● ビビリアン・ナイト
不肖・宮嶋の「ビビリアン・ナイト」を読んだ。

祥伝社:刊 ISBN978-4-396-69324-4(上) ISBN978-4-396-69325-1(下)
先日、宮嶋氏の著書『サマワのいちばん暑い日』について語ったが、 この「ビビリアン・ナイト」の方が現在新刊として後に出版されたが、イラク戦の取材記という内容から「サマワのいちばん暑い日」より、こちらの「ビビリアン・ナイト」を先に読んだ方が時系列に叶ったのに…と後悔した。^^;
で、この本を読んで思った事は
「やっぱ、宮嶋茂樹は本物のジャーナリストだ」
である。
この「ビビリアン・ナイト」の中には 一般人には知り得ぬ、メディアや外務省の裏側がおちゃらけた表現ながらも鋭く指摘している箇所が数え切れないぐらいにある。
そんな中で、ひとつだけ 最も、「なるほどなぁ」と感じた部分を指摘しておくと イラク戦の最中、米軍戦車がジャーナリストが大勢宿泊していたホテルに向かって発砲し、数名が死亡する事件があった。
実は この時、たまたまオンタイムで報道を見ており 日テレ系で男性と女性記者とが交互に「米軍から撃たれた」と報ずるニュースを私は見ていたのだが、この時 亡くなった方々には哀悼の意を抱きつつも このニュースを報じる男女の日本人記者に対しては それぞれに「何を言ってんだオマエら?」と 殆ど怒りに近い気持ちを抱いたのを今でも覚えている。
と言うのは 二人の日本人記者が 自分たちが記者であり、非戦闘員である事を挙げ それに対して無警告で発砲した…と 特に女性記者は殆どヒステリーを起こしたまま感情丸出しで米軍を非難していたのだ。
で、この時 彼らに対して私が思ったのは
・だって、そこは戦場でしょ? 弾が飛んでくるのを承知で君たちはそこにいるんじゃないの?
・自分たちは記者だ…というが 戦車兵からそれが明瞭に判ったのか?
・無警告で発砲… 戦車兵は敵だと判断したから発砲するわけで 敵に対してイチイチ、断るか?
等々、
別に私は 米軍を擁護や弁護するつもりは無い。
あくまでも私なりに第三者として考えた上での疑問なのだ。
後に、検証番組が放送されたが それを見てさらに成る程と思ったのはホテルのベランダに3脚設置とはいえ 超望遠レンズのカメラを構えた格好はシルエットだけならRPG-7やスティンガ-といった携帯ミサイルを構えているのと紛らわしい。
戦車兵にしてみれば 撃たれる前に撃て…と 反射的に発砲しても何ら不思議じゃ無いのだ だって、そこは戦場なのだから。
つまり、その時の二人の日本人記者がニュースを報じるつもりで述べていた事は 客観的な事実では無く、あくまでも自分たちの感情論そのままだった事。
しかも、自分たちは記者であり兵士では無いのだから撃たれるはずが無い…という言い分は 平和ボケした日本人が 居間でテレビを寝転がって見ているぶんには「そうだそうだ」と思わせるのかもしれないが 現実的に戦場でそんな台詞が通じるか?って部分が大幅に欠けた認識と言わざるを得ず、そういう放送を当たり前の様にタレ流すから視聴者の認識はミスリードされていくのだ。
宮嶋氏は この時、砲弾を撃ち込まれた部屋のすぐそばで やはり、自分の方向に向かって主砲を向ける戦車を撮影している。
彼も その書の中で米兵に対して非難を述べているけれど、本質的に 先に述べた二人の記者とは違い、そういう事が起き得る事を承知の上で撮影している事も述べており、取材する覚悟がまるで違っている。
ゆえに、かねてより 私は宮嶋氏を真のジャーナリストだと確信するし、彼の記事は傾聴に値すると判断しているわけで それ以外の感情論と報道をはき違えているアホばかりの似非ジャーナリストを軽蔑するのだ。


