● 嘆きのホンカン
倉本聰が描いた「うちのホンカン」シリーズ全6話の第3話で1976年7月11日の放送。
駐在地は前回と同じ「北海道千歳市支笏湖温泉」
資料の「あらすじ」を引用すると…
爽やかな初夏の風が湖面を渡る6月…。
ホンカンはシーズンを向かえた観光客とチップ釣りの規制に追われる毎日だが、
どうやらホンカンの娘に恋人ができたらしい。
ところがその相手を知ってホンカンはなぜか絶対反対の態度を示す…
って書かれているが…
今回の話は 警察内での「剣道大会」と「娘の縁談」
ホンカンは若い頃から剣道の腕前を誇っていたが 寄る年波には勝てず、自分でも衰えを感じてはいたが、「まだまだ若い者には負けん」という気概と 若い頃からのライバルとの対戦を楽しみに 日々、稽古を続けていた。
近々、行われる対抗戦でも署の代表選手の一人に選ばれると思い込んでいたところ 自分が選考から漏れていると 娘と嫁の会話から盗み聞きショックを受けるが…
訪ねてきた友人(中条静夫)から 自分のライバルが妻を癌で亡くし、心のはりを失って80kあった身体が60kgに痩せ細るぐらい落ち込み 警察を退職したと聞いたり…
自分を選考から外したのは
自分よりはるかに歳下の若いエリート課長で…
その課長が実は 娘の交際相手で 結婚の承諾を得に訪れる。
娘を溺愛する頑固親父でありながら、警察という組織の中で上司に当たる人間を相手に苦悩するホンカン。
しかも、相手は若造で 自分を代表選考から外した人物でもあり、心中は複雑。
ホンカンは 正式に代表漏れを受ける前に「自分の年齢を考慮し、後進に途を譲る」と代表を辞退、選考から外した事を弁解する 若い課長に
「老いた男を労るのは、時に辱めるのと同じ」
と、言い放つ。
第1話から第2話 そして、この第3話へと 作品のクォリテイがドンドン上がるかの如き出来だった。
娘役の「仁科明子」が また、実に良く…
倉本聰のドラマには 大滝修治が「典型的な頑固親父」として登場する事が多い。
ある人は それをマンネリだと言うけれど… 私は そう思わない。
かつて、どこにでも生息していた 昭和の典型的な頑固親父は いまや、その多くが失われ、絶滅に瀕しており 数多の役者達の中でも これほど典型的な頑固親父を演じきれる役者は多くは無い。
私は 過去に実際に出会った「頑固親父」達を 今ではこよなく理解出来るし、愛すべき存在、尊敬すべき存在として 自らも、そうありたいと思っている。
その姿を今でも見せてくれるのは この大滝修治だけと言っても過言では無いと思うからだ。
