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2006年10月19日

● 逃亡者


2004年7月~9月期にTBS系で放映されたドラマについて語ってみる。




この作品はオンタイム時に見ていない。


と言うか、この作品と同じ時期に放送された


「東京湾景」「世界の中心で、愛をさけぶ」「君が想い出になる前に」「ラストプレゼント」「人間の証明」等 どれも、当時 オンタイムでまともに見続けた作品はひとつも無い。^^;


今回、この

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「逃亡者」を あらためて見ようと思った理由は「長澤まさみ」と「黒川智花」が出演していたと知ったからなのだが…


「逃亡者」というタイトルを聞くと 今から40年以上前に大ヒットした米ドラマを思い出すのが私の世代^^;


リチャード・キンブルという有能な医者が ある日、帰宅してみると妻が殺されており、逃げる義手の男と遭遇する。


しかし、警察は義手の男の存在を キンブルのデッチあげと真剣に取りあわず、キンブルは逮捕され死刑を宣告されるが 移送中に車両が事故に巻き込まれ、キンブルは逃亡者となり、やがては自らが真犯人を捕らえて身の潔白を証明しようとする。


この時、キンブルに対する敵役が ジェラード警部で、執拗にキンブルを追い続ける…という流れのストーリーで これは1993年に「ハリソン・フォード」がキンブル 「トミー・リー・ジョーンズ」がジェラード警部役でリメイク映画が制作されたが この映画の出来もなかなか良い。


さて、今回 私が語るのはTBS系で リメイクの様な「もどき」版のTVドラマである。


で、まずは お目当ての


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「長澤まさみ」だが…


髪がショートカットなのを 今、思えば これは映画「世界の中心で、愛をさけぶ」後の 出演作だったんだなぁ…


この作品がオンタイム時は 私は「世界の…」の原作を読んで駄作と感じていたから 映画ももちろん見ていなかった。


だから「長澤まさみ」の存在すら知らずにいたわけで…


この「逃亡者」を オンタイムで見ていたら、映画版「世界の…」を見て無くても


「お? この娘 良いなぁ…」


間違い無く、そう思っていたと思う。^^;


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芝居的には粗も目立つが 何気ない仕草に、彼女独特のオリジナリティが感じられ「この娘」が他の役柄を演じると どんな演技を見せてくれるのだろう? そんな期待が感じさせられるからだ。


そして


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「黒川智花」も なかなか良い。


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役柄的に悪系なので 初見で この役柄だと普通はイメージ的にマイナスに映るのかもしれないけど へそ曲がりな私には「お、この娘 良いニヤリが出来るじゃねぇかぁ…」って感じで 好印象だったと思うのね


だから、きっと「逃亡者」をオンタイムで見ていたら その後のTV版「いま、会いにゆきます」での評価や 「雨と夢のあとに」を 間違い無くオンタイムで見ていたはずだ。


そう思うと 少し残念ではあるのだが、まぁ 今更 何を言っても仕方が無い。^^;




さて、「逃亡者」DVD5枚 全11話を一気に見た。


【注意!! 以下の記事はネタバレ満載です。】


1回目に見た時は なかなか面白いドラマだったと思った。


けど 見終えた後にザラザラと引っかかりを感じ、2回目に見た時に そのザラザラの理由が自分なりに判った。^^;


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キャスティングは悪くない


ストーリー全体の構成も そんなに悪くは無い。


でも、ザラザラするのは何故か?


「ミスディレクション」とか「ミスリード」という言葉(手法)がある。


「ミスディレクション(misdirection)」というのは 読者や視聴者の注意や視線を、注目されると都合の悪い部分からそらせる手法で 「ミスリード(mislead)」は 読者の目を眩ましたり、誤った解釈に誘導するような手法の事


ミステリーとかサスペンス系の作品では 作者の仕掛ける「ミスリード」や「ミスディレクション」が巧妙だと作品のティストは上がるが、料理の香辛料と同じで 入れすぎると全体の味付けが崩壊する。^^


例えば この作品は当初 登場するキャラクターを 主人公である永井(江口洋介)の敵か味方かという印象付けを行い、その結果「敵=悪=もしかしたら犯人?」という図式で展開する。


その最たる人物が


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ジェラード的存在の峰島(阿部寛)で 7年前に息子を殺され、その時の犯人が少年で 担当した保護観察官が永井… というのは、設定上のミスディレクション


ゆえに、峰島は永井に悪意を持っていて当然…と 視聴者をミスリードし、


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バナナガムのシーンを布石に


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という画像を組み込んで「犯人は峰島」と 一時的に視聴者を騙すのは充分にアリだとは思う。


その為に、わざわざ「峰島は元狙撃手だった」なんて念を入れた設定を放り込むのもアリかもしれない…が、


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もう一回、この画を見て 前後のいくつかの台詞を思い出すと…


「約100mの距離をライフルで撃つ」という事に わざわざ「峰島は元狙撃手だった」なんて念を入れた設定を放り込む必要は無い。


ましてや、落ち着いて考えれば 根本的にライフルを持ち出す必要は無い。


私は「綾瀬ヲタ」で「横溝ヲタ」でもあるが「軍事ヲタ」でもある。^^;


知らない人に言わせれば「つまんねぇとこに拘るなぁ」と笑われると思うけど 物語の粗って こんなところから綻びが生じるものなのだ。^^;


まぁ、その辺のところに詳しくない制作者が 御都合的に放り込んだと思えば まぁ、笑って看過すればいい話。


けどね、この「逃亡者」の制作者達は 大きなミスと言ってもいいぐらいの粗(アラ)を序盤で いくつも残している。


たとえば、どうでも良い話なのだが…


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第1話の冒頭近く 事件が起きる前、永井が自宅を出る時に 自宅の横で草刈り作業をしている人物が少なくとも2名映っており、


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そのうちの一人は その後、雨が降りだし 事件が発生した時にも映っている。


映像の時系列から言って この作業員は直接の実行犯では無い。


しかし、わざわざアップのカットを入れるなど 何かの意図が込められているのだが、全編を見終えて その意図は全く意味が不明だ。^^


で、個人的な感想を言えば もしかしたら、この作業員は犯人グループの一人という設定だったのかもしれない。


と言うのは、通常 世間が大騒ぎする様な事件が発生し、その家の横で事件前から事件直後まで草刈り作業をしていたならば 少なくとも これが実際の事件であったならば TBS系のニュース番組に「事件の時、家の横で作業していた目撃者」として


「オラ、見ただよ 向こうの山から オレンジ色のデッカイ火の玉が

 フワフワとおかしな動き方をしながら コッチに向かって飛んで来るのをよ…」


なんて話を語っているはずでしょ?


で、上の画では判り難いのだが これは実は「津留」でした… なんて仕込みだったのならば「くわぁ~ ヤラレた」って唸ったのにね^^; この第1話の演出家は実に残念だったね^^


で、最もザラザラした部分が


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第1話の事件直後、妻は死に 息子は手術中の待合室で 永井と義父が会話をするシーン ここで、義父は


「何をやってたんだ君は? なんで二人を護れなかった? どうしてこうなったんだ?」


と、永井を怒鳴りつける。


初見の時は 亡くなったの妻の父が婿にあてる台詞として違和感は無かった。


でも、1回 全部を見終えて、再び このシーンを見ると


「こんな台詞 違うだろ?」


と、物凄く違和感を覚える。


それは この院長が実は…って事を知ってるから 違和感に…という意味では無い。


この院長は実は…なんだから、だとすれば こういう場面では この怒鳴りつける台詞にはならないだろ?という意味だ。


で、2話以降「日記を読んで 君達が愛し合っていたのが よく判った」なんて理由で義父(院長)は


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逃走資金を渡したり ひどく永井に対して好意的になる…という設定を考えれば この最初のシーンで既に好意的な態度を示す方が自然と思う。


では、なんで怒鳴りつける脚本・演出なのか?と言えば この事件直後、永井の味方は弁護士の東ぐらいしかいなかった…という 永井の孤独感を際立たせたかったのかなぁ?というのが好意的な解釈なのだけど、これは あくまでも初見の時の その場限りの印象であって 全体を考えた時、巧い演出構成とは絶対に言えない。


つまり、一話毎にのみ演出構成を考えるばかりで 全体の構成にまではあまり注意が行き届いていない事を如実に示す一例だと思う。


だからこそ、本当なら最終話の後半30分は 「くわぁ~ そうだったのかぁ…」と唸らされてもいいはずなのに


「なんか、ボケたエンディングだなぁ…」


って感じで終わってしまったのだと私は思う。


要するに、院長の心理描写や状況描写が 実に御都合…って感じだったからだ。


同じ事は「片平なぎさ」が演じた看護師長にも言えるわけで、第9話以降の看護師長の状況や台詞には 疑問や違和感ばかりが大きく、説得力が無い。


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最終回の「長澤まさみ」と「黒川智花」のシーンは 個人的には映像だけは興味深かったけど、内容的には これも実に御都合で^^;


特に「黒川智花」の劇的な変化は 綺麗事ばかり言ってるTBSの報道っぽくて鼻白む。^^;


で、一応 北海道人、札幌在住者として どうしても触れておかなければならないのは


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苫小牧のフェリー埠頭から「札幌市清田区」の原田電子工業(義手の会社)に向かう永井のシーンで映る上記の映像は 私の個人的見解から想像で述べれば「早来町」「由仁町」「厚真町」といった地域だと思う。


なんで、札幌の清田区なんて地名が登場したのか その因果関係は判らないけど、実に いい加減な風景描写だな…^^;


最初にも言ったけど 一回目に見た時の「逃亡者」は そこそこ面白くは思えたの、でも、二回見直すと もう、演出・脚本が 1話毎に無理矢理エピソードを仕立てて 全体の流れよりも各話毎のティストにばかりに夢中になっている様が まざまざと判ってしまい興醒めなんだな


で、この「逃亡者」の演出と脚本は誰?と 調べてみると演出の「平野俊一」とか「山室大輔」って TV版の「いま、会いにゆきます」を担当した人達で 脚本は「渡邊睦月」なのね^^;


成る程なぁ… 「逃亡者」を1回しか見ずに「凄い面白かった」なんて誉める声ばかりを「高い評価」と解釈して「あの 大ヒット”逃亡者”のスタッフが…」なんて前フリで その後、コケたスタッフ達か^^; じゃぁ、しょうが無いな。^^




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