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2006年12月11日

● ルーズベルトに与ふる書


昨日、掲示した『硫黄島 戦場の郵便配達』という記事の中で触れた「ルーズベルトに与ふる書」に関して 全文を掲示してみようと思う。




尚、以下の文章を読む前に留意して頂きたい事は 青色の記述が原文 その下の黒色はブタネコ的訳文である…という事と 特に天皇に対する原文記述に関しては時代背景を留意して読まれる事を御願い申し上げる。




--- 以下 本文 ---




日本海軍、市丸海軍少将、書ヲ「フランクリン ルーズベルト」君ニ致ス。


日本海軍 市丸海軍少将は フランクリン・ルーズベルト君に書す。


我今、我ガ戦ヒヲ終ルニ当リ、一言貴下ニ告グル所アラントス。


私は今、私の戦闘を終えるにあたり、一言貴下(ルーズベルトに)言っておきたい事がある。


日本ガ「ペルリ」提督ノ下田入港ヲ機トシ、広ク世界ト国交ヲ結ブニ至リシヨリ約百年、此ノ間、日本ハ国歩艱難ヲ極メ、自ラ慾セザルニ拘ラズ、日清、日露、第一次欧州大戦、満州事変、支那事変ヲ経テ、不幸貴国ト干戈ヲ交フルニ至レリ。


日本がペリ-提督の下田来航を機に広く世界と国交を結んでから約100年 この間に日本は艱難を歩み 自ら望んだ訳では無いのに 日清、日露、第一次世界大戦、満州事変、シナ事変を経て 不幸な事に貴国(アメリカ)と戦争状態にある。


之ヲ以テ日本ヲ目スルニ、或ハ好戦国民ヲ以テシ、或ハ黄禍ヲ以テ讒誣シ、或ハ以テ軍閥ノ専断トナス。思ハザルノ甚キモノト言ハザルベカラズ。


であるが故に 日本を見た場合に やれ 好戦国民だの、黄色人種が白色人種を駆逐する恐れがあるとして ドイツ皇帝ウィルヘルム2世が日清戦争、義和団事件の時に、日本への反感から事実を曲げ悪く言ったりした事や、軍閥の専断だ…等と 甚だしく思っているのであろう


貴下ハ真珠湾ノ不意打ヲ以テ、対日戦争唯一宣伝資料トナスト雖モ、日本ヲシテ其ノ自滅ヨリ免ルルタメ、此ノ挙ニ出ヅル外ナキ窮境ニ迄追ヒ詰メタル諸種ノ情勢ハ、貴下ノ最モヨク熟知シアル所ト思考ス。


貴下(ルーズベルト)は 真珠湾への不意打ちをもってして 対日戦争唯一の宣伝材料としているが、日本が自滅を免れるために この戦争に至るほか無かった窮境に迄追い詰めた諸種の情勢は 貴下こそ 最もよく熟知しているところと思う


畏クモ日本天皇ハ、皇祖皇宗建国ノ大詔ニ明ナル如ク、養正、重暉、積慶ヲ三綱トスル、八紘一宇ノ文字ニヨリ表現セラルル皇謨ニ基キ、地球上ノアラユル人類ハ其ノ分ニ従ヒ、其ノ郷土ニ於テ、ソノ生ヲ享有セシメ、以テ恒久的世界平和ノ確立ヲ唯一念願トセラルルニ外ナラズ。


天皇は 地球上のあらゆる人類は それぞれが分に従い それぞれの住む地で 生涯を全うする事を以て 恒久的世界平和の確立を唯一念願とされているに外ならない。


之、曾テハ「四方の海 皆はらからと思ふ世に など波風の立ちさわぐらむ」ナル明治天皇ノ御製ハ、貴下ノ叔父「テオドル・ルーズベルト」閣下ノ感嘆ヲ惹キタル所ニシテ、貴下モ亦、熟知ノ事実ナルベシ。


それは かつて「四方の海 皆はらからと思ふ世に など波風の立ちさわぐらむ」と詠まれた明治天皇の歌が 貴下の叔父である「セオドア・ルーズベルト」閣下を感嘆させた事を貴下も熟知しているはず。


我等日本人ハ各階級アリ。各種ノ職業ニ従事スト雖モ、畢竟其ノ職業ヲ通ジ、コノ皇謨、即チ天業ヲ翼賛セントスルニ外ナラズ。


我々、日本人は いろんな階級層や職業に従事していると言えども それぞれが天皇の御意志や行いを翼賛しているのだ。


我等軍人亦、干戈ヲ以テ、天業恢弘ヲ奉承スルニ外ナラズ。


我々軍人も 戦争を以て 天皇の理想とする事業に従うのである。


我等今、物量ヲ恃メル貴下空軍ノ爆撃及艦砲射撃ノ下、外形的ニハ退嬰ノ己ムナキニ至レルモ、精神的ニハ弥豊富ニシテ、心地益明朗ヲ覚エ、歓喜ヲ禁ズル能ハザルモノアリ。


我々は今、物量だけに依存した 貴下空軍の爆撃や艦砲射撃を受け、表面上は隠れ篭もっている様でも、精神的には 明るく朗らかに 喜びにさえ感じている。


之、天業翼賛ノ信念ニ燃ユル日本臣民ノ共通ノ心理ナルモ、貴下及「チャーチル」君等ノ理解ニ苦ム所ナラン。


それは 天皇の為さろうとしている事に翼賛の気持ちを抱く日本人民共通の心理なのだが、貴下やチャーチル(イギリス首相)達には理解に苦しむ事だろう。


今茲ニ、卿等ノ精神的貧弱ヲ憐ミ、以下一言以テ少ク誨ユル所アラントス。


今ここに卿等の精神的貧弱を憐れみ、以下一言を以て少々、教えておいてあげたい。


卿等ノナス所ヲ以テ見レバ、白人殊ニ「アングロ・サクソン」ヲ以テ世界ノ利益ヲ壟断セントシ、有色人種ヲ以テ、其ノ野望ノ前ニ奴隷化セントスルニ外ナラズ。


君達の言行を見れば、白人、特にアングロ・サクソンを以て世界の利益を独占しようとし、有色人種を その野望の前に奴隷化しようとしているにすぎない。


之ガ為、奸策ヲ以テ有色人種ヲ瞞着シ、所謂悪意ノ善政ヲ以テ、彼等ヲ喪心無力化セシメントス。


その為に 奸策を用いて有色人種を騙し、いわゆる 悪意の善政をして 有色人種の心を失わせ無力化させようとしている。


近世ニ至リ、日本ガ卿等ノ野望ニ抗シ、有色人種、殊ニ東洋民族ヲシテ、卿等ノ束縛ヨリ解放セント試ミルヤ、卿等ハ毫モ日本ノ真意ヲ理解セント努ムルコトナク、只管 卿等ノ為ノ有害ナル存在トナシ、曾テノ友邦ヲ目スルニ仇敵野蛮人ヲ以テシ、公々然トシテ日本人種ノ絶滅ヲ呼号スルニ至ル。之、豈 神意ニ叶フモノナランヤ。


近世に至り、日本が卿等の野望に抗って、有色人種、特に東洋民族を卿等の束縛より解放せんと試みると、卿等はあたかも日本の真意を理解しようとせず、只々 卿等のために有害なる存在として、かつての友邦を 仇敵野蛮人を扱うように、公々然と日本人種の絶滅を呼号するに至る。これは神意に叶うものなのか。


只東洋ノ物ヲ東洋ニ帰スニ過ギザルニ非ズヤ。


東洋の事を 東洋でどうにかしようとしているだけに過ぎないのだ。


大東亜戦争ニ依リ、所謂大東亜共栄圏ノ成ルヤ、所在各民族ハ、我ガ善政ヲ謳歌シ、卿等ガ今之ヲ破壊スルコトナクンバ、全世界ニ亘ル恒久的平和ノ招来、決シテ遠キニ非ズ。


大東亜戦争により、いわゆる大東亜共栄圏が成立したならば、それぞれのいろんな民族は、我が善政を謳歌し、卿等が今これを破壊しなければ、全世界にわたる恒久的平和は 遠い将来の事では無い。


卿等ハ既ニ充分ナル繁栄ニモ満足スルコトナク、数百年来ノ卿等ノ搾取ヨリ免レントスル是等憐ムベキ人類ノ希望ノ芽ヲ何ガ故ニ嫩葉ニ於テ摘ミ取ラントスルヤ。


卿等は既に充分なる繁栄なのに それに満足する事無く、数百年来の卿等の搾取より免れようとする これら憐むべき人類の希望の芽を 何故に若葉に於て摘み取ろうとするのか


卿等何スレゾ斯クノ如ク貪慾ニシテ且ツ狭量ナル


卿等はどうしてそんなに貪欲で狭量なのか


大東亜共栄圏ノ存在ハ、毫モ卿等ノ存在ヲ脅威セズ。却ッテ、世界平和ノ一翼トシテ、世界人類ノ安寧幸福ヲ保障スルモノニシテ、日本天皇ノ真意全ク此ノ外ニ出ヅルナキヲ理解スルノ雅量アランコトヲ希望シテ止マザルモノナリ。


大東亜共栄圏の存在は、あたかも卿等に その存在で脅かそうとするものでは無い。むしろ、世界平和の一翼として、世界人類の安寧幸福を保障するものにして、日本天皇の真意は全くこの外に出るものでは無い事を理解する雅量がある事を希望して止まない。


飜ッテ欧州ノ事情ヲ観察スルモ、又相互無理解ニ基ク人類闘争ノ如何ニ悲惨ナルカヲ痛嘆セザルヲ得ズ。


ひるがえって欧州の事情を観察すると、相互無理解に基づく人類闘争が 如何に悲惨かを痛嘆する。


今「ヒットラー」総統ノ行動ノ是非ヲ云為スルヲ慎ムモ、彼ノ第二次欧州大戦開戦ノ原因ガ第一次大戦終結ニ際シ、ソノ開戦ノ責任ノ一切ヲ敗戦国独逸ニ帰シ、ソノ正当ナル存在ヲ極度ニ圧迫セントシタル卿等先輩ノ処置ニ対スル反撥ニ外ナラザリシヲ観過セザルヲ要ス。


今、ヒトラー総統の行動の是非を云為はしないが、第ニ次欧州大戦開戦の原因が、第一次大戦終結に際し その開戦の責任の一切を敗戦国ドイツに帰し、その正当な存在を極度に圧迫しようとした 卿等先輩の処置に対する反撥に外ならない事を観過出来ない。


卿等ノ善戦ニヨリ、克ク「ヒットラー」総統ヲ仆スヲ得ルトスルモ、如何ニシテ「スターリン」ヲ首領トスル「ソビエトロシヤ」ト協調セントスルヤ。


卿等の善戦により 苦労してヒトラー総統を倒せたとしても、如何にしてスターリンを首領とするソビエトロシヤと協調しようとするのか。


凡ソ世界ヲ以テ強者ノ独専トナサントセバ、永久ニ闘争ヲ繰リ返シ、遂ニ世界人類ニ安寧幸福ノ日ナカラン。


およそ 世界を強者の独専とするならば、永久に闘争を繰り返し、世界人類に安寧幸福の日など来ないだろう。


卿等今、世界制覇ノ野望一応将ニ成ラントス。卿等ノ得意思フベシ。然レドモ、君ガ先輩「ウイルソン」大統領ハ、其ノ得意ノ絶頂ニ於テ失脚セリ。


卿等は今、世界制覇の野望が一応 まさに成ろうとしている。卿等の得意そうな顔が浮かぶ。然れども君の先輩「ウイルソン」大統領は その得意の絶頂に於て失脚した。


願クバ本職言外ノ意ヲ汲ンデ其ノ轍ヲ踏ム勿レ。


願くば本職言外の意を汲んで、その轍を踏むなかれ。


市丸海軍少将




--- 以上 本文終わり ---




この書を読んで思う事を語る前に 時系列を整理しておきたい。 


市丸少将が硫黄島に赴任したのは     1944年8月


市丸少将が硫黄島で戦死したとされる日は 1945年3月17日


ルーズベルト大統領が死んだのは     1945年4月12日


ヒトラーが死んだのは          1945年4月30日




で、何を言いたいかというと…


1944年8月に硫黄島に赴任し、その後半年間 硫黄島という けっして情報が豊富とは言えない隔絶された地にいながら、死を前にして上記の様な書を認められる その見識の凄さに驚いた。


天皇に関する記述は 当時の時代思想を考慮しないと 単純に右翼思想の権化で参考にもならない…と 左巻きの連中は そこだけで駄文と決めつける。


だから、その部分に どうこうと注釈したり、議論したいとは思わない。


へそ曲がり的に この書は市丸少将の「最後っ屁」と自虐した受け取り方をする人もいる。


が、私は その意見には同意できない。^^;


が、百歩譲って「最後っ屁」だったとしても…


この書の様に 格調の高い「最後っ屁」を書ける現代日本人が何人いるのだろう?


そこが重要なんだ。




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 気が向いたら…で結構です。^^;

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コメント

すごい文章ですね、これ。なんだか、預言書みたいです。
スターリン率いるロシアを中心とした社会主義国との冷戦、それに続く現在までの戦火。市丸少将のこの文章をルーズベルトを筆頭とするアメリカ首脳陣がどういう気持ちで読んだのかは全くわかりませんが、少なくとも「願くば本職言外の意を汲んで、その轍を踏むなかれ。」という彼の願いが受け入れられたとは到底思われない現状です。当時のアメリカ人から見た有色人種は下等生物かもしれないけど、その下等生物のほうがよっぽど長い目で世界を俯瞰していた。それを少しくらいは心に留めて置いていただきたいと思います。

そして、今、日本人であるならばこの文章の真意をもう一度確認すべきところです。あの戦争は、結局なんだったのか。良い点も悪い点も全て含めて冷静に、いい加減総括していただきたい。そして、靖国神社についてもそろそろあり方を見直していくべきと思います。
過激な意見かもしれないですが、私は靖国神社を宗教法人とするのではなく、神道形式の国有の慰霊施設にすべきだと思います。先日の「硫黄島 戦場の郵便配達」を見ていて思ったのですが、遺族方も戦友の方々ももうご高齢です。将来的に、今のままの靖国神社を存続できなくなる恐れもあります。こういうことは国が筋を通すべきだと思うから。国のためにと言って亡くなった方に対して、国家が最高の栄誉を持って祀るのは当然のこと。他の国にとやかくいわれる筋合いのないことです。そういうことを、なんで声高に言ってはいけなんでしょう? この国のマスコミは不思議です。


お願い;上記の中でふさわしくないものがありましたら問答無用で削除してください。お願いします^^;

ブタネコさんへ
ブタネコさんの訳文は市丸中将の文章の格調高さを損なわず見事な現代文訳です。昔仕事の関係で英文を日本語文章にするのが大変難しかったことを痛感していますので、この訳文に感心しています。
一つだけ’克くヒトラー総統を倒せたとしても’のところを’苦労してヒトラー総統を倒せたとしても’にすると全文わかりやすくなると思います、僭越で申し訳ありません。
ブタネコさんと同様に、僕もこの文章読んで、そこに潜む市丸中将の知識の豊富さに驚いています。

★ しき さん

>すごい文章ですね、これ。なんだか、預言書みたいです。

自らの死を前に 端然と よくこれだけの書を書けるもんだと思います。

僭越ながらと思いつつ ブタネコ的訳文をタイプしていて目頭が熱くなりました


>そして、今、日本人であるならばこの文章の真意をもう一度確認すべきところです。あの戦争は、結局なんだったのか。良い点も悪い点も全て含めて冷静に、いい加減総括していただきたい。そして、靖国神社についてもそろそろあり方を見直していくべきと思います。


沖縄戦の太田中将の電文と この市丸少将の書は教科書に載せるべきだと私は思います。


>国のためにと言って亡くなった方に対して、国家が最高の栄誉を持って祀るのは当然のこと。他の国にとやかくいわれる筋合いのないことです。そういうことを、なんで声高に言ってはいけなんでしょう? この国のマスコミは不思議です。


全く、その通りだと思います。


★ タンク さん

御教示の件 早速、修正させて頂きました。

ありがとうございました。^^

ブタネコさんへ
今日渋谷で映画を見てきました、せっかく渋谷に出たのでもう一本見る予定でしたが、余韻を大切にしたくてそのまま帰ってきました。帰りに本屋に寄って甥にプレゼントしたため手元に無い’散るぞ悲しき’を買いました。もう一度この本を読みたくなるような気分にさせる映画でしたよ。時々すすり上げる声も聞かれるほど良い映画だったのに馬鹿な観客が2組いて気分を害しました。気分が悪くなるので言及はしませんが来年観客が少なくなる頃もう一度見に行きます。市丸少将は少ししか出ませんでしたが栗林中将と二人が画面に並ぶシーンでは感動しました。この映画の記事も必ず御願いします。

★ タンク さん

ほぅ、御覧になりましたか^^

で、そうですか 良かったですか^^

私の友人達の評価も高いのでウズいています。

もちろん見たら 記事書きますよ

【※注意!!】

この記事は『ブタネコのトラウマ』の倉庫に保管されている記事なのでコメントの投稿は出来ません。 2015年2月10日以降 このクソブログは『ブタネコのトラウマ・リニューアル版』に移転しましたので新規記事更新及び、過去記事へのコメントの受付もそちらで行っておりますので お手数ですが、そちらへの移動をお願い申し上げます。