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2006年10月16日

● 有人ロケット戦闘機 秋水


先日、掲示した『俺は、君のためにこそ死ににいく』と言う記事に寄せて頂いたラヴァさんのコメントで御紹介頂いた本が届いた。




表紙

大日本絵画:発行 柴田一哉:著 ISBN4-499-22889-1 定価3800円税別


この本を読んで まず、感じた事は 以前、記事を掲示した


  参考記事:『軍艦武蔵 全2巻


と言う本を読み終えた時と似た様な気持ちになった…という事。


兵器開発は 現代では一般的とも言える幻想平和主義的思想から言えば、それは邪悪な行為であって、理解され難い問題と言えるらしい。


しかし、戦争中の人々にとっては 敵に負けぬ為に、より強力な兵器の開発は自分達の為であり、国の為の 充分に情熱を傾け、身体を張る立派な理由と言える。


あくまでも、現代の物差しでは認められないからと言って、かつての若者達の行動までをも否定するのが 果たして正解と言えるのか? 戦争がらみの話題に触れると 常に現代の物差しで推し量る事しかしないアホの解釈を聞くだけで ハラワタが煮えくり返るばかりだ。


で、ひとつ考えてみて欲しい。


「秋水」と名付けられた機体は 当時としては未知の分野だったロケット・エンジンを搭載した戦闘機だが、それが兵器という事は ちょっと棚に上げて考えてみて欲しい。


ドイツまで連合軍の目をかいくぐって 数ヶ月の行程を潜水艦が往復し、その設計図を持ち帰ろうとするが、潜水艦は台湾とフィリピンの間まで戻りながらも そこで撃沈される。


シンガポールで潜水艦を下り、輸送機で帰国した人員が持ち帰った設計図は完全な物では無く、その機体を作り上げるための部品も 当時の日本の技術では用意したり、造り上げる機械の無い物があったけど、それを別の物で補う 創意工夫の力は日本人にはあった。


そして、造り上げた試作機を 身の危険も省みず、搭乗したパイロットは 試験飛行の最中に不具合が発生し、本来なら海上に逃げるべきところを 試作機を無駄にせぬようにと飛行場に還ろうとして不時着・大破し殉職するも 大破した機体を詳細に調べた結果、欠陥を発見する事が出来、改良を重ねて量産への道が開くはずだったが 時既に遅く、終戦となる。


で、さらに 考えてみて欲しい。


長い道のりを 敵の目をかいくぐって往復し、撃沈された潜水艦の乗組員達は 自分達の行動を どう思っていたのだろう?


不完全な資料を基に 機体を造り上げようとした技術者達は 自分達が造り上げようとする機体に 何を思っていたのだろう?


その結果、出来上がった試作機に搭乗したテストパイロットは その機体に どんな想いを抱いていたのだろう?


で、ひとつ 私は個人的な推論を述べる。


日本本土を空襲したB-29という爆撃機は高々度飛行が可能のため 日本の戦闘機が どんなに優秀だったと言っても その高度まで簡単に上昇できて迎撃できる機体は数少なく、出来たとしても その戦闘機に必要とする純度の高い航空燃料には限りがあった。


そこに、短時間の飛行時間しか有す事は出来なくとも 大口径の機関砲を積んで、短時間で高々度まで登る事が出来、かつ 従来の燃料とは違うもので飛行が出来る機体として、完成の暁には 充分、B-29を迎撃出来る… そんな機体を持てれば、市街地を爆撃から護る事が出来る。


その為になら 身を捧げても構わない… 没していった潜水艦の乗組員や、テスト・パイロットの そんな意思を感じてならない。


結果的に彼らの献身は 時期が間に合わず、願いは叶わずに今日に至る。


しかも、彼らの事は忘れ去られ 現代の風潮からは「愚かな行為」と触れられる事すらタブーに近い。


この「有人ロケット戦闘機 秋水」という書には そんな彼らの行動や想いが、脚色無しで書き綴られている。


言い換えれば 彼らの歴史が刻まれている。


それが、現代の風潮で認められるか否か?なんて事は どうでも良い。


重要な事は 彼らにとって 正確な事実が刻まれており、それこそが「歴史」だという事。


そして、この本には1枚のDVDが付録されており、そのDVDのメインメニューは


画像


となっており、その中の


画像

『B-29ヲ迎撃セヨ!』は フィクション動画ではある。


けどね、この動画で描かれている事はフィクションではあるが 紛れもない「鎮魂」である。


この「秋水」開発に命を懸けた者達の想いが描かれた動画 現実では無くとも、「こうなってくれれば身を捧げて本望」 そう想い描いていたに違いない映像が そこにあった。


これは珠玉の映像だ。


燃料を使い切り、滑空状態の秋水を護衛する戦闘機が 敵が去るのを確認した後、秋水と擦れ違い様にバンクを(機体を左右上下にパタパタと)振る それは「良くやった」と言う意味でもあり、「頑張れよ」という意味でもあり それに片手を上げて応える秋水のパイロット…


もうね、この動画だけで 先日見た「出口のない海」に支払った映画代以上の価値があると 私は確信する。


この本の存在を教えてくださったラヴァさん 本当にありがとうございました。


そして、この動画を制作されたTochyさん 本当に御苦労様でした。




お駄賃

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コメント

ブタネコさんへ
こんな記事読まされたら、手元に置きたくなります。軍艦武蔵と同じ読後感だそうで、期待大です。早速馴染みの本屋に電話したら在庫が無くて取り寄せになるとのこと、1週間から10日かかるそうです。アマゾンだともっと早いでしょうが、近所の本屋を大切にしないとね、潰れると困りますから。

★ タンク さん

お騒がせして申し訳ありません^^

でも、私には この本と付録のDVDが圧巻で 買って良かった… 本当に そう思えた一冊です。

ブタネコさんも本文、付録共に満足されたようで嬉しいです(^_^)。
秋水は渡辺洋二さんの「異端の空」だったかでも取り上げられていたと思いますが、この本の真摯な姿勢には感銘を受けますね。
「事実」を掘り起こす事とは容易ではないという事が、私でも痛感するような内容です。
これを読めば「秋水?ああMe163のコピーね」と軽々しく言えなくなると思います。

Tochyさんの動画ですが、おそらくMe163やMe262の実戦投入された記録を基に再現されたのだと思います。
秋水と零戦の関係がMe262とFw190Dと似たような性格に描かれている点など。。
(エンジン加速性能が極端に低いMe262が飛行場周辺で食われるため、直衛で190Dが飛行場周辺を哨戒していた)
秋水の邀撃(ようげき)としてはベストオブベスト状態の再現ですが、短いカットどれもが見逃せません。
よく見ると、少なくとも秋水が最低5機は上がっていますね!
巧みなカメラワークなどTochyさんは天才だと思います。

零戦もおそらく横空あたりの手練が乗っているという感じで、私もバンクには感動してしまいました。
末期らしく「ロッテ」戦法ですし。。
この状況なら絶対にあり得るよな!!と涙が。。。。

乗っているであろう搭乗員は、零戦搭乗員でも最高で30歳前後でしょう。
秋水は20歳そこそこの若者達であったはずです。
いろいろな思いが交錯する余地のある、素晴らしい映像でした。

 クラヒー!! 全く同感です!

 有人ロケット戦闘機を「秋水」と名づけたことで、いかにこの戦闘機
に大きな望みを託していたかがわかろうというもの・・・。滞空時間は
短くとも、白刃一閃、B-29を真っ二つにたたっ斬ろうという切なる願
いが読み取れますね~。

FORREST

★ ラヴァ さん

バンクのシーンは 渋すぎですねぇ…

いや、ホント 素晴らしいものをご紹介いただき感謝申し上げます。


★ FORREST さん

感無量のDVDでした^^

ブタネコさんへ
昨日夕方、本屋からこの本の入荷の知らせがあり、早速手元におき一気に読ませていただきました。初見の感想は字が小さいです、なにせ寄る年波で老眼が進んでいるもので読むのに苦労しました。
読後の感想はまず写真に写っていらっしゃる人々の顔が良いと言うことと、この本の作者の熱意が感じられてすばらしい本でした、確かに軍艦武蔵の手塚氏と同じ熱さでしたね。早くしないと関係者の皆さんが鬼籍に入られてしまう中で良くぞこの本を完成させてくれたと感謝したくなります。こういうエピソードをもっともっと世に出してほしいですね、知られることも無く歴史の中に埋もれさせるのはいかにも惜しいです。これで名古屋に行く楽しみが一つ増えました是非秋水の実物を見てみたいです。

★ タンク さん

>写真に写っていらっしゃる人々の顔が良いと言うことと

ですよねぇ… 目は輝き、キリッとした表情ばかりですよね

今の若者達の表情に見つけるのが難しい… そんな表情ばかりなんですよねぇ…

ブタネコさんへ
2年半越しの願いがかなってやっと秋水に出会うことができました。ヤップ島で発見され復元された零戦と並んで展示されていて秋水は零戦と比べて一回り小さいですが30mmの機関砲は零戦の20mmと比べて存在感がありそれだけ秋水への期待がどのようなものか良くわかりました。感無量になりなんとなく去りがたく周りをグルグル何度も回っていました。TochyさんのDVDで飛んでいる姿を見たかったのですが東京に置き忘れて手元にないので願いが叶わず残念でなりません。

★ タンク さん

とうとう行かれましたか^^ 羨ましい。

【※注意!!】

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