株取引などの投資や副業で収入を得ている場合、株や先物取引などから、競馬や競輪といった公営ギャンブルの当たり券の換金まで、国民総背番号の提示を義務づければ不労所得を丸ごと捕捉して課税できる…という考えや 身元不明者を減らす為、確認を容易にする為…などの必要性も指摘されていたからだ。
が、この国民総背番号制を制度として導入されるのは見送られた。
その大きな要因は 当時の野党である共産党や社会党、そのバックアップ団体である各種労働組合が大反対を繰り広げ マスコミの報道も制度が必要悪だと報道し続けた事にある。
例えば
人民を付番をもって支配し管理する思想は今に始まったことではない。刑務所は囚人を番号で管理する。軍隊は認識票で兵士を識別する。日米新ガイドラインにともなう有事法制は、国民を監視し管理する発想を必然のものとする。例えば、共通番号により後方基地に動員すべき医療関係、運輸関係の従事者、経験者のリストアップもこのシステムの構築によって可能となろう。個人のプライバシーの侵害はもとより、この改正案は「監視国家」の先触れとも言うべき危険性を内包している。
上の引用は 国民総背番号制を評する記事の一例である。
冷静な目で判断すれば 制度の必要性がどうこうでは無く、「監視される事」と定義した上で それの精神的恐怖ばかりを嫌がっているに過ぎず…
例えば役所にクレームをつけた住民の収入や病歴、その人物がいつ外国に旅行し、どこで交通事故を起こしたかまで瞬時にわかるようになる可能性を持っている。
という風に 役所側が自己防衛に個人情報を利用する…という危険性を問うモノや
「個人情報が漏れ、プライバシーの侵害になる」
という指摘に 多くの国民が怖れた… というのが大雑把ではあるが、国民総背番号制が制度として見送られた経緯である。
で、つい数年前「住基ネット(住民基本台帳ネットワークシステム)」が運用され初めようとした時、「国民総背番号制への布石だ…」として反対の声が上がったが「あくまでも住民票に限った運用」として、公的年金である国民年金および厚生年金や厚生年金基金へのリンクはするものの、他の省庁の個別データーとの一元化では無い…として運用に至るが、登録するか否かが選択制であったり、自治体じたいが導入に反対として運用していない所も少なく無く、完全なモノでは無い。
さて、今回 私がこれを取り上げたのは おそらく近い将来、「国民総背番号制」は再び論議され実現する事になると思うからだが、その過程において いつもながらの政治屋やクソ官僚共、そして偏向マスコミによるミスリードなどが壮絶に巻き起こるだろう事も予想出来るからだ。
で、あくまでも結果論的考察をひとつお許し頂くと…
昭和45年(1970)より数年後、この「国民総背番号制」が もし、実施されていたならば、関係各省庁がデータを一元化する作業を行ったわけだが、その時の案には
厚生省(現:厚生労働省)は1997年から「基礎年金番号制度」を導入しているが、それとは別に個人の病歴、投薬情報のデータベースをつくって一元管理し、どの病院で診察を受けてもカルテの情報を共有できるようにすることを検討している。
という話がある。
つまり、今 問題となっている「年金台帳消失」問題と「薬害肝炎」の被害者が未確定という 二つの問題に対し、完全に解決とは言えないだろうが、ある程度 確認の道筋を残せたのでは無いか? と、しつこいようだが結果論として愚考せざるを得ない。
ゆえに、今後「年金問題」や「薬害に早急に対処する」為には「国民総背番号制」の様なシステムの必要性は高いと思うわけだ。
で、偏屈者の私は 40年近く前に大反対を唱えた社会党や共産党や労組の連中は それに対してどういう意見を呈するのか?…って事を眺めたい。
「個人のプライバシー」とか、「人権」とか、「権利や自由」とか 耳障りの良い事ばかりを理想論として語るのは良いけれど、権利を求めるには相応の義務が必要な事を忘れてはいけない。
「国民総背番号制」を導入したら 今までは大雑把に誤魔化せた事が少しばかり面倒になる事は増えるであろうけど、そういう制度を改革する事により 年金台帳の様に 実は不備だった…という部分を検証するキッカケにはなる。
私は年金台帳や 厚生省が隠しているとされる薬害者リスト以外にも「とりあえず、内緒にしておこう」とされているデータが まだまだ沢山、眠っていると思うんだ。
だから、個人的には「国民総背番号制」導入は賛成である。
ただし、それを導入するには「公務員の倫理規定」も改定して欲しいと願う。
例えば、今回の「薬害肝炎」において 薬害が発生しているのを知りながら不問に付そうとした当時の厚生省関係者、同じように いい加減な管理である事をしりながら、そのまま放っておいて社会保険庁の関係者等を見ていると 何年も前の事だから…として 当時の関係者が既に退庁しているとして なんらの処罰を科そうともしないのは 大いにおかしい。
つまり、「国家公務員法」と「地方公務員法」に対し、
「在職中の不義が判明した場合、たとえ退職後であっても処罰の対象とする」
という様な内容の一文を明記した上で 退職金の返納、懲役刑も明記した罰則規定を明確にすべきだと思う。
…と、偉そうに語ったが 実を言うと「国民総背番号制」が導入されると 私自身、いろいろと不都合に感じる事はあるんだよね^^;
でもねぇ、薬害肝炎を拡大化させた原因とも考えられる 当時の厚生省の担当局長が副作用対策の関連機構に天下って 現在でもぬくぬくしている…なんて聞くと そんなクソ野郎よりは まともな感性の持ち主でいたいと思うんだ。
