« のだめカンタービレ 第7話 | TOPページへ | 父親たちの星条旗 »

2006年11月28日

● 手紙


映画「手紙」を 映画館で見てきた。




2006年10月20日に この「手紙」の番宣DVDを見た際に、『手紙』という記事を書いた。


で、今日 主治医と映画館をはしごして数本の映画を見てきたのだが、その中から「手紙」について 個人的感想を述べてみたいと思う。


画像


映画を見て感じた最大の部分は


画像画像

画像画像

画像画像

画像画像

画像画像

画像画像

「沢尻エリカ」は凄いな… って事。


おそらく、彼女の実年齢ぐらいから 10歳上ぐらいまでの年代を 2時間前後の尺の中で見事に変化させて演じた部分、特に


画像

このシーンでの彼女が 私には最高に見えた。(ToT)


これって、視点を変えると 沢尻エリカが この先、女優を続けていき、10年後の歳になったとしても 今この時点で その世代を見事に演じる様を見れるという事は その頃にはどんな女優に成長してるのか? 言い方は悪いが「末恐ろしさ」を見せつけられた気にさえなったからだ。


これって、ホント凄い事だと私は思うんだ。^^


「若手女優に方言で台詞を言わせる会」会員としては 関西人が納得するか否かは別として、沢尻エリカだけが関西弁風の喋りをするのは大歓迎なのだが、設定として それが違和感…という声を耳にしたけど それって彼女が「一家離散し、ともすれば関東に逃げて来た」という意の表れ…って思えば 成程な…と、私は好意的に解釈する。^^


それと、陰に隠れて見落とされがちだと思うので 敢えて指摘しておくが…


画像

画像

漫才の相方を務めた「尾上寛之」の 特に刑務所慰問シーンでの 細かい表情の変化は実に見事。^^


将来的に 良い味のバイプレイヤーになるんじゃないかと個人的に期待する。


そして…


画像

「吹越満」はやってくれたなぁ…(ToT)


この「吹越満」の渋さが 最後をビシッと締めてくれて…


画像

「玉山鉄二」には感無量だ。(ToT)


と言うわけで、良い出来の作品に仕上がっていたと思うのだが…




まぁ、ブタネコとしては 手放しで全てを誉める気にはなれない^^;


「手紙」の原作は もう既に読んおり、その時に 原作に対して感じたのは、東野圭吾の視点の特殊さだ。


いろんな世間を賑わせた事件の結果、刑事事件の被害者や被害者家族の心情を もっと考慮すべきと騒がれ始めている中、加害者家族に焦点をあてる…


そう、まだまだ世の中には気づかれていない事が多いわけで、当然の如く 映像においては「加害者の家族も被害者」という帰結での表現が多く、見る側も その様に受け止める。


そういう視点での表現は斬新だと思うし、考えるべき問題だとは充分に思うのだが、ストーリー中の表現には なんか…、何かが違う様な気が私はしており、原作を読み終えて以後 ずっと、私は そういう感じで何かが引っ掛かっていた。


で、今日 映画を見て、その「何か」が少し判った様な気がしたのだが…


弟の進学費用を手に入れたくて兄が事件を起こした。


その事実は 情状的には考慮の余地があるかもしれない


でも、被害者にしてみれば そんなのは理由にならない。


「どんなアホでも 自分には身内」


親子兄弟の情を考えれば、兄が犯罪を犯しても その兄を庇ったり、慕うのは間違っていないし、今までのドラマの多くはそう言う表現で飾られてきた。


でも、親を殺された子供は 犯人に対し怒るのは当たり前、それよりも 殺された親自身が怒っているはずだ。


刑事事件の問題と、家族間の心情を考える時 加害者側と被害者側の情は真っ向から対立し、その溝を埋める事なんて不可能に近い。


「そこは当事者間で充分に話し合って相互理解を深めて…」


なんて言葉を飾って誤魔化すのは 良い人ぶった輩か、識者ぶったアホの その場凌ぎの台詞でしか無い。


さて、両親や兄弟が事件の加害者となったが故に 自分の人生に いろんな障害やハンデが生ずる… 主人公:直貴のおかれた状況がそれで この「手紙」という作品の柱となるストーリーでもあるわけだが…


加害者の弟という為に、大学に進学できず、大好きな人と結婚も出来ず、住む処を転々とし、仕事も満足に続かない…


原作や映像を見ていて 多くの読者や観客には すんなりと受け入れられたのであろう その流れに 私は、正直言って 少し違和感を抱いた。


例えば、こういう場合のif(もしも)は場違いと思いつつ あえて述べれば…


もし、「兄が事件を起こしていなかったら 弟は大学に行けたのか?」


「奨学金」とか「学資ローン」という例外はあるが、そういう機会に恵まれなければ 率直に言って どんなに頭が良くても お金が無ければ大学には行けない。


画像

もし「兄が犯罪者」じゃなければ 大好きな人と結婚できたのか?…


犯罪者云々…というのは 「貧富の差」とか「家柄」に拘るのと大差ない…と私は個人的に思う。


だから、それがネックになるのだとしたら、「兄が犯罪者」では無くとも「大学に行っていない」とか「職業的に…」とか「家柄が…」とか やがては、そういう別の理由でトラブった可能性は少なく無いんじゃなかろうか?


で、一番 引っ掛かったのが「犯罪者の家族」として 住む処を転々としなくてはならなかった…という部分。


狭い村社会なら充分に理解出来るが(実例も知ってるし)、それなりの都市部で 少なくとも一度の転居は必要かもしれないが、二度以上の転居の必要性が起き得るのか? それが私には判らない。


画像


「差別は当然なんだよ 

 どんな人間だって犯罪からは遠くに身を置きたいと思う

 犯罪者や それに近い人間を排除しようとするのは 至極、まっとうな行為なんだ」


という 主人公の務める会社の会長の台詞は おそらく原作の中で著者:東野圭吾が最も この作品の中で世に問いたい台詞なんだと思う。


「兄が犯罪者」と言う理由で 本人には不当と思われる配置転換が行われたのだと この会長の台詞は肯定したとも受け取れる。


だとすれば、それは「労働法」を得意とする「人権派弁護士」に相談すれば 喜んで一生懸命闘ってくれるネタとなり、雇用者側の会長が 物語の中で語るのは不自然に感じるんだなぁ…^^;


たしかに「身内に犯罪者がいる」という理由で 就職の機会に制限を受ける…というのは 実際に、いくつかの職業にある事を知っている。


だから、「ボクは~な職業に就きたい」と本人が願っても その職業によっては どんなに優秀でも希望通りに就けない現実は実際にある。


私が思うに この台詞は職場の上司が部下に言った台詞として東野圭吾は記述しているけど、これは 現在、服役中の囚人達にこそ 反省を促すために言うべき台詞なんだよね


ところが、主人公を諭す言葉として使われているから 主人公の被害者度が増す様に受け止められるだけで ベクトルの違う方向に作用している様に思える。


つまり、「罪を犯す」という事は 被害者や被害者の周囲を不幸にするだけでは無く、加害者の周囲をも不幸にする。


だから、犯罪を犯すのは良くない事なのだ…


という「啓蒙」的表現のはずなのに 単なる「可哀相話」のネタに終わる可能性が高い…という事。


画像

主人公の娘が公園に現れたのを見て そそくさと子供を連れ帰る親達…


理由は千差万別だが、こんな光景は 今ではどこにでもある風景なのだと聞く


これって、連れ帰る親が自分の子供に「虐め」を薦め、教えているのと同じだよね。


この映像のシーンを見て、「可哀相」とか「酷い」と泣いている人でも 現実に、自分の子供に「あの子と遊んじゃダメよ」なんて指導(?)してたりするわけだ。


「手紙」という映画を見て


「重いテーマに いろいろと考えさせられました」


という感想を もっともらしく述べるのを耳目にするが


「考えさせられました」


と言うクセに


「で、どんな結論が出ました?」


と、尋ねると


「難しい問題ですね」


そう応えるのが 最近の一般的な「大人な対応」みたいだが…


結局、「考えた」と言っても、自分の意見をハッキリ言えないのでは「考えたフリ」をカッコつけただけで「考えて無い」のと同じ…と思うべき。


で、私は 加害者本人に対しては冷酷と思われるぐらい差別はあって当然と考えている。


しかし、加害者の姉弟や子供は まったく関係無いと 事件や加害者とは区別する。


けれども、加害者の両親に対しては 余程の理由が無い限り、侮蔑する。


どんな犯罪であろうとも その加害者が自分の子供である親が、その子供(加害者)を庇護するのは親として当然だ。


であるが故に 庇護する以上は、子供の罪に対しても 親も責任を抱くのが当たり前だと思うから。




さて…


最後に ちょっと違う話を述べておきたい。^^;


この記事を ここまで記述するにあたって使用した画像は 映画館で盗み撮りしてきたわけでは無い。^^;


これは「手紙」の番宣DVDより引用したものである。


つまり、何を言いたいかというと^^;


番宣DVDが 如何にネタバレの宝庫だったのか…という事。


映画本編の出来は 先にも述べた様に なかなか良い出来だと思っている。


けれども、こんなネタバレ満載の番宣を行って 映画館で何の割引も無ければ1800円も入場料を取る… それってアリなのか? それを最後に指摘して この記事の終わりにする。^^;



お駄賃

 気が向いたら…で結構です。^^;

 この記事への御駄賃がわりに下のバナ-のいずれかを クリックして頂けると嬉しいです。^^
 (全部、クリックしてくれると もの凄く嬉しいのは事実です。^^)

ブログランキング・にほんブログ村へ Blog Ranking 人気映画・TVBLOG blogram投票ボタン BlogPeople「自分のこと」部門にクリック BlogPeople「テレビ」部門にクリック BlogPeople「映画」部門にクリック

『尾上寛之』関連の記事

コメント

一応、大阪語ネィティブですが、この映画の狙いとして何故、大阪語にしなければいけないのか意味がいまいちわからず、変なイントネーションが気になって筋に入っていけなかったと思います。用は中途半端で、大阪語を使いたいのであればキャスティングを考えるべきだったでしょうし、「沢尻エリカ」を起用するのであれば、大阪語にこだわる必要はないのではと思います。冒頭のリサイクル工場、茨城だか、栃木に何故大阪のおばちゃんがいるのかもわからなかったし。『パッチギ』の時の京都語がほぼ完璧だったので、『手紙』でもいけると思ったのでしょうが、なかなか難しかったようですねぇ。

★ 謎の大阪人 さん

コメントありがとうございます。^^

>この映画の狙いとして何故、大阪語にしなければいけないのか意味がいまいちわからず

弁護や擁護をするつもりは全くありませんが、個人的に思うには 沢尻エリカが演じた女の子は親が借金で追われて夜逃げした…ってな過去を持つ設定だったので 地元の子では無く、遠くから来た子…という意味を含ませたくて関西弁(もどき?)にしたんじゃないでしょうか?


私は この「手紙」より後に見た数本の映画で 正直言って現在は「沢尻エリカ」ヒャッホイ度が激減している状態なんですが、この「手紙」での演技は そんなに悪くは無いと感じていたんです。

が、この映画は映画館で一度、見ただけなので その時は関西弁(もどき?)に違和感を抱きませんでしたが、願わくば 具体的にどの台詞が特に変なのかを御教示頂けますならば それを参考にDVDを再見してみたいなぁ…と思う次第です。^^

管理人さん、どうも、すばやい、レスに舌を巻いています。

>私は この「手紙」より後に見た数本の映画で 正直言って現在は「沢尻エリカ」ヒャッホイ度が激減している状態なんですが、

作成順と、公開順が一致しないのでわからないのですが、「手紙」より後に見た数本の映画とはどれでしょうか?(たとえば、オトシモノとか?)

>願わくば 具体的にどの台詞が特に変なのかを御教示頂けますならば

一番の問題は、イントネーションだと思います。
アクセントがそれらしいと、大阪語のように聞こえるのですが、
イントネーション(音の上がり下がり)は難しいみたいです。

冒頭の、バス中での会話、
「そんなんやないです、春やし、っと思って」
これを聞いて、この子は、京都の子の設定かと思いましたが、それ以降は、そうではないように聞こえました。

「春やし」の「し」の音が上がったのが気になりました。

まあ、こんなことの積み重ねで、こりゃ、おかしいでぇっとなるわけです。

せめて、結婚した後の大阪ニュアンスぐらいにとどめておけば、目を覆いたくなる状態にはならないのですが...

制作時間の問題なのでしょうか?
「パッチギ」の時は、聞いていて苦にならない、気にならない、という状態」だったので。

★ 謎の大阪人 さん

いえいえ、こちらこそ再レスありがとうございます。^^

>「手紙」より後に見た数本の映画

「間宮兄弟」「オトシモノ」「シュガー&スパイス」「天使の卵」

って順ですね。

>これを聞いて、この子は、京都の子の設定かと思いましたが

あ~ 成る程、そこは記憶があるし 同様に感じましたね^^

そうですね、中盤 終盤の台詞回しを考えると地域がゴチャ混ぜですね^^;

>制作時間の問題なのでしょうか?

制作者の姿勢の問題のように私は感じますね


御教示を参考に 機会を見つけてDVDを再見してみようと思います ありがとうございました。^^

最近ブログを見させてもらいました。ホワイトアウトで吹越満の演技に言及されているのを見て共感しました。
あの作品で、最も印象的な演技者といえば、織田裕二でもなく佐藤浩一でもなく吹越満だと思います。
しかし、そのことをいくら語っても、嫁にも家族にもわかってもらえませんでした。(基本的に嫁も娘も織田裕二ファン)
また、今回「手紙」についてのご意見の中で、沢尻エリカについて語られるところ、尾上寛之について触れられていることにびっくりしました。
彼らは確か「パッチギ」で競演していたはずですが、その時はあまりいいとは思いませんでした。
しかし、「手紙」を見て、私も沢尻エリカに感動しました。まったく同感です。
尾上寛之にしても、いい役者だと感じました。
その後、テレビにも出ていますけれども、今後を期待したいと思います。
たまたま立ち寄った映画のコメントで、共感できる内容に触れてありがたく思います。

★ 齋藤龍彦 さん

>ホワイトアウト & 吹越満

私には 織田裕二よりも、そして松島菜々子よりも 吹越満のインパクトが一番大きかったので そのままを記事で述べただけです。^^

>沢尻エリカ

この「手紙」では 上の記事本文中で述べた事を感じたのですが…(以下、省略)

>尾上寛之

この俳優さんは 歳を重ねる毎に良い味を出していくと私は信じています。


【※注意!!】

この記事は『ブタネコのトラウマ』の倉庫に保管されている記事なのでコメントの投稿は出来ません。 2015年2月10日以降 このクソブログは『ブタネコのトラウマ・リニューアル版』に移転しましたので新規記事更新及び、過去記事へのコメントの受付もそちらで行っておりますので お手数ですが、そちらへの移動をお願い申し上げます。