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2007年03月20日

● ブラッカムの爆撃機


岩波書店 作:ロバート・ウェストール 編:宮崎駿 ISBN-00-024632-1




FORRESTさんお薦めの「ブラッカムの爆撃機」という本が届いたので早速、読んでみた。


FORRESTさんという方は私の義弟のネット友達で ミリタリー関連の映画や書物の造詣が非常に深い方であり、氏が他の二名の方と主宰されているサイトに『MILITARY MOVIE MANIACS』というサイトがあり、その中のコンテンツである『戦争映画・ミリタリー情報掲示板』の中で 先日、二つの本を紹介された記事を拝読した。


で、早速 私はその2冊を発注し、両方とも昨日届いたので 


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まず、「ブラッカムの爆撃機」の方を先に読んだので 所感を語ってみたいと思う。




さて、上述したFORRESTさんの記事によると この本をそもそも紹介されたのは、氏のサイトの古くからの常連さんで このブログにもたまにコメントを寄せて下さるラヴァさんだとの事。


この御二方が薦める…という事は 私に言わせれば、仮に 他の方がその本をどんなに酷評していたとしても 私にとって良書である事は間違い無いと断言できる。^^


で、読んでみたわけだが…


まず、特筆すべき点は この本は戦争を題材にした児童向けの童話に近い記述である事。


だから、一般的に「戦記」と呼ばれるものとは趣が異なるのだが、従軍した兵 この作品では 第二次大戦の中期にウェリントン中型爆撃機(通称:ウィムピー)でドイツへの爆撃に従軍した搭乗員達の物語で 色々と含蓄のある内容を巧みに描いている。


その上で、児童向けの文学でありながら 大人が読んでも、とても意味合いの深い記述であり、さらに ミリタリー・マニアにとっては 爆撃機の内部描写がとても秀逸で情景が容易に思い浮かべる事が出来る程、描写が秀逸だ。


個人的意見を添えるならば もし、ミリタリー・マニアでない方が この本を読む際にリアル感を少しでも増して味わいたいと思うのならば、映画「メンフィス・ベル」を見る事をお奨めするが、その場合 注意すべき事は「メンフィス・ベル」は米軍のB-17という爆撃機の物語で この本に登場するウェリントン中型爆撃機よりも頑丈な作りである…という点。


つまり、「メンフィス・ベル」のB-17よりも脆いウェリントン中型爆撃機では 爆撃行がもっと危険だった…という恐怖感を頭の片隅において欲しい…という事だ。


この英空軍の爆撃機とドイツ軍の夜間戦闘機との戦闘シーンも実に秀逸であり、その後の物語の変遷は 本当に児童向けの文学なのか?と考えさせられるほどクォリティが高すぎる。




それと、もうひとつ特筆すべき点は この本は


表題となった「ブラッカムの爆撃機」という中編の他に


   「チャス・マッギルの幽霊」


   「ぼくを作ったもの」


という二つの短編


そして、


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「タインマスへの旅」というタイトルの 宮崎駿の紀行マンガが綴じ込まれている。


以前、『『泥まみれの虎』―宮崎駿の妄想ノート』という宮崎駿の本について述べた事があるのだが、初期の宮崎アニメに見られた軍事モノの漫画という雰囲気を醸しつつ、紀行記でもある この作品は宮崎ファンにとって美味しいモノと思える。


で、「タインマスへの旅」を読んでいて「へぇ~」と思ったのは 以前、FORRESTさん達のサイトで話題になった宮崎駿の戦争観に関して


「日本人ギライの日本軍大キライのおくれて来た戦時下の少年になっていた」


という興味深い 宮崎の自己分析の一文があった事。


それについて 私がどう感じていたかは 先に挙げた『『泥まみれの虎』―宮崎駿の妄想ノート』という記事を御一読頂ければ幸いだが、どうやら この「タインマスへの旅」を読むと 最近の宮崎の心境が少し変わりつつあるのかな?という気がしてならない。


で、もし、私が感じた 私にとって好ましい方向に考えが変わったのであれば 今こそ、『泥まみれの虎』をアニメ化して欲しいと切に願う次第だ。




で、話を「ブラッカムの爆撃機」に戻すと…


「バンド・オブ・ブラザース」の原作を読んだ時に 強く感銘を受けた事に、アメリカ人によるアメリカの空挺部隊のノン・フィクションであるにも関わらず、著者はもとより、登場する実在の退役軍人達が前線で敵として戦ったドイツ兵を 戦時でなければ良い友人になれたと思う…という様な表現をし 著者も努めて中立の視点で公平な記述を心がけている事がある。


この「ブラッカムの爆撃機」もドイツ兵を悪し様に罵る記述では無い。


イギリスは開戦直後からドイツ軍に大都市を無差別爆撃され 多くの民間人が死傷したにも関わらず、児童向けに 旧敵国をただ悪し様に罵るのでは無く、相手も人間である事を説く作家が少なく無い事に私は感銘を受けるし そんな懐の深さを見せられては戦争に敗れるのもさもありなんとさえ思わされる。


しかも、戦勝国の側で こういう懐の深さを見せられれば、欧州における戦後の友好関係の改善や相互理解の進み方による現状も大いに頷ける。


そんな欧州戦線とは別に 太平洋戦線、特に 中国や韓国と日本の関係を考えた場合、中国や韓国が己を戦勝国と考えるのは勝手だが、もし 彼らが積極的に友好関係を改善しようとするなら イギリスやアメリカの懐の深さを見習えと言いたいのだが、それ以前に 連合国によって開放されただけの中国や韓国が 調子に乗って戦勝国面してんじゃ無ぇぞ…という反感を 日本人に暗に植え付けるような愚をも気づくべきとも思うんだけどね。


ま、欧州人とは民族性が違うと言ってしまえばそれまでではあるけれど…^^;




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コメント

ブタネコさんへ
早速の記事掲載有難う御座います、僕のほうにはまだ未着で早く読みたいものです、先ほど調べたら到着予定が22日になっていました。ブタネコさんは2冊目にかかっている頃ですかね?年取ると集中力が落ちてくるのか読書のスピードが格段に落ちてきて読む量と購入する量のギャップがありすぎ、未読の本の山が気になっています。今読みかけの本も早く読了しないと到着した本が未読の山行きになってしまいます。
因みに今読みかけの本は井上和彦氏の’国防の真実こんなに強い自衛隊です’。
さて記憶が曖昧なので教えていただきたいのですが、メンフィスベルという映画、********でしたか?もし違っていたらTSUTAYAに行ってきたいと思います。

★ タンク さん

コメントの一部を伏せ字にさせて頂きました事、どうか御容赦願います。^^

で、

>メンフィス・ベル

伏せ字にさせて頂いた内容のモノだと思います。

ブタネコさんへ
ブラッカムの爆撃機を読みました。何か死者への追悼の思いは日本人のそれと良く似ていてなんの抵抗も無く理解できました、仲間の連帯感も上手く表されていて良い読後感です。一休みもかねてラヴァさんお勧めのDVDを借りにTSUTAYAに行った所、冷水を浴びせられた様な気分にさせられました。大手になられて昔の国鉄のような殿様商売をされているようで、もう当分行くことはないでしょう。amazonで購入しようとしたら在庫切れでうまく行かないものです。入庫次第購入しようと思っています。
気分が落ち着いたら’沖縄シュガーローフの戦い’に挑みます。この訳者の人、通勤の行き帰りに足掛け3年もかけて翻訳されたとの事、こちらも心して読みます。

★ タンク さん

すいません 勝手ながら、コメントの付け先記事を 内容的にこちらと判断し変えさせて頂きました

どうか、気を悪くしないでくださいね^^;

>この訳者の人、通勤の行き帰りに足掛け3年もかけて翻訳されたとの事、


そう、個人的には そこが重要なポイントのひとつなんです。

で、コメントに対するレスを記述しているうちに 長くなってしまったのと、他にも述べたい事が生じたので記事として別個に掲示させて頂こうと思います。


参照記事:『「バンド・オブ・ブラザース 余談」』「バンド・オブ・ブラザース 余談」

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