● 僕たちの戦争
TBSのサイトによると… 『さとうきび畑の唄』、『広島・昭和20年8月6日』に次ぐ 戦争をテーマにしたスペシャルドラマの第3弾 『僕たちの戦争』 なのだそうだ…^^;
物語は冒頭に
現代を生きる フリーターの青年と
戦時中、海軍の飛行兵として訓練中の青年が
何かの理由で入れ替わってしまう…というところから始まる。
まぁ、こういう設定は 今井雅之の「ウィング・オブ・ゴッド」や 荒巻義雄の「紺碧の艦隊」を初めとして 珍しい設定では無い。
しかも、『さとうきび畑の唄』、『広島・昭和20年8月6日』に次ぐ… なんて、TBSが銘打つと もうそれだけで
「また、クソ番組かぁ…」
と、思ってた。^^;
しかし、「上野樹里」「内山理名」と ちと、御無沙汰の大好物を揃えられては 見ないわけにはいかない。^^;
で、見始めたわけだが…
結論から先に言えば 久しぶりにTBSにしては及第点の作品だった。
(とはいえ、百点満点中 60点から65点の かろうじて赤点ではありません…程度ではある。^^;)
「内山理名」は すっかり、落ち着きのある女優さんになったなぁ…
この上の画の遺影も「内山理名」なのか?は 疑問だが…^^;
「上野樹里」も 相変わらず、作品が変わる度に 違う女の子に見える。^^;
これが、彼女の魅力というか 演技力の高さの表れなんだろう。
ま、いずれにせよ 二人の魅力ある女優さんを 久しぶりに見れたのは実に有意義だった。
偶然ではあるが、数日前に「玉山鉄二」が主演した とある映画のDVDを見たばかりなのだが、あまりにも役の設定や人物像が違いすぎて 正直、驚いた。^^
その、とある映画については 近日中に あらためて語ろうと思っている。
で、書き忘れる前に触れておくと
この作品の主役は「森山未來」である。
彼を画面で見るのも 実に久しぶりなのであるが、ちと 思いの外、演技の成長の跡が感じられず残念に思った。
特に、演出家に恵まれなかったのか
妙に熱さとオーバーアクションを混同している様に感じ、残念だった。^^;
さて、この作品は TBSによると戦争ドラマなのだそうだ。^^;
だとすると…
こういった軍装の考証や
こういった爆撃機や艦船の考証には ちと、疑問を感じる部分が少々あるが、まぁ、細かい部分にケチをつけるのは止めておく。
で、今回 この作品において「お?」と 好感を抱いたシーンが
このシーンにおける「森山未來」の台詞
戦時中から現代にタイムスリップした青年が 現代の東京の街中の風景を目の当たりにして
「こんな…
こんな世の中を作るために…
散っていった英霊達は…
国を護る盾となって命を捨てていった あの尊い犠牲は…
こんな世の中を作るためだったのか!!」
と、ショックを受けて叫ぶ。
この部分は とても重要な部分で、いつものTBSが制作した戦争物には なかなか見られない内容の台詞であり、私は 常に個人的に それが欠けているのを不満に思っていた部分でもある。
そう、戦争に没した人々が 今の世の中を見たら「良い世の中になったね」 私には、そう言って貰えるとは思い難く、むしろ、この森山の台詞の様に憤るまであるとさえ感じている。
だからこそ、このシーンがあるだけで オマケして百点満点で80点ぐらいつけても良いかとさえ思っていたのだが…
最後の最後で「やっぱ、TBSかぁ…」と思える画があり、大幅に減点され60点ちょいとなる。
そのシーンとは
「正しい戦争なんて、どこにもありません。」
まさに、筑紫が言いそうな 実に綺麗な締め言葉だ。
けどね、この締め方に対して 私は二つの事を申し上げたい。
まず、ひとつめは 確かに、戦争は良くない だから、「戦争=悪」という図式もそれなりに理解する。
でも、太平洋戦争に突入した時の日本は 正義を問う為に戦争を始めた…という考えも少なく無かったのだ。
だから、「敗れた=悪だった」と 結果論だけで定義づけるのは、いい加減に辞めて欲しい。
と言うのは、「戦争=悪」という図式が いつのまにか「戦争で亡くなった方=不運」みたいな認識となり、「戦没した軍人=自業自得」みたいな構図に変化して「全て 戦争が正しくないからだ」みたいな論理の帰結をしようとすらしている様に感じてならないからだ。
つまり、戦争を否定しようとする考えが いつの間にか歴史を否定する考えになり、戦没者ごと否定してないか? そう、私は問いたいのだ。
そして、二つめに申し上げたいのは
「正しい戦争なんて、どこにもありません。」
そう言い切れるほど TBSは「正しい報道」を放送している放送局なのか?という事。
「我々は 正しい」
そう、傲ってないか?
なんか、そういう驕り高ぶった匂いが 戦前の国家指導者に相通じるモノすら感じ、本当にオマエ達(TBSや毎日、朝日新聞)が 偉そうに正しいって言えるのか? 甚だ不快感すら抱くのだ私は。
そういう私だって けっして「正しい」と言える人間では無い。
誰もが 常に自分は正しいか否か、自問自答しながら考え、発言し、他者の話に耳を傾ける。
にも関わらず、明らかに間違っても面子を優先させ 謝罪報道が出来ない輩を 誰も「常に正しい」なんて信じる事など出来ないのだと気づけない報道屋の傲りを まず反省してから出直せと言いたいな。
物語に関しては 「さとうきび…」や「広島…」に比べ かなりマシだったと思うけど、
現代にタイムスリップした方が 自分の墓を参り、
自分が死んだ時期と場所を知り そこへとやってくる。
そして、過去にタイムスリップした方は回天で… 現代にタイムスリップした方は海中で奇禍に遭遇し…
さて、海から上がってきたのは 現代・未来 どちらの男なんでしょう…
と、謎掛けを残したエンディング。
なんか「綺麗なエンドにしよう」と意識しすぎて空振った感が否めない^^;
上野樹里の演技が秀逸なので もう、どうでもよくなっちゃった感もあるが、ラストに近づけば近づくほど 失敗作と言われ無いように…という意識が強すぎ 少しでも作品のクォリテイを上げようという意識が薄い
ゆえに、TBSの戦争物にしては珍しく不愉快になる場面が少ない反面、いつも通りの「物足りなさ」はついてまわっているのが残念だが…
ま、ここは 良しとしてやろう…
そんな気持ちになった作品でもある、という事で^^;
