« 硫黄島からの手紙 再見 | TOPページへ | 風林火山 第16回 »

2007年04月22日

● 敵兵を救助せよ!


著:恵隆之介 発刊:草思社 ISBN4-7942-1499-5




画像

「敵兵を救助せよ!」という本を読んだ。


画像画像


この本を知るキッカケとなったのは 4月19日にフジ系で放送された『奇跡体験!アンビリバボー』という番組で紹介されたから


翌日、札幌市内で最大(嘘か真かは知らないが関東以北最大)と自称している本屋に行ったところ、売ってたので迷わずに買い いくつかの用事を済ませて自宅に戻った私は 早速、読み進めたわけだが…


読み進んでいくウチに 目頭が熱くなり、終いにはポロポロと涙がこぼれた。


この本は「漢(おとこ)」の本だ。


画像画像


本で書かれた 駆逐艦「雷(いかづち)」艦長 工藤俊作中佐も 紛れもない「漢」だが、


画像

この本を記した恵氏も「漢」だ。


画像


戦後、この書で記された出来事が周知されずに60年が過ぎてしまったのは 日本人関係者で生存し戦後を過ごした方が少なかった事が最大の理由だが、


画像


当事者である工藤俊作氏が昭和54年まで存命でありながら ある事情により、戦中の話を誰にもしなかったから。


画像

「黙して語らず」は ひとつの「漢」の姿ではある。


でも、工藤氏の黙する「事情」は深く その心中を察するに余りある。




概要をザックリと述べると…


太平洋戦争の最中、インドネシアとボルネオの間にあるジャワ海で海戦が行われた後 日本軍に乗艦を撃沈されたイギリスやオランダの将兵を 撃沈した側である日本軍の駆逐艦が救助した…という話である。


こう述べてしまうと 平和ボケの現代日本人には 大した話には映らないと思う。


しかし、「敵兵を救助せよ!」という書で著者である恵氏は それまでの当時の状況や背景など経緯を克明に説明した上で この出来事に秘められた真実を書で表している。


その恵氏が出来事を知り、調べてみようと思い立つキッカケが


画像画像

画像画像

画像画像

救助された英軍将兵の中に 後に、外交官として「サー」の称号を与えられるまでに活躍したサムエル・フォール卿がおり、平成15年に 救助された時の事に礼を言うために来日した事にある。


フォール卿は


画像

「マイ・ラッキー・ライフ」という自著の中でも その事について述べている。


重要な事は 戦後、日本軍の行った事は全てが悪…みたいな風潮ばかりが語り継がれ 普段であれば善行とさえ呼ばれる行為ですら 戦争の中での行いであれば「戦争=悪」という単純図式の結果 黙殺されたり、触れることすら悪い様な雰囲気にすらなっている日本という国のデタラメさを考え直せ…という事。


戦争を賛美する気は全く無い。


でも、「戦争=悪」と単純に決めつける考え方には 私は納得出来ない。


戦争を否定する事と、戦争で没した先人達を黙殺する事とは全く別の話であると私は考えるが、「戦争=悪」を唱え続ける多くの方は 戦没者に線香を挙げる事には無関心なアホが多い以上 そんな輩と同調できるか!という気持ちが 私は強いからだ。


戦争中の出来事を 戦後、語らぬまま過ごす従軍者の数は少なく無い。


それは、戦勝国であるアメリカでも同様で その理由の殆どは戦争中に体験した戦友達の最期や戦場での現実に それらを語る気持ちが失われるからであり、同時に 戦争中に 逃げ回ったり、何もしていない者が さも、自分が活躍したかの如くホラを吹きまくる輩に変身する様を見て辟易させられたせいだ…等の話もある。


大事なことは 何が事実で、何がデタラメかを全く検証しようとしない結果が そんな法螺吹き野郎までのさばらせる結果になっている…という事。


無意味に「美談」だとか「善行」だとかと賛美する必要は無い。


しかし、事実として「こういう事がありました」と知らしめる事は重要な事。


敵兵を救助した…という話を含め いわゆる「武士道」を以て従軍した将兵が少なくなかった事は「敵兵を救助せよ!」という書の中で 駆逐艦「雷」の事例以外にも紹介されており、それらを末裔である我々は知っておく必要がある。


同時に、人の話まで自分の話に置き換え美化までして語りたがるアホの事例も紹介されており それも知っておく必要がある。


勝手な想像だが、工藤俊作氏が「雷」の艦長では無く 一人の士官乗組員であれば、没していった方々の名誉のために広く語り継いだのではないだろうか? 工藤氏が指揮官である艦長であったが故に 己の美談として広めるのを潔しとしなかったのではなかろうか?


そう思うと、第三者として この書を記し、語り継いだ恵氏の行為は没していった「雷」乗組員達への大いなる慰霊に繋がったと私は信じたい。


艦全体で武士道を発揮した駆逐艦「雷」の その後の最期と、壮烈に没した乗組員の方々をこの書を読んで知ると 涙が止まらなかった。



お駄賃

 気が向いたら…で結構です。^^;

 この記事への御駄賃がわりに下のバナ-のいずれかを クリックして頂けると嬉しいです。^^
 (全部、クリックしてくれると もの凄く嬉しいのは事実です。^^)

ブログランキング・にほんブログ村へ Blog Ranking 人気映画・TVBLOG blogram投票ボタン BlogPeople「自分のこと」部門にクリック BlogPeople「テレビ」部門にクリック BlogPeople「映画」部門にクリック

『戦争関連』関連の記事

コメント

 クラヒー!! 私も『アンビリバボー』観ました。もう、
涙、涙で・・・(苦笑)。

>一人の士官乗組員であれば、没していった方々の名誉のため
>に広く語り継いだのではないだろうか?

 私は、そうは思えませんでした。工藤艦長が一士官
だったとしても、やはり、黙っていたでしょう。これは、
艦長か士官かではなく、当時の日本人の多くがもって
いた資質だと思うのです。それが証拠に、生存していた
航海長や他の水兵も、誰一人、家族にさえ語っていま
せん。もちろん、個人的な性格もあったでしょうね。原作
に登場する元一士官の言動は、工藤艦長の英断を矮
小化し、自分の存在をことさら誇大に主張する人物で、
著者が彼の言動を嫌悪しているのが、明らかに読みと
れます。同じ海軍士官が、同じ体験を通じて、この違い。
あらためて、人間の器の出来、不出来を思わざるをえま
せん・・・。

★ FORREST さん


「語り継いだ」と記述した部分には 私の書き方にかなり言葉不足があったと反省しております。^^

で、個の資質は FORRESTさん御指摘の通りと思いますが、「艦長か士官か」という要素は「部下(艦も含めて)に対する責任の重さ」という点が明らかに違い、工藤氏の様な方には それがさらに大きく働いたと考えるからこそ(語ったか否かは別として) 私は重要だと思います。

ただ、著者の元一士官に対する嫌悪…と受け止められる記述は 一般の読者には著者個人の感情がそのまま表面に出ていると受け止められると思います。

私は誹謗中傷と受け止められるのが嫌で あえて記事には記述しませんでしたが、この人物が北海道居住である事、私の身内(父、叔父など)に旧海軍関係者が複数以上いる事から、その人物がどういう方かを間接的に存じており、ハッキリ申し上げれば 私は嫌悪しております。

ゆえに、通常であれば「この著者は表現に問題が…」と感じる部分ではありますが 今回は逆に「よくぞ言った」と思ってしまった部分があり、かなり著者に好意的になっております事を 御留意下さい。^^;

>工藤氏の様な方には それがさらに大きく働いたと考えるからこそ(語ったか否かは別として)
> 私は重要だと思います。

 なるほど、このような推論は、大いに納得です。
「原作に登場する一士官」の対極の存在である
工藤艦長ならば、もし、彼が士官であった場合、
当然、艦長の名誉のために「きちんと事実を語っ
た」ことは間違いないと思います。

>「この著者は表現に問題が…」と感じる部分ではありますが 今回は逆に「よくぞ言った」と
>思ってしまった部分があり、かなり著者に好意的になっております事を 御留意下さい。^^;

 私も、全く同感です!! なにぶん、高齢の
「元士官」の発言ですから、我も強くなっている
でしょうし、すでに記憶が自分の都合の良いよ
うに書き換えられている可能性も考えられます
ので、もう少し、表現の仕方はあったかも知れ
ませんね。しかし、それを差し引いても、工藤
艦長の英断を汚す、意図的なものが感じられ、
醜怪な言動といえます。著者が、あえて描写
したことは、正しいと思います。

ブタネコさんへ
この首題の本は新聞の広告欄で知っていたのですが、馴染みの本屋さんがこの2月に廃業してしまい購入できずにいました。TV番組も見ていないので内容を知るべくも無いのですが記事の内容からして早速読みたいと思います。旧日本軍に関して表に出てくるのは悪評ばかりで、こうした美談は日本人の謙虚さからかほとんど表に出てきません、本当に悔しいですね。しかしこの本を読むのは、現在このブログで知った’真珠湾は眠っていたか’の第2冊目を読書中ですので暫く先になります。この3冊の本は近くの市立図書館には無くて都立中央図書館から借りたものです。最近の図書館のサービスはすばらしいですね、どの図書館ともネットワークで結ばれていて1週間で読めるようになります。この本は是非蔵書に加えたいと思い、週末に神田の古本屋街に行こうと思っています、これで今週の楽しみが一つできました。こうしてみると本当に僕は無知で恥じ入るばかりです、これからもいろいろ情報発信を御願い致します。

★ FORREST さん

言葉足らずで 本当に申し訳ありませんでした。

私は こういう本がもっと沢山出版されて 後世に伝わる事を望みたいです。


★ タンク さん

そうですか「真珠湾は眠っていたか」を読まれておられますか^^

その本が30年も前に発表された事、その時に どれだけアメリカ国内で議論されたか…という事

それに対して日本では その本の存在や内容に対して どう…

そこに30年前のメディアの糞ったれぶりが判ると思っています。

ブタネコさんへ
今日やっと読み終えました。昔の海軍さんはいいですね、ハイカラという感じがぴったりします。この雰囲気に憧れて勉学に勤しんだことが懐かしく思い出されました。’真珠湾は眠っていたか’でハワイ方面の作戦の詳細が分かり、この本で南方方面の作戦が少し分かった様な気がします。こうしてみると本書にも有りましたが、日本と言う小さな島国が余りにも広大な作戦海域を持っていたことに驚愕しますね。その意気や尊敬にあたいします。石油と言う生命線をアメリカに握られていたため、座して死を待つより打って出ざるを得なかったのは理解できます。インドのバール判事も言われたように、ハルノートのような脅しをされたらルクセンブルクのような小国でも戦いに出ると言われたのももっともと思います。しかしその後の我々はこの大戦を総括して今後の日本の行く末の指標としてるのか?してませんよね。僕達はあの世で先輩達に一杯叱られるんだろうなと反省しています。
この本を読んで個々の日本人には武士道を守り伝えていく使命があるように思えます、英国の騎士道がかの国で大事にされている様に武士道がわが国で継承されているとは思われません、最近藤原正彦先生が頑張ってくれていますがまだまだですね、いかに教育に取り入れるか、学校では無理でしょうから家庭で教えるのが大事です。武士道は世界のどの国も持っていない日本が誇るべき伝統です、廃れさせたらもったいないです。

★ タンク さん


「真珠湾は眠っていたか」の著者は GHQの幹部だった人であり、大学教授として近代の戦史家としてアメリカでは著名な人です。

そんな著述の中に 自国の陰謀を認めざるを得ない…とする記述があるのはビックリでした。

我々、日本人は 韓国や中国の反日運動家や 日本人でも旧・社会党や共産党のように幻想的平和論を唱えるアホみたいに その著述を基に 今更、アメリカに対して文句を言うのでは無く、戦争指導者はともかくとして 兵士として戦没した方々や 民間人でありながら戦禍によって没した先人に感謝と尊敬の意を込めて慰霊ぐらいはすべきと思うんです。


また、戦闘後 漂流している敵兵を救助した日本海軍は「雷」だけじゃ無い…って事も 番組では語っておらず、本を読まないと知らないまま忘れ去られてしまう事は如何なものかと思うんです。

そういった行為を指して 凄いだろ、とか 日本は正しかったんだ…なんて言う気は無い。

そういった行為をした先人に 御立派でしたと申し上げたいだけなんですけどね。


ほんとうにお久しぶりです。
「がんばって・・・」以来の投稿です。ハンドルが別だったかも・・・・。

今月号の「正論」で読んだんです。表紙に項目が無いので、パラパラめくってたまたま読み始めて。
ど~~~~っと 涙が出まして。


<< 管理人権限で 数行を削除しました >>

★ Shiho さん

3年ぶりですね。^^

末尾数行を管理人権限で削除させて頂きましたのは まず、他所のブログの記事で議論中の内容であり結論の出てない内容であった事と 出典の出版社が あくまでも私の個人感ですが、思想的に偏りのある出版物の多い会社である為です 御了承願います。


【※注意!!】

この記事は『ブタネコのトラウマ』の倉庫に保管されている記事なのでコメントの投稿は出来ません。 2015年2月10日以降 このクソブログは『ブタネコのトラウマ・リニューアル版』に移転しましたので新規記事更新及び、過去記事へのコメントの受付もそちらで行っておりますので お手数ですが、そちらへの移動をお願い申し上げます。