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2006年09月04日

● 雨と夢のあとに 第3-4話


腰を入れる…と言いながら、とりあえず1話と2話について サラッと述べてみたら 思いの外、反響が多かったのに驚いた。^^;




ま、他人がどう言おうと 私は私の持論を語る事にする。^^;


この「雨と夢のあとに」というドラマの根本的なコンセプトは 死んだ父親が何故、霊になって舞い戻ったのか?という点。


冒頭の流れとしては「たった独りで遺される娘が心配…」というのが その理由とされ、話中で霊となった父は娘に


「俺は 死んでもオマエを守る」


という台詞に凝縮されている。


御存じの通り、私には最愛の娘と姪がいる。


だから、そのコンセプトは 痛いほど判る。(注:私が”痛い”親父と言うのとは違う意味^^;)


この世に未練を残したままだと成仏できずに霊となって漂う…とは 昔から、よく言われてきた話ではある。


だが、たいてい その未練とは「恨み」であり、霊となって復讐する…という話から 基本的にホラー扱いとなる。


ま、もし霊が存在するなら たしかに、それも大いにアリであろう。


昔、私が敬愛する倉本聰は 彼のエッセイや、彼の作品の中の台詞として


「俺が もし、死んだら霊となり、

 通夜や葬式の時に 駆けつけた友人・知人が どれだけの香典を包み、

 どんな悲しみ方、もしくは「あ~、せいせいした」等の陰口を言うのか確認してみたい」


と語ったのを聞いた事がある。


その時に その倉本の心情に物凄く共感めいた気持ちを覚えたものである。


ちょいと以前、私は心臓が壊れ 三途の河原までピクニックに行った事がある。^^;


心電図はピーと 水平線を描き、聴診器を胸に当てても キュンとも言わない。


まさに臨死体験を経験した。


その時に 私、本人は どんな状態だったのか…


これは、余人に話すには あまりにも勿体ないので 余程、気が向かなければブログに書く気は無いけれど…


ま、父親なんてものは 娘への溺愛度が高ければ高いほど このドラマの父親のように想い描く事は あまりにもよく判る。


自分が霊だという事、つまり 父親が死んだ…という事を娘が知ると 父親はその場に霊として留まる事が出来なくなる… それが、この「雨夢」のルール その1でもある。


だから、父親は 霊として居続けるためには 娘に自分の死を知られてはならない。


しかし、死んだ者が いつまでも生者の傍に居続けるのは自然な事では無く、いつかは ちゃんと成仏しなければいけない…という 義務というか使命感の様な気持ちも抱いており、居続けたい・でも居続けちゃいけない… 霊である父親の気持ちは葛藤で揺れる。


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さて、第3話では… と言うか、このドラマの制作当初は 本当は もっとホラー要素が強い作品を予定していたのではないか? そんな感じが実は 私は内心感じており、現に1話より2話 そしてこの3話へと ホラー度はアップしている。


例えば、第2話のラストからの流れで


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柳ジョージと野中マリア(杏子)のジョイント・ライブを見ていたら トムと純が 朝晴(父親)が心配してるから帰れと 半ば強制的に 店から出される雨。


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夜道を ちょっとフテ腐れ気味に歩いていたら変な声が話しかけてきて…


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「私がアナタのお母さんよ」等と 訳の判らない事を言う霊が現れ


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走って逃げる雨。


その後、


「もしかしたら 実の母親が死んだ場所に行けば 自分の母親の霊と会えるんじゃないか?」と


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家庭教師の「真昼(浅見れいな)」から言われ、心当たりの 以前、病院だった跡地へと向かう。


で、この時 映像的小ネタがあるのだが どれだけの人が気づいただろうか?


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上の左の画像が 実際の画面。


で、その画面の右下の建物の窓のところを拡大したのが それぞれの上の右の画


そう、人影が 左から右へスッと移動しているのである。^^


他にも 病院跡で


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雨や真昼が 霊に襲われるが、


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親切な別の霊(高橋由美子)により助けて貰う。^^;


その間、父親の朝晴は隣人の暁子の協力で

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娘に霊だとバレない為の特訓を受けていたのだが…


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トムが乱入し、雨からの電話で 急遽、病院跡へと向かう…


この第3話のキモは


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幽霊ゲストの高橋由美子の 実に巧い演技と


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事実を打ち明けられたトムの 見事な演技。


特に、このトムの演技は実に秀逸で 先に述べたホラー色より、心情に重きを置いた話へと 全体の流れすら変えてしまったんじゃないか?とすら私には思えたぐらいなのだ。


正直言うと 私はこの「雨夢」の初見時 この第3話まではホロリとも泣いていない。


でも、この3話のトムに ちょっとジーンときて目頭が熱くされた。


と、同時に


「これ、ちょっと凄く良い作品になるかもしれない」


そんな感じが沸き、以後はグングン引き込まれる事になる。^^




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で、第4話だが…


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どう考えても マリアが雨の本当の母親なんだな…ってのは もう既にバレバレなので ここで述べてもネタバレと怒られないだろう…という事で^^;


このドラマの脚本が秀逸だなぁと思い始めたのは この第4話辺りから。


と言うのは 例えば、雨の実の母親がマリアだな…って事は 勘の良い視聴者であれば2話目のラストで


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雨がマリアにサインをねだる際に

「名前は?」

と、マリアに聞かれ

「桜井雨です」

と、応えた時の マリアの「え?」と見直す表情と その後の 美保純がマリアに迷惑そうな事を言う台詞でピンとくる。


でも、視聴者にとっては そこで既に「あ、マリアが実母か」と判ろうが判るまいが、実はどうでも良い事で…


重要なのは 


「マリアが実母だという事を雨には教えたくない…」


そういう意識が トムや純や 父親の朝晴にある…という事を 視聴者に暗示させる事にある。


その上で、それぞれが雨に知られまいとする仕草や台詞 にも関わらず、マリアは積極的に雨とコンタクトを取ろうとする…


その兼ね合いに「何故、実母と教えたくないのか」という部分が より、ミステリアスになる。


ところが、最近の間抜けな脚本屋や 認識のズレた演出屋だと、上に挙げた 視聴者が「あれ?」とピンとくる部分すらも もっと隠そうとしてしまい、隠す事ばかりに夢中になって ストーリーの本線をもすらねじ曲げてしまう。


しかも、そんなエピソードは 1回分の放送の中に せいぜい一つ、多くても二つあれば充分なのに 3つも4つも入れようと欲張り、結局は どのエピソードも薄っぺらな 無くても良いようなエピソードばかりになるのだ。^^;


その点、この「雨夢」の場合 概ね、一話完結のスタイルを取っているので 毎回、一つの回としての柱となるエピソードを設け、そのエピソードでは 死んだ父親が霊となって娘の傍にい続ける事によって どんな良い事と悪い事が生じるのか?という点を視聴者に考えさせる。


つまり、第1話では 警官の霊が何故成仏できず、そして成仏できたのか? その流れの中に本来 人が死んだら成仏すべきなんだ…という点を示し 第2話では女学生の霊のエピソードで その検証をする。


そして、第3話のエピソードでは 病院に居た女の霊の自戒の台詞で 霊として長く居続けると それだけいろんな事を忘れてしまい、それが故に 長く霊としてはいられない、居続けるのは良い事では無い…という点を示している。


で、各話のエピソードに そういうメインな話をそれぞれ設定しておきながら 実は全体の物語における布石を 流れの中に埋めてある。


例えば、隣室の暁子の存在 父一人娘一人の父子家庭に 母親として加入してくれると素敵だなぁ…という女性。


その女性が 朝晴が霊である事を隠そうと協力すればするほど 朝晴には欠かせない存在となり、雨も 暁子に対して いつしか母親に対する想いの様な仕草をし始める。


それが 急激に仲良くなるのではなく、一つ一つの場面の積み重ねの中で徐々に形成されていくから、視聴者には 形は変則的であっても


「この3人が家族として未来永劫、幸せに過ごせれば良いのに…」


という姿に どんどん比例して映っていく。


当然、「雨夢」は全10話のストーリーだから 終盤に近づくにつれ いろんな問題が生じ、それを解決し、そしてエンディングへと流れていくわけで いろんな意味で素晴らしいエンディングだったと感じさせて貰うためには 時には「え?」というサプライズも必要だし、「成る程なぁ…」という説得力も必要となる。


ゆえに、それらのアンサンブルが見事に奏でられるためには 冒頭から終始一貫したテーマや構成がきちんとされているか否かが鍵となるわけで…


いろいろと知人の話を聞いていると、この「雨夢」を 2話目か3話目で見るのを止めた人というのが結構おり、その理由が 今回の4話までの布石のうちで この「雨の実母はマリア」という部分に どういうオチをつけるのか?という点で 先に挙げた「2話目でバレバレじゃん…」と感じた人なんだな^^;


それに対して 私は「実に もったいない奴」と思う反面、「早々と物事を決めつけて考えてしまう安易な奴」と ほんの少し軽蔑もする。^^;


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第4話のゲスト幽霊は「山下徹大」で 彼は、わりと名の売れたジャズピアニストだったが、息子(中村俊太)が産まれて間も無く死に 以来、息子の傍で霊として見守り続けている。


しかしながら、霊である父親は息子に対して子離れが出来ておらず、息子も どこか独り立ちする気構えが出来ていない。


そんな関係を見た朝晴は 自分が雨の傍に居続ける事が 果たして本当に雨の為になるのか?… つい、反面教師的に物事を考えるようになる。


というのが、この4話の話のメインとすれば 全体の話の布石のひとつとして描かれたのが


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朝晴の母親、つまり雨の祖母である婆さんの登場。


最初見た時、この役者が誰か判らなかったのだが よ~く見ると沢田亜矢子だったのね^^;


何かがフッ切れた この婆ぁぶりは 本当に見事だ。^^


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「連絡が無いから 死んでるのかと思ったよ」


そう言って現れたかと思うと 帰りに、多分、生活に困ってるだろうと持って来た金を朝晴に渡す。


まさに、日本のおっ母さん… 久しぶりに、こういう母親像をドラマで見た思いがする。(ToT)


この婆さんは 後半に爺さんと共に 実に良い演技を見せるのだが、この4話での登場は その後半でかなりの起爆効果をもたらす布石となる。


と、同時に


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ベランダ越しの木村多江が 実に素敵だったなぁ。^^




で、この3話と4話が入っているDVD2巻には 


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上の様な特典映像が入っている。


この中で


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「柳ジョージ&野中マリア スペシャルライブ」


として挿入されているのは


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「雨に泣いてる」のデュエットが まるまる1曲入っている。


これが「柳ジョージ」と「杏子」それぞれの大ファンである私には 物凄く嬉しい特典となる。


この特典映像だけ入手する事を目的としたとしても DVDの代金は安いもの…


だから、私は そう思って「雨と夢のあとに」のDVDを全巻購入したのだ。^^


  (第5-6話に 続く)




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