● 利家とまつ
自称:国営放送と宣う放送局の昔の作品を引っ張りだしてみた。^^
「なんで今更、この作品?」と訝しがる方も多かろう^^;
今回、
これを取り上げたのは ある竹野内豊のヲタの方からメールを貰い 拝読していて、フト思い立ち 竹野内のファンサイトをいくつか回ったところ…
この「利家とまつ」が 出演リストから抜けているサイトが わりと多いのね。^^;
で、私は それを批判したいのでは無く、あくまでも不思議に思ったので取り上げる事にしたのだ。
というのも、この作品が放映される前に「ビーチボーイズ」や「氷の世界」など 竹野内が主演となり 話題となった作品があり、それはそれで私も見ていて 竹野内自身を良い役者だなぁ…とは思っていた。
しかし、私の中で 真の意味で「お、コイツ良いなぁ」と感じたのは この「利家とまつ」における
前田利家(唐沢寿明)の
弟:佐脇良之 役を演じたのを見た時だったからだ。
この作品は
織田信長役の「反町隆史」と
前田利家の妻:まつ役の「松嶋菜々子」が話題で その陰にすっかり隠れた感はあるが
竹野内豊は なかなかの武者ぶりを好演し散っていったのだ。
ゆえに、もし竹野内ファンで未見の方は必見だと思うので御紹介申し上げる次第。^^;
さて、ちょうど良い機会かもしれないので ついでに歴史小説、特に司馬遼太郎についても 少し、私見を語っておきたい。
たとえば、現在 自称:国営放送と宣う放送局では
「功名が辻」という 原作:司馬遼太郎の作品が放送されている。
で、この「功名が辻」を見ていると 私なんぞは ちと不思議に思う事がある。
それは 北の政所と呼ばれた豊臣秀吉の正妻「ねね」の相談相手として 山内一豊の妻「ちよ」が描かれており、この「功名が辻」に 前田利家の妻「まつ」は出てこない。
「利家とまつ」は竹山洋が原作だから 原作者の認識・設定の違い…と言えば それまでなのだが…
「国盗り物語」で 司馬遼太郎は斎藤道三を 最初は僧侶から油問屋の主人となり、美濃の家老となって国主となる…と描いているが、この作品の中で 油問屋:山崎屋の女主人「おまあ」なる人物や 番頭で、かつ後の道三の側近となった人物など 架空の人物ながら、物語の中に とても重要なキャラクターが登場する。
「坂の上の雲」という作品では 日清、日露戦争の時代を通じて それぞれ海軍と陸軍の幹部として重要な働きをした秋山兄弟を描いているが、その話中で 正岡子規や夏目漱石や 児玉源太郎や乃木希典などを 司馬独自の視点で見事に描いている。
また、「竜馬がゆく」と言う作品では 文字通り「坂本竜馬」の生涯を司馬の視点で見事に描いてもいる。
で、何が言いたいか…というと 司馬の作品は物語としては とても面白い作品が多い事は素直に認めたい。
視点も独特で描写も秀逸だと 本当に思う。
ただ、であるがゆえに 司馬の作品の中に登場する架空の人物が実在していたと誤解する読者や 司馬の描いた児玉や乃木や竜馬や道三達の描写が 正しい史実の姿なんだ…と誤解し、それぞれが歴史小説であるがゆえに 誤解した話を「正しい歴史」として認識してしまっている読者が沢山いる…って事を指摘しておきたいのだ。
例えば、坂本竜馬に惹かれて 個人的に研究しておられる方々は数多いる。
そういう方々の多くは「色々と調べてみると 司馬の描いた竜馬像はフィクションだ」と言う。
乃木や児玉についても そう述べる人が少なく無い。
斎藤道三に限らず、織田信長や徳川家康と言ったメジャーなキャラクターもさることながら、前田利家、山内一豊、伊達政宗、石田三成、淀の方… 司馬作品の中で描かれたキャラクターは あくまでも司馬の視点(想像)であって 事実とは認めにくい部分がある… そう述べる研究家は少なく無いのである。
あくまでも「フィクション」と割り切って 物語を楽しむ分には それはそれで文句を言うべき話では無い。
だから、私が申し上げたいのは ほんのちょっとだけを見て(読んで) 全てを判ったつもりになるのは とても危険で愚かなことだよ…という事。
「功名が辻」を見て 賢妻とはかくあるべき…と なにかを学ぶのは良い。
でも、「一豊の妻は 北の政所の重要な相談相手だった…」と信じ込むのは如何なものか…という事である。
なんで、こんな事を ちょうど良い機会として申し上げるかと言うと…
日本人ってのは とても単純でブームに流されやすい人が多いのね。
そのくせ 飽きやすく、アッと言う間に忘れてしまい、記憶の断片だけが残っていて それが誤解を生む基となりやすい人が多いからだ。
つまり、「あの司馬遼太郎の原作で 国営放送が嘘を流すわけが無い」なんて単純な根拠で「功名が辻」で描かれた世界が 戦国末期の姿だ… なんて単純に思い込むのでは無く、もし興味を抱いたのなら 他の作家が描いた同じテーマの作品を読んだり、山内一豊に関してであれば 長浜城や高知城跡の記念館や資料館を散策するも良し 色々と見て聞いてしてみると「実は…」なんて話が ゴロゴロと転がっているものなのだ。
で、それらを自分自身で咀嚼して 初めて「山内一豊と その妻は こんな感じの人だった」と想像が出来る。
それこそが 歴史小説を基にした旅の醍醐味なんだよ…
まぁ、それを言ってみたかったんだな 私は。^^;
