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2007年05月10日

● 刑事のF (その2)


刑事だったFさんにまつわる話の続きを語ろうと思う。




前回の『刑事のF』という記事の中で



民事事件として法的手段をとろうとすると 裁判費用(弁護士費用も含む)が最低でも数十万必要で 被害金額とのバランスも問題になる。


要するに、「5万、10万を取り戻すために 裁判費用に2・30万かけますか?」って事だ。


ゆえに、「寸借詐欺」とも言われる このてのトラブルは何時の時代にも少なく無いし 大抵の場合、被害者の泣き寝入りに終わる。



と、述べたが…


この部分を もう少し詳しく述べると、ケ-ス・バイ・ケ-スなのではあるが、仮に弁護士に依頼して法的手段を取り、金銭の返還請求を申し立てる費用が 最低30万円かかると仮定した場合、

「法的手段をとるか否かの判断基準は30万という金額への費用対効果をどう考えるか?」

が、バロメーターとなる。


つまり、被害額が30万であれば 法的手段で30万を全額回収できれば「プラスマイナス0」 しかし、被害額が30万以下であれば 全額回収出来ても費用の差額分がマイナスとなる。


で、こう述べると 半端に法律を齧った方から


「判決で 訴訟費用を被告の負担とする…という判決を取れば…」


と、疑問を呈される事があるが、訴訟費用の負担云々については 必ず…となるという風に判例は一致しておらず、ともすれば裁判官によってバラバラの判断が下されるため法的手段をとるか否かの時点では最悪の場合 自らが負担するとして考える他無いのが現実だという事を考慮して頂きたい。^^;


仮に、アナタが20万ぐらい 誰かに貸すか、さもなくば騙し取られ その返還を請求したいと思う場面に遭遇したと考えてみて頂きたい


直接相手に返してくれと言っても のらりくらりとした返答…ならば まだしも、開き直ったかの如き態度で「そんなに返して欲しければ裁判でも何でもしろ」なんて言われると 個人のレベルを越えてしまう。


で、弁護士に相談すると


「まず、内容証明を送って 相手の様子を見ましょう、

 それでもダメなら裁判所に支払い請求か、差し押さえの申し立てをする方法もありますが、

 いずれにせよ費用がかかりますが それを負担できますか?」


と言われるのが 殆どである。


その費用に「そうですね、とりあず30万位は…」と弁護士に言われるのが一般的だが、そう言われたら アナタならどうする? 30万以下の場合だと考えちゃうでしょ?


で、実際の例から言えば 仮に100万前後の被害額でも 法的手続きを断念し、被害者が泣き寝入りするケースが多い。


と言うのは 100万前後を騙し取られた直後なので精神的に たとえ弁護士と言えども他人を信用できなくなってしまう人が多いからでもあり、別の やはり多い理由には 裁判費用の30万を用意できないから…というのがある。


結局、訴えたくても先立つ費用が賄えず その費用を誰かに借りようと相談しても 相談される相手は 費用対効果を考えれば今回は良い勉強した…って感じで泣き寝入りすればと薦めるケースが多いんだな




さて、「屯田兵の御隠居」と呼ばれた爺さんは とても風変わりな爺さんだった。


かなりの確度で100万前後を回収できる見込みがあるのに、裁判費用が賄えなくて…というケースの場合 被害者の言い分を聞き 実状を確かめ、かなりの確度で回収が出来ると爺さん自身がふめば 裁判費用を貸す金貸しだったのだ。


例えば、O弁護士のところに相談に来た人が ただ、裁判費用が賄えないばかりに泣き寝入りしなければならない…となった時、O弁護士は「屯田兵の御隠居」と呼ばれた爺さんに相談を持ちかけ もちろん依頼人と話し合った上で成功報酬を取り決め、費用を肩代わりした。

それは、「屯田兵の御隠居」が亡くなった後も続けられ N専務が管理していた御隠居の遺産から よく裁判費用を貸し付けていたものだ。


そういう関係を知っていた刑事のFさんは 警察に相談に来た被害者の状況によっては コソッとO弁護士を紹介し O弁護士も自分のところの依頼者の被害額が30万以下の場合は コソッとFさんに相談するように依頼人に話したり…

(蛇足だが、後にFさんは警察を定年退職後 O弁護士の下請け興信所で余生をおくった)


これは 被害者にとっては とても良いシステムだったが、解釈によっては それぞれの職業倫理に反すると責められても不思議では無いシステムである。


だから、記事として述べる事に私は躊躇したのだが まぁ、それはおいておく。^^;




さて…


ある時、F刑事から紹介されたと言って 初老の男性がO弁護士を尋ねてきた。


初老の男性の話によると 彼は数十年来の付き合いの友人に 数回に渡って金を貸し、その総額は120万になっていた。


半年前に その友人が亡くなり、喪中に話すのもナンだからと、49日が過ぎるのを待って 初老の男性はその友人の一人娘に 貸した金の元本だけでも返して欲しいと話したところ 娘から


「相続の手続きが完了するまで待って欲しい」


と言われ その通り待った。


すると、数日前に 突然、無くなった友人が住んでいた自宅を解体する工事が始まり 不審に思った彼は あらためて娘と話したところ、「既に相続の手続きは完了してしまい、その相続の中に 初老の男性への借金は含まれていないので返済する気は無い」と 豹変した態度で言い切られたのだという。


この段階では民事の案件である事と、被害金額や状況を考えれば…という事で FさんはO弁護士を紹介したのだが、初老の男性には手続きを取る費用を賄う事が出来ない。


それと、年齢的な事と 持病の具合とを考えると、仮に裁判になって それが長期に渡った場合 初老の男性が生きてる間に解決するか否かを危惧し、自身で法的手続きを取ることに二の足を踏んだ。


相談を受けたO弁護士が調査をしたところ、たしかに借用書の書式は整っており、他にも有利な要因がいくつかあるので 法的手続きを速やかに取れば 大部分を回収する事は出来ると見込み O弁護士は その案件をN専務達に相談し、N専務は初老の男性に会った。


途中の話は端折って 結論から述べると、N専務は初老の男性に対して 基本的に裁判費用を貸し付けるのは断ったのだが、120万の債権を30万で売るなら債権譲渡という形で買ってやる…と申し出て 初老の男性は渋々ではあったが、最終的には合意し N専務はO弁護士に代理委任をして法的措置を取り、債権者の自宅が取り壊されて更地になるのを見計らって作業中断の仮処分を取り 相続の修正と債権の支払いを求める訴訟を起こし、最終的には120万円全額を娘に支払わせ、裁判費用も娘持ちの判決を取った。


その時に、私はN専務に


「120万円の全額を回収できるなら 初老の男性に30万ってのは ちょっと厳しい条件だったんじゃないの?」


と、聞いたのだが 私にそう言われたN専務は


「ん? オマエはそう思うの? まだまだ青いね」


と、鼻で笑われ


「ま、そのうち判るよ^^

 あの爺ぃ(初老の男性)は 30万円貰えただけでも上出来なんだぞ本当は…」


と、言った。


事実、判決を取り付けて半月もしないうちに 初老の男性が


「120万取れたのなら せめて、あと2・30万はくれてもいいじゃないのか?」


と、N専務を訪ねてきて抗議したのだ。


それに対してN専務は はじめて鋭い目つきで初老の男性を睨みつけ


「爺さんよぉ 俺の目が節穴だとナメてんのか?

 オマエ、俺に譲渡した借用書 アレ、偽造したろ?

 とっくの昔に期限が切れてるし、金額だって 本当はもっと少なかったのをのを

 数字の「1」を「7」に書き換えたり、「3」を「8」にしたりして誤魔化したろ?


 最初に書類を見た時に詐欺でブッ飛ばしてやっても良かったんだけど、

 それじゃぁつまんねぇから 引き受けてやっただけの話で

 30万貰えただけでも ありがたいって感謝しろ コノヤロウ」


後で あらためてN専務に原本を見せて貰ったら 確かに、言われて初めて判るほど巧妙に細工をした様な跡があった。^^;


これも後で聞いた話だが Fさんも 最初の段階で気づいていたが、気づかぬフリをしており、O弁護士も もちろん同様だった。


ただ、最初から気づいていたとなれば 彼らも法に問われかねないから、もちろん「気づいたのは全てが終了して しばらくたってから」という事になっている。^^;


Fさんが偽造に気づいていながらO弁護士に紹介したのは あまりのセコさに呆れたからで OさんやNさんが引き受けたのは債権の取り立て云々よりも 娘が相続した不動産を弄ろうとしていた地上げ屋グループを虐めたかっただけなのだ。


形としては娘から120万円を支払って貰った格好になっているけど、その金を用意して払ったのは地上げ屋のグループだったのだ。


と言うのは、更地になったばかりの土地に対して仮差し押さえの手続きを取った事が、地上げ屋グループが近隣の地と会わせて大手のマンション業者に転売する妨害となり、120万を即金で支払う事で示談…という解決に至ったからだ。




さて、かつてFさんが語った話の中で興味深く印象に残っている言葉がいくつもあるが、そのひとつを述べておくと



あのなぁ、詐欺師に最も騙されて金を取られている奴が二つある。


言い換えれば、詐欺師にとって 最大のお客様…って事だが、それが何だか判るか?



前回の『刑事のF』という記事の中で次回に述べようと思うと記しながら今回語れなかった話と 上の話の答えに関しては 長くなるので次回に語る。^^;



お駄賃

 気が向いたら…で結構です。^^;

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コメント

一日考えましたが、答えが出ません。
次のアップまで考えます。

★ あるこん さん

たぶん 次の次になるかもしれません^^;

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