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2006年09月02日

● 鉄道員


映画「鉄道員」を語ってみる。




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1999年公開の作品。


私は この映画の原作者である「浅田次郎」の小説は好きだった。


だった…と過去で述べるのは 今が「嫌い」という意味では無く、最近の浅田の本にあまり魅力を感じられない…という程度の意味で まだ嫌いになったわけじゃ無い。


で、浅田次郎の作品や作風の転機となったのは この「鉄道員」で直木賞を取った事も大きいのだろうし、「鉄道員」が話題になったが故に 浅田の本を読み始めた人が圧倒的に多いけど、実際には その前作である「蒼穹の昴」あたりから 昭和初期の中国や日本を舞台にした作品や 侍モノを書き続けている。


私が 浅田を好きだったのは 彼の初期の作である「きんぴか」とか「プリズンホテル」のシリーズであり、自らの経験を活かした「歩兵の本領」だったと思っている。


昔、お笑い芸人だった人が 歳を取っていくうちに いつのまにか文化人として天下国家を語る… そんな嫌らしさが 今の浅田に漂い始めたような気がして どうも、最近は隙になれないのだ。^^;




さて、世の人々は 映画「鉄道員」を名作だ…と評す人が多い。


私は 悪くない作品とは思うけど「素晴らしい」と誉めるべき作品か?には疑問を感じる。


変な言い方で悪いけど 映画の場合、


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「高倉健」が主人公を演じ、相変わらずの「不器用ですから」路線を演じ、それがハマっただけの事。


私が映画より前に原作を読んだ時に感じたイメージで言えば 主人公は「高倉健」というイメージでは無く、むしろ「大滝秀治」の様な頑固爺ぃの感が強かった。


で、映画化の際に 主演「高倉健」となったので 全体のイメージを いつもの健さん雰囲気に合わせて脚本化した… そんな感が否めない。


だから、健さん映画…って見方で見れば とりあえず、入場料ぶんの値はあり、満足すべき出来とは思うが、作品として素晴らしいか否か?と問われれば「なんだかなぁ」と応える。


結局、嫁や娘よりも 職務に忠実でありすぎた男がくたばった時に見たファンタジー… そんな感じにしか思えなかったのだ。


特に 原作の方に強く感じた事なのだが、この物語の舞台となっている北海道の地方の寒村を きちんと取材して書いたのか? そこに道産子の一人として 甚だ疑問を感じる。


いちいち原作の引用などしないが、浅田が原作内で書いている会話文において 北海道弁のつもりで書いているのは判らなくも無いが、ハッキリ言って 北海道弁では無い。


映画では だいぶマシになっていたのが救いではあるけれど、でも 何かがおかしい。


例えば…


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「道立の高校の制服は まだこれが多いんです」


という広末の台詞があるが…


「嘘だ!!!」


と、申し上げておく。(私は制服フェチでもあるからね^^;)


なんか、微妙な部分に沢山の手抜きが感じられ ザラザラした不愉快感がつきまとう。




が、そんな不満を述べたくて 今回、この「鉄道員」の記事を書こうと思ったのでは無いので本題に入る。


最近、「安藤政信」に関して いくつか「ヒャッホイ」記事を掲示したところ


「安藤って そんなに、まともな作品に出てないじゃん」


という御批判のメールを頂戴した。


ま、全体の文意から その方はある俳優のファンで 安藤政信と 自分がファンのその俳優との個人的比較論を延々とメール内で述べられているので ホントだったら取りあわずにスルーしたいところなのだが…


ま、安藤政信の出演作のひとつでもあるし、メールを寄越した様な手合いは この「鉄道員」なんて映画は案外「良い映画で泣けました」なんて言う輩が多いので「じゃ、アンタが誉める作品に安藤が出てたの気づいているか?」という意味で取り上げた次第。^^;


この映画での安藤政信は


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駅前の食堂の倅で イタリアにコックとして修行に行き 今度、新しくレストランを開店しようとしている若者…という設定


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ながら見では どこにでもいそうな兄ちゃんなので 安藤政信とは気づきにくい。


けどね、「どこにでもいそう」という感じで風景に馴染んでしまうのは 良い役者の証のひとつだと私は思う。


これが主役とかであれば 逆に風景に溶け込んじゃうのも良し悪しだけど、この作品の設定では 目立たず、でもさりげなく重要な印象を観客に与えるために 自然に溶け込んだ演技による効果の方が実は大きいのだ。


ゆえに、ラスト間近で 亡くなった駅長(高倉健)の棺を 吉岡秀隆と列車に積み込むシーンでは


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恩義のある人物の棺に対する 何とも言えない真摯な姿が滲んで秀逸。


当たり前と言えば それまでだが、こういう細かいところまで気を配っての演技を誉めて何が悪い?と 言っておく。


なかなかね、こういう部分を丁寧に演じてない役者の方が(それをキチンとチェックしてない制作者も含めて)多いからこそ、私は キチンと誉めておきたい… ただそれだけの事なのだ。


いずれにせよ、この「鉄道員」における「安藤政信」は 鰻丼における山椒の様に ピリッと利いてて 良い演技だったと思う。


それ以外に関しては 「健さん あいかわらず、渋いね」ってことぐらいで その他はどうでもいい。^^;




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コメント

わたしもブタネコさん同様、映画版の「鉄道員」は駄目でしたね。浅田次郎の原作も好きですし、高倉健も好きなんですが、この映画を観ている間、ずーっと居心地の悪さを感じていました。

私としては、「鉄道員」に関しては、ながやす巧の、マンガ版がお勧めです。精緻で繊細なタッチで描いていますので、浅田次郎の原作の雰囲気を一番、うまく伝えています。文庫版には、ラブ・レターも収録されていますので、浅田フリークなら必携かと思います。 。この人にはできれば、「メトロに乗って」も描いて欲しかった。

そういえば、戦国自衛隊も、原作版を一番うまく伝えているのはマンガ版でしたね。

★ 訳者 さん

>ながやす功のマンガ

ええ、実は私も そのマンガを読んだ事があり、御意見に賛成です。

思うに 私の場合は、高倉健の嫁役の女優にアレルギー体質なので それだけで大幅減点なんですけどね^^;

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