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2006年09月03日

● 雨と夢のあとに 第1-2話


結果論で申し訳無いが、「なんで 私はオンタイムでこのドラマを見なかったのだろう…」と 後悔しつつも、全く白紙の状態で DVDを一気に見れたのは幸運と言う他無いなぁ…という事。




正直言って、私は原作者の柳美里が大嫌いだ。


それは、彼女の著作を数冊だけだが読んだ事はあり、その読んだ著作に関しては 私としては可もなく不可も無い感想で とりたてて誉めるべき感動を得たわけでも、くさす程の不快感を抱いたわけでも無いが、彼女のエッセイやトーク番組、それに雑誌のインタビュー記事などは いつも不愉快にさせられる事が多いので 作品に対する評価という意味では無く 本人が好きになれない…という意味だ。


だから、「柳美里」が関係している(原作者)と知り その時点でスルーする事に決めた記憶はハッキリ覚えている。^^


それと このドラマが放映されていた2005年4月~6月期は


  ・「瑠璃の島」

  ・「あいくるしい」

  ・「義経」

  ・「タイガー&ドラゴン」

  ・「エンジン」

  ・「恋におちたら」


といったドラマが放映されていた時期でもあり、見ようとするドラマが多すぎて気がまわらなかった…という言い訳もある。


今回、この「雨と夢のあとに」のDVDを見るに至った経緯は色々とあるが どうでも良い話なので大半は割愛するが、ある人物が

「原作とは ずいぶんと違うストーリーになっているので 柳美里色は薄いと思う」

という感想を私に述べた事が大きな理由と言える。


それが本当なのか否かについては 今後、私は原作を読もうとは思っていないので言及する気は無く、従って「柳美里」「原作」に関するコメントを寄越されても対応する気は無い…と言う事も併せて この場で先に述べておきたい。




次に…


私は基本的に「TV朝日」というテレビ局が嫌いである。


その理由については 私が「右寄り」思想の持ち主である事と このテレビ局の社名との因果関係と言えば ある程度は御理解頂けると思う。


ゆえに、最近では 余程の理由が無い限り この局に我が家のテレビがチャンネルを合わせる事は限りなく少なく、興味を惹かれたドラマを見るのが関の山の状態。


だから、先に述べた様に原作者が大嫌いときては 見るはずが無かったと言える。


しかしながら、そんな私であっても ことドラマに関しては「良いモノは良い」と申し上げる事にしているわけで 過去にテレ朝系のドラマもいくつか「面白かった」と述べている事で その辺は御理解願いたい。


で、この「雨と夢のあとに」の ひとつの結論を先に申し上げると このドラマはDVDで 出来るだけ一気に見るべき。(しかも、二回見ろ…とも^^)


TVの再放送や録画したモノでは 本当の面白さが欠けている。


特に 全5枚のDVD それぞれに含まれている特典映像は 実に興味深く、まさに「特典映像」と言って良い作りになっている。


それぞれの特典映像の概要に関しては 記事で触れるので御参考になれば幸いである。




さて… 長い前置きで恐縮だったが…^^;


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この物語の主人公は

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桜井 雨 (黒川智花) 14歳の中学生で 母親は死んだと聞かされて 父娘二人で過ごしており、父親である桜井朝晴(沢村一樹)は あまり売れていないジャズベーシストで 蝶を採集するのが趣味。


物語の冒頭、台湾に幻の蝶と言われる「コウトウキシタアゲハ」を採集しようと一人で出かけた父親は

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運良く、採集に成功するが その直後、運悪く穴に落ち そのまま死亡してしまう。


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ところが、数日後 気づいてみると父親は自宅の自室でベースを弾いており…


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でも、朝起きて顔を洗っていると鏡には変な姿が映り…


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そんな時、隣りの部屋に住む 謎の女性:小柳暁子(木村多江)に話しかけられ


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「実は アナタは、もう死んでますよ」と、事実を告げられる。


つまり、父親は娘の事が気がかりで成仏できずに霊になってしまっており、隣人の暁子(木村多江)は 強い霊感の持ち主なので それが判ったのだそうだ。


で、このドラマの設定では 霊は「霊感の強い人」か「気持ちが結ばれている関係」であれば姿を見る事が出来、見える人(=話も出きるし触る事も出来る)と 見えない人(=当然話も出来ないし、触る事も出来ない)があるという。


特に娘の雨は 父親の姿が普通に見え会話も出来るので 父親が死んで霊になっている事に気づかない。


と、同時に 霊となった朝晴が雨の傍にいる副作用で 時々、他の霊まで姿が見えて話も出来てしまう様になったり、朝晴が他の霊を惹き付けてしまう。


その為、いろんな霊と関わりを持ち、いろんな話に巻き込まれる事になる。


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第1話では ゲスト幽霊として警官役の平田満が登場し、


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雨は つきまとわれた挙げ句、襲われる。


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しかし、警官(霊)は 雨や駆けつけた朝晴と話をしているうちに この世への未練が無くなり成仏する。




さてさて…

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この物語の主な人物相関は上の画の通り


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「ブラザートム(小柳トム)」は 朝晴の先輩でライブハウスを経営しており、朝晴の姿が見え 話も出来るが、その妻(美保純)は 朝晴の姿が見えず、話も出来ない。


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夫婦は主人公:雨や朝晴と家族同様の付き合いで…


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「もこみち」は トムと美保純の一人息子で浪人中 主人公:雨とは兄妹の様な恋人の様な そんな関係で朝晴の姿が見え、話も出来る


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さてさてさて…


このドラマの全部を見通した結果、とても素晴らしい作品だと思える理由はいくつもある。


全体のキャステイングが それぞれ、とても良いのは言うまでも無いが そんな中でも目を惹かれるのは「ブラザートム」と「木村多江」


「ブラザートム」については あらためて語りたい回があるので、その時にあらためて語る。


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「木村多江」については語りたい事が多すぎるので 毎回、語る事にするけれど^^;


このドラマの もう1人の主人公と言って良く、しかも 私が今までに見た「木村多江」の出演作の中でも トップクラスの演技を見せており、代表作のベスト3に入るものだと確信する。

( ホント、木村多江ヒャッホイの私が なんで今まで これ見てなかったんだろう… orz )




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第2話は


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朝晴は 雨の授業参観に行く。


しかし、朝晴の姿は雨にしか見えない…はずなのに


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朝晴は その教室で一人の女学生と出会う。


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彼女は5年前に 学校で事故死した霊。


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しかも、その霊は雨と仲良くなり 雨をトラブルに巻き込む。


この女学生が 第二話のゲスト幽霊「通山愛理」なのだそうだ。




さて、この第2話以降


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朝晴は 何かと暁子を相手に いろんな相談をし、悉く暁子に助けられる。


そんな中で見せる

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暁子の 細かい表情や仕草は 木村多江による 実に後々までの計算された秀逸な演技の極み それは単純に流して見ただけでは多分、多くの人は気づけないと思われるが、2回見直すと「くわぁ…」と その細やかさの一部は気づけると思うので どうか、再見してみて頂きたい。


それと… この回より

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各話において 上の画のようにベランダ越しに 朝晴と暁子の会話のシーンがある。


コレが実に 全話を通してのストーリーの中で意味深いものとなる。




さて、この第2話では ラストにライブハウスのシーンがあり


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「柳ジョージ(本人)」が「青い瞳のステラ」を唄うシーンがある。


実は 私は「柳ジョージとレイニーウッド」の大ファンで…


もうね、これだけで涙が出るほど嬉しかったんだ。

( でもね、第3話では もっと涙が出たけどね(ToT) )




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この「雨と夢のあとに」第1話と第2話が入ったDVD第1巻の特典映像は 上の画の通り。


この中で「必見!未公開シーン」として挿入されているシーンは 実に興味深い。


というのは、通常の「未公開シーン」の多くは 放送時間、つまり尺の関係でカットされたモノが殆どだが、この「雨夢」の場合 脚本上では存在していたが、いざ撮影して編集の段階になり、後々のネタバレとなりそう… そういう理由でカットされたんだろうなぁ…という風に理解出来るシーンが多い。


つまり、好意的解釈で言えば それだけ、編集段階で神経を配っていた表れであり 後々への 全体を見通したドラマ構成が この初期の段階で、相当綿密にプロットされていた事が判る。


で、調べてみると この1話と2話の演出を担当した麻生学は「ケイゾク(主演:中谷美紀)」で堤幸彦の下で働いており、結構 ホラー系の作品を手がけている事が判った。


ゆえに、堤幸彦と どのような人間関係かは判らないけど、演出手法 特に伏線の張り方に似た雰囲気というかこだわりが感じられる。


しかも、DVD化の際に 未公開シーンを特典に入れるなどのサービス精神は同様と言えるだろう。




と言うわけで 感想だが…


第1話は 物語の導入部として人物相関や 全体の設定を示す事に完璧に成功している。


で、特筆すべきは この全10話を2人の脚本家が担当しているのだが、二人とも 基本は舞台演劇の脚本を書いてきた人物で TV的にはあまり馴染みが無い。


そのぶん、新鮮さがある事と 1話完結のスタイルでありながら、全10話の構成をきちんと踏まえて 後の回の伏線がきちんと張ってある。


つい最近、3話分とも思えるエピソードを 一つの回に押し込んで全部を中途半端な薄っぺらいストーリーの回を 恥ずかし気も無くタレ流し、純愛でござい…なんて宣うクソドラマを かの野島伸司の「あいくるしい」以来、久しぶりに見たばかりなので 実に清々しく、スッキリと この「雨夢」でさせて貰った。^^;


で、この「雨夢」が私を惹き付けるキモのひとつは 何故、父親(朝晴)が霊になって戻ってきたのか?という部分の理由付け。


それは、愛娘をひとり遺していく事が気がかり、つまりそれだけ、娘を愛し、行く末を案じたが故…という部分。


その心情の表し方、それぞれの役者達の演技、そして台詞 何もかもが説得力があって秀逸なのだ。


しかも、隣人の暁子の存在は ともすれば不自然に映りかねないのだが、それをそう感じさせない説得力が やはり、台詞や演技で補われている。


主人公:雨は 母親を知らずに14歳まで成長し 今回、暁子という存在と出会う。


そこには母や姉に対する思慕の様な情も醸し出され それを表す黒川智花の演技は良い。


しかも、それを引き出しているのは 木村多江の なんとも形容の出来ない演技力の賜だ。


で、第1話のゲスト幽霊の成仏に至る過程は 第1話としての冒頭部分としては充分なさりげなさで 第2話における 女学生の霊が、何故 この世に執着し、嘆き悲しむのか?という部分の説得力も充分。


その上で 母親との誤解や それを解く雨の存在、そして成仏へと辿るストーリーは 単品としても充分なクォリティがある。


この記事の冒頭で私は



結果論で申し訳無いが、「なんで 私はオンタイムでこのドラマを見なかったのだろう…」と 後悔しつつも、全く白紙の状態で DVDを一気に見れたのは幸運と言う他無いなぁ…という事。



と、述べたが オンタイム時にスルーしてしまったのは不覚というか、とても残念。


でも、今回 それも今のタイミングで 白紙の状態で一気見出来たのは、逆に幸運だった。


客観的に考えて オンタイム時に、クダラナイCMで飛び飛びになった映像を1週おきに見てたら この感動も薄かった様な気がするし、この作品のDVDは 即・発注したぐらい 私にとっては愛蔵品と成り得る作品だからだ。


主題歌も実に雰囲気があって良いし、最終回まで見通して判ったけど オープニングのタイトルバックが 全10話それぞれ微妙に違う凝り方なのだ。


何故、どの様に変えたのか?については 個別には判らない部分もあるけれど、全体的には 成る程なぁ…と 比較して初めて楽しめる。^^


つまり、いろんなところに「仕掛け」が施されている。


こういうドラマは きっと制作者達も楽しんで作ったのだろう…という事が容易に感じられるし、そういう作品だからこそクォリテイの高さもハンパじゃなく、じっくりと腰を据えて見る価値もあるし楽しめる。


ホント、なんで今まで気づかなかったんだろうなぁ…^^;


  (第3-4話に 続く)




お駄賃

 気が向いたら…で結構です。^^;

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コメント

こんにちわブタネコさん
驚きました、
以前柳美里が嫌いだとおっしゃてたので、あまり強くは勧めなかったんですが
私は木村多江、黒川智花がでてるということで、観てみたんですが、
>代表作のベスト3に入るものだと確信
激しく同意^^
正直前半部分はこんなもんかなという感じですが、中盤から後半特に最終回は涙がとまらなくなりました
私の場合は、父目線というよりも娘(子供側)のほうに感情移入してしまうんですが・・
>このドラマはDVDで 出来るだけ一気に見るべき
私もオンタイムではなくDVDで一気に観たんですが、雨と朝晴と暁子それぞれの想いが伝わってくる
のはやっぱり一気に観たほうが私もいいと思います^^
>ホント、なんで今まで気づかなかったんだろうなぁ…^^;
よかった~ブタネコさんならこの良さをわかって貰えるのにと思っていたんで
この記事観たときは少し興奮してしまいました^^
記事楽しみにしてます^^

★ K さん

最近、見たTVドラマの中で もしかしたら久しぶりに脚本で惹き付けられた作品に感じました。

もちろん大好物の木村多江も輝いているし、他の役者達も それぞれ良い味を出しているし…

ま、感想は記事に… って事で^^

【※注意!!】

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