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2007年02月16日

● 拝啓、父上様 第6話


拝啓、父上様 第6話を見た。




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今週は 私の大好物である「松重豊」と「木村多江」が出演していない。


なので、私としてはPVとして見る意味が無い回となってしまったわけだが…


それでは 数行で この記事は終了してしまうため、それじゃ いくらなんでも掲示する意味も無い。^^;


で、今回は ちと趣向を変えた話を述べる事にしようと思う。


というのは、今回 主人公が母親の誕生日にレストランに招待する…という場面がある。


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このシーンを見ていて 私は、昔に見た あるドラマの一場面を思い出す。


それは、「前略おふくろ様」というドラマで その中に、年老いた母親(田中絹代)が上京した折、その母親と息子(萩原健一)が 高級そうなレストランに行き、ポタージュを飲む…というシーンがある。


こう言うと「また、ブタネコの野郎”前略…”と”拝啓…”を重ねて文句を言ってやがる」とお怒りの方もあるやもしれないが、そんな事で つべこべと議論をしたいのでは無い。


何が言いたいか…と言うと


私が初めて「ポタージュ」を口にした日の事を 「前略…」を見ていて思い出した。


その「思い出した」時の事を この「拝啓…」を見て再び思い出した… という話である。


だから、先に申し上げておくと これから述べる話は「拝啓、父上様」のストーリーとは 殆ど、関係が無い恐れが大…という事である。

(ゴメンネ^^;)


なので、以下は 興味と暇のある方のみお読み下さるよう御願い申し上げる。^^;




私が初めて「ポタージュ」を口にしたのは 私の妹が小学校に入学する直前の時で 両親が妹にランドセルを買うのだと言い、両親と私と妹の4人でデパートに行った時だった。


場所は北海道の函館で、「さいか」という 今はもう閉店してしまったデパート


当時、函館は活気のある街で 駅前に「さいか」の他に「和光」「棒二森屋」と大きなデパートが3軒あり、ウィンドウも華やかだった。


その前年、父が車の免許を取り、車を購入したのをキッカケに 夏休みに1週間かけて北海道内を旅行したのだが、札幌は数年後にオリンピックの開催が決まった事もあり、人口が急増している時期でもあって その活気は子供ながらに凄いと思ったが、苫小牧、室蘭、旭川、帯広… 他の主要都市は 私の目には函館程の活気は感じられず、そんな函館という「都会」に住める事が誇らしく思ったものだ。


で、両親は妹に真っ赤なランドセルを買い


「お祝いに デパートの大食堂で御飯を食べよう」


と、父が言い出し 私や妹は喜び勇んでデパートの最上階にあった大食堂に行ったのだ。


変な言い方だが… その頃の私の家は貧乏では無いが、裕福でも無かった。


父が自衛官で 母は妹が小学校に上がるまでは専業主婦だったから、自衛官の給与は 今でも決して高いとは言えないが、当時の一般水準で言えば「中の下」ぐらいだったと思う。


そんな中でマイカーを持つ…というのは 如何に母が倹約していたかを物語ると言っても良いと思う。


だから、デパートの大食堂で食事をする…というのは 数ヶ月に一度の豪勢な贅沢だったんだなぁ…


なので、デパートの大食堂で食事となれば 当時の私は入り口横のショーケースを端から端まで眺め、その中のどれを食べるか 凄まじい程真剣に かつ、時間をかけて慎重に考えたものだが… 結局は「お子様ランチ」を選んでいた。


だって、それは ひとつの皿にいろんな料理が少しづつ盛り合わされ、一品でいくつもの味を味わえたからだ。^^;


ところが、妹のランドセルを買いに行ったその日 私は重大な決意を胸に秘めていた。


それは、私が小学校でクラスメート達と話していた時に クラスメート達が


「”お子様ランチ”なんて 小学校に入る前のガキが食うモンだ」


と、話し合っていたのを聞いたからだった。


今、思えば 小学校一年生も 小学校に入る前の4・5歳の子供も似たようなガキなのだが…、その年頃は 1歳違うだけで相当な開きがあるぐらいの感覚だったんだな^^;


だから、私は


「もう 俺はガキじゃ無いんだ、だから 二度と”お子様ランチ”を食べちゃいけないんだ」


そう決意していたのだ。


ところが… いざ、そう決意して 何を食べようか考えると、いろんな物に目移りしてしまって決まらない


「”お子様ランチ”で良いじゃねぇか」


業を煮やして父が言ったが、


「それだけは嫌だ」


と、私は頑なに拒み 悩んだ挙げ句、ひとつの結論に至る。 それは


「知らない名前の食べ物にしよう」


という安易なもの^^;


で、ショーケースをあらためて眺め回して ひとつ目に止まったのが


「ポタージュ」


だったのだ。^^;


ようやく、それに決め 父に告げると 父は怪訝な表情で


「それだけで良いのか?」


と、聞く。


本当を言えば 出来れば、もうひとつ食べたかったのだが、「ポタージュ 700円」の横に「ナポリタン 900円」 たしか、そんな値段設定だったと記憶するのだが、要は 今のファミレスで「スープ・バー」を頼むと「おかわり放題」の「スープ」が 当時は立派な高級品扱いだったのだ。^^;


だから、その値段にビビッって「もうひとつ」と子供ながらに言えない遠慮が生じたのだ。

( 注:当時の物価では デパートの大食堂は高かったのだ^^; )


その後、私達が座ったテーブルに それぞれの注文の品が運ばれたのだが、私の目の前にはスープ皿がひとつ 他の3人の前には お子様ランチやナポリタンやオムライスが並んでいる。


「失敗した…」


と、私は後悔したが、でも 未知なる「ポタージュ」という食べ物への好奇心は大きく…


子供の口には大きい スープ・スプーンで掬い、一口 ポタージュを口に含んだ時の極上感を 今でも私は忘れられないほど強く覚えている。


本当に美味かった。


心の底から「この世に こんな美味いモノがあったのか…」と震えるほど感動した。


すると、母が横から私のポタージュを


「ひと口頂戴ね」


と、自分のスプーンで掬い、それを口に含むと


「あらぁ、これ美味しいねぇ…」と言い


すると、妹までが「私にも…」と


気が付けば母と妹に半分以上飲まれてしまい 私が怒ると、父は あらためて「ポタージュ」を一皿と「オムライス」を一皿追加して頼み


「ホラ これも食べて機嫌を直せ」


と、優しい笑顔を浮かべてくれた。


私は それ以来、「君の好きな食べ物は?」と聞かれると いつも「ポタージュ」と応えるようになる。^^




生まれて初めて「ポタージュ」を口にして以来…


デパートの大食堂に行く機会がある度に 私は「ポタージュ」を頼んだ。


子供だった事もあって スープ皿一杯で質量的に充分に満腹感を得られたし、それ以上に精神的に”大人の食べ物”を食べれる満足感が強かった。


しかし、ほぼ1年後、父は転勤となり青森の「竜飛」という 当時は何も無いところに引っ越した為、その後の私は 「ポタージュ」を食べる事が出来ず、その存在すらも忘れてしまった。


そして数年後、父の転勤で私達親子は札幌へと引っ越し…


我が家は毎週放送されるTVドラマ「前略おふくろ様」を家族揃って見るのが恒例行事となるのだが…


その中で 先にも述べた年老いた母親(田中絹代)が上京した折、その母親と息子(萩原健一)が 高級そうなレストランに行き、ポタージュを飲む…というシーンが流れた。


それを見て 私は函館の「さいか」で「ポタージュ」を食べたのを思い出し、父や母や妹に「あれ、覚えてる?」と聞いたのだが… 誰も、覚えてなかった orz


でもね、私は 田中絹代が美味そうにポタージュを飲むのを見て、間違い無く 函館の記憶を思い出したのだ。


それから、もう一度「ポタージュ」が飲みたくて…


でも、なかなか飲める所がみつからなくて…


喫茶「職安」に屯するようになったある日、なにかのキッカケで 再び私は「ポタージュ」を思い出し、「どこかで 飲めませんかね?」と常連達に聞いていたら 喫茶「職安」のママが


「だったら、今晩 仕込んであげるから明日、必ず 店においで」


と、あっさり言う。


そして 翌日、数年ぶりに味わった「ポタージュ」は 本当に美味かったけど、それ以上に懐かしかった。




さて、あらためて 何を私が言いたいかというと…


素敵なドラマ(映画も含む)は見る者の魂を揺さぶる。


で、その揺さぶりのキッカケには 見る者の「記憶」であり、それによる「感情移入」があると思う。


私にとって「ポタージュ」を母親と飲む… という図柄は 母は覚えていてくれなかったけど、私には鮮烈な記憶であり、ドラマのワン・シーンで その記憶を刺激され、役者や情景に感情移入し 魂が揺さぶられた。


そんな魂の揺さぶりによって そのワン・シーンを「名場面」と評価する事ってあると思うのね。


で、そういう「名場面」の積み重ねが ドラマ全体のクォリティを高いと感じ、総合的に「素晴らしいドラマ」だと高い評価を与えるんじゃないのか?と思うのね。


で、ある作家が 他の作家が描いた名場面を自作に用いるのを読者は「是」と認めるのだろうか?


それはケース・バイ・ケースなのだが、例えば 用いる作品がパロディであれば「是」なのであろうし、リメイクであれば それも「是」という事になるのかもしれない。


しかし、パロディでもリメイクでも無いのだとすれば 別の作家の名場面を用いるのは 場合によっては「盗作」と罵られる事もあり得るわけだが、これはあくまでも他人のを用いれば…という場合。


ある作家が 自分が書いた過去の小説の名場面を 後に、違う作品で用いるぶんには 多くの読者はそれを「盗作」とは言わないけど、リメイクでないのであれば「オリジナリティが欠如した」以外の何物でも無く 私は蔑むだけだ。


と言うわけで、もっと具体的に判りやすく言えば「拝啓、父上様」と「前略おふくろ様」は 全く別の作品だ…と受け止める人も少なく無いとは思う。


けど、「前略おふくろ様」で用いた場面を いくつも(中には形を変えたようにみせかけていても)用いている「拝啓、父上様」は「オリジナリティの欠如」が鼻につくと 少なくても私は感じており、それが「リメイク」では無い…となれば 尚更、腹立たしくさえ感じる。


だから、今回のシーンを見て「あぁ、ここももってくるのか…」って感じに映り、感動なんか湧かず、不快感が増幅する。


でも、こう言うと「拝啓、父上様」では「ポタージュなんか 飲んで無い」と きっと、前者の感覚の人は反論をするだろう…


そりゃ、そうだ。


「全く同じ」では無いと 私だって思っている。 けど、「鼻につく」と言ってるだけなのだから^^;


私は別に 前者の人の感覚を非難するつもりなんか毛頭無い。


それで楽しめるのなら 大いに楽しめば良いわけで 私がどうこう言うべき問題では無い。


が、同じ様に 前者の感覚の方から どうこう言われる必要も無い。


そこは逆に前者の感覚の方には 是非、御理解頂きたい部分なんだな


「何故、こんな素晴らしい作品を侮辱するのか」


そういう御意見が寄せられる事が ままあるのだが、それは その人にとっては「素晴らしい」でも 私にとっては「クソ」だ…と、言う話だって事(当然、逆もアリ^^;)


どんなにピカソの絵が素晴らしいと褒め称えられ、褒め称えてこそ「真の芸術の理解者」だと言うのであれば 正直言って、子供の落書きみたいにしか見えない私は「真の芸術を理解出来ない無能者」で結構…という事でもある。^^;




お駄賃

 気が向いたら…で結構です。^^;

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コメント

祖母に育てられた私にとって、
ポタージュは未知の飲み物で、
外出してはそればかり飲んでいました。
懐かしくなりますね。

★ カルチ さん

今じゃ珍しいモンじゃないんですけどね^^;

ブタネコさんへ
九州に行っていまして、久しぶりの訪問です。ブタネコさん一家では家族総出で出かけることが有ったのですね。我が家では兄弟姉妹の歳が離れていたため一家揃って出かけた記憶は有りません。しかも外食という経験はまったくありません、我が家の経済状態ではそんな無駄遣いは許されませんでした。親父と二人で出かけたのは中学の頃野球のグラブを買って貰うためスポーツ具店に夜更けに出かけたのを記憶しています。お袋とは一度だけ上京前に映画'嵐が丘’を見に行ったのを鮮明に覚えています。お袋がえらく感激して何時までもそのことを話していて、お袋に対して唯一の親孝行らしきものでした。主題の件ですが、残念ながら僕はポタージュを始めて食べたのが何時かは記憶していません。僕が食べ物で鮮明に記憶しているのは上京したての時、下宿先の近くの中華料理屋で食べたレバニラいためです、初めての味に感激しましたね。安上がりの舌を持っているのか、後日フォアグラを食べた時レバニラのほうがおいしいと言って女房に軽蔑されました。

★ タンク さん

食べ物の違いはあれど 似た様な記憶が いろんな人にあるのでしょうね^^


はじめまして。
だいぶ前に書かれた記事ですが、ポタージュの話にとても感動したのでいてもたってもいられずコメントを送らせていただきました。

子どもの頃、実家のすぐ近所に洋食レストランがありまして、私のポタージュ初体験はそこでだったのかも知れません。そのへんはよく覚えてないんですが、その店のポタージュはとてもおいしかったことは覚えています(ポタージュ以外のメニューも、味をよく覚えてます)。
が、しょっちゅうは食べられませんでした。ブタネコさんの記事にあるように、ポタージュは一メニューであり、しかも安いものではなかったから…。
だからポタージュは特別な食べ物というイメージがあります。

こちらの記事で、ポタージュ一皿だけが運ばれてきたときの心情や、お父様がポタージュとオムライスを追加注文してくださった場面に思わずウルウルっときてしまいました。
ステキなお話をありがとうございます。

ところでこちらのページには寺島進で検索してたどり着きました。
私も寺島進と松重豊が大好きで、「キャッチボール屋」をすごく見たかったんですが時間が取れず劇場に見に行けませんでした。ブタネコさんの書かれたエントリーを読んでDVD買ってもいいなと思いました。
(こちらの記事に関係ないことまで書いてしまい、申し訳ありません!)

★ 和歌之介 さん

こちらこそはじめまして^^

いつのまに「ポタージュ」は 飲み放題の代物になっちゃったんでしょうね?

まぁ、それはそれで嬉しくはあるんですけど、当時の高級感がねぇ…^^

>寺島進と松重豊が大好きで

であれば、「キャッチボール屋」は必見です。

二人とも実に渋い。

私はお薦めしますよ

【※注意!!】

この記事は『ブタネコのトラウマ』の倉庫に保管されている記事なのでコメントの投稿は出来ません。 2015年2月10日以降 このクソブログは『ブタネコのトラウマ・リニューアル版』に移転しましたので新規記事更新及び、過去記事へのコメントの受付もそちらで行っておりますので お手数ですが、そちらへの移動をお願い申し上げます。