● キャッチボール屋
2005年公開の映画「キャッチボール屋」のDVDを入手したので観た。

「寺島進」と「松重豊」が出演してると聞いて まったく先入観無しで観たのだが、正直言って、こういう映画があった事すら知らなかったし、今まで他から情報も無かったのでナメてかかったら痛い目にあった。^^;
出演者は

高校時代、野球部の補欠で過ごした主人公に「大森南朋」

謎のOL「キタキマユ」

売店のオバチャン「内田春菊」

先代のキャッチボール屋「庵野秀明」

息子との関係に悩む男「光石研」

コインランドリーの常連「キム・ホジョン」

風変わりな借金取り「水橋研二」
そして、

いつもベンチでボーッとしている得体の知れないスーツ男「松重豊」

一見、強面だが ひたすら投げる男「寺島進」
結論から言えば、涙が流れるような話では無い。
しかし、いろんな意味で良いツボを刺激され 切なくさせられる作品だ。
思うに、これは40過ぎの年代にしか効かないツボなんだろうな…

まず、キャッチボールなんて風景は 私が学生の頃までは ごく、普通の何気ない どこにでもある風景だったが、最近は 滅多にお目にかかる事が無い。
最近、野球がTVドラマや映画の題材に描かれる事が多いのは 40過ぎの年代にとって今の野球のつまらなさに対する 古き良き時代とでも言うのかな、「楽しい野球」に対する懐古があるんじゃなかろうか?
9人対9人の試合が無理ならば せめてキャッチボールでも… 本当に そんな気分にさせられる作品だ。
でね、キャッチボールってのは いろんな意味で基本中の基本なんだよね。
狙ったところに投げられる訓練って意味合いにしか思っていない人は多いみたいだけど、それだけじゃ無い。
投げながら「今日は肩が重いぞ」とか「肘が張ってるなぁ」とか 言い換えれば自分の身体の調子のチェックでもあり、もちろん準備体操でもあるけど、ボールを投げ合いながら 言葉のキャッチボールってのも意味のある事だ。
それにね、キャッチボールをする姿を見れば その人の野球のレベルも自然と計れる。
投げる時の腕の振り方や 肘や肩の動き方、飛んできたボールの捕り方を見れば、それなりの経験者か否かがすぐ判る。


だから

こんなシーンではビシッと画が締まるし、


ユニホーム姿に不自然さが無い。
これは、実に重要な事で CGで速い球を描く事は出来ても、ピッチャー役の役者が野球の経験が乏しければ 投球フォームが不自然で、それが故に興醒めになる事が多く、野球を知らない演出家が担当すると そんなアンバランスな絵を平気で見せつける事になり、そのためゲンナリした作品は過去に数え切れない程なのだ。
さて、話を変えて もうひとつのツボは…


謎のOL「キタキマユ」
この「キタキマユ」って名前に「あれ?」って思った。
と言うのは、実は だいぶ前なんだけど、

映画『ゆれる』に関して

『尾上寛之』探しをした時に 上の画のようにエンド・クレジットに「キタキマユ」という名前を見て「あれ?」と思っていたんだ。
で、「ゆれる」の中の「キタキマユ」は


「オダギリ・ジョー」の事務所の社員(マネージャー?)で ちょっと良い仲でもある関係の女性を演じていたのだが…
今回、どうしても気になったので調べてみたら




2001年にフジ系で放映された「カバチタレ」の主題歌「ドゥー・ユー・リメンバー・ミー”」を歌っていた子だったんだな^^
この「ドゥー・ユー・リメンバー・ミー”」って曲はカバーで 元は「岡崎友紀」が1980年に歌ってヒットしていた曲
さらに言えば、1989年に「ribbon」という3人組の女の子達もカバ-しており、その3人のうちの1人が「永作博美」だった いわば、ヲタ泣かせの曲なのだ。^^;
あ~、スッキリした。^^
で、曲と言えば もうひとつ


山口百恵の「夢先案内人」
1977年にヒットした「夢先案内人」という曲は 私にとっては物凄いツボだった。
他の方は何というか知らないし、どうでもいいが、私にとって「夢先案内人」は山口百恵の曲の中でベスト3に入る名曲なのだ。
イントロを聴いただけで、70年代末期が甦る。
ついでに、

映画『ロボコン』の このシーンも思い出したし…
野球もそうだし、「夢先案内人」も 私の学生時代を想い出させるツボ、それを実に心地良く刺激されたわけだ。
で、最後に…
この映画の脚本・構成は とても巧いと思ったよ。
登場人物それぞれに張った伏線を 巧妙に収束させ、「なるほどな」と自然に受け止めさせた描き方は 実に秀逸だと思った。
